人狼物語 三日月国


225 秀才ガリレオと歳星の姫

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【秘】 エウロパ → 教師 モモイ


***


   誰の邪魔も入らない部屋。
   私の反抗への指導なのか、
   モモイ先生の意図が掴めないまま
   課外授業が始まる。


   「なんで、ですか?

    
嫌です、そんなこと……。」



   魔法を使う事への抵抗が滲む答え。
   わかってる、モモイ先生がそう言うのなら
   きっと私が全力を出したところで
   私が恐れることにはならない。


  
(-5) alice0327 2023/10/04(Wed) 0:27:08

【秘】 エウロパ → 教師 モモイ

 

   
「どうしても、しないとダメですか。」



   肯定が返ってきたのなら。
   私は先生の掌をじっと見つめてから
   手を頭上に掲げて
   無言で、魔力を指先に集めていく。

  
(-6) alice0327 2023/10/04(Wed) 0:27:38

【秘】 エウロパ → 教師 モモイ



   空気中に散らばる水分が集まり凍っていく。
   私の手の中の氷はみるみる大きくなっていき
   人の頭の大きさすら超えた頃。


   先生の掌に向かって
   氷の塊を投げつけた……つもりだったんだけど。

   制御なんてうまくできない私が
   狙った場所に魔法をぶつけるなんて
   器用なことが出来るはずもなく。

   掌とか関係なくただ目の前に
   魔法を放っただけになってしまった。*

  
(-7) alice0327 2023/10/04(Wed) 0:28:08

【秘】 教師 モモイ → エウロパ




      「だめよ。打ちなさい。」


(-8) nishi 2023/10/04(Wed) 18:58:40

【秘】 教師 モモイ → エウロパ



   エウロパにとっては嫌なことだろうと
   それを察するどころかこうして声に出されても
   モモイはやめようとはしない。

   魔法から逃げてはならないのだと
   エウロパに強く示すため、頑なに。


   放たれた魔法は敵意を微塵も感じられず
   ゆらゆらと指先に集まった魔力は
   ただ前へと向かってくる。

   たかだか氷塊なんて
   先生のモモイにとっては簡単に
   受け止められる程度のもの。


(-9) nishi 2023/10/04(Wed) 19:00:13

【秘】 教師 モモイ → エウロパ



   寒気がするわ。

   私に対しての攻撃意思がないのなら

   ここまでのものを放ってなお
   あなたはまだ本気では無いのでしょう?


   
(-10) nishi 2023/10/04(Wed) 19:00:58

【秘】 教師 モモイ → エウロパ



   強者を前にして口角を上げたモモイは
   その氷塊の真正面に立ち、片手で受け止める。

   強大な魔力は御する器が小さければ崩壊する。
   それは大人も子どもも例外ではなく
   受け止める者のさじ加減ひとつで
   目に見える実害は大きくなるだろう。



