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【墓】 黒眼鏡>>+44 ニーノ 「ちっちぇえならちっちぇでやりようはあるからな。 背が低いのが好きな女もいる、 お前はツラもいい。大丈夫だ」 な、と。 あなたがどれだけ暴れようと、しっかりと腕の中に収めたままで。 「女を泣かせたら、男として一人前だ」 「……で、泣かせたら、男は絶対女に勝てねえ。 だがそれも、それでこそ男ってもんだから、 つまり男は男にならねえか、女に勝てねえかの二択になるわけだな」 「俺だってたあくさん泣かせてきたし、 これからも多分泣かすさあ」 かいかぶりすぎ、と額を小突く。 「特にフィオがな、あいつ泣かすと怖えから。 お前、俺の代わりにちゃあんと泣き止ませといてくれよ」 #収容所 (+51) gt 2023/09/25(Mon) 1:13:22 |
【墓】 黒眼鏡>>+46 アリーチェ 「まぁマフィアなんか信頼できねえと思うが、 人格的にじゃなくてもいい。 金でも脅しでも肉体関係でも、なにかしら関係性があるだけで違うもんだからな。 うまく使えってことで…」 顔を見られていることに気付いて、ぱちぱちと瞬き。 …すぐに、片目を閉じる不器用なウインク。 「そうだな。自分のやりたいようにする女が好みでね。 それと若者を応援するのが趣味だ。こっちも趣味と実益を兼ねてるから、Win-Winだな」 部下については気にするなよ、とは──まさか差し入れ持ってくるとは思っていないが――言いつつ。 「当然褒めてるよ、あんたみたいなのは中々いねえから、おもしれえわ。 こんな場所じゃなかったら、珈琲のみに来いっていいたいとこなんだがな」 「ハァ、なんだかな、しっかりしてるね。 俺は嫌な相手の言葉は、それが100点満点の言葉だろうと素直に聞きたくないが。 ……まぁあんたが変に絡まれて、迷惑かけちまうのもよくはねえ。 俺の方でちょっとは配慮しようとは思うけど」 とはいいながら、隣に座ったまま。 「まあ、しばらくはいいか。 なあ、……アレどうした? あれこそ迷惑かけたかもしれんって今思って」 ……四角い形をかたどる手ぶり。アタッシュケースだろうか。 #収容所 (+52) gt 2023/09/25(Mon) 1:20:11 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ「キミが女に優しいのは知ってるけどね……。 でも、相手が女性だからと言って、いつでも100%男が悪い……なんてことはないから」 それは覚えておいてねと、息をつく。 自分が悪いと思えば、殺されたって文句は言わなそうだと思ったからだ。 それはそれとして。 「聞きたいよ」 即答だ。 御魔化されてやるものかと思った。 そこに何か今の原因があるのなら、やっぱり、聞きたい。 「頭撫でるだけの人がそんなに……頭に浮かぶことあるかい? 他に、何かされてない? 面倒っていうと……マフィアとしてのキミを育てた人……とかになるのかな……」 教育係とか、上司とか。そんな風に聞こえたけれど。 (-272) eve_1224 2023/09/25(Mon) 1:27:21 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 幕の中で イレネオ「感謝……?」 流石に拍子抜けだったのか訝しむよりは呆けるように。 「……ここは快適か、イレネオ。 表のほうがそれはそれは自由にできると思うんだがなあ?」 ああ、一つ二つ目の前の輩に文句が言いたい可能性が出てきた。 だがこれをぶつけるには些か情報も足りなければその怒りはお門違いなのかもしれない。 男の言葉には少しの苛立ちと不満が含まれはじめた。 この牢屋内での暴行事件の一端を担っているのはこの男なのではないかと。 まだ全てを知らないのだ、それでも推測できるだけの人格は把握していたから。 (-273) toumi_ 2023/09/25(Mon) 1:36:23 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ「上司だな……黒眼鏡の次に俺の傍に居た奴だ。 入ってからすぐは黒眼鏡に引きずられてたんだけどな? あいつが忙しくなったんで他のやつに。 