人狼物語 三日月国


212 【身内村】桜色のエピローグ✿

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視点:


火澄 瀬名 水面 禎光

【人】 火澄 瀬名

   
 
 
 七瀬から返ってきたのは、
 私が口にできなかった言葉でした。>>0

 表情を変えることのない様子が
 素なのかポーカーフェイスなのか、
 それすら私は分からなくなってしまいました。


  
(9) papico 2023/05/11(Thu) 1:04:54

【人】 火澄 瀬名

  
 

 「 だって ……

   七瀬が禎光を好きになっても、
   禎光が七瀬を好きになっても、
   どっちも不思議じゃないじゃない。 」



 慮るだなんて難しい言葉を使うことだって、
 自分が姉であると言わんばかりに受け取ってしまいます。
 
 
  
(10) papico 2023/05/11(Thu) 1:04:59

【人】 火澄 瀬名

  
 

 それから、七瀬の「条件」に首を傾げました。>>3

 それから、七瀬の「質問」に息を飲み込みました。>>5
 
 
 
(11) papico 2023/05/11(Thu) 1:05:02

【人】 火澄 瀬名

  

  
 「 愛してる、なんて …… 」


 
(12) papico 2023/05/11(Thu) 1:05:07

【人】 火澄 瀬名

 

 
 そんな、漫画でだって滅多に見ないような言葉、
 たかだか14年生きただけの私に、
 ピンとくるようなものではありませんでした。

 

 仮にこの、少しだけ胸がくすぐったくなったり、
 喉の奥が苦しくなるような感情を、
 何かだと認めてしまったとしても ──────

 
 
 
(13) papico 2023/05/11(Thu) 1:05:11

【人】 火澄 瀬名

 
 
 
 「 分かんないよ、
なんて。
   知らないよ。そんなもの。


   それに ・・・・・

   仮に私が禎光を愛したとしたって ───── 」


     
(14) papico 2023/05/11(Thu) 1:05:15

【人】 火澄 瀬名

  

 

 「 それを一番に話すのは、七瀬にじゃないから。 」


     
(15) papico 2023/05/11(Thu) 1:05:17

【人】 火澄 瀬名

  
    

 これは望むような質問の答えではなかったかもしれません。
 でも、それでも、これが私の答えなのです。

 

 「 ……

   私は七瀬じゃないし、
   七瀬は私じゃない。 」
 
 
 
 すっと前から分かっていたことでした。



 「 私が知っているのは、私の気持ちだけだよ。
   七瀬の気持ちなんて分かんないよ。>>3
   何考えてるのか、なんでこんな質問するのか
   全然分かんないよ。 」
 

      
(16) papico 2023/05/11(Thu) 1:06:22

【人】 火澄 瀬名

 



 「 七瀬のこと、全然わかんない 」**


 

(17) papico 2023/05/11(Thu) 1:07:01

【人】 火澄 瀬名

 
 

 「 …………… 七瀬? 」



 もしも、やり直せるのなら
  どうか今度は間違えないように=@>>32



              どういう、意味?



 「 なな ………… 」

 
 
(58) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:29

【人】 火澄 瀬名

  

 
 懐から取り出された刃の先が、
 薄暗い湿った部屋で、歪に光を反射しました。

 時間が止まったかのように全身が固まって、
 後から冷たい汗が背中を伝って。

 永遠のように長く感じた一瞬のうち、
 禎光の声が響くと、その刃先を掴みました。
 
  

 「 っ ……… 」


 
(59) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:32

【人】 火澄 瀬名

  


 その手のひらから零れ落ちる紅に目を背けたくなり、
 それと同時に、
 決して背けてはならないと、
 誰かの笑い声が聞こえたような気がしました。


 
(60) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:34

【人】 火澄 瀬名

 
  

 違う?>>44 間違ってしまった?>>51

 ほら今だって、私には何も分からない。


  
(61) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:38

【人】 火澄 瀬名

 


 「 七瀬っ …… 禎光っ ……
 
   ……っ……ふたりとも、だめだよ……

   ナイフそれ、離して……ょ…… 」


 
 震えるような私の声が
 ふたりの耳に届いても届かなくても
 その刃は七瀬の喉に突き刺さったのでしょう。

 止まった時計の針が動き出したかのように
 感覚のない足に伝達をしてふたりのもとへと駆け寄り、
 七瀬のことを抱き抱えるように座りました。

 
   
(62) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:41

【人】 火澄 瀬名

 
 
 
 「 なな …… ななっ、 せ ……

   ごめ …… ご っ… めんなさい …… 」
 
 

 吹き出す生温い朱を纏って、
 取り返しのつかないことだと知りました。

  
(63) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:44

【人】 火澄 瀬名

   
 


 七瀬のことが、分からなくなった。



 
(64) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:46

【人】 火澄 瀬名

 
 

 そもそもそれが、間違っていたおかしかったのです。

 私は……私たちは双子で、
 互いのことは手に取るように分かっていたのに。



 「 どこで …… 間違見失っちゃった、の かな… 」
 


  
(65) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:50

【人】 火澄 瀬名

  
 
 
 ごめんなさい。 分からなくて。
 
 私が、気が付いてあげられなくて。

 私が苦しめていたのでしょう?
 
 全て、独りで背負っていたのでしょう?

 ごめんなさい。ごめんなさい。
  
 ごめんなさい。ごめんなさい。

 ごめんなさい。ごめんなさい。

 
 七瀬はしっかり者のお姉ちゃんで、
 私はきっと、頼りのない妹で、

 
 ほら ……… 今だって結局、

 
(66) papico 2023/05/12(Fri) 23:37:07

【人】 火澄 瀬名





      ………… 何も分からないのです。
  


(67) papico 2023/05/12(Fri) 23:37:12

【人】 火澄 瀬名

  
 
 
 そんな私にできる、最後のひとつ


  
(68) papico 2023/05/12(Fri) 23:37:15

【人】 火澄 瀬名

    


 「 ごめ …… んね ……

   もう、……


   苦しまなくて、いいよ …… 七瀬 ……」
 

  
(69) papico 2023/05/12(Fri) 23:37:31

【人】 火澄 瀬名

  

 
 そう声を振り絞ると、
 七瀬の喉元からナイフを抜き取り、
 彼女の心の臓へと、
 力いっぱいナイフを突立てました。

 苦しむことなく、ひと思いにと言わんばかりに。 **
 
  
   
(70) papico 2023/05/12(Fri) 23:38:32