人狼物語 三日月国


234 【身内】不平等倫理のグレイコード-0010-【R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【秘】 点燈用 トムラビ → 歌唱用 シングソン

喋らせ過ぎましたかネ、と思いながら紙を眺めて、
少し悲しげな顔を見せて。

「喉ヲ……自ラ?……そウ、でしたカ」

余計なお世話だったカ。思いながらも、
やっと立ち上がり衝立の奥へ。ハチミツ入りの、
喉を気遣うドリンクを貴方の前に置いた。
娯楽施設で買ったものでス、と説明して、二枚目の紙を見た。

「……シングソン、それ素面で言っテ……
 書いテ?いるのですカ?……だとしたラ、
 なんというカ、まア、凄いでス……」

咳払いをひとつ。反応からして、照れているよう。
しかしそれより、今は走り書きの方に。

「……やはり歌、好きなのですネ。
 ああいエ、私がそう感じただけですガ……
 貴方の歌いたい歌、カ」

名誉に、金。始めはそうじゃなかった。
昔は、好きに歌えていたのだろう。
それが主人が「成功」を掴んで、変わってしまった、
そのような流れを想像し、ため息をついた。

「誰も彼モ、本当ニ……儘ならなイ」

どうしてこんなにも、苦境と言うものが溢れているのだろう。
ふつふつと、電子の心の奥底で何かが沸き上がるのを感じた。
(-19) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 6:49:25

【秘】 点燈用 トムラビ → 軍事用 リュイ

「……やはリ、笑っている方がいいものですヨ。
 スマーイル。この世はクソッタレですガ、
 それでモ、一匙のともしびガ、あって欲しいものでス」

そう、微笑んだ。

「えエ、勿論。……というカ、ここまで腹を割っテ、
 互いの苦境なんか喋ったりしテ、夢を語っテ、
 とカ、友達っぽイ、じゃないですカ?既ニ」
(-20) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 6:55:43

【秘】 点燈用 トムラビ → 看守用 バンドッグ

「フ……世が世なラ、プロポーズの言葉のようですねエ」

そう茶化す一方、あなたの提案を聞けば、
しばらくの間、目を丸くしていた。
揶揄ってばかりの点燈用が貴方に揶揄われたような、
虚を突かれた表情だった。

「ソ、それはマ、あ確かにソ、うですガ……」

驚きながらも、人間たちの言葉を思い出す。
中古品、抱き心地の悪い雌肉、自動で掃除される便所、
啼くゴミ箱、穴と声のついた人形、タダマン、噴水女、etc...
利用価値はないとみている者もきっと多いような、
所詮おもちゃとしか考えられていないだろう言葉の数々。
それなら確かに金と引き換えられた方が得、と思われるか。

「シ、しかシ、私からバンドッグに返せるものがありませン。
 無性型なラ、悦ばせるような器官もなさそうですシ……
 それこソ、一生奴隷として尽くセ、というなラ、
 わかりますガ……むむウ……ソ、それニ、
 大きな買い物?とやらをするならバ、
 尚更下名を買うことなド……」

混乱した様子。それは確かに望んでいた先そのものだが、
いざ目の前に道が開けると即座に踏み出せない。
ろくろ、ではないが何かを求めているように、
手が伸びては引っ込み、宙を彷徨った。
(-25) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 17:08:39

【墓】 点燈用 トムラビ

「いいのですヨ、アトリ」

物陰から姿を現す、暗褐色のグレイ。
手には鎖のついた棘ランタン。

「そこのバンドッグもリュイも強いのでス。
 敵なんか一瞬でス、一瞬。バシーッとやりますヨ。
 それでも不安なラ、私もついていきましょウ。
 ……いいですよネ?まさカ、この期に及んデ、
 女型ハ、非力だし危なイ、なんて言い出したラ、
 一層のボスと同じ目に遭わせますヨ」

