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人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

悪人が嫌いだ。
人を踏みつけにして笑う悪人が嫌いだ。
嘲りも嫌いだ。
人を踏みにじり傷つけるそれが嫌いだ。
嫌い。嫌いだ。

がつん。


遂に響くのは硬い音。
握りしめた拳が貴方のこめかみを打つ音。
そこを殴られれば脳が揺れるはずだ。視界が揺れるはずだ。
襟首を締めあげた手を乱暴に離せば、背中や尻を打ち付けて椅子の上に落下するはずだ。

わかるわけがないだろう・・・・・・・・・・・
意味がわからない・・・・・・・・
「お前」
「何のために警察になった?」

それでも倒れることなど許さない。
貴方が項垂れる、或いは椅子からずり落ちて逃れよう・・・・とするなら、乱暴に右腕を掴んで引き上げる。
突然強く引かれた肩が嫌な音を立てたかもしれない。
しかし男には関係ない。
(-12) rik_kr 2023/09/27(Wed) 14:52:08

【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡

と とん。とん。と、とん。
速度は思考に伴って緩やかに。
視線は貴方のかんばせから落ちて手元に。

決して賢いとは言えない男だった。こういうところもまた。
僅かならまだしも、尋問中に被疑者からこうまで目を離すなどあり得ない。
思考に耽溺するなどあり得ない。言葉に乗せられるなどあり得ない。
あり得ないことをするのは、貴方に対し信頼とは呼べない何かがあるからなのだろう。


────金属の音で、思考は引き戻された。

落ちた双眸が貴方に戻る。その時にも双黒輝いていただろうか。であるなら不審そうに眼を細めて、でなければやっぱり顔を顰めるのだ。不愉快そうに。自身の未熟を突きつけられたように。
(-13) rik_kr 2023/09/27(Wed) 15:13:02

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

そこまで頭が回らなかったのか、
それだけ貴方を侮っていたのか、
それとも必要ないと判断したか。
男は貴方の口を固定することはなかった。
だからその舌に噛みつくことだってできたろう。けれど貴方がした報復はそれ以下のもの。抵抗はそれ以下のもの。
柔らかな千草色が濡れてこちらを睨む。それだけ。
それでさえ男は笑って受け流した。喉を笑いがのぼった。

愛しさではない。愉しさだった。

指がするすると撫であげる。一度みぞおちあたりまで、そうして腹、下腹部。同時に頭を支えた手は耳朶を擽り、舌は舌を捕まえようと口腔内を這った。

何も言わない。
促すような言葉は必要ない。これは睦み合いではない。
ただ屈辱的な快だけを与える手が、そのままの速度で貴方の粋の形をなぞった。
(-15) rik_kr 2023/09/27(Wed) 15:50:37

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

「それを言うなら。」

ざり。体重をかける。度に靴底が地面と擦れて音を立てる。

「黙秘の権利があると思っているのか。」
「お前のような悪人生き物に?」

横向いて倒れた貴方の身体を、押さえつけた膝で地面に転がした。仰向けに、急所の多い腹が自分に正対するように。

「吐け。」
「それとも吐くか?」

ぐ、と。
重みが食い込む先は、貴方の腹だ。
(-17) rik_kr 2023/09/27(Wed) 16:03:40

【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ

変わらない態度。
あまりにも変わらない態度に、男は姿勢を崩した・・・
それは生真面目な男には珍しいことだ。決して姿勢の良いわけでもない男は、それでも大抵、おそらく自分にできる精一杯で背筋を伸ばしていた。
緩慢に背もたれにもたれる。顎を上げて視線だけ投げ寄越す。そうして息を吐いて、もう一度身体を起こす。
億劫そうに一度逸れた瞳は、再び貴方のかんばせに戻った。

「耳がついていないのか?」

「それは犯罪者の戯言・・だ。」
「証拠は挙がっている・・・・・・。」
「無駄な言い逃れ・・・・はよせ。」

決めつけ。決めつけ。決めつけ。
男の口から出るのはそれだ。
尋問とはそういうもの。男の仕事とはそういうものだった。
貴方で、六人目だ。
(-18) rik_kr 2023/09/27(Wed) 16:21:15

