人狼物語 三日月国


212 【身内村】桜色のエピローグ✿

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視点:


【人】 火澄 七瀬




 飛び込んでくる何者かの気配。
 思わずびくりと肩を震わせた頃には、
 その顔は、思いのほか近くにありました。

 刃を掴む手のひらからは、
 紅の鮮血が滴り落ち、花びらを濃く染め上げます。

 それが誰なのか。
 今さら確認するまでもありません。
 
 …… ひとりとひとりだった私達は、
 貴方と出会ったことで、

 さんにん、となったのですから。
 
 
 
(49) 希 2023/05/12(Fri) 11:29:17

【人】 火澄 七瀬




 思わずナイフを取り返そうとしましたが、
 しっかりと刃を掴んだ指は、
 私の力ではびくともしませんでした。


 「 ……禎光。 」


 あんなに小さかったのに。
 あんなに身体が弱かったのに。
 

     そこにいたのは
     立派に成長した、ひとりの男の子だったのです。
 


 
(50) 希 2023/05/12(Fri) 11:30:52

【人】 火澄 七瀬




 違うだろ。>>44


 「 …… ああ、私は、
   最後まで間違ってしまったのですね。 」


 ナイフの代わりに、貴方の言葉が胸を貫けば
 歪んだ顔から、涙が溢れ落ちます。

 ええ、そうです。
 きっと貴方が正しいのでしょう。>>46
 この場で愚かなのは、私だけなのです。

 それでもせめて、最後くらいは。
 貴方を殺せなかったこと。
 それだけは正しかったのだと
──── 信じたかった。


 
 
(51) 希 2023/05/12(Fri) 11:32:43

【人】 火澄 七瀬

 
 

 それでも私は、もう止まることができませんでした。


 「 禎光。 」


 再度名を呼んで、思い出します。
 貴方にはいつだって。

 言わなければいけなかったのに、>>0:16
 言えなかった言葉がありました。



 「 ごめんなさい。 」
 
 
 
 
(52) 希 2023/05/12(Fri) 11:34:11

【人】 火澄 七瀬

 


 ナイフから彼の指を剥がすことは難しかったでしょう。
 ならばと私は、貴方の腕ごとを掴んで動かします。

 貴方の手の分、隠れた刃。
 胸を貫くには、深さが足りなくなっていました。

 ならばと、刺すのは別の場所と。



 「 …… 大好きですよ、禎光。
   瀬名のこと、よろしくお願いしますね。 」


 ──── それが、最期でした。
 私は自身の喉に、刃の切っ先を突き刺しました。
 
 
 
(53) 希 2023/05/12(Fri) 11:35:30

【人】 火澄 七瀬

 

 

         ああ、これでもう、歌えない。>>48

(54) 希 2023/05/12(Fri) 11:35:40

【人】 火澄 七瀬




 吹き出す鮮血の熱が、鉄錆の匂いが、
 貴方の手や顔を覆ったかもしれません。
 人を貫く感触も、こびり付いて離れない。

 …… 最後まで私は、
 貴方にひどいことしかしませんでした。
 でも見逃して貰えると嬉しいです。

 全て忘れてしまうのですから。
 最初から、全部無かったことに。
 
 
 
(55) 希 2023/05/12(Fri) 11:36:25

【人】 火澄 七瀬





 …… ああ、声が聞こえます。
 そうですね。言っていましたよね。
 これは愉快な見世物≠セと。>>26

 ならば貴方がここにいるのは当然なのでしょう。
 
 

(56) 希 2023/05/12(Fri) 11:36:31

【人】 火澄 七瀬





 薄れゆく意識の中。

 誰かの笑い声が響いていました。**
 
 

(57) 希 2023/05/12(Fri) 11:37:29

【独】 火澄 七瀬

/*
令和の世でお前たちが俺の翼だ!!!
が見れるとは、感慨深いのじゃ
(-0) 希 2023/05/12(Fri) 11:39:41