人狼物語 三日月国


254 【R18G】星海のフチラータ【身内】

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【秘】 ブチ抜く ユウィ → 機関士 ジャコモ

「そうかい?」

招き入れて、穏やかな笑みを向けている。
これから起きることを知っているのに至って平常通りだ。

「オマエの命を取り合うことは、
 オレは最初から勘定の内に入れていたよ」

そりゃこちら側は裏切るつもりだったからそうなのだが。

「……ノッテの奴らはどうも甘ちゃんが多いからな。
 マフィアのくせして。オマエも、きっとそうだ」

「正直今からでも頭を下げれば、
 首輪付きで飼ってくれでもするんじゃないか?

 オレは結構そういうところを気に入ってたんだが……
 ユウィの生き様としちゃ恥さらしもいいところだ」

あなたと対等な立場どころか、
こっちが地の底まで一足先に落ちてしまう。それは望まない。

「ジャコモ。忘れ物はないか」

ヴェスペッラが出発するときに問われたこと。そのリフレイン。
たとえ忘れ物があったとしてもう戻れないが、
それを抱いて。覚えて先に進むのは悪いことではない。
(-1) backador 2024/04/07(Sun) 0:13:20

【秘】 ブチ抜く ユウィ → 機関士 ジャコモ


「はン」
「偉く熱い口説き文句を言えるようになったじゃん?」

前を向く。ずっと前へ進む。
並び立つならそんな相手がいい。
誰かがついてくるよりよっぽどいい航路になるじゃないか。

「正直、オマエの世界をオレの周りだけにしたくはない。
 逆もまた、そんなモンで収まるような器じゃねェ。

 色々なものを見に行こう。
 失う分だけ、世界を広げていこう」

「───駄目だったとしても、必死に生き抜いて死のう」
「ジャコモも死ぬなら傍で死ね。
 オレもそこにいる。今も、この先も」

行き止まりに辿り着いたとき、側に愛する奴がいるなら、
それほど心強いこともないのである。

「さ。どっからでもかかってこい」

ベッドに座って、不格好に足を組んで笑った。
──持ちあがった右足の首の先がなく、加えて断面が空洞だ。
致命傷を受ければすぐにあなたを撃つ。一人にはさせない。
(-3) backador 2024/04/07(Sun) 0:56:37
ユウィは、そういえば賭けの担保もいつか取り返さなくてはなるまい。どれだけ先になるかは分からないが。
(a0) backador 2024/04/07(Sun) 16:12:10

【秘】 ブチ抜く ユウィ → 機関士 ジャコモ

狂おしいほどの痛みを感じるのは血の循環が止まった合図だ。体温ごと血液が溢れ出ては悪寒が駆け巡り、視界が暗くなる。

(───、)

脳に何も登らない。思考が鈍る。
ほんの一瞬だけ置かれた状況が吹き飛んで、身体の動くままに近くにいた相手の背へ手を回した。多分こうすればいい。

ジャコモを殺さなくてはならない。
ジャコモを離してはならない。
それだけは確かに身に染み付いている。

頭が働かないなら直感に従うべきで、
今は正しくその時に違いない。

迷わず胸に足の断面を押し付け、撃ち損じのないように勘でも経験でも何でも頼りながら機構を作動させて。

──そうして心臓を撃ち抜く。その最後の一仕事をやり遂げて、あなた諸共後方に倒れ込み。尾がつっかかって今度は横に崩れた。
(-8) backador 2024/04/08(Mon) 8:15:10

【秘】 ブチ抜く ユウィ → 機関士 ジャコモ


安堵によるものか、命の灯火を燃やし尽くしたのか、
身体が脱力してもう指一本も動かせなくなる。

これよりヒヤヒヤするような鉄火場にはそうそう行き当たらないだろう。心臓を敢えて撃ち抜かせるなんて芸当、二度はやりたくない。

額に唇を寄せる。
眠るには少しだけ口元が寂しくて。

「Per favore」「dormi con me」なあ、添い寝をたのむよ

ここに至ってもいまだに罪悪感というものは感じるもので。
ファミリーでの暮らし。ヴェスペッラでの旅。
その中でただ一人殺せたノッテの人間があなただけであるということ、
それがどんなに幸いで愛おしいことなのかを噛み締めて眠る。

太陽も夜もない逃避行の先に、
どれだけの時間を過ごしていけるだろうか。
愛の言葉を改めて乞うのが、今から楽しみだった。


(──Anche a me ジャコモ)

