人狼物語 三日月国


69 【R18RP】乾いた風の向こうへ

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視点:


到着:囚われ セト

【人】 囚われ セト


[ かつての繁栄と異なる場所に未練はあるのか。>>3

  そう聞かれたのなら、恐らく答えは……



    
当たり前だ、俺を誰だと思っている。

  
Sans blague ? Je savais pas.

 
(18) yukiyukiyuki 2021/04/14(Wed) 20:00:24

【人】 囚われ セト


[ どさ、と硬い音を立てて倒れるように座り込む。
  尻の下と背に無機質な床材の
  無骨な冷たさを感じながら、
  けれども熱を持った身体にその冷たさは
  快かった。

  小さな灯取りの窓さえない、
  ここはいつだって空気が澱んで
  靄がかかっているようでさえある。

  小綺麗ではあるが質素な衣服。
  肩から纏ったローブの胸元を掻き抱くように
  合わせ、ずるずると身体を動かして
  仰向けになった。 ]
 
(19) yukiyukiyuki 2021/04/14(Wed) 20:02:08

【人】 囚われ セト


[ はぁ、と吐き出した息はのったりと
  部屋の空気を揺らす。
  続け様に込み上げた吐息を、
  今度は口から溢さないよう、
  目を閉じて飲み込んだ。

  錆びた鉄の味が口腔内に満ちたあと、
  鼻腔を抜けて、
  また部屋の空気を震わせて混じり溶けた。 ]
 
(20) yukiyukiyuki 2021/04/14(Wed) 20:03:11

【人】 囚われ セト


[ 王が死んで、後継が決まらず国は荒廃していく。
  幾度となく繰り返される歴史は
  斯くも馬鹿馬鹿しく。
  当事者にとってみれば大真面目なことは、
  巻き込まれた無関係な者には
  甚だ迷惑な話である。

  そう、王の不在につけ込み混乱に乗じて
  領土を拡大しようと攻め入った
  嘗て隣国だった我が国。
  見事に返り討ちに合った挙句、
  殺された者、捕虜として囚われたものが
  一体どれだけ居たのか
  今の己に知る術は最早無い。

  戦争には否定的で、そもそもの戦闘にさえ
  参加していない己は死なずに済んだ。
  死んだほうがマシだったとは
  言いたくはないが、なんでまぁ
  こんなことになっているのか、
  とんだとばっちりだなと思えば口元が歪む。

  今更愚痴を垂れ流しても
  仕方がないのだけれど。 ]
 
(21) yukiyukiyuki 2021/04/14(Wed) 20:04:55

【人】 囚われ セト


[ 簡単に言えば、とある貴族だか王族だかの
  主の目に己が止まっただけの話。

  紛れもなく男の其奴に、正真正銘男の己が。

  陽の当たらぬ場所で、
  否とされた欲望の吐口として、
  飼われただけの、  つまらぬ話。

 
  聞けばこの国で同性愛は死刑だと
  言うのだから笑ってしまう。
  己の身元を受けているこの屋敷の主も、
  事が明らかになれば死刑なのだろう、
  
───明るみに出れば。
  ]
 
(22) yukiyukiyuki 2021/04/14(Wed) 20:06:33

【人】 囚われ セト


[ 多少見目が良かった為に
  己は生き延びたというのならば

  いつか必ずここから出る。

  
何を犠牲にしても復讐してやる。


 
  奴隷の証、柔らかな腿の肉を彩る焼印に、
  ギリギリと爪を立てた。 ]**
 
(23) yukiyukiyuki 2021/04/14(Wed) 20:07:58
囚われ セトは、メモを貼った。
(a2) yukiyukiyuki 2021/04/14(Wed) 20:08:57

【人】 囚われ セト


[ 栄えている国だからこそ、権力闘争は
  苛烈を極めているようだ、と、
  陽の当たらない場所にいる己の耳にすら
  届く情勢。
  王が死に、後継が円滑に決まらないのは
  世襲通りに事が運ばれることを是としない
  争いがあることは想像に難くない。>>6

  王位継承順上位の皇子たちは力もあり、
  激しく相対していると聞き及ぶ。>>6
  高貴な血筋であっても狙われて
  消されることは珍しくないらしい。

  我が祖国が無謀な侵略に手を染め、
  戦いを挑んだのがこの国のどの皇子だったのか。
  そのあたりの記憶はぼんやりしている。 ]
 
(69) yukiyukiyuki 2021/04/15(Thu) 16:30:51

【人】 囚われ セト


[ そんな国に対して、国交と和平を望む
  べきだと進言した己の意見など、
  壮大なこの国の前ではただの平和惚けした
  戯言と一笑に付されるものであっただろう。

  まぁそもそもそれ以前に、
  甘ちゃんな王子の綺麗事など、
  利権に目が眩んだ父や幹部のものたちに
  捻り潰され表に出なかったのだけれど。 ]
 
(70) yukiyukiyuki 2021/04/15(Thu) 16:32:11

【人】 囚われ セト


[ そんな賑やかな街の喧騒とは
  切り離されたようにここはしんと静か。
  己の呼吸音が聞こえる。
  地下室がある屋敷など珍しくもない。
  ワインや食料の貯蔵に利用するだけに
  飽き足らず、犬まで飼うのだから
  この屋敷の主は強欲なものだ。

  一応血統書のついた雄犬、
  媚びも諂いもしないが
  どうやらいたくお気に入りのよう。

  物理的な暴力にも、
  死刑になるような行為にも、慣れた。

  いつか殺してやる変態豚野郎、と投げ付けて
  おまけに頬に唾を吐きかけてやった時の
  主の顔といったら、
  自尊心を保つには充分すぎるほど。 ]
 