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

ニーノ・サヴィア。
その名前は知っている。
五人のうちの一人だ。


しかし。
その言葉に、男の瞳は揺れなかった。
貴方は悪人である。
彼も悪人であった。
あれ・・ノッテマフィア家族・・と呼んだ。


「庇い合いか?」
「もう遅い。」
「今頃治療を受けているだろうな。」

実際それは必要で、男が進言したものだった。
罪人であろうと不当な扱いをするのはよくない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
病人に治療は受けさせるべきだ・・・・・・・・・・・・・・

さて、それを貴方がどう受け取るかはそちらの自由。脅しや冗句と聞いたかもしれないし、男の暴力によるものだと思ったかもしれない。

笑う貴方が不愉快だ。
余裕だと誇示して見せる貴方が不愉快だ
────誰かの顔が浮かんだ。


「含まれているよ。それがどうした。」
(-20) rik_kr 2023/09/27(Wed) 16:56:16

【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡

「お前は」
「何を言いたい?」

それは問いだ。
しかし外れた問いだ。無意味な問い。貴方の言葉を真っ向から受け止めないからこその問い。
貴方が何かを隠しているはずだと決めつけた問い。その態度は悪徳尋問官として全く相応しい、頭の固いものだった。

「俺の何を知った気になっている。」

不機嫌そうな表情。たん。たん。たん。叩く音が一定の速度を取り戻し始める。
思春期の子どもがするようなそれ。自分を理解した気になるなと突っぱねて身を護るそれ。似ているだけで似つかない、もっと暴力的な方法で爆ぜかねない敵意が貴方に向かって首をもたげる。

「俺が」
そう・・したいのは」
ノッテファミリーお前たち
だけだよ。」

たん。たん、たん。
苛立ちの罅が割れていく。心願が徐々に零れ出る。

「それに、俺に暴力を振るう趣味はない。」
ノッテお前たちと同じにするな。」
(-24) rik_kr 2023/09/27(Wed) 17:27:13

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

求めるものを与えてやる。
それは今この瞬間、今この一瞬だけのもの。
熱に浮かされて踏み外し、正気に戻った瞬間嫌悪と後悔と慙愧が襲うようなもの。その布石。

手錠で戒められた手はさぞ不自由だろう。
自由ならばそれは男の身体に縋っただろうか。
行き場なく震える手は自分の身体を僅かも押し返すことがない。それだって愉快に感じられた。

湿った唇は離れれば僅かに音を立てた。そのまま男は貴方の耳元に囁いた。

「良いんですよ。」
「我慢しなくて。」


触れる手は無骨な男の手。
恋人のそれでなければ女のものですらない。
けれど同性同士だからこそわかるものもあるというもので。
この辺りかな。
張った・・・ところに手を添わせて、そのまま。
耐えられないような強さで触れてやる。
(-27) rik_kr 2023/09/27(Wed) 18:13:35

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

「先にそうしたのはお前たちだろう。」

成り立たない会話の応酬。
貴方もそろそろ気づくだろう。どうやらこの男は貴方を人間一般市民扱いする気持ちがそれほどない。
けれどそれには男の中で何か理屈があるらしかった。貴方の気にすることではないが。

「お前たちは」

ぐ。


「他者を尊重するのか?」

ぐ。


「しないだろう。マフィアだからな。」

ぐ。ぐん。


一定のリズムで圧迫される内臓。
さて次の責め苦をどうしようかと考える間の手慰み。
続く暴力を予見させる行動。カウントダウン、だったはずの、それ。
対する貴方の反応に、男は怪訝な顔をして動きを止めた。
薄暗い路地。表情は伺えず顔を寄せることになる。
発作か何かを起こしているなら厄介だ。まさかこの行為が、貴方の快に繋がろうとは思うはずもなく。
(-30) rik_kr 2023/09/27(Wed) 18:58:32

【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ

「曲がられちゃ困る。」
「俺が聞きたいのは真っ当な真実だからな。」

言葉は平行線。
それを男もそろそろ気づき始める。
では言葉でどうにもならないのならどうすればいいのか。
それも、男は既に知っていた。
間違った解答だ。


自然な仕草で立ち上がる。これから起こすことに対する緊張も高揚もそこには存在しない。
そのまま貴方の頭部に手を伸ばす滑らかさ。逆らわれるなどと、まるで考えていない動作。
けれど。
そこから先はそうはいかない。髪をぐいと引き掴み、しっかりと動かぬように固定する。

