人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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視点:


【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ

なにやらの答えをきっと男は出している。
それをただ認めるように、
懺悔するようにあなたへと諳んじて。

「いやー、あんたになら話しやすいんだがなあ…」

額に手を当てて、大仰に悩む仕草。
…そこから急に、わざとらしい動きからぴたり、と押し黙って。
しばし。

「……」

墓標にむけて、

「『珈琲の恩は返すよ』」

とだけ、ぽつりとつぶやいた。
それはひどい押し付けで、この世界で男以外の誰にも理解できず、
誰にも価値のない言葉だった。

「…これでいいわ。
 付き合わせて悪いな、共犯者殿」

ふ、と緩むような微かな笑顔。
あなたに振り返り、

「調子良く喋る男が帰ってきたから、外まできちんと手を引いて歩いてくれ」

悪戯っぽく笑った。
(-252) gt 2023/09/21(Thu) 20:39:02

【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ

「いいじゃねえか。
 お前たちだけの関係性、素敵だね。
 俺は全く興味がないが、お前たちには大事なモンだ」

そいつを否定する気はないよ、と大口開けてからりと笑う。

「執着と依存は管理が面倒くせえ関係性だから、俺は嫌いだが。
 放し飼いできるよう仕込んだほうがいいぞ」

飼い主的な発言をしながら、

「差し入れしてくれるやつが多くてね」

…通常ならそういうのが許可されることはないのだが。

(1/2)
(-313) gt 2023/09/22(Fri) 7:44:31

【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ

「海外に行くのは一つの手だな。
 どうにもならんことの多くは、その場所というものを手放すとどうにかなる。
 それを手放したくないやつが、あるいはそれを思いつけないやつが、
 どうにもならなくなって死んでいく。
 ”逃がし“は俺の仕事の一つだ、いろいろ紹介できるぜ」

いくつかの国の名前をあげる。近い場所から遠い場所まで。
その国の言葉らしいものもいくつか発して、にやにやと笑っている。

「いくらなんでも、牢屋をぶち破る力はないさ。
 ついでにいえば、俺個人をどうこうしても解決しないという意味では、悪いのは俺じゃない。
 マフィアで、もっといえば治安維持がなってねえから。
 つまりは警察、国、行政、市民の意識。サテ、お前はどこを叩いて治す? あるいは、そこからやつを逃がすか」

歌うように語り、提示し、示唆して啓す。
それでも、あなたの言葉にはダメ出し返し。

「言わなくていいことは、伝わらなくてもいいことだけ。
 確信以外のコミニュケーションは、全て自分勝手な我が儘だ。
 次は言えよ。言ったって信じられないのに、言わなきゃ誰が信じるよ」

あなたの出した答えを─違う。本人の出した答えを、他の誰かが知ることはない。
だからアレッサンドロがにやにやと眺めるのは
どうやら答えを出したらしい、あなた自身の顔だった。

「じゃ、ルチアーノのことは頼むわ。イレネオもな。
 大変だね、調教師ハンドラーは。
 俺は一匹で手一杯だよ」

(2/2)
(-314) gt 2023/09/22(Fri) 7:45:39

【秘】 黒眼鏡 → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ

/*
ヤッター! にぎります!
こちらのエンディング想定は
自前で可能な限りノッテ(マフィア)に損害与えつつ、
最後は生き残ったとしても蜂の巣にされて終る予定です。

なので基本は2としつつ、
「ヴィンセンツィオさんを消したい犯罪グループとアレッサンドロ配下の“港”グループ」が争い合ってヴィンセンツィオさんを確保→そこにアレッサンドロが介入、元部下を殺傷してヴィンセンツィオさんをつれだし→タイマン
のようなかたちにしたいのですか、よろしいでしょうか…!(犯罪グループにも打撃を与えたほうがプレイヤーさん的にカタルシスがある&適度に拷問を受ける余地もありそう という想定)

拷問などの描写は全然平気ですが、タイマンするうえで戦闘力に支障ありすぎない程度だとちょっとうれしみはあります!
なんなら事前に教えていただければ、同程度の損壊をうける準備もあります!!!

