人狼物語 三日月国


227 【身内RP】une jeune sorcière【R18】

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視点:


【憑】 虹色カンタビレ サアヤ


「──、痛っ。」
 
 
それはまるで夢から覚めたようだった。
響く男の声。先ほどの精霊のものだろう。
たった今、誓いのような口づけをしたばかりだというのに。
けれどボクはそんな状態にも冷静だった。
髪掴まれて痛みに眉を寄せたけど、次にはスウ…と、勝ち誇る相手に目を細める。
 
 
「そっか…、随分と君、信頼されてたんだ?
 結構甘いんだなベアトリスも。
 …ボクにこんなことしてくれてるくらいだしね。」
 
 
キュ、と意識的に焔のそれを締め付ける。
甘く感じるだろうか。
心地よく感じるだろうか。
ボクは口元に弧を描いて──。
 
(8) master 2023/10/25(Wed) 19:18:05

【憑】 虹色カンタビレ サアヤ

 
「嘲笑わせるな、三下。」

 
 
瞬間的に魔力を展開させる。
現れた魔具はボクの周囲を囲う円形の鍵盤。
それは、ボクとベアトリスの体の周囲を巡って展開されて、簡単には逃さない。
 
逃してやらない。
鍵盤を叩く。奏でる。音楽を魔法に変える!
咥え込んだものをキツくキツく締め上げながら、ボクの奥の方へと圧をかけるように。
精霊と交わって子供を成す?
──上等、
お前の魔力全て、精霊としての存在全てを呑み込み受け入れて産み直してやるよ!

 
 
「人間を舐めるな、今まで奴らに力を貸していた癖に!
 その運命も翻弄してきたくせに!
 争いに加担してきた癖に!」
 
 
指先は止まらない。お前を飲み込むまで止めてやらない。
ベアトリスが自我を取り戻すまで。
 
(9) master 2023/10/25(Wed) 19:18:29

【憑】 虹色カンタビレ サアヤ

 
「返せ、返せ、全部返せ!
 お前が僕たちを馬鹿にすることは許さない!
 ぜったい、許さない!」
 
 
ボロボロ涙をこぼしながら。
ボクは、ベアトリスからこいつを──!**
 
(10) master 2023/10/25(Wed) 19:18:48

【憑】 虹色カンタビレ サアヤ


体の内側が焼けるように熱い。
もしかしたら本当に灼かれているのかな?
ははっ、超必死じゃん、ウケる。
痛みを気にするな。弾け、奏でろ、吸い尽くせ!
本当に熱さがなかったわけじゃ無い。
痛みを感じなかったわけじゃ無い。
それ以上の怒りがボクを染め上げていただけだ。
ボクをあの子みたいに孕ませようとするなんて。
ベアトリスを依代として使うなんて!
嫌いな奴の子供なんて産みたいわけないだろう。
妻になって喜ぶはずがないだろう。
結局お前らも魔物と似たようなもんじゃないか。
かつての古代の静謐さを喪った、欲に塗れた精霊もどき!
 
 
「ははっ…、よか、…っ。」
 
 
情けない叫びをあげて、力を失うあいつとこちらに倒れ込んでくるベアトリス。
ぜえはあと荒い呼吸すら苦しくて、それでもボクは笑ったよ。
でも、下半身は血まみれ──じゃなくて焼けてジクジク傷んでいて。
お腹が苦しい。くそ、焔の化身なんて取り込むんじゃなかった、熱くて熱くて仕方がないじゃん。
全身に滲む脂汗。苦しくて眉を顰めて呻いてしまう。こんな姿見せたいわけじゃないんだ。
 
(20) master 2023/10/25(Wed) 22:29:00

【憑】 虹色カンタビレ サアヤ

 
「ベアトリス、ごめ、こんな事なるなんて、
 ボク、思ってなかったから…。
 でも大丈夫、ボク、あいつ信用してないから、
 ボクが乗っ取られることは、無いよ…?」
 
 
ふーっ、ふーっ、と痛みを逃すために息を長く吐き出した。
焼きついてるだけじゃなくて、ボクのお腹は本当にはらんでしまったように膨らんでてさ。
 
 
「だから褒めて、ベアトリス。
 …姫様に、怪我も治して、もらって…。」
 
 
意識が途切れそうだけど、そんな自分を奮い立たせて意識を保つ。
姫様。姫様に会えばなんとか。
──ああ、そんな時。
 
(21) master 2023/10/25(Wed) 22:29:27

【憑】 虹色カンタビレ サアヤ

 
おとが、きこえた。
なかまのおと。ボクの仲間の。
だからぼくはそれに応えるように。
 
鍵盤をポーン…と叩いたんだ。**
  
(22) master 2023/10/25(Wed) 22:30:02

【憑】 虹色カンタビレ サアヤ

 
みんなの音が聞こえ始める。
ボクは喉を湿らせ魔力を整え始める。
か細い声でも、共に唄えるように。
たとえこの命潰えても、ボクがボクらしく、生きていけたと誇れるように。
 