(71) yukiyukiyuki 2021/04/15(Thu) 16:33:56

【人】 囚われ セト


[ 忠犬に与えられた褒美は楽しそうな
折檻

  さっさと殺せば良いのに、
  新たな犬を手に入れることもなかなか困難に
  なってきている昨今、好みの見目の者を
  探しあてる手間を考えれば
  生かさず殺さず飼い続けることを選ぶのは
  合点がいく。

  身体のあちこちから上がる痛みの訴えを
  無視して目を閉じる。

  外を歩く者達の足音でも聞こえれば良いのに、
  と、静かすぎて鳴る耳に僅か眉を顰めて思う。]
 
(72) yukiyukiyuki 2021/04/15(Thu) 16:35:37

【人】 囚われ セト


[ 例えば国を行き交う人々の息吹。
  例えば屋敷を散策する者の柔い空気>>33

  開かれた空の下。
  それだけでも感じられるのならば、
  糞のような日々を生き延びる為の、

  希望の糧にするのに。 ]*
 
(73) yukiyukiyuki 2021/04/15(Thu) 16:36:39

【人】 囚われ セト


[ 四肢を投げ出して、伏せた瞼の裏は闇。

  薄くなった肉の下、骨が床板にごつごつと
  当たるが、体勢を変えるどころか
  指を動かすことも億劫で、
  ぐ、と奥歯を噛みこんで眠ろうとした。


  想いを馳せるはずの祖国の風を、
  もう己はすぐには思い出せない。
  
近しい人の顔も、愛しい者の笑む表情も。

 
(125) yukiyukiyuki 2021/04/16(Fri) 15:15:50

【人】 囚われ セト



   ……、    ?


[ 張り詰めて剥き出しの神経が、
  髪の一本ほどの違和感を捉える。
  瞼を持ち上げるのにも苦労して、
  くっついてしまったような睫毛を震わせた。

  見上げるのは、変わらず無機質な天井。

  窓がない、ここには昼も夜もない。
  晴れも、雨も、ここには無い。

  ─── けれどたしかに鼻腔の粘膜を擽る、
  甘い匂い。

  それは花のような、柔らかな空気。 ]
 
(126) yukiyukiyuki 2021/04/16(Fri) 15:17:27

【人】 囚われ セト


[ 瞬きを二度。
  主のものではない香りに多少安堵しつつ、
  それでも眉間に皺を寄せてゆっくりと
  上半身を起こす。
  みしみしと、骸骨のように節々が鳴った。

  ぎぃ、と重く軋む、扉の音>>106
  鍵もなく動く扉の奥に隠された鉄の格子。
  細く差し込む光に目を眇めながら、
  それでも鋭くぎろりと睨む視線を投げた、
  ─── その先に。


  ふわりと光を纏って佇む、その人の
  白く細い指が、口元を覆う姿が、そこに。 ]*
 
(127) yukiyukiyuki 2021/04/16(Fri) 15:19:44
囚われ セトは、メモを貼った。
(a21) yukiyukiyuki 2021/04/16(Fri) 15:35:59

【人】 囚われ セト


[ 美しいものだけを写してきたのだろう
  その宝石のような双眸が、
  驚きで見開いたまま固まっていて、
  こぼれ落ちてしまいそう。

  悍ましい光景だっただろうか、
  口元に添えられた細い指では
  留められない声が漏れて。>>132

  その表情に、少なくとも己を可愛がる
  飼い主の色は見て取れず、
  刺し殺す勢い程の鋭い視線を幾らか緩めた。]
 
(154) yukiyukiyuki 2021/04/16(Fri) 20:34:19

【人】 囚われ セト


[ ここからでも分かる、質の良い衣服>>33
  オフホワイトの布地がふわりと風を孕んで、
  彼女の動きごと柔らかく包んでいる。
  澱んだ空気が、不似合いな甘い香り
  に混乱したように乱舞する。 ]


   
こんにちは、お嬢さん。

   Bonjour, jeune fille.


[ つい、と視線を外し、瞼を伏せて呟く。
  花のような香りが強くなり、
  彼女がこちらに近づいたのがわかる。

  布地の擦れるさり、という音に
  ちらりと目をやれば、まるで目線を
  合わせるように膝をついた彼女が見えて、
  少し驚いた。 ]
 
(155) yukiyukiyuki 2021/04/16(Fri) 20:35:46

【人】 囚われ セト


[ 花弁のように形の良い唇がゆるゆると動く。
  そうして問われた言葉>>133に、
  今度こそはっきり驚いて眉が上がり、
  それからまた顔を伏せる。

  堪えきれず溢れた感情に肩を震わせて、
  くっくっと喉の奥で笑った。 ]


   ─── 別に、好き好んでここで
   休んでいるわけではないのですが。


[ おやすみなの、などという言葉が可笑しくて。
  ああきっと彼女は、大切に大切に
  育てられている令嬢なのだと知るには充分。

  このような禍々しい場所に
  来るべき人ではないはず。 ]
 
(156) yukiyukiyuki 2021/04/16(Fri) 20:37:13

【人】 囚われ セト


   なにか、御用ですか。
   あなたのような方がいらっしゃるところではない。
   美しく揺れるドレスに、
   醜悪な臭いが付く前に
   お戻りになられますよう。


[ 視線を外したまま、頭を下げて。 ]*
 
(157) yukiyukiyuki 2021/04/16(Fri) 20:38:06