人狼物語 三日月国


246 幾星霜のメモワール

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視点:


【独】 聖女 リッカ

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というわけで、最終日にはwhoはありません!!!
1日目にゴチャ……した結果の調整を行うためです!
本当は1日目に暗殺されるはずだった波魔ちゃん……
ここまでおつかれさま ありがとう!
(-0) oO832mk 2024/02/11(Sun) 21:02:20

【独】 聖女 リッカ

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2人のロールが嬉しくなっちゃったな。
そう、光ったら嬉しい、光らなかったら残念。
そういうルールなの!
だから光った人たち、喜んでくれるわよね?(むくなひとみ)
(-1) oO832mk 2024/02/11(Sun) 21:59:01

【秘】 聖女 リッカ → 寡黙 エミール


聖女はいつでも、どこにでもいる。
それがこの世界の創造者―――またの名を、女神。

けれどその姿を見せることはない。
現れるならば夢の中。
それが、聖女の意思だから。


だからこのときも女神像が微笑むばかり。
ステンドグラスを通して、晴天の日差しがきらきらと、あなたのもとへ舞い降りる。

(-12) oO832mk 2024/02/12(Mon) 16:59:58

【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ


小さく華奢な子どもの身体。
これが日頃通りならば、するりとあなたはただ手を搔いただけ。
聖女に触れることは、叶わない。
それも、また。聖女が、そう望んでいたあかし。

 
それは、傷つくことを避けた結果であり、
惜しむことを恐れた結果でもあった。

何年も、何十年も、何百年もこうしてきた中、
経てきた経験が、聖女を、そうたらしめていたのだけれども。


(-23) oO832mk 2024/02/12(Mon) 23:36:10

【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ


夜空に冷えた頬に、そんな手が触れている。
それが直後には、あなたの腕が伸びてきて―――空を掻くこともなく、抱き竦められれば。
驚きに開いた目の色は、晴れた冬の寒空と同じ淡い蒼。

……思いも、していなかったのだ。
だからそのまま、暫し言葉も失って。


 ( ……――― )


確かめるみたいに、ぎゅうと抱き締められたまま。
濡れる肩が冷たいだなんて思うよりずっと先に、あなたの体温ぬくもりを肌が感じている。

――――――何年、何十年、何百年ぶりの、それは。
記憶の中のものよりずっと。 ……ずっと。

(-24) oO832mk 2024/02/12(Mon) 23:38:56

【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ


その腕の中で見上げる形になった空には
満天の星が煌めいている。
冬の綺麗な星座たちが瞬いている。

あなたの声を聴きながら、
それを見つめる瞳で瞬きをひとつ、ふたつ。
じわり、じわりと気付けばその星空が歪み滲んでゆく。
でも。そんなことにも、すぐには気付くことができなくて。


「 …… う ん 、ファリエ 」



笑顔をつくろうと。いつものようにつくろうと、
そう目を細めるとつうとあたたかいものが頬を伝った。

それで、ようやく気付いたのだ。
何が頬を伝ったのかとか、
笑顔をつくる必要なんて、もうなくなってしまったのだとか。

(-25) oO832mk 2024/02/12(Mon) 23:40:21

【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ



「 わたしも ファリエ も 」
「 ここに … この世界にいるわ 」
震う、声がいう。


「 うそでも ゆめでも なくって 」
「 まぼろしでも なくって 」


   「 だから 」



      「 … っ 、だから… っ 」
はたはたと落ちる滴が、
そうしてあなたの衣服に染みを作って。

(-26) oO832mk 2024/02/12(Mon) 23:41:27

【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ



「 わたし も ――― 」



「 … わたしも もう 」
   「 ひとりじゃ、ない のね … ? 」


くしゃりと。
突き合わせた顔に浮かべた笑みは、いつもの無邪気そうなそれではなくて。
形容するなら、きっと、"しあわせそう"な。そんな、心からのもの。

意識せずとも持ち上げた白い腕があなたの背へと回ってゆく。
ここにいることを、そこに在ることを確かめるみたいに、
でもあなたとはさかしまに、ただ触れるだけみたいな恐る恐るの抱擁を。
そうしてもう一度だけあなたの身体に頬を寄せ、また少しだけ染みを増やして。

(-27) oO832mk 2024/02/12(Mon) 23:43:08

【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ



見上げて滲んだ、冬の満天の星空よりも、
自分を映すあなたの瞳の方が、ずっとずっと綺麗に煌めき、
そして身近に感じられている。

そんな、本当に些細なことが嬉しくて。
手に入れることなんて、ないはずのものだと思っていたから。



 
「 ――― ファリエ 」

「 … だいすきよ 、だいすき 」




零すように、そう呟いた。
そうしておんなじようにしあわせそうに、笑っていた。

(-28) oO832mk 2024/02/12(Mon) 23:44:06

【秘】 聖女 リッカ → 寡黙 エミール


女神像は沈黙している。
しん、と冬の冷えた空気にただあなたの声だけが響いている。

―――否。


 「 …… 」



女神像の後ろに、白いワンピースの裾。
けれどその姿はあなたには見えない。
そのように聖女が望むから。


 
「 だいじょうぶ 」
   「 ぜんぶ 夢に消えるだけだから 」



くすりと自嘲のように笑う。
その声もあなたに、届きやしない。

事実とするならば戻るのはきっと事故の直後。
意識不明の重体で、生死の境をさ迷うくらいはしたかもしれない。
―――あなたの14年は、この世界での人生は、すべてその間の夢へと消える。

そうして、いづれ忘れゆく。
聖女が望もうと、望むまいと。
(-56) oO832mk 2024/02/13(Tue) 20:34:48

【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ


手を伸ばしても消えてしまう幾重もの星々。
いつしか伸ばすことすらやめて、冷たい硝子1枚を隔て眺める観覧者となった。
それでも、星々が消えることは止まらない。
近付いた心が離れてゆく現実より、幾らもましだっただけで。

だから聖女はひとりぼっち。
つくりだした箱庭の中にいながら、誰の傍にもいない、いられない、ひとりぼっち。


 
でも、今は。
一番星が寄り添って、その姿を照らしてくれる。


(-85) oO832mk 2024/02/14(Wed) 20:21:18

【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ


それをこの身で確かに感じたから、
噛み締めるみたいに、聖女の口は語るのだ。


 「 …… うん … ファリエ … 」

       「 しあわせ …… しあわせ ね …っ 」



そうして、少しずつ。
あなたの腕に倣うみたいに、細い腕にはきゅうと力が篭って。
あなたとの隙間をまたひとつ埋めて。

ささやかで静かで、でも大きな"しあわせ"に、
それを感じさせる、あなたの腕と言葉に、暫し、包まれていた。

(-86) oO832mk 2024/02/14(Wed) 20:22:45

【秘】 聖女 リッカ → 寡黙 エミール


―――くすり、と。
聖女はやはり、聞こえない声で。


 「 ええ 、エミール 」

 「 約束どおり。
   あなたが引き止めてくれたひとの数だけ
   あなたの願いを 叶えましょう 」



もとよりそういう契約だもの。と。
微笑いながら呟いて、次の時には、もう聖女の気配は消えてなくなっていた。

(-92) oO832mk 2024/02/14(Wed) 20:53:09