人狼物語 三日月国


254 【R18G】星海のフチラータ【身内】

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視点:


【秘】 黄金十字 アウレア → □□ エーラ

「ナルも言ってたのかよ!!
 まあ手伝ってもらう時に困るのはそうなんだけどさッ……」

こればかりはあなたの方が正しい。
深夜に自室の机の汚さを年下の後輩に諭されている図。
分かっちゃいるがそれはそうなので言い返すのをやめた。

「俺様ちゃんともなると二つの性質を併せ持つか……」

なんてふざけた事を言いつつ、
こちらはすいとコップを空にして。

「だってそうだろ。……なんだよ、甘えんぼか?」
「俺はしょうがないトコあるし……それに、」

抱き締められれば、少しの温かさ。
いつも通りに抱き返そうとしたところで。

(-242) susuya 2024/04/03(Wed) 13:01:26

【秘】 黄金十字 アウレア → □□ エーラ


「ッ、あ ?」

痛み。


「な、にして……ッ、!?」

あなたの背中に回そうとした手は、
代わりに拳の形を作り鳩尾に目掛けて突き飛ばすように
あなたに叩きこもうと。

何をされた? いつもの悪戯ではない。
何かを流し込まれた感覚。注射針?
であれば、どうして、 ――いや。


「……エーラ」

「本当は何の
ご用事
なんだァ?」

言ってみろ


あなたが離れても、離れずとも。
アウレアは針を刺された場所を押さえながらそう問いかける。
(-243) susuya 2024/04/03(Wed) 13:04:01

【秘】 黄金十字 アウレア → □□ エーラ

即座に立ち上がり素早く距離を取る。
やはりというべきか、袖から見えた針。
その先から床に落ちる一滴を少し目で追って舌打ちをした。

「ふ」
「ふは、は、はは! あははは! そう、そぉかあエーラ……」
「オメェかぁ……
もう一人
は。
 こりゃあ他にも誰か居やがるな」

「勿体ぶってないではっきり言えばいいんだよ!
 俺を殺しに来たんだろう? 良いチョイスじゃないか。
 メイドマンかつエンジニア、邪魔臭いだろうなあ」

アウレアは呵々と笑う。
すっかりいつも通りのなりを潜めたあなたを、
いつも通りの調子で見据える。睨みつける。

……少し頭が痛い。何を打たれたかわからないが、悠長な事はしていられない。
この身体の事だ、少しは丈夫に作られているだろうが。

覚悟はもう既に決まっている筈だ。


一つ、息を吸い込んで。

「――Type-Noah、
緊急コール:Carpe diem!

 次のアウレアによろしくなぁ、良き旅を!!」
『本気ですか?……緊急コールの受理。アウレア、良き旅を』

鋭い声がオトモ君――小型ドローンにコールを告げる。
ピピ、と小さい電子音の後、ドローンの姿は搔き消える光学迷彩機能が起動する
(-257) susuya 2024/04/03(Wed) 14:53:53

【秘】 黄金十字 アウレア → ソーレファミリー エーラ

「知ってるともよ。そっちが動くと思ってたんだが……、
 小回り効くのは確かに君の方だ」

「流石にそこら辺は分かってるってワケね。
 やっぱヨソにも有能さが知れちゃったか〜っ、と。いいもの持ってんな?」

修道服の横、目立たないスリット部分に手を入れ――、
拳銃を向けられれば止まる。

「俺様ちゃんがこの世から居なくなったら
 流石に世界の損失だろ〜? もち取ってるってぇ」
「……なんて冗談も言ってられなくなってきたんだけどな。
 お前、どこのシマの奴だったんだ? いや待て、当てよう」

凶器を突き付けられるのは想定内だ。
動揺はしないが十分警戒に値する。それでも努めて、いつも通りに。

「最近見た名前なら……ソーレか、」

途端。
――カクン、とあなたの照準から外れるように体の力を抜く


なァ!!


そのまま自ら頽れるような動作を踏み込みに変換し、
背の低いあなたのさらに下方から投擲したのは……杭だ。
修道服に忍ばせておいた銀製の太い杭は、
ナイフのようにあなたに目掛け飛ぶ。
これもただの牽制だ。少しでも動揺を買えば次に繋がる、筈。
尤も、そろそろ薬が効いてくる頃だろうか。
(-268) susuya 2024/04/03(Wed) 18:23:22

