/*
祠から村に戻るまで、にしておきましょう！

シキ君を継続的にどうこうする、というよりは
印からも祠という空間からも隠すことで無理やり印に干渉して引っ剥がせるようにするための物、といった感じですので。
極短時間に効果を制限する代わりに本来干渉できない上位の儀式に対抗するとかそういうのアツくないですか……(メチャクチャ早口)

｢もう一度もらった機会。今度はどうするのかな。｣

/*
ご復活おめでとう...また仲良くできるね
蘇り後の書生君がお過ごしになりやすいよう､
祠でのことは全部覚えているとも､部分の記憶を眩ませてあげるとも
忘れ屋という体で都合に調整してもいいから
うまく使っとくれ。

爛れた暗闇へと己を誘う狼の声。

それに掻きだされるようにして
青年の曖昧な開かれた口元からは
幾度と無く、跳ねるような喘ぎが転び落ちる。



――傷だらけの躰を持つ、この男の成すことが、
ただの慈悲や戯れで無いことは知っている。


それなら尚、この男との茹る熱気の中で
与えられる快楽を、己が身へと宿してしまえば。



縛れるような刺激が細い背筋を迸る。
躰を寄せ合い、触れ合う感触は
遂に、青年の理性へとも撫で往く――

/*

ぐずぐずとシキを苛めれば、
男の腹奥にも熱が宿り、外へ出たいと訴える。

果てて溢れた熱で濡れた箇所に
男の熱が触れ合えば、
確かにそれはシキの痴態に反応している事が分かる。



「は……、く………ッ」

掠れた喘ぎ声が、男の口から零れる。

じっとりと汗で湿る互いを抱き、
押し付けるようにして擦り付けて、
時折手で二人を扱き、印を甘噛みし、高めていく。


強引さを用いれば、弱い己はあっけなく拒絶される。
故に、ゆっくりと、彼を熔かしていく。

音を立てて、声を奏でて互いを重ね合えば
幾度も高みへと昇らんとする青年の感覚が
汗ばむ細い躰を揺らし、あなたを抱く。

込み上げる熱に抗う意志は無く
最早、自身の乱れる様を忘れように
青年は、ただあなたの行為に溶けるばかりで。

「う、っ…………っ」

細く呆けた目線で、あなたの名を小さく呼ぶ。
溺れ往く意識の中で、あなたの海の色を離さぬようにと
震える顔を寄せて、息を絶やして――



刻まれた印に染み込む"それ"は
やがて、青年の僅かに残った心のしこりを
突き崩していくことだろう。

「ッぁ、は、……っ、あ……っ！」

男もまた、熱に溺れていく。
抱かれて傷痕に響く痛みすら、今は快いと。
名を呼ばれれば、譫言のように呼び返す。
シキ、、と、舌足らずに。

水音と嬌声が互いに響く。
爛れた獣の胎の一部となっていく。



やがて訪れる男の僅かな絶頂に、
青年の青白い肌が、汚される。

追うようにべろりと印を舐め上げて顔を上げ、
最早理性を無くしただろう青年へと問う。

「は……君はのままが良いか…？
　それとも…になるか…？」

行為は止まらず。

――共に吐き出される熱の感触。

互いの名を囁く中で放たれたそれは
ひどく熱の籠った粘り気に溢れたもので。

「……は……はっ…」

ぼんやりと、虚ろな目付きで躰を見つめる。
止まぬ熱、互いの息に混ざる味は
享楽の海に沈みきった青年を、更なる深みへと。



問われる。

を間近で聞き取る。
罪悪感が背を這い上がり、、と返事を返す。




夜色の髪を撫で、
口付けを落とし、そう告げる。

脱ぎ捨てた服から一つ、小さな軟膏の容器を取り出す。



薬を指に絡め、出された白濁を混ぜるよう、
青年の自身へ塗りたくり、
ぬめりのまま、その下へ、下へ。



そちらに気を取られれば、
ゆっくりと、繋がるための箇所へ、
後孔へ、まずは小指が入り込もうと。

「うふふ、シキ、おかえり。
シキが呼んだのは僕のこと？」

「……ッ…」

あなたの声が聞こえれば
青年は目を見開き、顔を強張らせる。

「五十鈴……相変わらずだな……」

その口調に、当初の物腰柔らかさは無い。

「……"君じゃない"と言ったら傷付くか？」

されど、青年の物言いは棘を持ったままに。

