正装はしない？
　　そうかい、いつも君の服はしっかりしてると
　　思うけれどね。

　　だからきっと似合うと思ってたが
　　写真で見るより実物のが綺麗だったよ。

[ラフな服装も似合うとは思うが
僕からしてみればいつもしっかりしてる。
育ちの良さのようなものが出てる……
まぁそれも乱れる姿のスパイスにすぎないが。

しかし最近は
乱れている以外の姿を見てるのも
良いと思うようになって来ている。
脱がさなくても良いと思えるような。

今回に限っていえば
薊が脱がされるのを御所望のようだが]*

　　ふ。
　　薊ぐらいの年なら、あまり知らないかな。
　　確かにやってみたくはある。
　　エロいというか
　　悪い代官の代名詞みたいなものだね。

　　……地上波で裸には出来ないだろう？

[彼女には出来るなら
してみたいものだね、と言いながら
もう一度唇を重ねながら一つ。]

　　新年だから
　　新しいことを始めようと思ったんだが。
　　ちょうどよかった。

　　薊、僕と付き合わないかい？

　　セックス以外でも僕の女になって欲しい。

[と彼女にそんなことを告げた。]*

　　そうかしら？あれは普段着だし、思ったこともないわ。

　　まぁ、おじさまったら…喜ばせても、何も出なくてよ？


［　そうは言いつつも、嬉しいという気持ちは本物なので
　　ふふっと小さく笑う程度で、頬を指で撫でた。
　　普段がしっかりしているという認識はなく
　　考えてみるとワンピースなどが多かったかもしれない。
　　ジーンズなども履くので、いつかはそれで出迎えてみたい。
　　丈の短いトップスも持っているし、
　　彼が気に入ってくれる服装はできるはず。　］

　　悪い、代官……？
　　地上波では、裸流せないのね………
　　確かに、確かに…セクシービデオが必要な理由だわ。


［　よくわからなかったので、
　　後からまた話を聞けばいいかと思っていると
　　彼の顔がまた近づいてきたので、
　　自然と瞳を閉じて唇を重ねる。
　　いつもならそのまま手が伸びてくるところで
　　何も動きがなく、寧ろ新しいことを、なんて
　　いうから瞳を開けていると、寝耳に水。　］

　　え、っと………おじ、…宗二、さん…？
　　私と、お付き合い………？
　　本気で、仰っているの？
　　私が今の今まで、色んな方と親しくしていたことも
　　これからもしばらくは続けようとしていることも
　　分かっていて、仰っているのよね…？
　　いえ、これから先は徐々に減らそうと思えば
　　減らせるけれど……私、何もわからない人間よ？
　　貴方にとてもご迷惑ばかりかけると思うのだけど…


［　まごついて、色々と返事を間延びさせていく。
　　けれど、体が熱くなってきているから、
　　確実に肌があかくなっている。

　　付き合うという感覚がわからない。
　　
　　だから、即決はできないしする決め手がわからない。
　　けれども、体の関係以外にも、というのであれば
　　来年は一緒に初詣に行けるようになるのか。
　　そういうところは、多分嬉しい。　］

　　私は何を基準に答えを出せばいいのかしら…。

　　貴方と、初詣に行きたいかどうか…？
　　それで返事をしていいなら、お受けします、なの。
　　ダメなら、基準を教えてくださる…？


［　少し困った顔で、彼のことを見つめて、
　　逃げたような返答を。
　　基準がおかしければ、訂正してほしい。
　　明確な基準なんてこんなことにはないはずなのに。
　　恋人が出来るなんて想像もしていなかったから
　　遊ぶ予定をすでに決めているところもある。
　　無碍にできない、と思っているあたり
　　なんの踏ん切りもついていない気もするけれど。


　　新しい関係なんて、滅多に作らない弊害がここに。　］*

　　喜ばせたら機嫌が良くなるだろう？
　　それだけで十分さ。

[たまに薊は拗ねるしな、と
頭の中で思いつつそれは口に出さない。

薊のラフな格好といえば良いのだろうか
ジーンズ姿や、丈の短いものなど
見ることが出来るなら大いに歓迎だ。
そんな姿で街を共に練り歩いて見たくもある。]

　　おじさまで良いよ。
　　
　　徐々に減らせる？本当にそうかい？
　　薊はまだまだ遊びたがりだと思っていたよ。
　　そこは良いんだ、気にしない。

[薊が色んな男性、時に女性と
遊ぶというか身体の関係があるのは知ってるし
元はと言えばそもそも僕自身と薊の出会いもそんなものだ。

まぁ、気にしない、と言ったのは
正直いえば強がりな部分、格好つけた部分はある。
薊が、少し不機嫌だったのか
他の男との乱交写真や動画を送り付けてきた時は
こちらもむっ、として彼女を呼び付けて仕置きをしたぐらい。
とはいえ、あからさまに見せつけられなければ
そこまで気にしないのは本当だ。]

　　基準か、難しい事を言うね。
　　君も知ってる通りだが
　　僕は随分と長い間恋人というものを作れていないからね。

　　だから、そうだな。
　　少し曖昧になってしまうかもしれないが……
　　
　　僕は薊と来年も一緒に居たいと思うようになってきた。
　　例えば、来年の初詣に行くだとか
　　来年も君の着物姿を見たいとかね。

　　長い先の、未来でも
　　隣に居たいと思えるのが、恋人関係なのかなと
　　そう思ったから、今告白してみたよ。

　　だからそうだね、君の言う通りか。
　　来年の初詣は僕と一緒に行ってくれるかい？

[今年も、勿論言わずもがなだが
来年の話をしてみる。
鬼に笑われそうなところだが、そこは置いておいて。

彼女が既に遊ぶ予定を立ててようと
来年の初詣まで予定はまだ立てていまい。
そこに先約を入れて良いなら。
未来に自分を置いて良いなら、それが恋人という関係なのかもと
僕が僕なりに考えた基準である。]*

［　わたしの機嫌が良いと、彼になんの益があるのか。
　　気にならないわけではないけれど、
　　彼のことだからいつか口にするのでは、と
　　深掘りするのは一旦控えることにした。

　　滅多に彼と買い物にもでることがないので
　　多分新鮮な感じになるのでは、と思う。
　　あまり長時間は出ない方がいいのか、
　　荷物になるものもないほうがいいのか、
　　そんなことを考えてしまう。　　］

　　
　　う………おじさまが、相手してくださらない、から…
　　おじさまさえ、沢山そばにいてくださるなら、
　　本当に、減らせると思っているのよ…？


［　仕事があるから仕方がないけれど、
　　痛いところを突かれてしまって、
　　頬を少しだけ膨らませる。
　　他の人との関係が完全に切れていないのは
　　彼とどうしても時間が合わないときを
　　埋める人をキープしておきたいから。
　　最低と言われるだろう。
　　お互いに納得しているから気にしないが。　］

　　…………………………

　　そう、言われたら………
　　私も…行きたい………。

　　私たち、恋人になって何が変わるの？
　　何も変わらない…？


［　何を不安そうに聞いているんだと
　　彼に笑われてしまいそうだが、
　　それくらい恋人という存在はわからない。

　　ぎゅ、っと彼に抱きついて
　　小さな声で変わらないで、とお願いする。
　　これは、全てを捧げる勢いなのかもしれない。　］*