人狼物語 三日月国


203 三月うさぎの不思議なテーブル

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視点:


役者 セロ が参加しました。

【人】 役者 セロ


 この見た目がコンプレックスだった。人と違う髪と目の色。
 この声が好きじゃなかった。周りの子よりも低い声。
 好きな格好をしているだけで、男みたいと言われた。

 「セロは綺麗な声をしているね」
 オーマはそういって私の頭を撫でてくれた。それが嬉しかった。
 ”声優”という職業を知ったときは、これだと思った。
 顔を出さなくても良い、声を使える仕事。

 まあ、そんな都合のいいものではなかったのだけれど。**
(124) yatadayo 2023/03/01(Wed) 21:25:16
役者 セロ は、メモを貼った。
(a32) yatadayo 2023/03/01(Wed) 21:26:59

【人】 役者 セロ

 「しゃしんしゅう……」
 「いますぐにってわけじゃない。まだ学生だからね。ただ、君の容姿だったら今後そういう仕事をやっていくのもいいと思うんだよね」
 「いやです。絶対いやですやりません!!!」

 引き留める声を無視して逃げるように事務所を飛び出す。
 
 本当は舞台だって嫌だった。でも、「演技の幅が広がる」といわれればやるしかないだろう。
 この見た目がコンプレックスであることは知っているはずなのに。
 
 写真集なんて……そんな恐ろしいこと……!!

 走って、走って、息が切れて立ち止まる。
 呼吸を整えるために深呼吸すると、いい匂いがしてくることに気が付く。顔をあげた先、道の向こうに『Madam March Hare』はあった。
 
(178) yatadayo 2023/03/01(Wed) 23:18:06

【人】 役者 セロ

 店先のうさぎに誘われるようにドアを開けると、シンプルだけれども可愛らしい店内に心を奪われる。
 店員に促されるままに席に座り、メニューに目を通す。
 
 お昼、まだだったな……。
 定番らしいパスタセットは量も味も抜群で、そのあたたかな美味しさに荒波のような心が凪いでゆく。
 零れる涙は料理がおいしいからだ。人目も憚らず泣きながらパスタを平らげ食後のデザートが運ばれてくるころには、すっかり機嫌は治ってしまった。

 そんなことがあってから数年、事務所の帰り、仕事に行く前、休みの日、ことあるごとにその店へいくようになった。
 お店のことは事務所にも、担当しているラジオ番組でも言ったことはない。至福のひと時を邪魔されたくはなかった。
 役者として憧れの人や>>25、夢中になって応援していたあの人>>10を見かけたときには心臓が止まるかと思ったけれども。
 
 (声をかけてもいいのかな、でもプライベートできてるんだし……。)

 はたして声をかける勇気はあっただろうか。メニューを見るふりをして、こっそり見ていただけかもしれない。**
(179) yatadayo 2023/03/01(Wed) 23:18:24
役者 セロ は、メモを貼った。
(a39) yatadayo 2023/03/01(Wed) 23:23:09

【人】 役者 セロ

 朝10時からの収録が押しに押してやっと終わった頃には、お昼を回っていた。
 うなる腹を宥めながら訪れたのはいつもの場所。

 木製のドアを開けた先は、いつもより賑わっていた。
 (まあ、日曜のお昼だしね。)

 カウンター……は人が多いので、二人掛けの席に腰を下ろす。隣の人と目が合うようなら、軽く会釈をするだろうか。>>167
 高野とレイラを認めて内心ガッツポーズする。今日はついている。

 今日は何にしようか。

 メニューを取ろうとして、見覚えのある男性に気が付く。>>0:45
 (たしか、事務所の先輩の彼氏……だった人)

 一度だけ軽く挨拶をした程度だが、先輩からその後の話しを聞いておりなんとなく覚えていた。向こうは覚えていないだろうけど。
 先客たちの賑やかな声を聞きながら、メニューに目を通す。

 「ボロネーゼ、カルボナーラ、ボロネーゼ……うーーん」
 
 散々迷って結局注文したのは、
 「すみません、ボロネーゼとカルボナーラお願いします」

 どっちも食べてしまえばいいのだ。*
(381) yatadayo 2023/03/02(Thu) 19:34:36

【人】 役者 セロ

 「どちらも通常の量でお願いします」>>387>>388
 迷うならどちらも、だ。
 飲み物は温かい紅茶を。デザートはどうしよう、なんて気の早いことを考えていることは、流石にいまは言えなかった。

 (まずはパスタを楽しまないとね)**
(416) yatadayo 2023/03/02(Thu) 21:25:16

【人】 役者 セロ

 彼女がホールにいるということは、やっぱり今日は混んでいるのだろう。>>402
 ツユリん、なんて可愛いあだ名はここでしか呼ばれない。実は結構気に入っているのだ。
(437) yatadayo 2023/03/02(Thu) 22:33:14

【人】 役者 セロ

 店長さんのカルボナーラ!?やったー!!>>425
 
 今日は本当にツイている日だ。
 このお店の料理は誰が作ってもとっても美味しい。それは間違いない。それでも、普段あまり表にでてこない彼女の作る料理は、なんだか特別感があるのだ。

 ベーコンの旨味がたっぷりのカルボナーラは濃厚でありながらくどさはない。チーズと卵のソースをたっぷり絡めて頬張れば、口の中いっぱいに幸せが広がる。>>425
 ミートボール入りのボロネーゼはお肉の旨味がぎゅっとつまって食べる手が止まらない。
 ストレートで入れてもらった紅茶はすっきりと飲みやすい。料理に合わせて茶葉を変えているのだろうか?
 グルメでないセロには残念ながら細かな違いはわからないが、この店の味が好きだった。*
(438) yatadayo 2023/03/02(Thu) 22:38:04
役者 セロ は、メモを貼った。
(a67) yatadayo 2023/03/02(Thu) 22:40:47

【人】 役者 セロ

 〜回想:いつかの夜〜

 「ぎゃーーー!!!」

 携帯を握りしめて叫ぶ私の姿に、マネージャーが何事かと振り向く。

 「高野さんが……!」

 言い終わらないうちに、マネージャーはいつものことかと呆れた顔で前に向きなおる。
 仕事帰り、マネージャーの運転する車の後部座席で聞いていた、いつもの番組。>>0:203
 そこで発表された新情報。>>0:206
 どうしよう、どうしよう!お便り送らなきゃ!また高野さんの演技が見られるなんて!

 興奮する私を適当にあしらいながら、青信号で車が発進する。
 
 動いて喋る彼はたまに見ている。なんなら食べる姿を。
 しかし、お芝居をする彼は久しく見ていなかった。これが興奮せずにいられるだろうか。
 何をお願いしようか。あれもみたい、これもやってほしい。願いはとめどなく溢れてくる。夜中の仕事の疲れなんてふっとんでしまうくらい、嬉しかった。**
(447) yatadayo 2023/03/02(Thu) 23:04:33