人狼物語 三日月国


227 【身内RP】une jeune sorcière【R18】

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視点:


【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

長い触れ合いの時を終えて。
彼女はまだ、ユスターシュの腕の中にいる。

 「姫ーー…」

彼女に注いだのはまさに愛情の証でしかない。
封印されていた記憶がまだ全て戻ったわけではないが、強い気持ちは、断片にも然りと存在していたから。

ユスターシュの胸は今想いに溢れている。

愛しく、護りたい。
傍にいたく、触れたい。

それは全てチアキローズへ一身に注がれていた。

汲めど尽きぬ泉のように。

だからこそ、二人で居られる時間が限られようとも良いと思えた。
ユスターシュに与えられるであろう罰も享受出来ると。

彼女にはそんな事を悟らせずいたかった。

しかしーー聡明な彼女は、ユスターシュの言葉からそれを読み取ってしまったのだろう。
姫という立場であらば当然かもしれない。

立場を棄てていいとは、国に叛くという意味である。
(4) CDlemon 2023/10/25(Wed) 12:00:16

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

確かに彼女が姫ではなくーーそれこそ姫宮千秋のような平民と化すならば、ユスターシュは罰からも逃れるであろうし、イーリスを探すという過酷な使命からも解放されるだろう。

ーーただその道は幸せであろうか、彼女にとって。

ユスターシュは呻吟する。
そして彼女に誓いを立てた。

 「我が剣、我が命を賭けて誓おう。
 貴女と運命を共にすると。」

どちらの道にも不幸があるならば。
その不幸を出来る限り取り払い、生きればいい。

罰を受け入れる前に赦しを乞うことも出来るはずだ。諦めるのは早い。
彼女に地位を棄てさせなくとも、きっと活路はーー。
(5) CDlemon 2023/10/25(Wed) 12:00:48

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

 
『ユスターシュ様、大変デスッ』


突然ウンディーネの結界が解かれる。何事かとユスターシュが顔をあげると、水の乙女は空中に漂いながら此方を見下ろしていた。
その表情は険しい。

ウンディーネが片手を掲げると水の泡が発生し、ユスターシュとチアキローズの身体を包む。それは優しく二人の身体の汚れを清めた。

綺麗になってもチアキローズは裸である。ユスターシュはマントを脱いで彼女の細身をくるみ、姫抱きにする。

 
『大変デス、仲間タチガ暴動ヲ開始シマシタ。
 人間ニハモウ従イタクナイト。』


 「なんだと?どういう事だッ」

 
『サラマンダーハ人間ヲ乗っ取りマシタ。
 ドローイグニ居タ仲間タチモ主デアッタ
 精霊使いヲ乗っ取るナリ倒すナリシテ、
 此方ノ世界デ暴レテイマス!』
(6) CDlemon 2023/10/25(Wed) 12:06:21

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

余りの出来事に言葉を失う。まさか、今まで大人しかった精霊が?

ウンディーネだけは反逆に従っていないようだが。
ユスターシュは姫と視線を合わせる。

 「チアキローズ姫。貴女はまず
 身体を休めて欲しい。
 安全な場所まで送るから、そこで
 待っていてくれ。
 俺は精霊たちを止めねばならない。」

ユスターシュの願いは、彼女を戦わせたくない、である。
しかし、選択するのは彼女だ。*
(7) CDlemon 2023/10/25(Wed) 12:07:10

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

本来ならばこんな初夜になるはずではなかった。

華かな婚儀の後、王宮の寝室で。
きっと二人は結ばれたであろうに。

初めての行為は女性に負担が大きい。だから、ユスターシュはチアキローズを闘わせたくないと考えた。

事が急を要していようとも、だ。

しかし彼女はーーユスターシュの提案には首を横に振った。
待っているなど嫌だと。

 「……知っている。思い出した。
 洞窟で熊と対峙した時も、
 貴女は俺に援護や防御の魔法をくれたから。
 だが、貴女の身体はーー。」
(25) CDlemon 2023/10/25(Wed) 22:47:15

