【念】 灯屋 レイ―――聞こえた言葉に、ぴくりと眉を動かした。 「……」 何かがあったのか。何かが起きそうなのか。 それとも、そのような事も『当たり前』だと平然と語れる環境にいたのか。 ヘルは、知らない。 「 しませんよ 」だからすぐに出たのは否定だ。 「構いません。私は貴方を信頼すると決めました。 私は貴方に望みをゆるせるようになって欲しいと願いました。 ならば私は、私も、貴方の行いをゆるします。 失敗なんていくらでもすればいい。誰だってするんですから、次は失敗しないように考えればいい。 どうすれば良いかわからないならば、私も一緒に考えましょう。 ヘルがガルムを見限る事は、ありません」 そう言い切るぐらいの情は、既にあるのだ。 (!1) sym 2021/12/12(Sun) 22:43:16 |