ランダム機能


ユーザ登録




人狼物語 三日月国

74 五月うさぎのカーテンコール


【赤】 店員 イウダ

[スマホを見ていても、耳は衣擦れをしっかり拾っていて、期待は高まるばかり。
着替え終わったのを教えられて、振り返った。>>*139

濃い紫に白い大輪の華が咲いている。
ところどころには黄色も入っていて、華のような、夜空に咲く花火のような柄だと思った。
腰の中心には白い帯が入って全体の印象を引き締めている。

くるりと回るはしゃいだ姿を見て、思わず目元が綻んだ。]


 すげー綺麗……。


[ゆるく纏められた髪の下、晒された白いうなじを見ていると、先程吸うのを我慢して良かったなと思う。
彼女はいつも「可愛い」けれど、浴衣姿を見て最初に思ったのは、「綺麗」という言葉だった。

卯田は普段人の容姿についてコメントを求められたら「似合ってる」という単語を使う。
本人が好きで選んだものならば全然似合わないことはないだろうし、「似合う」という評価には自分の主観の色は強く出ないから。
恋人以外には変に期待させずに済むし、恋人には欲目だと思われずに済む。

だが思った瞬間に言葉にしてしまう程、紫亜の浴衣姿は「綺麗」だった。]
(*148) 2021/05/22(Sat) 14:50:22