えーと、それと他にされたこと……」 何かされてないか、こればっかりはという顔をして。 「……か、 可愛がられていた…… 」本当にそうとしか言えないこともある。 詳細に話しても ただただ、様々な方法で愛され甘やかされていた だけ。依存して離れなくなるように、忘れられなくなるように。 「……頭に浮かぶまでの情はないんだけどなあ? 今もそうとう久しぶりに顔が浮かんできて……」 「ぶち殺したい」 数日前まではイライラしてものを買い漁ったりしていたと。 寂しさがないわけではないのだが。 「まあ、発作だと言われた。だから誰かが足抜けする話は嫌いだ。 どっか行くのも俺はしたりしない。 あいつと同じにならない、と、決めてるんだ」 だからマフィアを辞めるという選択肢は自分からは取れないのだ。 もしそうしたいのなら手足を切ってでも己を欲しいという女達のほうが可能性があるとも。 (-274) toumi_ 2023/09/25(Mon) 1:50:17 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 路地の花 フィオレ「……そうだなあ」 あなたの言葉を否定することはこの先殆どないのだろう。 そうするのが面倒である、なんて言いはしないが、言っても無駄だとあなたの行動力を信頼してしまっている。 可愛げがありすぎる猪突猛進の俺の部下の子猫ちゃん。 犬なのか猫なのか猪なのかわかったものじゃない。 「ファミリーを守れ、なんて。 アソシエーテに見えるファミリーなんざ人それぞれだしなあ」 ここは文句を言えるが、今だけは流してやる。 ボスは流すかわからん。 「ボスが駄目って言ったから我慢したのに他のやつにとられるのは」 「嫌だよなあ」 これはボスがなんて返すか気になるな。 早く昇進しろというだろうか。 「……若いから俺は心配するし、周りにも言われるんだろう。 アソシエーテの立場は低い。お前は、強いが、立場が弱い」 「フィオレ、あの男と事件のこと聞いてから泣いたか?」 (-275) toumi_ 2023/09/25(Mon) 1:59:17 |
【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレどうしてだったかは今となると分からない。その日、男は夜道を歩いていた。 祭りがあるわけでもなければ、大きなイベントがあるわけでもない。スポーツの試合だってやっていない、ある種狭間の時期。 わざわざ出歩く者は決して多くない。その一人一人に、自然目を配るように歩くのは、職業柄のくせだった。 そして。 通りに差し掛かった男は、くん、と鼻を鳴らす。 ────かおる、花のにおい。 嗅覚の敏感な男は、香る匂いのもとを、正しく振り向くことが出来たんだろう。 女。電話をしている。 仕事の用らしい────ファミリー。妙な単語だ。予感がする。 黒眼鏡。 さて。 男は立ち止まった。 その小さな異変に、貴方が気づくかどうか。もう少し話し続けるのなら、こちらもそれを聞くつもりで。 (-276) rik_kr 2023/09/25(Mon) 2:06:13 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 暗雲の陰に ニーノ「もっと食って背を伸ばせ。 背筋は伸ばして歩幅を大きくしてゆっくり歩け。 足は跳ねないように踵から、視線は真っすぐから振らさない」 子供らしいといわれているのを気にしていそうな貴方への指摘だった。一瞬わからないかもしれないが。 スープを一口与えて、また、一口と。 「ま、勝手に心配しに来た。マシそうでよかった。 男でピーピー泣いてたらどうしようかと。 どういたしまして、俺も礼を言われることじゃないんだがなあ」 俺は、犯罪者だぞと。悪い男とは言わないが。 「小さい頃からあいつに引きずられていたからな。 お前の歳ぐらいのときには別のやつといたが、 ずっとあいつを見てきてたよ。 嫌なところが似て、最後まで似れなかった」 「おかげでいい男だろ? あんな無頼漢より俺を真似しな。 