【秘】 暗殺屋 レヴィア → 翠眼 ヴェルデ女の顔にも感情は全く浮かばない。 この空間で、表立つ感情はほとんどなく。 こんな状況だというのに、まるで病院の待合室のような 無機質な雰囲気さえ感じさせる。 最も、今待っているのは治療ではないが。 「そうね、仕方ないわ。」 「暗殺屋だもの。」 殺しを楽しんでいる、という風でもない。 本当に、ただの仕事なのだろう。 命乞いの一つすらしない貴方に、 「生への執着がないのね」なんて、呟いて。 「そう、興味ないわ。」 なんて貴方の言葉には返しながらも、 安全装置を外した銃口を貴方に向けることは、まだ、ない。 女はプロだ。その動きに、此方への害意が含まれてない事 くらいは容易に感じ取れる。 だから言葉とは裏腹に、貴方の動作が全て終わるまで 貴方の事を見守り続ける。 「お金ね。」 それをどうしたいのか、と。 夕闇は貴方を見つめる。 (-279) arenda 2022/08/17(Wed) 12:56:00 |