「それも、そうだね。無理なく移動できたなら
　　まだよしとしておけばいいことにするよ。

　　待ってる間？仕事の台本読んだり…
　　それも飽きた時はライブ配信してたよ。
　　投げ銭って言うんだっけ。
　　偶に高額くれる子がいるんだけど、
　　それで美味しいもの食べておいで、って
　　思っちゃうことがあってね……」


何をしていたの、と聞かれると素直に答える。
やましいことがあるわけでもないしね。
日銭を稼ぎたいわけでもなく、
画面越しにファンの子達と話をしたかったから、
何日か投げ銭ができないようにしていた。>>0
けれども、投げ銭は舞台に行けなかった分だから、と
コメントで見たこともあってその後からまた戻すことに。

　「舞台何回見てくれる予定だったのかなって
　　考えるようになってからは、
　　投げ銭も悪いものではないって思ったよ。」


ネリーのことをギュッと抱きしめながら、
落ち着いた声でそう呟いて。
チケットは当たり前にピンキリで、
無理はしてほしくないと色んなところで言っていて。
僕の場合ブロマイドが売られるわけでもなし、
衣装のまま握手会があるわけでもなし。
本来なら1枚でもチケットを多く売るために
そう言うことは言うべきではないのだけども。

　「サプライズなんかじゃなくていいんだよ。

　　ネリーが僕へのプレゼントを見繕ってくれる時間が
　　もう十分にプレゼントみたいなものだからさ。
　　明日は久しぶりのデートだから、
　　僕もすごく楽しみなんだよ」


ネリーの一挙一動が愛おしいものとして存在している。
だからこそ、ウィンドウショッピングでも平気。>>1
寧ろ買い物なんて多分彼女と外で一緒にいるための
理由づけでしかなくて、なんだったら、
ずっと部屋にいるのだって正解だと思う。

　「年明け2週間は休み確保したんだ。
　　ネリーとできるだけ一緒にいたいからさ。

　　っ、…と……こうやって見る君も可愛い。
　　お酒に強くはないのに一気飲みして…
　　そんな頬を赤くして、目を潤ませてると、
　　うさぎみたいだ…どうしたのかな？」


お酒を楽しく飲んでいると、ついペースが上がる。>>2
僕のペースにつられて、若干コーネリアも。
感覚的にではあるんだけど、2人にしては
半分なくなるのが早かったかなってさ。

僕はフルボトル1人で飲んでも酔わない方で、
けど彼女の方は酔いやすい。
だから僕のグラス分を飲んだとき、
大丈夫？って声かけちゃったよね。
空になったグラスはテーブルに置かせて、
赤くなった頬に手を添え、噛みついてしまいそうに。*