いや俺もやめておけ、それでも本当にあの喧嘩っぱやい馬鹿老害を真似して育たないでくれ」 (-277) toumi_ 2023/09/25(Mon) 2:12:18 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 暗雲の陰に ニーノ「……フレ、ッド」 涙を拭おうと上げた手に、あなたの指が触れる。 触れられる。歪む視界。 抱き締める代わりに、怪我をしてないことを確認して。 ぎゅ、とその左手を握った。高い体温が伝わってくる。あなたには、濡れた手が冷たく感じてしまったかな。 ごめんね。守ってあげられなくて。 気に病ませたくなくて、口には出さなかったけれど。 「……、っ、うん…」 「すぐ、また会えるように……するから、待ってて……」 名残惜しいけど、ずっとここにいればそれこそ捕まってしまうかもしれない。 あなたの手をもう一度握ってから、そっと離して。 笑顔を見せる。見せる、努力をした。 そうしたのなら。後ろ髪を引かれる思いで、この場を後にするのだろう。 またすぐに明るい場所で会える、そう信じて。 (-278) otomizu 2023/09/25(Mon) 2:15:23 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ訪ねた檻の中に、その男はいたのだろう。 男は壁際で膝を抱えて丸くなっていた。項垂れているようにも、眠っているようにも見えた。薄暗い照明の下で、その姿はきっと、何処か頼りないものに見えたはずだ。 かつん。 近づいてきた足音が自分の牢の前で止まったと気づき、男は顔を上げた。 そうして、それが貴方と認めると。 「……ああ。」 ふ、と。自然に笑って見せた。 次にはすいと立ち上がる。そうしてまっすぐ、貴方に正対しに向かう足取りに惑いはない。 かつん。これも靴音を立てて、立ち止まって。 いつもはない鉄柵の向こう、いつも通りの10cmの高みから、これは貴方に目を合わせた。 「先輩。」 そうする表情も、いつも通り。 ……よりは、少し間抜けたような。まじまじ貴方の様子を伺っている様子で。 これはこの国の男らしくなく、ファッションに疎い男だった。 だから何かが違うとはわかっても、何が違うのかがわからなくて。 (-279) rik_kr 2023/09/25(Mon) 2:18:53 |
【秘】 路地の花 フィオレ → オネエ ヴィットーレ「だから、ここにいる間……お店のイメージ、考えておいてよねっ」 「こんな家具置きたいとか、こういう食器揃えたいとか」 そういう事を考えていれば、何かあったとしても。 希望になる。決して折れることのない支えになると信じている。 「お互い様。私も、ヴィーの友達でほんとに幸せよ」 「あなたがいるから、私は女の子でいられるんだもの」 にこりと微笑んで。 「……もう、行くわね。 そう簡単には、私は捕まってあげないんだから」 ガラス越しに当てた額に、体温を感じたような気すらして。 穏やかに笑って。 あなたの言う通り、まだ収容者の少ない時期に長居をしていれば不審者だと思われてしまいかねない。 名残惜しそうにはしつつも、ガラスからは一歩距離を取って。 「もう少しだけ……待っててね」 (-280) otomizu 2023/09/25(Mon) 2:29:10 |
【秘】 マスター エリカ → コピーキャット ペネロペ「そうだな」 「自分も、そうする」 「……そうしたんだ」 ふ、と息を吐いてわらう。 情報屋ロッシ──理から外れた力を持った者になる際、 彼らは力を得る代わりに己の何かをひとつ差し出す。 が、それ以外にも失ったものが彼女にはある。 情報屋になるだけなら、不必要なものだった。 「…だから、諦めきれなかった」 「…………」 「…叶わなければ、ここにはいなかったな。 それ自体は、悪くないことだと思う」 沈黙の間に、少なくない言葉が飲み込まれた。 きっと、後ろ向きの。後ろ向きだから。 飲み込んだものの誤魔化しではなく、 素直な気持ちで口から出た言葉だった。あなたは可愛らしい。 “素”のあなたでもと彼女は考えているが、 あなたがそこまで読み取れたかどうかはわからない。 (-281) 66111 2023/09/25(Mon) 2:29:15 |