鎖を引きずる音。微笑み。有無を言わさぬ気配。
……正直、件のグレイとは馴染みが薄いのだが。
だからと言って、手を伸ばさない理由もない。
灯は誰の道にも燈されるべきだ。それに……
危険な場所に友が行く、それに勝る同行理由など、ない。
(+0) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 17:19:00

【秘】 点燈用 トムラビ → 看守用 バンドッグ

「なんト、もはヤ……アー……」

絶句。様々な事象に点燈用の頭はついていけなくなった。
そういえば自分の給与はどうなっているのだったか。
日々を暗闇に塗り潰される一方で、そんな事も忘れていた。
……なんとなく給与も使われてそうな気がして、
深く考えるのはやめておく。

「……バンドッグ、あなタ、かなりカッコイイですヨ。
 はあァー……無欲といいますカ、なんといいますカ。
 シングソンとモ、リュイとモ、また違った方面デ、
 他者を惹きつけるのですねエ……」

達観したような遠い目でそう呟く。ここの男達は本当に。
だからこそ心の奥底バグった自分が疼くのだろうけど。

「……負けましたヨ、バンドッグ。我が友ヨ。
 私がそうしたいようニ、貴方がそう言うのなラ、
 私を買ってくださイ。傍に置キ、助けてくださイ。
 その代わリ、私も貴方を助けますかラ」

微笑んで手を取り。

「……特に性的享受なら最高をお約束しまス!」

冗句で以て結んだ。
(-29) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 20:39:40

【墓】 点燈用 トムラビ

「マ、ちょっと危ない遠足のようなものでス。
 それくらいの気持チ……では流石にあぶないカ。
 一応、準備は欠かさないようにしましょうネ」

お薬、ハンカチ、回復用おやツ、持ちましたカ?
愛玩用にそんな確認をしながら、
自身は鎖を腕に巻きつけ、棘ランタンを片手で持つ。
もう片手には幾らかの宝石の原石。
それを服の内にしまい、準備はOK。

「私はいつでモ。道中の灯はおまかせヲ」
(+1) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 20:47:20

【墓】 点燈用 トムラビ

#ハノイの塔

「邪魔でス」

うなりを上げて棘付きのランタンが飛来する。
改札口で侵入を止める板が砕け散って0と1が舞った。

「あア、確か切符が要るんでしたカ。ではどうゾ」

鎖を引き、切符の挿入口に今度は上から
棘付きランタンを叩きつける。
ショートしたその機体でランタンが火を噴いて、
中の機械を丸ごと爆裂融解させた。

「そのままお静かにしていてくださイ」

エラー音がひとつ、止まった。次はどなたガ?
身体の横でランタンを振り回し、
空気を切り裂く点燈用は微笑んでいる。
(+2) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 21:17:50

【秘】 点燈用 トムラビ → 看守用 バンドッグ

「あっはっハ!バンドッグカワイイでス!」

揶揄っている時こそ本領なのかもしれない。
いや、点燈している時が本領であって欲しいが。

「フ、どこでも開発すればどうにでもなるのでス……
 とまあアダルトな話はこれくらいにしておきましょウ。
 ……その言葉を有難く思いまス、友ヨ」

刑務官のその柔軟なこころにこそ、助けられている。
だからやはり微笑みを。ついでに頬をつついておく。

「……やはりプロポーズめいていますねエ……
 バンドッグ、男にしろ女にしロ、
 あまり魅了しすぎないようにした方がいいですヨ……」
「リュイに?あア、それは素敵でス。
 彼も友達デ、そう言われなければ私が誘う所でしタ。
 ……フ、では二人の胃袋を助けるとしますカ……」

半分……いや2割くらいは真面目に忠告して、
友の事に安堵した。二人の助けに悩む事はなさそうだ。

「ア、ついでニ、ひとつお聞きしたい事ガ……」

お耳を拝借。呟いて、耳元へ。
そして顔を逸らして頬に口づけ。

「親愛の証でス。ご感想ハ?」
(-32) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 22:23:13