(30) master 2023/10/25(Wed) 23:09:24

【憑】 虹色カンタビレ サアヤ

 
裏切りも 憎しみも 過ちも

迫り来る 絶望の 暗闇も

共にある世界の中で少しでも

希望の光がさしたなら

 
(34) master 2023/10/25(Wed) 23:15:40

【憑】 虹色カンタビレ サアヤ

 
「ボクに名前をつけてよ、ベアトリス。
 ──ボクの存在を、確定させて。
 君との間に絆を頂戴。」**

 
(45) master 2023/10/26(Thu) 13:25:20

【憑】 虹色カンタビレ サアヤ

 
「エスポワ。ボクの名前はエスポワ!
 良い響きだね、ボクは希望の篝火!」

 
 
名前を得られて、ボクは上機嫌!
身体に纏う焔が勢いよく噴き出て、キャラキャラ笑いながら宙返りをした。
そこにある姿は、サアヤと瓜二つまで成長した姿。
けど、焔を纏い胸元には虹色に輝く宝石が嵌っている。
イーリスとは違う。けど、ボクの力の源。
焔を意識的に消して、パチンと指を鳴らす。
そうするとほら、学生の方のサアヤの姿にだってなれるんだ。
 
(50) master 2023/10/26(Thu) 21:50:31

【憑】 虹色カンタビレ サアヤ

 
「──エスポワとして生まれ変わってきたよ。
 人にも精霊にも囚われないボクだし
 自分のために生きていくけどさ。

 ボクは、君と絆をつくった。
 人としても精霊としても
 営みに馴染めないボクだけど
 ベアトリス、君は、
 ──ボクを大事にしてくれる?」*
 
(51) master 2023/10/26(Thu) 21:51:43

【憑】 虹色カンタビレ サアヤ

 
「えへ。嬉しいや…♡」

 
 
泣きながらボクを抱きしめて額にキスしてくれるから、ちょっと照れちゃうな。
柔らかい胸で挟まれると心地よい。
背伸びして口付けして、ボクからも腕を伸ばす。
ぎゅっと抱きつきながら長めに唇を合わせたけど──、ちょっといちゃつきたかったけど、今ばかりはそうもいかない。
ボクは分かっていたからね。
何があったのか。何が起きているのか。
イーリスを通じてさ。
 
 
「うん。イーリスが発動した。
 精霊たちが反乱を起こして
 イーリスを使って人間たちを滅ぼそうとしたから
 サアヤと姫様が精霊たちに呼びかけたんだ。
 ボクもそれに応えた。
 共に奏で歌を捧げる形でね。
 それに──イーリスが応えた。
 だから今は精霊たちは落ち着きを取り戻してる。」

 
 
だけど。その代償もある、とボクは眉を顰めた。
 
(61) master 2023/10/27(Fri) 6:54:50

【憑】 虹色カンタビレ サアヤ

 
「ユスターシュは君の弟だったのか。
 ユスターシュの記憶は姫様の治癒の力で
 ほぼ戻っているよ。精霊の反乱の前にね。
 でも、姫様の願いによって負傷者も癒されたけど
 姫様はその記憶を全て塗り替えられた。
 こちらの世界としての姫宮千秋として。

 リッコーリスは…今瀕死の状態だ。
 死にゆく恋人を助けようとして
 自分の命を引き換えに…と言うところを
 姫様の癒しで一命を取り留めた。
 命はなんとかなるだろう。」

 
 
イーリスを通じて情報を得られるみたいだね。精霊もどきになったから?
人の姿になると見えなくなるけど、宝石がはまっていた位置に手を添えて確認しながら淡々と情報を告げる。
リッコーリスに対して冷たい?
まあ、命があるから良いじゃん…みたいなのはお互い様だよね。
 
(62) master 2023/10/27(Fri) 6:55:37

【憑】 虹色カンタビレ サアヤ

 
「ボクも。一命を取り留めたのは姫様のおかげ。
 でも、あいつを何とかしてやりたいって。
 君を返せって願ったからだね。
 ボク自身は人とも精霊とも違う存在になった。
 でもこれも悪くないと思ってるよ。
 
 ──イーリスは何もなしに願いを叶える訳じゃない。
 かつての愚王が人の心を捻じ曲げた結果
 相手の魂が砕けたみたいに。」

 
 
ボクはベアトリスの手を取った。
そして微笑みかける。
 
 
「──行こっか。」

 
 
そのつぶやきを最後に。
ぱしゅん、とボクたちは魔力でかき消え、その場から移動した。**
 
(63) master 2023/10/27(Fri) 6:56:58