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

傷つけたのは己である。ユスターシュは唇を強く噛む。
彼女の決意を変える言葉を持っていない。

 「……どうやら俺が恋をしたのは
 戦乙女(ヴァルキュリア)であったようだな。
 姫よ、貴女に従おう。
 俺はどうすればいい?」

ウンディーネは黙ってやり取りを見守っている。彼女が考えるように、ユスターシュに対する強い想いから味方をしているのだろうか。*
(26) CDlemon 2023/10/25(Wed) 22:47:36

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

精霊たちは暴れ狂っていた。

海は荒れ船を転覆させた。
山では地鳴りが起きて土砂崩れに多数の人が巻き込まれた。
暴風が看板や木々をなぎ倒し、怪我人が多数ーー

ありとあらゆる自然の災害が人々を襲う。
人間にはなす術もない。

彼女は何をするつもりなのか。
素肌にマントを纏った戦乙女は凛とした御姿にて立つ。

リズムが刻まれた。
魔力を放つ楽器が輝きを放つ。

 「姫ーー危ないッ」

すぐに敵と化した精霊が襲い来る。屋上に降ってきたのは無数の雹だ。それはまさに弾丸のようなスピードで、チアキローズを狙っている。
(39) CDlemon 2023/10/26(Thu) 7:50:47