【置】 リヴィオダニエラとの病院での診察の後、 男もまた出頭し己の罪を告白する。 様子の可笑しい人間で、職務態度も良いとは言えないが、 渡された仕事をきっちり熟す点においては知る人ぞ知る。 勿論、仕事を遣り遂げるのは当たり前のことではあるが、 その速度は人並み以上のものであった。 さて、そんな男の罪は何かと言うと、 マフィアからの押収品である銃の所持だ 。どうやら押収品として保管される前のものを 持ち出したらしいが……直接的に行ったのは、 同部署に所属する警部補の一人だと語っている。 実際、やり取りの証拠となる音声が録音された ボイスレコーダーを所持していたことや、 リヴィオ・アリオストによる証言から その警部補へも詳しい事情を確認する運びとなったらしい。 そうして肝心のリヴィオ・アリオストもまた、 詳しい事情の確認が必要となるため、 ダニエラ・エーコと共に檻の中での待機を命じられていた。 (L5) sinorit 2023/09/25(Mon) 2:36:15 公開: 2023/09/25(Mon) 2:40:00 |
【置】 リヴィオ檻の中での男は横になり、動く様子がない。 一見そのまま死んでしまったのではないか、 そう思うほどに微動だにしなかった。 しかしそれもそのはず。 限界を超えた体はすべきことを成し遂げたことで、 電池切れのロボットのようにスイッチオフ状態。 出来ればそのまま起こさないで欲しいと 意識を落とす前に考えはしたものの、 そう上手くいくはずもないと理解していた。 せめてそうなるまでは休息していたい。 それが今の男の願いだ。 何かあった時の世話は 彼 に任せた。約束通り会いに来たんだ。 それくらいのことは任せて許されるだろう。 増えた仕事の見返りってやつだ。 #収容所 (L6) sinorit 2023/09/25(Mon) 2:38:21 公開: 2023/09/25(Mon) 2:45:00 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ「どうだか。」 「悪人は大抵」 「まさかと思われるような善良な顔をしているものですから。」 そう言いながらも触れる手は止めずに、 貴方の身体が震えれば微かに目を開く。 頬へ飛んだ手はむしろ甘んじて受け入れるだろうか。 その威力がどれ程であれ、男は好きに打たせた後、その手を掴んだ。 「ははは。」 「効いてるみたいですね。」 つ、と貴方の手のひらを指でなぞる。 レンズ越しの金色には笑みが浮かんでいるだろう。 恐らくは床に這ったまま、震えている貴方を見て。 (-283) rik_kr 2023/09/25(Mon) 2:39:13 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ「糞が」 頼み事をした側としては不遜な言葉が綴られる。 それでもやり方に必要以上に異を唱えるわけでもない。 内心でどんな文句を思い浮かべているのだかはさておいてもだ。 長年国家警察としての任のついていただけあって体躯はしっかりとし、 長駆を支える骨は太い。そのくせ、日の下になければやけに病的な雰囲気をしている。 多少体重移動を己の意志でするだけあって死体よりかは重くは感じないだろうが、 それでも協力的に動こうともせず横たわる丸太であるのは変わらない。 息をつまらせ耐える、その時々の天井を性感が打つ度に体が震えた。 声を聴かせてやるのはどうしてもいやなのか掌を唇に押し付けすっかりと口を塞いで、 殆ど見えもしない部屋の隅へと目線を逸らして睨むような目を向けている。 白髪のまじりはじめた髪と同じ色の下生えは存外形良く揃えられていて、 その下から生えた性器もそれほど初心な代物ではなさそうだった。 けれどもなかなか絶頂には至らない。先の言は確かなのだろう。 発散しきれずに知らず焦らすように蓄積されていく性感を得て、 漏れる息は苦しげなものに変わっていく。それこそ拷問めいた様相だった。 体の表面に冷えた汗が滲み、内側に籠もった熱とは裏腹に寒がるように震える。 演技の一つでもしてやり過ごすことは出来るかも知れないが、 それを放棄したならば明らかに異様とわかるほどには、"うまく出来ない"らしかった。 首まで赤く染め上げながら、しかし唯唯の射精一つできないまま時間が経つ。 「別に、っ……壊そうが構いやしない、だろう」 最悪パイプ椅子の足でも何でも突っ込んでそれで用を済まされようが構わなかった。 