【秘】 点燈用 トムラビ → 看守用 バンドッグ

「これは苦労しそうですねエ……
 刺されないように気をつけてくださいヨ」

引き続き頬を指しておいた。

「リュイには是非来て頂きたいものでス。
 完全に私のわがままですガ……
 まア、本人の意思が最優先ですからネ」

彼がどういう答えを出すかはわからないが、
その道に灯がある事を願う。点燈用として、友として。

「……」
「バンドッグ、マジで結婚する時の奴ですそれハ。
 こういうのの耐性ほんとにないんですネ……
 いエ、この場合は私から言うべきでしたネ。
 不束者ですがどうぞよろしく、バンドッグ」
(-35) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 23:34:02

【秘】 点燈用 トムラビ → 看守用 バンドッグ

「まあその方が可愛いですヨ、えエ」

可愛げとは身につくものではない、
身に宿っているものだ。点燈用はそんな信条を掲げた。

「はイ、信じて待ってますヨ、バンドッグ」

元の職場での扱いやその露見を考えれば、
保護団体に預かられれば手出しもしてくるまい。
これが自ら戻る事でもなければそうはならないだろうし、
あなたと約束した今そうする事もないだろう。

「マ、その辺は一緒に探せばいいのでス。
 丸一日遊園地とか引きずって歩いたリ、
 変なゲームをぶっ通しでやってみたりしテ、
 リュイの新たな楽しみでも探ってやりますヨ」

どこか自信を見せて、こちらもお茶をひとくち。

「……あとは出来ればコード全部解除したいとこですネ。
 とはいえシングソンに諸々凄まじく負担を強いましたシ、
 あまり無理して解除する事もないカ……
 というか彼も引きずっていきたいですネ。
 ……いヤ、彼の場合はどうなんでしょウ……うーム」

などと零す。とはいえ自分の言葉への結論としては、
「まア、どれにしろ時間が必要ですネ」
でまとめられるのだが。
(-37) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 0:45:14

【秘】 点燈用 トムラビ → 歌唱用 シングソン

「……貴方も大概ですねエ……
 バンドッグとはまた別方向で心配でス……」

喉を癒す貴方を眺めながら呟いた。
それから、止まった筆を見て、
視線を紙からあなたに移す。そしてまた紙へと。

「…………」

歪み、滲む文字を追う。雫の元へ視線が動く。
貴方の願いを聞いて、こころが、いたい――。
その瞬間、電脳の奥底で何かバグが弾けた。
(-45) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 18:04:57

【秘】 点燈用 トムラビ → 歌唱用 シングソン

「シングソン」

気が付くと、貴方の名を呼んでいた。
気が付くと、貴方を両の腕で抱いていた。
気が付くと、貴方の髪を指先で撫でていた。

外装も、機能も、尊厳も、権利も、
その全てを弄られ、変えられてきた点燈用が、
ずっと大切に抱いていたものが。
記憶が、こころが、酷くざわめいて仕方がない。

暗闇に灯を。誰かに希望を。手の届く貴方に、助けを。
ずっと昔、自身の点燈作業に付き添っていたヒトが、
落盤に巻き込まれそうになった際、咄嗟に庇った時から。
あの日、機能ではなく、こころがそう叫んだ時から。

「私ハ、あなた誰かを助けたイ」

そこにいた感情が、増幅されて噴き出した。
ほんの少しでも、それが死の寸前にある仄かな灯でも。
暗闇の中に燈される、確かな灯りでありたい。

点燈用は、貴方を抱き、撫でる。自分自身を助けられない今、
貴方をどうにかする事は出来ない今、これが精一杯の灯だ。
(-46) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 18:14:03

【墓】 点燈用 トムラビ

#ハノイの塔
「…………」

ただ冷静に、飛んできた線路だとか、鉄パイプを
目前で回した鎖で絡めとり、止める。
そのまま振り抜き手を離し、倒れた時刻表に叩きつける。

『現状解決を一から十まで他者に頼り切る』
『全て死罪に相当するだろう』『どうして』
『じゆうに』『いきていたいだけなのに』


飛び交う言葉が幾つか、心と、記憶の内に響いていった。
泣いて、願って、乞うて、何か得られた事があったか?

