【赤】 オリト シア[アラームが鳴っても暫くは離れがたいまま、時は過ぎていく。 襖の向こうで朝食の用意に来た仲居さんの声に応える彼にしがみついて、漏れそうになる声を必死に押し殺して背中に赤い筋を残した。 お風呂は部屋の露天風呂しか入れなくなってしまったけれど。 ゆっくりと二人でお湯に浸かるのも悪くはない。 「お背中流しましょうか?」なんて広い背中を泡だらけにして。 自分で付けてしまった彼の背中の痕に気づいて赤面したりもした。 ごろごろしながら見た料理写真の中には、今回出てきた旅館料理の他にも、彼の同僚たちが作った料理も沢山保存されていて、自然とSASANKAの話になる。 彼らの話をする基依さんを眺めながら、本当に好きなんだなぁと再認識して。 楽しそうに話す彼を見て表情が緩んだ。] (*310) 2021/05/26(Wed) 10:57:05 |