かち。

それは。
いつの間にか手にしていたナイフの、刃を剥き出しにする音。
鈍い色は白い室内灯を弾いて光った。光ばかりが清潔だった。
貴方が抵抗しないのならばそのまま貴方の側頭に添うだろう。
酷く冷淡に、残酷に。少し動けば切り込みが入る、その位置で。

「もう一度聞く。」
「マフィアと内通していたのか。」
「渡した情報は何だ。」
(-49) rik_kr 2023/09/27(Wed) 23:02:31

【秘】 幕の中で イレネオ → アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡

「は?」

予想外の騒音・・というのは人の意識を奪うものだ。
突然の哄笑に男は目を丸くした。それからぱちぱちと瞬きをする。見事な口上への拍手と同じ。しかしそれもまた、同じだけ。

表情はみるみる険しくなった。
侮られたという激昂が面を染める。
がたん。
何度目かの立ち上がる音。襟元の締まる感覚。

「口を閉じろ。」
「俺はマフィアとは違う。お前たちとは違う、」
「同じにするな!」

それは男にとって侮辱であり、侮蔑であり、屈辱であった。
暴力を好む野蛮人だと思われるのも、悪党と形容されるのも、マフィアと同様に扱われるのも、何もかも。
(-69) rik_kr 2023/09/28(Thu) 8:40:45

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

「あはっ」

身体の下に震えを感じて男は笑った。やっぱり愉快そうだった。声ばかりは無邪気だった。
悪意なく他者を貶める、幼い子どものする笑い声だった。

一通り満足したらしい瞳が貴方の表情を確かめる。
悔しそうな様は心地いいらしい。偽物の上下関係を確かめるような暫しの間があるだろう。さて、と次の行動を考えつつ、最初の目的に立ち返る間だ。
この間は隙である。
離れた空間を利用して頭突きをするなり、自由な足で蹴飛ばすなり​─────反撃をするなら、通るだろうが。
(-70) rik_kr 2023/09/28(Thu) 8:51:05

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

男は信じている。
自分の信じる、正義を信じている。
それは酷く盲目的な様だ。酷く独善的な様だった。
この世で正しいものはひとつだけ。それは法である、という排他的な思想。警察とはそれに従うものであるという圧倒的な従順さ。
それがこの男を構成するほとんど全てだ。
全く全て、ではなく。


瞳に浮かぶのは暴力への高揚ではない。単に苛立ち。誇りを傷つけられたことへの厭悪。

「お前のような人間を」
「一時でも警察仲間だと思った俺が、馬鹿だったよ。」

そこからは。
肉を撲つ音。
骨の軋む音。
貴方に器具を握らせる声。
共同作業・・・・だ。自らの爪を剥がさせたり。
それでも貴方は笑っていただろうか。
血と汗と涙に塗れても笑っていただろうか。

少なくとも、きっと。
男はきっと、笑っていたんだろう。
(-78) rik_kr 2023/09/28(Thu) 10:13:19

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

口元が“N”の形を作った
────お前たちは違うNotte siete diversi.
それはこれまでも繰り返されてきて、これからも繰り返される否定。


しかし、その唇から音が発されることはなかった。
絡め取るように回される腕。それから柔らかい感触。
しまった、と思った時にはもう遅い。内側の粘膜にまで触れられ​、それが口付けであると遅れて知る。
勝ち誇ったようなターコイズが近くで細まった。のを、見て。


男は、

その首を絞めた。



何よりもまず嫌悪。背筋から項までが総毛立つような不快感。その次に焦り。何かが仕込まれてやしないか・・・・・・・・・・・・・という恐怖。油断した。まずかった。マフィアとはそういう生き物だ・・・・・・・・・・・・・・
舌に噛み付くなんてそれなりの高等技術は思考に及ばない。まず飛び出すのは手。片手で貴方の首を押さえつけて絞めあげ無理矢理引き剥がそうとする。これは男の腕力だ。通常なら負けることはないだろうが。
(-80) rik_kr 2023/09/28(Thu) 10:56:12