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

 「ウンディーネ、ウォーターバリアをッ」

ユスターシュの叫びにウンディーネは応える。水の膜がチアキローズとユスターシュを包む。
しかし雹はいくつかバリアを突き抜け、二人を傷つける。

それでも彼女は演奏を止めない。

 「くっ…!」

ユスターシュの剣技はこのような敵には全く役に立たない。
(40) CDlemon 2023/10/26(Thu) 7:51:10

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

 「……雹が止んだ。あの虹はーー。」

ユスターシュとチアキローズは屋上にいる。頭上には抜けるような青空、そして覆い被さるような虹があった。

ただ、呆然とする。
ウンディーネがポツリと呟いた。

 
『イーリスの力デ、精霊たちは
 治マリマシタ。デモ…

 キット、良クナイ事が起キル。』*
(42) CDlemon 2023/10/26(Thu) 7:53:55

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

虹は七大精霊の象徴、イーリスそのものだ。ただ目を奪われて言葉を失っていたユスターシュであったが、すぐチアキローズに駆け寄り、抱き締める。

 「姫よ、ご無事ですかッ」

その時にユスターシュは気付いた。彼女の髪色が変わっていることに。
それは魔力を失ったからなのか、違うのか。ユスターシュにはわからない。

 「チアキローズ姫…!
 貴女が生きていてくれることが、
 俺は何より嬉しい。

 貴女は俺の全てだ。」* 
(46) CDlemon 2023/10/26(Thu) 16:31:06

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

ユスターシュの腕の中にチアキローズは居る。
素肌にマントを纏っただけの格好だが、怪我もなかったし、ユスターシュは胸を撫で下ろした。

ウンディーネの話では精霊は落ち着いたようである。
これで差し迫った危機は回避できた。

しかし、ユスターシュはまだ警戒を解いてはいなかった。何故ならドローイグの焔の魔術師ベアトリスという敵がいるからだ。

ユスターシュはチアキローズへの愛を思い出し、彼女に忠誠を誓った。つまりドローイグとは敵対することになる。

ベアトリスはきっとユスターシュの裏切りを知れば怒り狂うに違いない…。

まだ闘いは終わらないのだ。
イーリスという大きすぎる力がある限りは。

ベアトリス側に起こった変化を知らぬユスターシュはこう考えていた。
(57) CDlemon 2023/10/26(Thu) 22:45:47

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

思いに耽っていたせいだろう。
チアキローズが、いや、姫宮千秋の姿に戻った彼女が"先生"と呼んだ事に違和感を感じるのが遅れたのは。

 「姫?ーー何を言って…」

目線があう。ユスターシュはチアキローズを姫抱きにしていたが、彼女を包むマントがはらり、とはだけ。白い肌が露出。

 「?!?!」

響き渡る絶叫にユスターシュは肩を竦めて面食らう。多分今までの戦闘より一番効いた。

 「なッ…落ち着いて。どうしたのだ、姫?
 まさか…俺を覚えていないのか?
 精霊の暴走も、その前に俺が貴女をーー…。」

言いかけて口をつぐんだ。明らかに彼女には記憶がない様子だから。
ならば、ユスターシュも譲の姿になるべきだろう。
(58) CDlemon 2023/10/26(Thu) 22:46:09

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

「兎に角、衣服を着た方がいいですね。
 貴女を家まで送ります。」

彼女の家は昨日送っていったし把握している。
他の魔法少女たちや、ベアトリスのことも気がかりではあるが。

彼女が了承するのなら、そのまま車を止めてある駐車場に向かうだろう。*
(59) CDlemon 2023/10/26(Thu) 22:46:28

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

彼女は激しく混乱している様子だ。この記憶喪失は一時的なものか、そうでないのか。
どちらにしろ真実を説明しても混乱させるだけだ。

 「落ち着いて、チアキロ…姫宮さん。
 色々トラブルもありましたが、
 今は安全だと思いますし。」

本当はまだ、いつベアトリスが襲ってくるかもしれないと譲はかている。
その場合、魔法を使えないであろう千秋を守りながら闘うしかない。

車を走らせているうちにいつの間にか空は夕暮れに。虹も姿を消していた。

彼女の家に到着すると、当たり前のように一緒に家に上がり込む。
今独りにするわけにはいかない。

 「……説明は、しますから。
 まずシャワーを浴びて着替えを。」

時間を稼いで考えよう。と、ーー
(68) CDlemon 2023/10/27(Fri) 10:15:56

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

目の前に現れたのは、二人の人物。一人は生徒の橋本彩綾。もう一人はーー。

 「……ベアトリスッ!」

譲はすぐに臨戦態勢を取る。また変身を千秋に見せることになるが仕方ない。

 「俺は思い出した。俺は、
 生まれこそドローイグではあるが、
 ミュジークの騎士だッ!
 姫に手出しはさせん。」

千秋の前に立ちはだかりかばうような姿勢を取る。が、華夜は変身もしないし、ただーー悲しそうな瞳をした。

 『もう私に闘う意志はないわ、
 ユスターシュ。
 どうか剣を抜かないで。
 私には、イーリスはもう必要ない。
 
 ーーエスポワ。彼と二人で話をさせて。
 その間に貴女は姫様を。』

奇妙な態度だ。罠だろうか。
しかし、エスポワと呼ばれた橋本彩綾はチアキローズの仲間だ。
ユスターシュは頷いた。
(69) CDlemon 2023/10/27(Fri) 10:16:27

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

華夜とユスターシュは別室にて話をする。

 『……貴方はドローイグにいた家族を覚えている?』

 「姉がいたが、焔に包まれ亡くなった。」

すると華夜は長い睫毛を伏せた。

 『そう。お気の毒に。
 でも貴方は護るべき大切な人を
 思い出したのね。
 ならば、その人と共に生きるといいーー。』

 「言われなくとも。
 ベアトリス、お前はもう姫に
 危害を加えないのだな?」

 『ええ…闘いは終わったのよ。』
(70) CDlemon 2023/10/27(Fri) 10:17:16

【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

華夜は淋しげに微笑んでいる。
ユスターシュにはその表情の意味がわからなかった。

 『大事なのは過去ではなく、
 今と未来よ。
 私も未来をこれから生きる。
 貴方もそうして。』

 「……姫の所へ戻る。」

ユスターシュは譲の姿に戻り、千秋の所へ。エスポワはまだ傍にいるだろうか。
彼女はエスポワと何を話しただろうか。*
(71) CDlemon 2023/10/27(Fri) 10:17:24