こちらも展開次第でなにか変わる可能性はありますが、
もろもろは応相談でありつつイメージはそんなかんじです。
ご確認のほどよろしくおねがいします…!
(-326) gt 2023/09/22(Fri) 8:27:06

【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ



「どうしたい、ってお前」


その口元から、火が溢れた。




(1/2)
(-330) gt 2023/09/22(Fri) 8:58:52

【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ



俺が・・
 喧嘩以外に・・・・・
 なにを考えてると思うんだ?・・・・・・・・・・・・・




男は、十年前から何も変わってはいなかった。
ただずっと、準備をしていただけだ。

くそヴィト
のことはたしかに予定外だが、 
 許容範囲だ。
 お前はあいつがどーなってもいいんだろ?

 じゃ、任せな。
 そこは悩まなくてもいい。
 それ以外は全部、お前に任せるお前が悩めよ」

彼が一番に信じるものが、そうせよと怒鳴きずり、
煮えたぎるほどに燃えている。
そしてあなたに寄せるのは、その次に彼の信ずるもの。

『お前なら何しても構わない』、という、
無思慮で無遠慮な信頼・・だった。

(2/2)
(-331) gt 2023/09/22(Fri) 9:05:30

【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ

「覚えてねえな、まあ悪い夢だろ」

なんだそりゃ、なんて笑いとばす。
いつも通り、なんでもないように。

大きく伸びをすると同時、わざとらしく力こぶを作って見せる。

「いつだって喧嘩できるよーにしてるからな。
 カポの仕事じゃ使わんから、まあ、無駄な筋肉なんだが」

あなたは部屋にちらばる乱雑な荷物の中に、トレーニング用のあれやこれやが溢れているのを知っている。
体を維持するために、彼の少ない余暇のいくらかを費やしていることも。

「保護ね。
 あいつは巻き込まれてほしくなかったんだがな」

眉をしかめながら、そうだ、とかるく膝を叩く。

「お前が顔だしゃ元気になるさ。
 あ〜、うちにあるものなんでも使っていいからな。
 鍵開けっ放しだから」

ついに住処まで放りだし始めた。
(-334) gt 2023/09/22(Fri) 9:22:47

【秘】 黒眼鏡 → 門を潜り ダヴィード

「そのうち倒れるが、そのときは本望だろう。
 墓にエナドリを供えてやれ」

この男の基本は自己責任だ。もちろん、助けを求めればその分は援助してくれるのだが。
ただその“放任主義”を向ける相手をこそ“信頼”しているのだと、その言動が直接間接隔てなく、事あるごとに告げていた。
…勿論、一番信頼しているのは彼自身なのだけど。

「勝てばいいんだろ?」

にやりと笑うことばかり。
実際この十年、喧嘩らしい喧嘩はしていないとはいえ、だ。
─やっぱりこの男は、根っこはずっと喧嘩屋だ。

「…おいおい、なーにビビってんだよ。
 まあお前は大丈夫だ、ペネロペの言うこと聞いときゃな。

 ああそう、荷物。
 ありがとな」

思い出したように。
(-370) gt 2023/09/22(Fri) 15:21:49

【秘】 黒眼鏡 → 門を潜り ダヴィード

「部下の仕事がわかってきたじゃないか。
 アホな上司をコントロールすることだ」

阿呆な上司代表は、胸を張ってそう言って。

「負けるつもりで戦うやつはいねえわなあ。
 脱水は怖いぞ、水をキチンと飲め」

仕事をしているよりも余程大真面目に返して、
オールド・ムービーのアクション俳優のように
拳をごきり・ごきりと鳴らす。

「ハハ、ああいうのかっこいいよな。
 古いセンスで申し訳ないが。
 いい革の一つくらい身に着けろと、昔よく言われたもんだが」


あれ、については答えず、一度言葉を切り。

「うちの店の地下にな、冷蔵庫がある」
「その奥に扉があってよ」

──アレッサンドロは、楽しそうに笑っている。

「そこにも荷物があるんだ。
 このクソ取締法が撤廃されたら、
 今度はアジトのそばにまで届けて欲しいんだよな。
 ジェラートのときと一緒」

………またお使いのようだ。
(-387) gt 2023/09/22(Fri) 16:46:37

【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ


「結局、金だよ、金。
 俺は金があると人生助かるやつを見つけるのが、
 そこそこうまい」

なにを自慢しているのか。

「スウェーデンとかいいぞ。治安が良い。
 物価がそこそこ高いのと、太陽出てる時間少ないのがネックだが…最近はちと入国前の検査がやかましいな。
 なんにせよ、金は用意した方がいい」

