【赤】 “観測者” 処暑[ 彼女が彼を頼ったかはともかくとして、 その苦言は、その“お願い事”にも掛かっていたのかもしれない。>>2:*102 ] 「 ……分かっては、いるつもりなんですけど 」 [ 言われた彼は、痛いところを突かれた、とばかりに苦笑するだろう。 分かっているつもりで本当に分かっていないということまで、彼には自覚がある。 ] 「 ごめんなさい、ご心配をお掛けしてますね ……気を付けます 」 [ 小柄な身体の頭に手を置いて撫でようとする。 自戒を伴った言葉。自分の姿を見て、彼女は余計に思うこともあるのだろう、と。 しかし彼は、民を目の前にすればそれに寄り添おうとしたし――そうして、悲劇は繰り返す。 彼女に、幸せを願われていることも、知らぬまま。>>2:*101 * ] (*98) 2022/01/24(Mon) 20:56:18 |