【赤】 “観測者” 処暑「 欲しい物……うーん…… 本当に、お礼なんて要らないんですが…… 」 [ 申し出には首を傾げて迷う彼がいただろう。>>2:*100 本当に、雪兎を“蛍”にしてくれた、とそれだけで充分すぎるのだから。 ] 「 ……それじゃあ、冬至さんのお話を聞かせてくれませんか? 辛いこととか、悩んでいることとか、言えないこととか、 僕を頼ってもらえれば嬉しいです 冬至さんから見れば頼りないかもしれないですが…… 僕も“灯守り”ですから 」 [ 「ね、ゆきさん」と、名前を知っていたらそう呼んで。 ゆっくりと彼女の正面へと回り、彼は穏やかに笑い掛けた。 あれ?これはお礼になってないですか?と彼が気づくのかは……冬至の彼女の返答に依るだろうけれど。 きっとその時も、僕の我儘な“お願い”です、と主張するのだろう。 ] (*97) 2022/01/24(Mon) 20:55:09 |