【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ

その名前にも男が揺れることはない。
信じている。警察を、正義を、善性を、彼のマフィアへの嫌悪を信じている。

信じているのだ。純粋に。この行為が真実正しいものであると信じている。
だから止まらない。止まらなかった。

刃の冷たさを内側に感じたはずだ。
ついで熱の感覚に近い痛みが襲う。
それは男が貴方に与えるもののはずだった。
緊張した身体に油断していた。緊張しているからこそ、抵抗はぎこちなくなるものだと思い込んでいたのだ。

(-82) rik_kr 2023/09/28(Thu) 11:22:20

【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ

どん。
衝撃を感じたのはこちら。
反射的に視線をやればかち合った。きっと貴方の瞳は激しく反抗に燃えて、それを裏付けるように歯を剥き出しにする。それで怯んだとは言いたくないが、見た事のない表情に一瞬動きが止まった。
がち。
骨と歯がぶつかる音。昨日も聞いた音・・・・・・・
まずい、と思ったのはそれも反射だ。

髪を掴んだ左手を引き倒すように横に振った。
薬を飲んでいるとはいえ負荷がかかる。親指の軋む痛みに顔を顰めたが構わない。右まで奪われるのはまずい。
そうしてその抵抗が叶うなら。
貴方は男ごと床に倒れ込むことになるはず。急激に揺らされた頭はくらりと遠のくはず。隙ができるならばそのまま、動きを封じるように腕を固めようとするが。
(-83) rik_kr 2023/09/28(Thu) 11:22:29

【秘】 幕の中で イレネオ → アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡

「違う」

何が? 以前もこうなった。


「違う!」

ならば否定しなければならない。
堂々と。理路整然と、正しく。これは正義なのだから。


「如何なる手段を持ってしても聞き出せと命令だ」

吠える。
自分の頭で考えた、わけではない。


「したくてしているわけじゃない」

吠える。その嘲笑を掻き消したい。
どうあれ事実は事実であるのに。


「大体」「お前たちが」
お前たちが何もしなければ・・・・・・・・・・・・
こんなことにはならなかった・・・・・・・・・・・・・!」


吠える犬は噛まないBarking dogs seldom bite.。ならこの男は犬以下である。
貴方の口に手が伸びた。せせら笑う舌に向かって。閉じないなら引き掴んでやると。

他責の正義。
調和でも融和でもない排除の正義。
白と黒の黒を徹底的に焼き尽くす愚直な暴力。
男の手の中にあるのはどこまで行ってもそれだけだ。
(-84) rik_kr 2023/09/28(Thu) 11:59:27

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

ぐらん、と。
貴方の頭が傾ぐのが見えた。見えただけ。
避けるに間に合わぬ近い距離。ごん、鈍い音と共に脳が揺れる。

「ッ​────」

勢いはそうなかったはずだが頭骨は硬い。それは怯ませるには、かつ貴方の反撃の意志を伝えるには充分なものだった。
次いで蹴飛ばす足も入る・・。ずぐ、と男の硬い肉を、貴方は膝か脛かに感じたはずだ。しかしだからこそわかるだろう。
命中したわけではない。


男は目が良かった・・・・
外している時の方が良い・・のだ。だから、反応が遅れることもなかった。完全な一撃として食らう直前、距離を取って避ける。

チ、と舌打ちが聞こえた。
一転、表情に不機嫌の影が差す。
(-88) rik_kr 2023/09/28(Thu) 13:40:14

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

くそ・・女、とは言わなかった。
それなりの自制、それなりの理性、それなりの当然の善性は、男にもあった。
この時は、まだ。


焦りで鼓動が逸る。それで思考が鈍くなり、貴方の首を押し付けるようにする力ばかり強くなる。はっと下を見れば酷く歪んだ顔があって、男はそれにも動揺した。動揺した自分に、それを催させた貴方にまた苛立ちが募った。
舌打ちがひとつ飛ぶ。ままならない思考とこの行為に対して。伴って男は貴方の上から退き、同時にその半身を蹴り飛ばした。
八つ当たりだ。

貴方の身体が再び砂利を擦って転がるだろう。壁にでもぶち当たればどこかしらが切れるかもしれない。しかしむしろそれを利用して、距離をとって立ち上がろうとすることは不可能ではない。かもしれない。
(-95) rik_kr 2023/09/28(Thu) 14:48:28