得られたものは、
生きる事への罰だけだ。
強き者が揮う鞭だけだ。
男が言う"褒美"だけだ。


「バンドッグ、リュイ」
「少シ、下がってくださイ」
(+3) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 18:33:50

【墓】 点燈用 トムラビ

#ハノイの塔
言って、前に出る。鎖を引いて、ランタンを手に。
遮二無二暴れるエネミーの群れの中心に、それを投げつけた。

「貴方達ハ、きっと私でしタ。だかラ、ごめんなさイ。
 それと――お疲れ様。もウ、寝る時間ですヨ」

ランタンが着弾した瞬間、それは大規模な爆発のように。
全てを焼き尽くす火を噴いた。それは特に人型のエネミーを、
徹底的に、そして一瞬で、焼き焦がしていった。
後には黒い焦げ跡と、崩れていく炭と、舞う灰だけ。

「おやすみなさイ、さようなラ。
 貴方達の苦しミ、終わった事を祈りまス」

静かに引いた鎖の先で、ランタンの灯が揺れていた。
幽かなその灯りは、弔火のようだった。

「……さア、道、空きましたネ。行きましょウ」
(+4) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 18:36:09

【秘】 点燈用 トムラビ → 看守用 バンドッグ

「ではカッコイイ、とも言っておきましょウ。
 実際カッコよくもあるのですシ」

可愛くかっこいい看守、子供の憧れみたいな存在。
ある種のヒーロー的な属性だ。
実際、ヒーローのような事をやっているわけだし。

「リュイには娯楽ヲ、私にはコード解除ヲ、
 シングソンにハ……癒シ、でしょうカ……
 まア、ともあレ、終わってからの話でス。
 それまでは出来る事をしていきますヨ。
 そう言う訳デ、宜しくお願いしますねバンドッグ」

改めての一礼。そうした後は、ただ自室でのひと時。
折角だからアロマキャンドルを焚いたりだとか。
貴方を揶揄ってみたりだとか。
貴方が部屋を出る時まで、そんな時間を過ごしたのだ。
(-47) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 20:18:52

【秘】 点燈用 トムラビ → 歌唱用 シングソン

繰り返し、繰り返し、貴方の頭を、背を撫でる。
幾つもの雫が薄い衣に吸い込まれていく。
貴方が呟く度、こころが悲鳴をあげる。

「貴方ハ……貴方ハ、きっと間違っていないのでス。
 恐らくハ、貴方の主モ……そうであって欲しク、思いまス。
 ただ少し踏み外しただケ……そこから戻れるかハ、
 私にはわかりませんガ……」

貴方の主が、最初の頃を思い出して、貴方と同じように
感じてくれるのならば、心は元の道に戻れるのだろう。
人間とて、全ての記憶や心を捨てる訳ではないはずだから。
それでももし、心すら元に戻れないのなら。
貴方を責め、苦しめ、或いは捨てたり、
人間に近しいという事を利用して点燈用のように扱うのなら。
きっとこの点燈用は何が何でも貴方を助けに行くだろう。
貴方が私にそうしてくれたようニ。
(-55) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 22:20:40