本人も言っていた通り妙に詳しい。…もしくは最近調べたのだろうか。
そう言いながらも、ふああ、とあくびをひとつ。

「マ、頑張れや。代理殿は任せるからよ。
 あー、一般市民に期待するのはやめとけ。団体作ってそこに金か人出して騒がせろ。
 頭数揃えてドコソコ地区の総意だとか言わせりゃ、そうなる」

そろそろ眠いから、などといってベッドにぺたぺたと足音をたててもどり、どすんと寝転がる。

「そーだなー。おまえんとこと違ってしつけのいい犬で助かるよ。
 もーいーな? 次は正規の取り調べ組んでくれ。
 変なやつしか取り調べに来なくて困ってる」

寝転がったまま、ひらりひらりと手を振った。
(-392) gt 2023/09/22(Fri) 17:16:15

【秘】 黒眼鏡 → favorire アリーチェ

「ハハ、存分に調子に乗ってくれ。
 あんたのそれは、得難いモンだな。
 俺みてえなのは、そういうのがなんとも羨ましい。
 あんたはやっぱり善い女だ」

からからと笑うだけ笑って。


──短い儀式のような時間は、唐突に終わる。


「無関係の人間に時間を割くっていうのは、
 俺にとっちゃそうそうできることじゃなくてね。
 人は怨も憎も、愛すらも、
 自分にとってどうかで判断するモンだ。
 ――だから、助かった」

普段は墓に参るようなまともな人間ではない。
だから彼にとっては、そういう機会もしばらくはこないだろう。
……なんて、少し殊勝な顔をしていたのだが、
あなたの言葉に眉を吊り上げると。


「あァ〜?
 …頼りないかどうか見せてやりゃあいいんだろうがッ!」

煽られるとヒートアップするタイプのチンピラだ。
その手をガっと掴むと、それだけにとどまらずに背中に手を回して、ひっこぬくように持ち上げ、抱きかかえた。
(-556) gt 2023/09/23(Sat) 9:19:18

【秘】 黒眼鏡 → 門を潜り ダヴィード

「俺の生活には何一つ恥じ入ることがないから…
 ほら、筋肉も現役時代そのママ」

力こぶなんか出している。保健体育の授業がこの国にもあれば、赤点必死の生活をしているのに。
トレーニングにだけは精を出しているらしき男は、
あなたの心配になんだか嬉しそうにからからと笑う。

そして安心させるように、壁をカンカンと拳で叩き。

「ま、首尾よくここを出られたらまた珈琲でも奢ってやるわ。
 おー、頼むぞ。
 ウチの鍵は開いてると思うが、あいてなかったら…」

えーどうしよう、と拳が一度とまり。

「まぁいいや。ぶっ壊せ。修理費請求したりしねえから。
 いいか、緊急時には魔法の鍵こそが必要な時がある」

あなたに良くないことばかり教える男は、
ガレージにある作業用の鉄オノの位置とかも教えた。
(-558) gt 2023/09/23(Sat) 9:23:04

【秘】 黒眼鏡 → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ

/*
実際エンディング道中で他の人がどう突っ込んでくるかどうか次第なんですが、もしフリーな死を得た場合は一緒に死にます!
(あんまり助かるつもりはないけど他の人のロール的干渉を無にはしたくない手つき)

アレッサンドロも今ちゃくちゃくと脱出の手筈を整えていますので、素で釈放はされないかもだけどちょっと遅れてでてくることになると思います。
そのあたりはおまかせ!!!!します!!!
ので、何卒よろしくお願いします。
ほか、なにか相談必要なことあったりしたら引き続いてお願いいたしますね。

