わたしたちは、上手くいっていたはずだった。


　ふたりで��桧垣やよい�≠�重ねていって、
　毎日それなりに楽しく過ごせていた。

　　

　　　　　　　　　ずっと、そう信じてた。


　　　

　

　
　
　
　……消えたくない。

　これからもずっとこうしていたい。



　だけど本当は、
　ずっとこのままじゃいられないって、
　心のどこかで分かってた。

　それに気付かないフリをしてここまできたの。


　　　

　

　
　消えちゃうことはいや。

　
　だけど、わたしを助けてくれたやよいちゃん
　わたしは、何よりもやよいちゃんが大事なの。

　そんなやよいちゃん苦しませることも、
　傷付けてしまうことも、寂しい思いをさせることも
　わたしはどれもしたくなんてなの。

　

　

　　

　
　　　　　どれもなんて都合のよいこと、
　　　　　できないことも分かってるけれど。

　　　

　


　ずっとこのままじゃいられないって
　心のどこかでわかっていたわたし

　私の存在を二重人格だと認識したうえで
　それを、幼馴染に相談し、
　解決策をずっと探ってきたわたし


　

　


　私には、わたしがわからない
　私には、わたしを止めることもできない

　私の秘密が明らかになることが
　私が一番避けたいことだというのを
　私は、わたしに伝えようがない


　

　


　でも私は知ってしまったんだ
　私のこと、朔也くんのお父さんが知っていた
　それって私のことを、
　わたしが朔也くんに話したってことでしょう？


　

　


　きっとわたしのことは私では止められない
　愛智くんにもこのまま秘密がバレてしまうんだろう

　多分私は目覚めなくてよかった
　あのまま目覚めていたとしたら
　スマホに残された「大切な話」の文字を見て、
　私は、わたしを嫌いになっていた


　

　


　このまま、ふたりで生きられないなら
　
　このまま、私が隠してきたことが
　わたしによって、明らかにされてしまうなら

　そうなるくらいなら、