【秘】 幕の中で イレネオ → アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡

「マフィアが必要悪なわけがあるか」
お前たち・・・・が必要悪なわけがあるか」


へらへらと笑う表情が嫌いだ。
楽しげに全て奪ったお前たちが嫌いだ。
それは骨の髄に染み付いた偏見からくる嫌悪だ。


「​────アルバ・・・を亡くしたのはお前たちだろうが!」


笑う度にかかる息が、挟んだ指の間で震える濡れた肉が、自分と同じ温度が、不快だ。
見縊って笑う横面に拳を叩き込みにかかる。憤怒の衝動にかまけた渾身の一撃。成功すれば貴方は音を立てて転がってくれるか。その体躯に対しこの力ではまだ足りないか。少なくとも舌を噛むくらいはするだろう。

「黄昏抗争で何人が死んだ」
「アルバからの提案がなければ更に何人殺した?」
「お前たちの切った舵で警察との関係は悪化した」
「そうじゃなきゃこんな法案が施行される必要もなかっただろうなあ!」


椅子を立ち上がって回り込むのすら面倒で押し除ける。ぎぎぃ、摩擦で軋むような音が鳴った。
────イレネオ・デ・マリアは、
ノッテファミリー・・・・・・・・
が嫌いだ。
(-98) rik_kr 2023/09/28(Thu) 17:19:17

【秘】 幕の中で イレネオ → アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡

そうだよ・・・・
「ジジイの代の話だ」「俺の爺さんはアルバのソルジャーだった」
アルバこそ必要悪だったアルバなら上手くやってた
ノッテお前たちがバランスを崩した!」


不自然なまでの怒りで声は震えていた。嘲りに、侮りに、謗りに返す言葉は既になく、ただ貴方を黙らせようとするだけ。どうにかして抑えつけようとして、それが出来ずに手段だった暴力が目的化していく。起き上がらないのをいいことに胸元を蹴りつける。反撃がなされないのをいいことに腹を踏み付ける。足りない。
足りない。


秘密というほど隠す意思があるわけではない。
正体というほど裏表があるわけではない。
それでも、男の中にそう呼べるものがあるなら、そこだった。

50年の昔、この国に存在したもうひとつのマフィア。
アルバファミリーの忠犬。
その末裔。


足りない、と踏み込んだ足とともに言葉は吐き出されたのかもしれない。それなら一層、その声は大きく届いたはずだ。
肩で息をした男はそれを聞いて一際大きく吸い込み、唸るような問いを呼気に乗せる。

「法案だと?」
「裏切ったのか? お前」「ノッテ身内を?」
マフィアを名乗っておいて・・・・・・・・・・・・?」

「風上にも置けない……」
(-107) rik_kr 2023/09/28(Thu) 20:18:20

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

「犯罪者がまともぶる・・なよ。」

たたん。靴底の音。

「躍起にならざるを得ないだろう。何度同じ説明をさせる。」

たたん。苛立ちの音。

「強引にでもしなければ後手に回る。」
「お前たちは嘘と隠し事だけは上手いからな。」

たたん。たん。
鳴らしながら貴方の様子を伺う。ふらついている。警戒している。
けれど難しい相手ではないな、と思った。それは半分事実であって、半分は状況も含めての侮りだ。
息を吐く。溜息のようだったろう。貴方への哀れみだ。

「自白剤がなかったのは不運でしたね。」
「続けます。座ってください。」

取った距離を一歩で詰めて、足首目掛けて蹴りが飛ぶ。
(-122) rik_kr 2023/09/28(Thu) 22:13:47

【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ

そこで止めるべきだった止めてもよかった
制圧したいだけならそれでいいはずだった。
貴方が知っているこの男はそういう男だったはずだ。

間接に負荷がかかる。可動域とは真逆に向けて体重をかけられる。当然苦痛の伴うそれは、貴方の喉から呻き声を漏らさせもするだろう。

めり。


なまじ真っ直ぐに硬い部位ではないがために一撃でとはいかず、逃げないのであれば貴方はそれなりの時間苦痛に呻くことになる。ゆっくり、ゆっくりと断裂していく感触が伝わったかもしれない。