パンツ定期便は何?(今は警察から貸し出されたものを履いています)
(-562) gt 2023/09/23(Sat) 9:30:23

【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ

わざと音をたて、零れだす愛液を啜る。
太腿に爪をたてるよう、かりかりと刺激し、抓り、優しく摩る。
舌先で、肌で、音と感触。
すべてで情欲と快感を彩って、それでも無理矢理にではなく
体の奥底から誘うように押し上げる。

「………、……」

──そうして、腕の中で痙攣し跳ねる肢体を、
  かき抱くように抱きしめて。

「………はー、………」

あなたの体を、その曲線を確かめるようにゆるゆると撫でて。
…屹立した自分自身をばつが悪そうに、
どうしたもんかと首をかしげて。


「フィオ」


どうしてほしい、とは言外に。
脱力した体をくいと抱き寄せ、自分の腰やら膝に凭れかからせると。
あなたの眼前に、血液と昂奮でぱんぱんに張り詰めた性器を突きつけた。
(-565) gt 2023/09/23(Sat) 9:50:37

【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ

「まぁ、出てきたっちゃ出てきた」

──夢について僅かなりと語るのは珍しい。

「喧嘩な……」

掌をぎゅう、と握って、離して。

「しなくちゃならない喧嘩ってのはある。それをいつでもできるように、ちゃんと鍛えるワケだ」
「それはそれとしてトレーニングは嫌いじゃない。
 自分にとって信じられる体を維持するのは、俺にとっては人生みてえなもんだから」

ははは、と軽く笑う。――口許だけ。
その目はぐらぐらと、どこか遠くを見て。
はるか先を見通しながら、その炉に炭をくべ続けている。
牢屋の中で座り込んだまま、
アレッサンドロ=ルカーニオは、どこかへ向けて進み続けている。今も。


「まあ、そういう法だ。捕まっちまったもんはしょうがない。
 出てきたあとと――……今のケアをちゃんとしてやれ。頼むぜほんと」

念を押すように頼んで、あなたが頷けば安心したように息を吐いて。

「頼むぜ、泥棒サン。あ、車は危ないから触んなよ〜」
「食べ物は…あ、パン。ホットドッグ用のパン、買ったバッカで放置してんだ。
 なんとかしといてくれ、あれ。珈琲は好きにしろ、あんなん誰でも入れられるから。それとだな――……」

ちゃかちゃかとあれこれ、残した食材やらの指示をする。
…どうしてプレーンのパンだけを業務用みたいな規模で仕入れるのだろうか?
(-570) gt 2023/09/23(Sat) 10:08:47

【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ

「ハハハ、悪い悪い。
 喧嘩の時は周りが見えなくなる性質でな」

結局改善されなかった悪癖を、未だに恥じるそぶりもない。
自分が"そう"なのだから致し方ないと、
アレッサンドロは悔やんでもしょうがないことは悔やまない。
むしろ、そのことを誇りに思っているフシすらあった。

「おめー、ヴィトとそんな仲良かったっけ?」

きょとんとした顔。

「マ、罪がどうだろうがあいつはもうダメ・・だろうな。
 部下には命令しといたが、サテ何人聞くことか。
 ったく、仕事増やしやがって」

──ぼやくようだけど、なんとも楽しそうな顔にしかそれは見えない。
罪の内容・・だとかに興味を示す様子が一切ないのは、
彼の中ではもう"どうするか"が決まっているからだろう。

(1/2)
(-571) gt 2023/09/23(Sat) 10:20:24

【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ

「いつも世話になるな」

溜息をつくあなたを見て。
こうして誰かに"頼る"時、
アレッサンドロは一番、嬉しそうに笑う。

「今回の喧嘩は、いっとう相手がデカいからな。
 迷惑も文句も出るだろう。
 なあルチアーノ」

今から忙しいぞ〜、なんて。
──鼻歌すら歌いそうな調子で。

「楽しみだなあ」

――ただそれは、昔ほどには楽しそうではない。
──どこか、寂しそうな顔だった。

(2/2)
(-572) gt 2023/09/23(Sat) 10:22:48

【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ

/*
牢屋トークありがとうございました、ポップコーンです!
修得した情報はエルヴィーノさんのリソースですので、ご自由にしていただいて構いません。
こちらがやること自体はあんまり変わらないので、その辺りのロールに応じて適度に合わせていきますね。
以上、何卒宜しくお願いします!
(-576) gt 2023/09/23(Sat) 10:30:50