求められる最低ラインは倫理の底を突き破って低く、破滅的なものなのだから。 (-284) redhaguki 2023/09/25(Mon) 2:40:11 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 黒眼鏡擽るような指に、掌に。身を小さく捩って。 甘い声を漏らす。まだまだ、敏感な身体はそれだけで疼いてしまうから。 「……ふふ、うれしい」 同時に、なんとなく照れくさくて。ふにゃりと頬が緩んだ。 竿の部分に浮いた血管をなぞるように指で触れて。 脈打つようなそれに、一層ぞくぞくとした感覚。 漏れる声だけでも、気持ち良くなってくれているのが分かって。 時折上目遣いで表情を見て、目を細めるように笑っている。 「ん……はぁい」 ねだるようにそれが押し当てられて。 ちろりと唇から、赤い舌が覗き見えたかと思うと。 先端から根本までを舐めながら降りて、また昇るようにして。 全部を味わうように、そうしてから。 小さな口で、先端を咥えてみせるのだ。 大きく膨らんでいるそれを全て咥えきるには難しくて、余った部分を手で擦ってやりながら。 吸い上げて、先の特に太い部分に舌を這わせている。 知り尽くしたそこへ。的確に、快楽を与えていく。 (-285) otomizu 2023/09/25(Mon) 2:44:48 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 黒眼鏡「名前を呼ぶくらいだから、余程の付き合いでもあったのかと思ったけど?」 観光客。本当にそれだけ?そういう視線。 「プライドだとか、意地だとかってやつ?」 「……ねえ」 「アレ、ちゃんと戻ってきてよね。やりたいこと、いっぱいあるんだから」 なんとなく、少しだけ不安になって。 解放されても、傍に居てくれるのだろうと漠然と思っていたものだから。 手が届かないのも相まって。 あなたが未来の話をしないのが、ちょっとだけ不安になったのだ。 それだけの、話。 「お年頃なんでしょ、反抗期ってやつじゃない?」 「そういえば、フレッドから『にいさん、姉さんのこと大好きだよね』って聞いたんだけど。 そうなの?いつもフィオによろしくって言ってるって」 フレッドも嫌がったりするのねえ、なんて。 毎度のごとく抱き締めても受け入れてもらっている姉は、しみじみと思うのだ。 「ほんとかしら。ヴィンテージものって高く売れるらしいわよ?」 ヴィンテージとボロは違う。 「ないじゃないの。パンそのまま食べるつもりだったの!?」 ジャムくらい買っといてよ〜、なんて言いつつも。お願いされれば受け入れるのだろう。 (-286) otomizu 2023/09/25(Mon) 2:59:01 |
【墓】 口に金貨を ルチアーノ一人の放蕩息子が檻の中に入れられた理由は、 マフィアであったこと その夜、ルチアーノ・ガッティ・マンチーニは 彼を捕まえたリヴィオ・アリオストとそれはもう仲良く歓談しながら警察に出頭していた。 そのあと知人の女性警官にマフィアであった事を泣かれ、 平手打ちをされ殴られ警察沙汰になりかけたが其処は既に牢屋であったため、 大人しく檻の中に入って何もしなくていい時間を怠惰に過ごすことになる。 因みに男は予め警察に大量の金を握らせて、その日一日だけは 別の女性警官を連れながら比較的自由に牢の廊下を歩き回っていたらしい。 一番の罪状はここであったであろうが、そんな事実は忙しない日々と闇の中に隠されていくのだ。 (+53) toumi_ 2023/09/25(Mon) 3:01:18 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ「愚問だな。」 は、と男は息を吐いて笑った。くるり、指先でペンが踊った。 それは酷く演技じみた仕草だった。この男らしからぬ、大仰な仕草。 視線の動きはペン先から貴方へ。金色は軌跡を作り、その大きな瞳を見返した。 「向いているわけがないだろう。」 ぴしゃり。そう言い切る。 「マフィアごときを慕う人間が。」 「その善悪もわからないお前が。」 「警察に向いているはずがない。」 男は、身内に甘いたちである。 身内には。では、身内でない者には。 そうでないと断じたものには、さて。 それが今、貴方の見ている顔だった。 ────男の言葉は。 もしかしたら、貴方の背を突き放し。 家族の方へと歩み出す、 僅かな一助になるものだったかもしれない。 例えそうだったとしても、 それは男の意図したものではない。 ▽ (-287) rik_kr 2023/09/25(Mon) 3:09:35 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ「そうだ。聞きたいことがあったんだ」 くるり。くるり。ペン先が回る。 誇示するように回る。 機嫌よく舞い踊る。 「お前、マウリツィオ・ベトゥッラという男マフィアを知らないか」 「ずっと探してるんだが尻尾を出さない」 「それとネロ。二人ともお前より背が低かったな」 「知らないか?」 「ああ」 「それと、誰だったか」 「お前くらいの背丈の女マフィア」 「花の匂いがする奴だ。知らないか」 回る。 誰かの、顔は。 浮かんだだろうか。 (-288) rik_kr 2023/09/25(Mon) 3:10:38 |
【秘】 コピーキャット ペネロペ → マスター エリカ「たったひとり」 あなたの言葉を繰り返せば、脳裏に浮かぶのは。 もう10年近く面倒を見てきた弟分の顔。 任されたばかりを思えば、随分と情も湧いたものだと思う。 傍若無人な法に連れ拐われてしまわないかと心配する程度には。 自分にとってのたったひとり。 あなたにとってのひとりきりは、きっと。 想像はすれど、口にするには少々無粋な気もしていて。 「…あら、お上手なんですから。 でも。そうですね、素敵なご縁が出来ました 何なら弟子入りしたいくらいですけど。」 それはきっと、料理の話。 「今日は久しぶりにお客さんとして飲みたい気分です。 Cuccioloに一杯、お願いできますか。マスター」 バーカウンターを出て、客席の方へ。 椅子に座れば、頬杖をついてにこりと笑った。 素の彼であれば、少しの無粋は言っただろうけれど。 それと同じくらい傲慢に、自信を持って、俺の美点だからな、と。 チェシアの猫のように笑ったことだろう。 (-289) unforg00 2023/09/25(Mon) 3:19:17 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 口に金貨を ルチアーノ「そうだろうな。お前たちにとっては。」 会話はきっと噛み合わない。 男は自分を ────正確には、自分が従う法を──── 絶対的に信じているようだった。それが何よりも正しいと思っているらしかった。ここでの生活がいくら不便であっても。 ここでの寝床がいくら硬いものであっても。 ここでの食事がいくら粗末なものであっても。 そんなことは、この男にはさして問題にならない。 従順な犬は、飼い主の与える環境に文句を言わない。 貴方の苛立ちを、男はこの環境への苛立ちととった。 そら見た事か、と鼻で笑う。 悪人に罰が下るさまは、見ていて胸がすく。 暴行事件なんて事実はここにはない。 あるのは、男が特命を得たということだけ。 その手段として許されているものに、暴力も含まれていたというだけ。 (-290) rik_kr 2023/09/25(Mon) 3:22:51 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 口に金貨を ルチアーノ女は自由であるように振舞ってはいるものの、ファミリーの足枷になるようなことはしてこなかった。 そのつもりだった。 仕事の報告は欠かさなかったし、少し出も引っかかる場所があれば指示を仰いだ。 分からないところは聞くようにしたし、思ったよりは従順だったように思う。 性に奔放で、立場に関係なく馴れ馴れしく接するところはもしかしたら直すべきだったかもしれないが。 「……当たり前よ」 「取られたくない。あの子達の仇を討ってあげたいの」 一旦は。ボスの指示を待てという命令を聞く姿勢ではあるようだ。 アソシエーテの立場が弱いことだって、重々承知の上だった。 「泣いたわよ、当たり前でしょ?」 「ずっと見ていたのに、私は気付いてあげられなかった。 笑顔で送り出して、引き取られた先での幸せを祈ってたの」 「それが踏みにじられていたと知って、泣かずにいられると思う?」 (-291) otomizu 2023/09/25(Mon) 3:23:09 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ女は少しうわついた様子だった。 事後のような頬の紅潮。そして、電話をしていることによる注意力散漫。 何かを成し遂げた後の、達成感によるものだったのだろうか。 だから、あなたの姿に気が付くことはなかった。 話を、続けている。 ―――嗅覚が敏感であるならば、その花の中に。微かな薬品の匂いに気付けるだろうか。 違法薬物の匂いではないようだった。 「遊ぶにしろ、注意力を身に着けろって言いたいんでしょ? もう耳にタコができるほど聞いたわよ」 「しょうがないじゃない、あの人とするの気持ちよくって―――もう、何よ慌てちゃって。 童貞じゃないんだから」 「とにかく! ノッテ の役に立ったんだから感謝してよね」「じゃあ、お迎え待ってるから―――」 自慢気な声が、横を通り過ぎようとする。 誰かに聞かれているとも知らずに。 (-292) otomizu 2023/09/25(Mon) 3:36:27 |
【墓】 口に金貨を ルチアーノ>>L6 リヴィオ 男は亡骸のような友人らしき者の前でしゃがみ込んで、暫く観察をしていた。 「お疲れさん」 その頭に手を置いて離せば、緩慢な動きで立ち上がって何処かへ立ち去った。 自分も同じように眠っていたいのだが、これからどれぐらいの時間ここで過ごすのかわからない。 牢獄の中ですら自由に動けるわけもないから、もう少しだけ。 熱は収まったのだろうか、水は多めに頼んでおいてやろう。 あと胃に優しい食事だったか? スープでも構わないか。 劣悪な休暇を少しはいいものに変えて満喫してくれ。 さて、明日からはゆっくり寝られるだろうか。 #収容所 (+54) toumi_ 2023/09/25(Mon) 3:38:38 |
【秘】 また、歌う カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ刻む音。響く音。ここは牢獄で、隅の区域だ。 この区域に、檻はあなたのと隣のを合わせて二つしかない。 執行チームの全員が捕まっただとか、自首したとあれば、 これ以上人は増えないものの、それらの処理に追われ 署内の状況は想像するに大変な事となっているのだろう。 であれば、大人しい女の監視に裂く手が余ってるか、と 言われると、そこまでの暇はない訳で。 結果として見逃されたモールス信号に、 同じように壁を叩く音が隣の牢から聞こえるのも、 ある意味では必然に思われた。 さて、壁を叩く音はと言えば。 トン、トトトン、トン、トントン。 ……T.U.T.M.……? モールスにしては意味のない羅列。 これはどちらかというと、おふざけのノックのような。 「今時モールスはないだろ、モールスは」 (-293) shell_memoria 2023/09/25(Mon) 3:40:25 |
【秘】 また、歌う カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ気の抜けたような声が、隣の牢から返ってくる。 幻聴、だったかもしれない。 「あと普通に今利き手の拳が痛いから勘弁してくれ」 幻聴にしては、はっきりと、いつもの声だ。 「ここ数日の俺は運が良いのと悪いのを 交互に繰り返してる。今は運が……どっちだろうな」 署内は今、猛烈に慌ただしい。拘留中の者同士が、 どんな関係かなど、最低限しか考慮されない。であれば、 収容所以外では誰との関わりも口にしてこなかった女が、 収容所ですら徹底してその名前を出さなかった故に、 隣の牢に偶然収監されてもおかしくは、ないだろう。 或いは、これこそ『天秤』なのかもしれないが。 「それで。自首、したんだって?『A.C.A』さん」 そんな声が続く。声音は……どうだろう、 怪我のせいか、内容のせいか、少しか細い声に思えるか。 ため息とともに、牢の壁を伝い、少しでも傍へ、と 廊下側の格子に寄りかかるような音が聞こえた。 貴女なら、わかるはずだ。か細い声には、 からかいの色が乗っている。怒ったり、 落胆しているような様子は、ない。 (-294) shell_memoria 2023/09/25(Mon) 3:51:19 |