【念】 世良健人[時雨より先に目が覚めた時。 精を吐き出した自身が彼から抜けられてしまうのが。 酷く名残惜しかった。 そっと時雨を起こさないように起きだして。 時雨を見て愕然とした。 腕や肩にくっきりと残る赤黒い指の形の痣。 首筋の周りの歯型。 全て自分が行った暴行の痕だと言うのに。 彼に残る自分の痕跡に酷く興奮する自分も感じていた。 冷蔵庫から水とゼリー飲料を取り出すと、ベッドサイドに並べた。スマホでアラームを設定する。 それからありったけのバスタオルと衣服をもってきて。 もう何度か作り上げた彼のための巣を作った。 そうして時雨の隣に潜り込むと。 もう一度抱き締めて。彼の中に自身を埋めた。 ここが自分の居る場所だと。強く。強く感じた。] (!103) 2024/07/14(Sun) 14:37:02 |