そろそろ帰んねぇと、先生待たせちまうな。

［　いつの頃からか働いていたの上。

　　いつの頃からかよく隣に来るようになった。

　　いつの頃からかそれが当たり前になった。　　］

［　船の上だけの関係が徐々に船の外にも伸びてきた。
　　何年目の付き合いか数えてもいないが、
　　確実に距離感が縮まってきていると感じられる。

　　年下で、生意気で、挑発的で、けれども憎めない。
　　可愛いと言ったことはあっただろうか。
　　ふと、最近そんなことを考えたことがあった。　］

　　今回もまぁ乱痴気騒ぎしてんな……

　　そういや、雪菜見てないか？


［　船の中にある事務所に戻ってきて、
　　防犯カメラの映像を一瞥しながら、
　　退屈そうにその映像を見ていた後輩に
　　最近よく一緒にいるその人のことを聞いてみた。

　　まだ戻ってきていないらしいとのことで
　　男も事務所で戻ってくるかな、と待つことに。
　　その間に呼び出しがあれば行くのだけれど。　　］*

名前の響きとは程遠いこの体の派手さに、
何度ため息をついたことがあったでしょうか。
電車に乗れば人の視線が刺さり、
軽く体が当たっただけなのに誤解され、
その度に体を隠したくなる気持ちに飲み込まれて。


「……どうしたら、いいのかな」


そんな、いつも強気ではいられないOLの私にも
働き始めてからできた好きな人がいるんです。
浮いた話は聞かないし、仲良くしているとも思うけど
何か、もっと仲良くなるきっかけがほしいなって。

「そういえば今度大きめの飲み会があるって
　どこかでみた気がする。……いく、のかな」


はっとして、社内の情報を調べたら確かにありました。
周りに誰もいないことを確認して、彼に行きますか、って
メールを送ったら、すぐに返事は来ないと思い、
画面を暗くしてお手洗いに行くのでした。*

─サンライズ・クイーン　スタッフルーム─

　　あれ、早い休憩ですね。

[>>3事務所に戻ってくると
見知った顔と後輩の子が一人。
事務所にあるインカムを取りに戻ってきた私は
つかつか、と彼、御子柴に近寄ると]


　　102の部屋の清掃入りますよ。
　　暇なら手伝ってください。

[彼の手を取って、ぐいぐいと。
102号室の部屋はお客様が使っていた場所で
随分と盛り上がったのか、部屋の中が幾らか乱れていた。
お客様から掃除を頼まれたので
お昼のご飯が終わるまでには、手早く片付けなければいけない]

　　良いよね、御子柴先輩。

[つん、とした態度だけれど
これでも随分と柔らかくなったのを
彼も知っている事だろう]*

──社内・喫煙所──


　　えぇ。30人ほど。
　　十川でお願いします。はい、、はい。

[宴会をすることになったのは
大きめのプロジェクトがひと段落した祝いだった。
初めはチームだけの宴会の予定だったのだが
リーダーは出来るだけ若い子を誘ってあげよう、と
言い始めて予定の空いている子に
片っ端から声を掛けた。
勿論俺にも声が掛かり、二つ返事で快諾した。
映画を見に行くつもりだったのだが、それはそれ。
お世話になっている先輩も幾人か参加する事だし。

その後に幹事の手伝いも任され、お店の予約をしてれば]

　　赤坂さん？

[>>6仕事中、珍しめの相手から連絡が来た。
赤坂薫子、面識もある、話した事もあるが
親しいかと言われると、それほどではない。

彼女にも誘いが掛かったのだな、と思うが
何故俺に連絡を掛けてきたのか、首を傾げつつ
もしや幹事の手伝いをしてるのを知っていたのだろうか
なんて解釈をしながら返事を返す。

その後は煙草を吸い終えると、また仕事に戻るのだった]

　　『私は行きますよ。赤坂さんもどうですか。』


[軽く誘いを掛けたのは
人が多い方がリーダーは喜ぶだろうし
俺も同僚として、会話が増えるのは嬉しい事だったから]*

　　朝食ヘルプが終わったから戻った。

　　とは言っても、お察しのごとく
　　あんまり来なかったから暇だったけどな。


［　後輩と一緒に防犯カメラの映像を見ていると
　　探していた彼女が室内に入ってきた。>>7
　　実の所、朝早くに起きたせいで眠たくてたまらない。

　　あくびを噛み殺しながら、はいはいとついていき
　　どれくらい乱れているのか気になってきた。　　］

　　まだ時間あるだろ、清掃前に寝かせてくれ。


［　いいよね、と言ってきたことに対しては
　　首を縦にふりつつ、眠い、と口にして
　　身長差がまぁある彼女にもたれかかるように
　　体重を任せながら部屋に向かった。>>8