【秘】 黄金十字 アウレア → ソーレファミリー エーラ

投擲した時点でさらにもう一本袖から杭を出す。
踏み込んだ足が床を全力で蹴り飛ばし、
肉薄せんとする間にもう一つ――十字が刻まれた槌が握られた。
視線が合う。

無謀だろうか。相手の持つ武器は一発当たれば死に至る。
対してこちらは武器とも言えない古びた道具。
無謀でも愚かでもなんでもいい。


絶対に逃がしはしない。


 「あんまり、」

狙いは定めた。片足を前方、あなたの横に踏み出し支えに。
左手に杭。右手に槌。ここからなら心臓を目掛けて、


  
「ナメんじゃ、……ッ、!」



ぐらり。


――途端に眩む視界。
ぐにゃりと歪んだ視界に、体勢が傾げる。



構わない。当たればいい。
ぎり、と奥歯を噛み締め、

(-283) susuya 2024/04/03(Wed) 20:41:56

【秘】 救済執行 アウレア → ソーレファミリー エーラ



「――ねェぞ!!」



思い切り、振り抜く。


大幅にずれた狙いは胸から腹へ。
自分の手ごと埋める勢いで振ったつもりが、
予定よりも傷は浅かったかもしれない。
もしかすれば、簡単に躱されてしまったかもしれない。
それでも鋭い金属が勢いよく人体に打たれれば、
少なくとも無事ではいられない事はあなたにもわかるだろう。


「ぐッ、う!」「あ、」

どさ、と勢いのまま床に無様に倒れ伏す。
すぐに立ち上がろうとしては、また膝を付き。

「ノッテがんな、
簡単に
、ぃ」「マジ、っ、何打った?」

途端に息を荒くして、それでも尚まだ対峙しようと。
落ちたウィンプルに見向きもせずに立ち上がる気で。
(-284) susuya 2024/04/03(Wed) 20:43:00

【秘】 救済執行 アウレア → 通信士 カテリーナ

「だってよお」

「……誰も疑いたくないんだもの。嫌んなるよな。
 俺様ちゃんにとっては全員大事な人間だったぜ」
「俺様ちゃんは裏切りは嫌いだが……怨めねえわ。
 今まで一緒に居た奴を信じられないって、心細いんだよ」

「……だから誰がクロだとしても赦しちまうわ。
 悲しい、寂しいより先に。性分だな」

報いはあるべきだと思うがな、と付け足して。
声音は本当に、寂し気で。

「ねー。その時はお土産の袋でも持って行くかな。ハハ」

そうやって笑うアウレアも、すぐにいつもの調子に戻る。

「えっ、ホントか!? やったぜ〜! 楽しみにしとくな!
 俺様ちゃんからもなにかご褒美を予定しようか……」

「…………」「しっかりしろよ〜?」

そしてまた沈んでしまった表情に、
腰に手を当てて苦笑いをした。

「お前は大丈夫だよ。しゃんとしな」
(-286) susuya 2024/04/03(Wed) 21:01:14

【秘】 黄金十字 アウレア → 通信士 カテリーナ

「……ま、しゃあねーのかもな。
 平和な振りしてっけどその実マフィアなんてこんなもんさ」
まあキレたっちゃキレたけど……


キレていました。喉元過ぎれば平気なタイプなのかも。

「全ての魂は赦されるべきだよ。そして祝福されるべきだ」
「どうせマフィアなんざ全員地獄行きだしねぇ。
 今の内に赦し合って地獄の門の向こう側で笑いたいや」

どうせウチらが何言ったって神様は許してくれるからね、なんて。
シスターにしては緩い言葉でそう言ってケラケラ笑った。

「まっ、今日は早く寝とけよ〜?
 仕事が落ち着いてるときに寝た方がいい」
「俺様ちゃんもそろぼち残った仕事してきますかねぇ……。
 オハナシ聞いてくれてありがとさん」

そう言って、ひらりと手を振って。
そのまま離れようとしたけれど、途中「あ、」と気づいたように。

「ほい! チョコ!」

持っていたトートバッグの中から、ポイとあなたに放った。
(-297) susuya 2024/04/03(Wed) 23:13:00

【秘】 黄金十字 アウレア → 通信士 カテリーナ

「まかせな〜? 一言はガツンと言ってやるって」
「まあ……死なねえのが一番だよ。
 どうせ笑うなら全員笑って生きててほしいもんだぜ」

――結果として、それは叶わなかったのだけれど。
叶わないかもしれないから、どうか、なんて。
祈りの意味を込めて、言葉にしたのかもしれない。


「そ。いっちゃんデカいブツの点検がまだなんで。
 だぁいじょうぶだよ、ウチはただじゃあやられないから」

かつん、かつん。
手の上で踊るように跳ねて収まったチョコと、
慌てたようなあなたの姿にくすくすと笑い。

「頑張れよっ。おやすみ」

ぱちんとそんなウインクをして、
あなたの元を去ったのだった。

それが最期だった。
結局アウレアは、あなたが『裏切り者』なのだと気づかぬまま。
それはきっと神様の悪戯だったのかもしれない。
知って、生きていたらきっと、また違う未来が。

その全てはもはや、もしも話でしかないけれど。
(-359) susuya 2024/04/04(Thu) 23:29:43

【秘】 黄金十字 アウレア → ソーレファミリー エーラ

「動ける、し……!」「キ、ッツい、けど!」

――嘘だ。動けていない。

ようやく立ち上がって、槌を握りしめているので精一杯だ。
辛うじて外れていないハートフレームの眼鏡の奥で、
緑の目があなたと、あなた以外の何かを見ていた。
袖からもう一本杭を出そうにも、酷く手が震えている。