めり。り。


男は声を発さない。ただまだ少し荒いままの息を繰り返して、煮えた瞳で貴方を見つめている。
貴方を屈服させることだけを一意に考えている。やはりこんな仕事には向いていないことが明らかだ。

めり。 めり、
めき。


それでも。
それでもなお抵抗しないなら、いつかその腕も自然な反発すらなくすはずだ。だらりと左腕が垂れ下がれば、男はようやく安心したように息を吐いた。
(-144) rik_kr 2023/09/29(Fri) 0:47:24

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

再び踏みつけにしようとした足はそのまま地に降ろされ土を蹴った。それは子どもの癇癪じみた仕草だった。
二度もあんな気色の悪い声を聴かされるのはごめんだ。

けれど男は子どもではないから、続く動作には悪意が込められて遊び・・がない。

裏路地の砂ぼこりが巻き上げられてぱらぱらと貴方の顔やら身体に降り注いだろう。荒く息をした口にも僅かに入り込んだかもしれない。浅い青の瞳に触れそうで咄嗟に瞑ったかもしれない。
男はその隙を狙う。

ざり。体重の位置を僅かに変える音。そのすぐ後。

丸まった腹を目掛けて蹴りが飛んだ。上手くいけば薄い腹に深く入るはずで。
加えて再び弾かれた身体はまり・・のように弾むはず。

「盛ったか?」
「何か。」

この国じゃサッカーは人気のスポーツだ。
蹴飛ばす以外に同じところはなく、全く愉快にはなれなかった。
(-146) rik_kr 2023/09/29(Fri) 1:10:45

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

よくよく素直な男だった。分かりやすい男だ。
犯罪者と声をかけられればあからさまに表情を変えたろう。顔を顰める。眉間に皺が寄る。

「拷問じゃない。」
「仕事です。」

詭弁だ。
物分かりが悪い人間の相手をしている。そういう億劫さでやれやれと首を振る。蹴りが避けられればまた口の端を引き攣らせた。たたん。落ちた靴底が音を鳴らす。

ガードが邪魔だ。
ならばそこを砕こうか。
次には左腕が貴方の腕を上から、同時に右膝は下から。上下方向からの勢いで骨に衝撃を食わせようと。

抵抗せずともこの暴力が止むことはなく、
抵抗すればなお止むことはない。
障害があれば人は乗り越えようとするもので、
男は殊更、そういう時に周りが見えなくなるたちだった。
目的がずれていく。
(-149) rik_kr 2023/09/29(Fri) 1:29:08

【秘】 幕の中で イレネオ → アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡

がちん。

それは男が自分の歯を打ち鳴らした音。噛み締めるだけでは足りずに、威嚇でもするように強く噛み合わせた音だ。
音を立てて沸騰するのは貴方の笑いだけではない。高温でぐらぐらと煮立っているのはこれもそうだった。比にならない怒り。不快や不愉快では片付かない圧倒的な憤怒。激情。心火が理性を薪にして燃え上がる。

ばきん。


横面を蹴飛ばした。
貴方が避けないなら、の話。


だん。


心臓の上を踏みにじる。
それも避けないなら、の話。


衝動的に、酷く冷静に、机の上に放ったペンを引っ掴んだ。
それも邪魔されないなら、の話だ。


「爺さんはな」「逃げてない」
「お前たちに愛想を尽かしたんだよ」

長身が遮る室内灯。
逆光の中でも歪んだ表情はよく見える。
貴方が結局そのままでいるのなら、男はそのまま馬乗りに体重を掛けるのだ。ウェイトではそちらに分があるのだから、この行動はやはり賢いとは言えない。
(-154) rik_kr 2023/09/29(Fri) 1:54:48

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

押し問答だ。
貴方は正しい。けれど男は肯わない。
その言葉をあくまで否定する。男にとって、これは正義の行いだった。

正当な手続きを踏んでいる・・・・・・・・・・・・。」

その通り、踏んでいる。
机の上の書類こそその証拠。貴方の名前とその嫌疑、何をもってしても自供させよと令の刻まれたその紙面。
これは男の勝手な判断ではなく、
趣味や高揚を得る手段でもなく、
飼い主に下賜された仕事だった。

