「どうしても、行ってしまわれるのですか、お兄さまがた」
喜ばしいことだと解っていても、口調に寂しさが滲んでしまう。
4人の天使は、振り返り、妹のように可愛がっていた後輩の天使に向けて微笑んだ。
「神からは、よく勤めを全うしたと、お赦しを頂いた」
「私たちは輪廻転生の輪に加わり、再び地上での生を謳歌することにした」
「寂しがることはない。魂は巡り、必ずまた会えるのだから」
「あなたもよく神に仕え、励みなさい」
尊敬する4人の兄たちとの、最後の挨拶。
ああ、彼らは、生まれ変わっても、立派に美しく生きるのだろう――。