【墓】 黒眼鏡

アレッサンドロ・ルカーニオ。
裏社会での通称を"黒眼鏡"という男が率いるのは、
ノッテ・ファミリーの活動において、主に物流を取り仕切る部門である。
彼らは密輸や禁制品の販売、人、物──場所を動かすだけで金が発生するもの。
そのほぼ全てに関わり、あるいは自らで全てを賄い動かしていた。

特にアレッサンドロの支配力が強いのは、多くの港湾設備を擁する三日月島周辺。
当然ながら海運業が強く発達したヴェスペッラにおいて、
彼らはいつしか──少なくとも、先代のカポ・レジームの時代には既に――"港"と呼ばれるようになっていた。

元ソルジャーらしさ、というのか。
規律と不正にひどくうるさいアレッサンドロの剛柔組み合わせた監視の下で、
"港"は強く統制されファミリーの地盤を固めるための一角を担っていた。

アレッサンドロ曰く、
「あって当たり前の仕事でミスるとリスクがデカい」
「需要が常にある以上、こちらからリスクを取るより顧客を依存させたほうが稼げる」。
商品がなんであれば、物流とはまるで生物の血管のごとく、
常に物を動かし続けることこそ最大の利益を生む。


そういった理念の下、"港"はそれが非合法的性格を多分に含むことを除けば
ごくまっとうで理想的なビジネスのように運用されていた。
(+4) gt 2023/09/23(Sat) 11:06:02

【墓】 黒眼鏡

だがそれはあくまで、アレッサンドロ・ルカーニオの影響だ。
従わないもの、自らの運営方針・・・・にそぐわないものに
直接的な脅迫、あるいは暴力をためらいなく行使し、
従うものにはポケット・マネーからの恩賞を躊躇わない。
それが正しいかはともかく、部下にとって「従うことにメリットがあり、従わないことにデメリットがある」ことのみを徹底的に叩き込んだ彼の下であるからこそ、そのシステムは正常に機能していた。

それゆえ、アレッサンドロ・ルカーニオが逮捕されてからの"港"の人員たちの反応は、大きく別れた。

一つは、システムを維持する者たち。
全体の六割を占めるこのメンバーは、思惑はどうあれ数日前と同じことを行い、数日先も同じことを行った。
これが長期化するならばともかく、多少のトラブルで今までうまく行っていたやり方を変える必要はない、と思ったのだ。
勿論中にはアレッサンドロのシステムこそが心地よいと感じるものもいたし、
あるいは「気を抜いた途端に黒眼鏡が戻ってくるのではないか」とバグベア悪妖精に向けるような怖がり方をした者もいるが、
とにかく当面の間大きな動きをすることもないし、する必要もない者たちだ。
それは実に合理的な判断に思えたし、それこそが自然であると信じる者も多かった。
(+5) gt 2023/09/23(Sat) 11:08:08

【墓】 黒眼鏡

一つは、これを機であると動き出す者たち。
アレッサンドロは部下たちに十分な利益還元を行っていたが、
十分なんてものはない・・・・・・・・・・
逮捕の報をきいて早速自らの利益を拡大しようと、種々様々な活動が行われた。
そしてそれがうまくいくかどうかは置いておいて、アレッサンドロは"港"が自分の指揮下から外れた際、こういった活動を咎めるような仕組みまでは構築していなかった。
彼のことをよく知る部下曰く、「好きにやるならそれはそれでいいと思っていたのでは」──などというが、果たしてどうだろうか。
元々がマフィアという、法とは利益をどうやって味わうかのドレッシングに過ぎないと思っているような連中だ。
これらの数もそれなりに多く、後にファミリーが調べたところによれば全体の三割がこういった"独立"にいそしんでいたという。