「うん、傷つくなぁ〜〜〜？？」

わざとらしい節回し。

「……シキ、軟膏あげようか？
どーせ、お尻痛いでしょ？？」

にやにや、にやにや。

自身と相反するかのような、暗闇の中に在って
その姿を凛と輝かせるあなたの色を見つめ
青年は、あなたの口付けに小さく頷く。





……そうして。



青年のそれは、あなたの小さな形を
徐々に、徐々に受け入れていくだろう。

「っ……ふざけるなよ……」

吐き出す言葉の重みは、あなたを突き放すようで
しかし必要以上の毒を持たすぬようにと
どこか抑え気のある、複雑なものだった。

「……君だって、いつか"そうなる"んだ。
　望んでるんだろ、君は"それ"を
　あの暗い処にいる化け物たちの……」

あなたの笑みに青年は小さく呟いた。

「うん、そう。

……僕は、
神狼を殺して、僕が新しい神になる。
生贄のいらない島を作る。

でももし僕が失敗した時のために……
血を繋ぎたいから、僕を孕ませてくれるか僕の子を孕んでくれる人は探してるよ」

落ち着いた声色で、大真面目であることが伝わるだろうか。

と。
言い聞かせる男の声にも艶が生まれていて。

侵入した指をぐるりと回し、
徐々に広げてやり、指を変え、繰り返す。
滑らかさを求めて、空いた手で彼の自身を扱く。

快楽に溺れてしまえと、何も考えなくて良いと。




耳に響く嬌声と水音の中、
そう告げやると、男はずるりと下肢へと下がり、
青年の熱を口へと含んでやる。

そうして、後孔の指が増え、

あなたの指が青年の内を弄る度に
深く喉を鳴らして響く小さな声が
どろりと、重みをもって口から溢れだす。

「っあ、うぁ……く、ぅ……ッ」

苦しそうに呻く青年の肉体は
それでもしっかりと、慣れぬ感触を
感じ得ようと身を捩り続ける。



自然と紡がれた返事……解かれきった己の理性は
ただ、目の前の快楽を呑み込むことを望むばかりで。

「そん、な……っ……」

"そんなことなど在り得ない"と。
そう呟こうと震えた己の唇は
刹那、己の内を満たす昏い海の底へと堕ち往く。

その声の色は、青年があなたの佇まいに感じていた
"狂えるもの"とは違う、確固たる意志を垣間見る。

「子々孫々、この村が消えてなくなるまで……」

まるで、あなたの弁に注釈するかのようなそれ。
無意識に転び出たそれを噤めば、別の言葉を。

「……この島から出られるかは分からない。
　ましてや、この"印"がある間は……」

諦め深い念が、その言葉を彩っていた。

じゅるりと音を立てて熱から滴る涎を呑み下す。
塗りたくった薬も摂取するのも厭わない。
それで、己もまた熱を煽られる。

どろどろに快楽に熔けて、深く深く沈んでいく。

後孔の快い所を捉えれば、
ぐじゅりと３本指を挿れたままに、
指の腹でバラバラに擦り始めた。

自身へ迫る熱ではない、強烈な快楽を。
"女"にされてしまうような悶えを。



そうして達してしまえとばかり、
自身を強く強く、吸い上げた。

ビクリと、青年の背が跳ね上がる。
手慣れきった激しい様に翻弄される肉体は
全身を以てその快感を味わうばかり。

腹の内でうごめく指が、狭い感触を貪る。
強く撫で付けられるれば、その度に
汗の滴る顔が、だらしの無い表情に染められる。



曝け出された剥き出しの感覚で全身を揺らす青年の
声を絶やさぬその口は、だらりと快楽に蕩けきる。

なるべく海眼を閉じずにいたが、
流石に咥内に精が放たれると、
眼をきつく閉じて、じゅるると嚥下する。

慣れたモノではないが、知らぬモノでもない。

ふは、と唇を自身から放し、快楽で締め付けられる指を蠢かせ、
後ろの熱をずっと煽りつけながら、
顔を上げて口付けしそうなほどに近づく。

先程に、その口で散々に青年を苛めていたのに。





青年を貫こうとする杭が、
果てたばかりの熱に擦りつけられる。

「だからそれごと壊そうっていうんじゃないか。

”シキ”なら僕が”どういう立場”か解るでしょ？
僕は崇拝派じゃない。

……ふふっ、僕は本気だよ」