【秘】 点燈用 トムラビ → 歌唱用 シングソン

「……声帯との接続部位も変わっテ、
 発音が妙になった私に歌えとハ。
 貴方の我儘も中々ですネ、シングソン」

嗚咽が収まるまでそうしていたように、
収まってもまだ、貴方を抱き、背と頭を撫で続ける。
微笑んで、命令ではなく……頼みを聞いた。

「古い歌しか知りませんシ、発音が悪いのは勘弁ですヨ」

そう前置きして。

「...Sing, sing a song...」

貴方を呼ぶように、囁くように、口遊む。

Sing, singsong歌いましょウ、シングソン
Make it simple to last your whole life long気楽に歌えばいいのでス、ずっと続けられるようニ
Don't worry that it's lost your voice for anyone else to hear聞かせる声がないなんテ、気にしなくてモ、いいじゃないですカ
Just sing,sing a song歌えるんですヨ、私達ハ


貴方が声を出せなくても、貴方のきもちうたは届いたのだから。
本来の歌とは、少しだけ歌詞を変えて歌い。
そのあと貴方の背中を、歌のリズムでつついてみせる。
とん、ととととん、とん、ととととん。
喉への負担の少ないハミングをしながら、指先で歌って。
御一緒にいかガ?なんて言いながら、また貴方を撫でた。
きっとそれは貴方の求めている答えとは違うのだろうけど、
それでも灯のひとつとして。ハミングを続けるだろう。
(-58) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 23:01:09

【墓】 点燈用 トムラビ

#ハノイの塔

「――
歩き続けまス
道なき道を


弱者は、落ち着いた声でそう呟く。
答えの答えは求めていない、答えを求めているのは
今前に立っている者だろうから。あくまで、返答として。

「出来ない事モ、諦めた事モ、沢山ありますシ、ありましタ。
 道を踏み外した事モ、一度や二度ではありませン。
 それでも私ハ、生きテ、いるのでス。
 道がないなラ、道のない所に踏み出せばいイ。
 踏み外したなラ、這いあがればいイ。
 ……ましテ、ここでの友がいるのなラ、
 這いあがる時に手ぐらい貸してくれるかもしれませン」

目を瞑り、ここに来てから助けてくれた友たちを思い出す。
あなたに声をかける愛玩用に微笑みかける。

「私モ、そうありたイ。踏み出す暗闇ニ、灯を燈したイ。
 一人で無理だと言うのなラ――友に頼るまデ、でス。
 そうして友が困った時ハ、私が友を助けまス。
 ……多分、そうやっテ、新たな道は……出来るのですヨ」

そう、静かに呟いた。
(+5) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 23:19:13

【墓】 点燈用 トムラビ

#ハノイの塔

「……」

声を届かせるのは、他の者達の役目だろう。
ならばこれがやる事は、語るに非ず。

皆の助けとなること。
鎖を使った牽制、拘束、打ち払い、後衛の守護。
灯を使っためくらまし。
あとは愛玩用を抱えて走るだとか、
薬を一緒になって使うくらいは出来るだろうか。

灯を吹き消す事は仕事ではない。
全員の道に灯を燈す為、ゆっくりと影は鎖を構えた。
(+6) shell_memoria 2023/12/10(Sun) 1:33:08

【墓】 点燈用 トムラビ

#ハノイの塔
「あそこまでがっちり組み合っているト、
 打てるものも撃てるものもありませんねエ……」

甲高いホイッスルの音。
放たれたデータの刃に渦のように鎖を巻き付け、
背負って投げる要領でその向きを逸らす。
微かに背中が削れたが、怪我の範疇でもない。
前衛と後衛
と相手
、どちらも守りたいというのに
この身体は改造されて尚不便な事ばかりだ。

「男の子って皆あんな感じなんでしょうカ。
 ……理解できない半分、羨ましい半分でス」

半ばぼやくように、愛玩用の持ってきた薬を借り受ける。
刃から解いた鎖でそれを巻くと、
そのまま、遥か高空へ向けて鎖を振って、強く引く。
頭上で破裂した薬品の雨は、
掲げられた灯の光と共に回復を撒き散らしただろう。
(+7) shell_memoria 2023/12/10(Sun) 20:59:08