男の骨の抵抗。それがぐいと引き攣って僅かに薄れる感触。治る傷だ・・・・問題ない・・・・
けれど、だからこそほぼ同時。ほんの少しだけの時差での攻撃は避けきれず。
右頬に攻撃を食らえばぐるん! と顔が横向いた。ぐら、と視界が揺れてたたらを踏んだ。追撃がないのならそれは運よく踏み込みに変わるだろうか。必然的に低い姿勢、下から顎を狙って肘を振り上げる。命中すれば、そちらの視界もまっすぐなままではいられない。
(-162) rik_kr 2023/09/29(Fri) 2:37:59

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

びちゃ。

きっとそういう音。濡れた音が地面に散った。
同時にすえた臭いが立ち上り、男は厭うように距離を取ったろう。誰だって汚物で衣服が汚れるのは嫌だ。

────それでもきっと、
ここにいたのが貴方ではなく一般市民であれば、
迷いなく助け起こそうとしたはずだ。


潰れた蛙のような声を上げて身を震わせる貴方を、視線で見下して男は眺めていた。
月色の目を丸くして見ていた。そうしてひとつ、静かに息を吐いた。ぱち、ぱち。瞬きは油断の合図であり、転換の印。

一度目の暗転の後、瞳はまだ貴方を見ていた。
二度目の明転の後、瞳は転がる注射器に向いた。

男が手を伸ばす。貴方が奪い取らないのであればそれを拾い上げるだろう。しゃがみこんで、針先を見つめて。

「使ったのか?」

誰に、と言わなかった。
むしろそれは、自分ではないと確信した落ち着きだ。
逸っていた鼓動は今は収まっている。体温の上昇や低下、発汗等もない。それに針を刺された感覚はなかったし、液状なら──思い出したくもないが──口づけで仕込むのも不可能だろう。
だからこそ。
だからこそ問う。

無辜の民を犠牲にしたかと問う。答えの見えた問いだ。
見えているから、畳みかけて問い質す準備は出来ている。
(-163) rik_kr 2023/09/29(Fri) 2:55:48

【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ

楽しいか、と問うたなら。
かかる力は強くなったことだろう。それは男にとって侮辱だった。
暴力を好む野蛮人。そう評されることを、男は好まない。
だから一層静かになった。
淡々と、粛々と、機械のように。貴方の身体を、悪いとも思わず痛めつけて。

そうして一際大きくなった声に嘆息した後、
男は、その頭に手を伸ばした。

金糸の髪に指を通す。
その下の頭皮に指を添わせる。無理矢理こちらを向けと首を回させる。
青い瞳は未だ閉じているだろうか。
閉じているならそれを無理矢理開かせることはしなかった。
男は自身の欲求を知覚していない。

浅い金色。月の色に似た瞳が、やや遠巻いて貴方のかんばせを眺めてから。

「楽しいわけがないでしょう。」

さて。
そう言った男は、どんな顔をしていただろう。
(-165) rik_kr 2023/09/29(Fri) 3:10:21

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

深く息をする。心拍を落ち着けようと試みる。
早く鳴るのは身体を動かしたからでもあった。刷り込まれた暴力、肌に感じる肉の感触でアドレナリンが分泌される。それから、やはり、怒り。
好んで従う者をこき下ろされたことへの怒りだ。瞳の温度がかっと上がった。

「くそ野郎はどっちだ」
「随分口汚くなりましたね」

貴方の言葉を男は一向に受け入れない。悪人の愚弄に乗らない。犯罪者の口車に乗らない。そんなものでは動揺しない。だって、法に従っているのはこちらだ。
言葉と共にゆるやかに落ちた視線が貴方の背後を浚う。机の位置を確認してそれを使おう・・・とした思考は、きっと隙になった。

力を込めていなければガードにはならない。
攻撃後に緩めていた腕が蹴りを食らってそのまましなる。身体から離れていた分遠心力は強く、後ろ向きの動きに前進気勢を僅か削がれる。
舌打ち。また舌打ちだ。ガラの悪いのはこちらも同じ。徐々に苛立ちは募る。

どうすれば止まるだろうか。
あの口もうるさいな・・・・・・・・・
テーブルの縁の部分。あそこに叩きつければ止まるだろうか。思考と共にまた足を払いにかかった。
(-187) rik_kr 2023/09/29(Fri) 12:44:55