「こんな事、すんなよ」「キャプテンだって悲しむ、んだよ」

黒い影に囲まれている。かつての仲間の姿が見える。
炎に包まれている。マーブル模様のノイズ。強い光。


「う、ぁ」「は、ははは、は」「あッ、たま痛い……」

伽藍洞に見える。歪んで見える。眩んで見える。その隙間に、あなたの姿が見える。
目を閉じてはいけない。目を逸らしてはいけない。


「潰れる、訳、ねェだろ……宙がある限り、」
notteはずっと続く、ってな」

随分重たそうに。ずるり、と、槌をゆっくりあなたに向けて。

「……とっとと殺りなよ。あんたにはあんたの役目が、だろ」
「お互い、カッコはつけとかねェと……ふ、ふふ」

「よーく狙えよ……外したら殺しちまうぞ」

(-368) susuya 2024/04/05(Fri) 0:41:44

【秘】 君の友達 アウレア → ソーレファミリー エーラ


アウレアは立っている。自分のプライドと、精神力だけで。
もうろくに真実を映さぬ目を歪めて、笑っている。

抵抗はない。出来ない。ここで殺されることを悟っている。


「安心しろ」「神は赦して下さるよ」

死ぬのは怖くない。怖いと思った事は無い。
ただ、



「……エーラ」

「楽しかった」


胸が痛い。



膝を 付いた。
(-369) susuya 2024/04/05(Fri) 0:45:00

【秘】 黄金十字 アウレア → 仕分人 ナル

「おお……俺様ちゃんの保存か。びっくりした。
 盗撮を本人の目の前で依頼するんじゃねえ。
 人格データなら取っといてるぞー、探して勝手に見ろ」

なんとも投げやり。ただし嘘は言ってなかった。
自分があなたのデータを見たのだから自分も明かそうと、
この船のどこかに隠してあるんだ、なんて付け足して。

「まあ……要はあれだろ、アルバム作り。
 オトモ君のマスター権限ナル君にもあげておこうかな……。
 後から好きに見れるようにしとくね。悪用しないでしょ?」
『はい。オトモ君も良いと思いました。
 お任せください、オトモ君にはセンスがあります』

ぴぴ、と電子音の後、白い機体が誇らしげにくるりと回った。

「……ん。頼むぞナル君、その意気だぜ」
「死ぬなよ〜?」

んじゃな、と笑みにはにかみを返した。
背中を最後まで見送って。
どうかあなたが望む通りになればいいと、祈った。

それから先。アウレアの死が告げられた後。
きっとアウレアの言う通り、オトモ君のマスター権限はあなたにも付与されていただろう。
オトモ君の内部データはクリーンアップされていたけれど、
あなたの望んだ思い出はアウレアの持つガラクタのどこかに。
それが見つかるのがいつかは、命無き者には判らぬ事だ。
(-377) susuya 2024/04/05(Fri) 1:25:13

【秘】 黄金十字 アウレア → 正常動作 エーラ

ぱん。


「ぁ、」

     視界が弾けた。あたまが、はじけた。

ぱん。


     激痛。焼けるような、燃えるような。

ぱん。


     冷たいような。


撃たれた勢いで、アウレアの身体は仰向けに倒れた。
壁に掛かる黄金の十字架を仰ぎ見るように。
気に入っていた煙草がそのはずみでポケットから落ちて、
広がっていく紅に浸って行った。

見えない。なにも、どこも動かない。
けれど最期、声だけは聞こえて。

「    」

照れんなよ、って皮肉ってやろうって思ったけれど。
その前にふっと、意識が落ちて。

そのままだった。
それきりだった。
(-379) susuya 2024/04/05(Fri) 1:53:15
黄金十字 アウレアは、メモを貼った。
(c4) susuya 2024/04/05(Fri) 2:02:25

【秘】 黄金十字 アウレア → 仕分人 ナル

終ぞ剥がされなかったままのシール。
このドローンにも自分で剥がせる術はあるのだが、
あれからずっと貼ったままでいる。

『……現存しているプロトタープデータから分析した結果』
『感情が関係するため演算結果の正確性は不明ですが』

『アウレア様は楽しんでおられたと推察します。
 あの方は仲間と過ごすのがお好きな方ですから』

『寂しがり屋であることは事実だと判断します。
 でなければ『アウレア』という在り方を
 選ぶことはなかったでしょう』

幼い子供の声をした合成音声がそう告げる。
かつてのマスターの亡骸を見ながら。
誕生日はいつになるかという問いには、機体を傾けた。

『不明です。当該データはロストしました』

ふよ、と体勢を直しながら一つの事実を述べて。
それからお供をするように、あなたの後を追っていった。
(-397) susuya 2024/04/05(Fri) 10:53:28