本当に。良い命の使い方が出来た。
星の海にて、また出逢うその時を夢見て、
今日のところは満足して瞼を閉じるのだ。
(-9) backador 2024/04/08(Mon) 8:21:07

【独】 連なる恒星 ユウィ

「────ふう」

昏倒した追手たちを壁際に転がし、壁に体重を預けて一息ついた。殺してはいけない、ただの無力化。自己満足にこれほどまでの気力を払っている。

選択には責任と後悔はつきものだ。
もっと賢ければよかったのかと思い悩む時間は、昔よりずっと増えた。
ソーレに飼われることも、ノッテに飼われることも、自分は選ばなかった。生まれた時からついていた首輪を引きちぎったつもりで、鎖は今でも体の至る所を縛っている。これからもずっと過去に囚われ続ける。

あれこれ考えるまえに、自分の得意なやり方でいけ、と教わったことがあった。
頭が良くないから。マフィアらしい精神でないから。何も考えず仇なす者はその手で潰せ、と。

それがどうだ。ただ暴力を振るうままなユウェルはもういない。
余計な思考を抱き、相手を殺さないように手加減して動く、粗暴になり切れなかったただのユウィだ。
自分は勿論聡い方ではない。だが何も考えていない馬鹿なわけではない。

「もう何時間で難民たちの護送。
 ソーレ絡みの作戦の情報が入ったからそれの精査に、
 見かじめ料交渉への立ち合い……

 に。追加で入った"ゲスト"の接待、か。どう割り振るかな」

連絡を護送団に入れ、通話しながら機器を耳と肩で挟み、
それから追手どもを纏めて担いで、足早に合流地点へと向かう。
自分よりもっと上の人達が割り振ってくれていたことは、
全部自分でやらなくちゃいけなくなった。こればっかりは向いてないが仕方ない。

コネや資金は打撃を受けたものの、この先を歩くための分は十分残っているのも幸運なことだった。
(-45) backador 2024/04/11(Thu) 1:07:02

【独】 連なる恒星 ユウィ


「……腹に抱え込まず相談をするのも大事、ってか」

縛り付けてくる鎖から、無理に逃げ切るつもりだってない。

向き合い続ける。生まれた時からマフィアである己が選ぶことに誰もが幸せになる方法なんて残っているわけがないのだから、だからこそ“やりたいことをする”ことだけはできる。仮初の平穏なんてものは必要ない。
そうして命を、尊厳を守るなら。巡り巡って、誰かの人生を救うこともできる。愛と共に教えてもらったことだ。

これ以上誰も裏切ることはない。
それが恵まれていると知れた、何に忠義を誓っていたかを知れた、あの作戦には自分にとって大きな価値があったのだと思う。

ソーレの上司のことを思い返す。
仲良しを語るだけでは見向きもしてもらえない。
ノッテの上司のことを思い返す。
敢えて人情を語らなければ、人の心は動かせない。

ならば人情を通すための、それだけの力を身につける。

武力も、財力も蓄えて、
全てと対等な目線で顔を突き合わせられるようになってから、
改めて会いに行く。次は──ファミリーではなく、けれど反逆者としてではなく、ただ真っ当な人間のツラを見せに行く。自分ならきっと不可能ではない。

旅程は長ければ長いほどいい。
腐れ縁の野郎どもや、大切な相手と共に往くなら猶更だ。
(-46) backador 2024/04/11(Thu) 1:08:42

【独】 連なる恒星 ユウィ


「次の目的地は海が綺麗らしいね?」

いつの間にか目を覚まし、反撃のチャンスを窺っていた奴に獰猛に笑ってみせる。青ざめた表情をみて一層笑みを深めた。沈められるとでも思っているのだろうか。

星を渡るついでの旅行には古来より道連れは必要だし、
世は須らく情けをかけるべきであるだけなのだが。敢えて説明する必要もあるまい。

これから先、真の安寧が訪れることはない。

陽の光や夜の帳から離れて、
身を焼くような熱や恐ろしい暗闇に襲われても、
誰にも守られずに立ち向かわなくてはならない。

それでも、自分たちはただ蹂躙されるだけの、
それっぽちの小さな星なんかではない。
(-47) backador 2024/04/11(Thu) 1:09:41

【独】 竜は星として群れる ユウィ


「───さあ行こうか。
 我らが護送団 "シアーメ・メテオリコ" へ」

寄り合えば何にも負けない輝きとなって、宙を駆けていく。
数多の願いを乗せて運ぶ───流星群となろう。
(-49) backador 2024/04/11(Thu) 1:11:23