(-11) nishi 2023/10/04(Wed) 19:01:49

【秘】 教師 モモイ → エウロパ



   モモイの腕が凍りつくと
   その腕は身体からちぎれて床へと転がり落ちる。


(-12) nishi 2023/10/04(Wed) 19:02:31

【秘】 教師 モモイ → エウロパ



    「これが貴女の質問への答えよ。」


(-13) nishi 2023/10/04(Wed) 19:03:33

【秘】 教師 モモイ → エウロパ




   片腕となったモモイは
   凍りついた自分の腕を拾う。


    「制御というものはね。
     成功のためにするものではないの。

     いつか大切な人を傷つけないために
     自分の大切なものを守るために

     取り返しがつかないような
     失敗をしないために必要なのよ。」


   そうエウロパに説くモモイの顔は
   どこか憂いに満ちていた。


(-14) nishi 2023/10/04(Wed) 19:06:03

【秘】 教師 モモイ → エウロパ



   「私の教えを誰よりも守り
    大切なものを守ろうとしているあの子なら

    貴女の抱える問題にも
    答えを導き出してあげられるかしれないけれど。」


(-15) nishi 2023/10/04(Wed) 19:10:15

【秘】 教師 モモイ → エウロパ



   モモイは凍りついた手をそのままに
   部屋を後にしようとする。

   この腕は魔法で元に戻せるから
   明日には何事も無かったように
   元の生活に戻るだろうけれど

   エウロパにこの講義の真意が届いたか
   それは彼女にしか分からない。**


(-16) nishi 2023/10/04(Wed) 19:10:39

【秘】 エウロパ → 教師 モモイ



   嫌だと言ってもモモイ先生は聞いてくれない。
   有無を言わさない返事は
   私に逃げることを許さない。


   逃げたいという心を見透かされたみたいで
   少し怖くなってしまう。


   その心は魔法にも表れる。
   敵意なんて込めない魔法。
   本当に誰かを傷つけるつもりなら
   ただの氷の塊じゃないものを魔法で出す……と思う。
   傷つけようと思ったことがないから
   想像でしか、ないけれど。

  
(-26) alice0327 2023/10/05(Thu) 9:44:24

【秘】 エウロパ → 教師 モモイ



   これでも手加減はしたつもりだったんだ。
   ……普通の生徒の本気以上の威力になってたから
   全く手加減なんて出来ていないんだけど。

   
   全力なんて、出せるわけがない。
   いくら魔法の扱いに長けるモモイ先生相手でも。

  
(-27) alice0327 2023/10/05(Thu) 9:44:58

【秘】 エウロパ → 教師 モモイ



   私の魔法をモモイ先生は片手で受けとめた。
   受け流したり、かき消したわけじゃない。

   その行為が意味するところなんて一つしかない。


  
(-28) alice0327 2023/10/05(Thu) 9:45:45

【秘】 エウロパ → 教師 モモイ




   
「…………っ?!?!?」



   先生の腕にぶつかった瞬間氷は弾け飛び
   冷気が腕を凍り付かせて。
   人形の部品みたいに転がり落ちる。


  
(-29) alice0327 2023/10/05(Thu) 9:46:21

【秘】 エウロパ → 教師 モモイ



   
私の魔法で、人を傷つけた。

   重い事実を突きつけられて
   私は何も言えなくなってしまったんだ。

   目の前の光景から目を逸らせないまま
   私は静かにモモイ先生の話を聞いた。

   成功のためじゃない。
   誰かを傷つけないように、守るために。


  
(-30) alice0327 2023/10/05(Thu) 9:47:01

【秘】 エウロパ → 教師 モモイ




     
私に誰かを守るなんて、できるわけ……



  
(-31) alice0327 2023/10/05(Thu) 9:47:27

【秘】 エウロパ → 教師 モモイ



   「制御した結果、誰かを傷つけてしまったら。
    ………どうしたらいいのかわかんないんです。」



   俯いて、小さく言ったことは過去に起きた事。
   制御しなければ誰かを傷つけてしまう。

   逃げることは許されない。
   頭で分かっても、心がそれを拒み続けるから。
   私は制御が覚えられない。

  
(-32) alice0327 2023/10/05(Thu) 9:48:06

【秘】 エウロパ → 教師 モモイ



   
「―――――ユスティ、のこと?」



   小さく呟いた声が聞こえたのかどうか。
   
   腕、大丈夫なんですかって真っ先に聞くべきことを
   聞く前に、先生は教室を後にしてしまう。

  
(-33) alice0327 2023/10/05(Thu) 9:48:56

【秘】 エウロパ → 教師 モモイ

   

   制御を覚えなければならない。
   先生の課外授業で意識は少し変わったものの。

   意識だけでどうにかなるのなら
   私は今も問題児とは言われてないんだ。

             
―――――それでも。


  
(-34) alice0327 2023/10/05(Thu) 9:50:32

【秘】 エウロパ → 教師 モモイ



   もし制御を失っても、誰かを傷つけないように。
   その努力だけは絶対に怠るべきじゃないよね。**


  
(-35) alice0327 2023/10/05(Thu) 9:51:18