人狼物語 三日月国


246 幾星霜のメモワール

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視点:


【人】 番犬 グノウ

>>3:8 ダーレン
「……貴殿も、あの男も」
「…………随分と買いかぶってくれるな……」
「………戦場においては、鉄塊に過ぎん」

この胸の内には機構と空洞があるだけで、探って愉しい腸もないというのに。あの男のように、小話の一つでも振れる小器用さが自分にもあれば、飴の貰い手にも困らぬまい。それを阻害するのは、何より胸の内にある虚栄心に外ならないが。

「……あれは……」
「………未だ、俺も計りかねている」
「……だが、我々の運命を左右するモノであるように思う」
「………何か分かれば、貴殿にも共有しよう」

可能な限り、祝祭について調べているのも事実で。そしてそれが若干手詰まりになっていることも事実だ。そもそも。隣で紫煙を吐く青年がそれほど興味を引くものでもないことは予測がつく。その刻印が光るとき、互いに何を覚悟すればいいものか、未だ分からない我々にとっては、それは吐き出す紫煙よりも曖昧なものだ。

ニ、三、言葉を交わして、別れの挨拶すらも曖昧に別れた。また、道が重なるときに、別の形で運命が交わるだろうことを思いながら。
(10) reji2323 2024/02/06(Tue) 2:08:50