　　初めて会った頃より、かなり柔らかい反応の
　　彼女のことを辞めさせようと何度考えたことか。

　　仕事ぶりは給与的な話で見てもよくわかる。
　　悪くないどころか寧ろいい。　　　　］

［　無論、彼女は恋人ではない。
　　間違えられるが、違うものは違う。
　　ただそれに近しい関係になってしまっているだけ。
　　だからこそ、彼女にそれを促すのはお門違い。

　　部屋に着いたなら乱れたベッドの上に、
　　上着を脱いでワイシャツ姿でダイブしたことだろう。
　　勿論、彼女にもおいで、と声をかけて。　］*

　　ふーん。
　　8番コールも減ってきたんですかね、先輩。

[>>12この船の中では
お客様同士だけでなくスタッフの方を指名する事も出来る。
なので私も、彼も指名されることはある。

……まぁその指名以外でも
普通に仕事が忙しすぎるなんて事もあるんだけど。]

　　ちょ、ちょ、重い。
　　おーもーいー。

[>>13自慢ではないが背の小ささは相当な物。
男に寄りかかられたら嫌そうな顔をして
ちゃんと自分で歩きなさい、と言うだろう。

眠たいのは分かる。
この船の上では下船するまではスタッフは
かなりの重労働で働かなければならない。
寝る時間であったとして、夜こそこの船の宴の始まりといっても良いのだから]

　　？なんか言った？

　　…………あのねぇ。

[>>14目的の部屋に着くと
彼がベッドの上にダイブする。
眠いのかもしれないし、それ以外かも知れない。
昔ならさっさと仕事しなさいと怒るところだが
今の私は半目になりつつ、ちょっと考えるように腕を組む]


　　……防犯カメラがあるしダメでしょ。
　　さっき後輩君も居たしね。
　　
　　気持ちは分かるけど、お仕事しなさい。

[と、彼に言った事だろう。
しかしあまり強い語気では無かった筈だ]*

お手洗いから戻って、色々と確認していると
十川さんからのお返事が来ていることに気づいて
何ともない、他愛のない会話なのに
体が暑くなってきた気がします。


「十川さんがいるなら、行きます……っと。

　…………え、あっ、やだ、これじゃ……」


あなたのことが気になっていますと
遠回しに言っているようなものではないですか。>>11
メールを送信した後に気づくなんて、
おっちょこちょいどころじゃないですよ。

体が熱くなってしまったので、
また席を外して体と心を落ち着かせなくては…。

行きます、と言ったから服も選ぶでしょう？
でも、どうなのでしょう。綺麗な方がいいのか
少しでも肌を見せた方がいいのか。
悩みながら携帯を眺めているのでした。


「どんな服が彼の目に止まるか、気になるけど…
　そんなことを聞いたらもっと墓穴掘っちゃうから
　あんまり肌の見えない服が無難ね……」


宴会当日は、シンプルな紅のワンピースで
会場にお邪魔することでしょう。
胸元に視線が行かないように、ゆったりとした
服装で、
彼の近くに座れたなら楽しくお酒を飲みますよ。*

　　ふは、8番は相変わらず呼ばれるさ。
　　でも俺だって忙しいから選んでるだけ。

　　相変わらず羽振りのいいお客もいるしな。


［　とはいえ彼女に指摘されたところは、
　　ある意味的を得ているとも言えており、
　　男にとっても指名され続けるのは
　　体にこたえ始めたとも言う。>>15

　　けれど、笑いが込み上げるのは抑えられなかった。　］

　　もっと重たいもん抱えたことあるだろ？
　　もうちょっと頑張れ、雪菜。


［　そうとはいいながらも、彼女に体重を乗せるのをやめ
　　ケラケラ笑って隣を歩くことにした。>>16
　　夜に客から呼ばれることもあるが、
　　クルー同士で、ということもある。
　　そういう意味で、眠たい可能性もなきにしも。
　　とは言っても彼は今彼女以外と関係はない。　　］