そして残った、全体の一割程。
彼らは一見普段通りに業務を進めていたが、ときたま妙な振る舞いをしていた。
普段入らない場所に入り、普段しないことをする。
それはほんの少しだけ、ちょっとだけ足を延ばす程度のことで、
けれどそれをする意味も必要もないことだった。
それを見とがめられるものもいたが、「アレッサンドロからの指示で」と言えば大抵の場合は見逃される。
そしてそれは、別段長く続くものではない――ほんの少し、たとえば荷物を運ぶだけ。
そのことに気が付くものが、はたしてどれほどいただろうか?
いたとして、それが何を意味するのか、組み立てられるものはいるだろうか。
多くの者は、「アレッサンドロが釈放されでてくれば分かるだろう」と気に留めることもなかったが。
(+6) gt 2023/09/23(Sat) 11:08:33

【墓】 黒眼鏡

──とにかく。
総合すれば、"港"は七割が普段通り。つまりはビジネスにおいて影響は無視できない程度ではあるものの、これまで通りに営業を続けていた。
ヴェスペッラの海には今日も、静かに白と青が揺蕩い踊っている。

三日月島の朝焼けはあの日も今日も、変わらずに美しい。
(+7) gt 2023/09/23(Sat) 11:09:23

【秘】 黒眼鏡 → 門を潜り ダヴィード

エー、なんて不満の声が格子の向こうからっ越えてくる。

「こんなん直ぐ治るって〜」

…実際に負傷や外傷には強いタイプの男ではあるが、どうだろうか。
たのむよ〜、なんてわめく姿は、年を食っただけの子供のようだ。
筋肉くんも泣いている。

「おう、とっておきのブレンドを作ったんだ。
 …しょーじきどう違うのか俺にもよくわからんが、
 楽しみにしてろよな」

開いてる開いてる、と語るその言葉は無責任。
無責任かつ信頼感溢れる放り投げをしつつも、
人差し指を一本立てて。

「サプライズだ。
 頼むぜ」

に、と笑った。


「そうだ、あのジェラート屋開いてるときに行ったか?
 イチゴがオススメ。美味いぞ」

…ジェラートが似合うようで似合わない男は、能天気に言ってくる。
仕事の話は終わりということだろうか。
(-585) gt 2023/09/23(Sat) 11:14:43

【秘】 黒眼鏡 → 門を潜り ダヴィード

「へえい。
 まったく、お前は頼りになるなあ」

だるだると返答しながら、慰めているのか機嫌をとっているのか言葉をかけつつ。

「かっけえ名前で頼むわ。
 いいカップも欲しかったが、さてどこにしまったかな…」

店の倉庫も彼の部屋も、雑多なものが積み上がっている。
やはり本人も、そこに何が積み上がっているのか
サッパリ把握はしていないようだ。

「ん」

そして、あなたの"おねだり"にはしょうがねえな、と声を弾ませて。

「しゃあねえ、俺の身が空いたらな。
 マ気長に待ってろよ」

なんとも信頼感のない返答だ…。
(-605) gt 2023/09/23(Sat) 12:40:18

【秘】 黒眼鏡 → 門を潜り ダヴィード

「好きにしたい時は、好きにしていいからな。
 俺はそっちのほうが嬉しいね。
 めんどくさいオッサンだから」

自分勝手にすぎることを言いながら。

「それはそれで、片付けの手間がはぶけていいなあ」

…実際やっても、怒ることはないだろう。
見られて困るものなんてあるのだろうか。

「おう。
 まー、ファミリーも無傷じゃすむまい。
 そーなるとお前やペネロペが出世できる目もあるってもんだ。

 お前さ。金か、女か? それとも立場?」

曖昧な質問。
(-637) gt 2023/09/23(Sat) 15:33:35

【秘】 黒眼鏡 → 門を潜り ダヴィード

「オウ、いいな。
 つうて一人じゃキツいだろ、ロメオ辺りも呼ぶか?」

どこまで片づけさせるつもりだろうか…。
格子の中ということを忘れるくらいに、
なんだか楽しそうに笑っている。

「そか。お前は真面目だねえ。
 ……だが、俺も同感だ」

カポ・レジームにまで上り詰めた男は、掌を添えるようにして腕を組み溜息のような音を出す。

「立場のために生きてもしょうがねえが、
 やることのために立場を求めるなら、意外とうまくいくもんだ。
 頑張ってペネロペより偉くなって、あいつを顎で使ってやれ。便利だぞ」

そうしてこの、ろくでもない上司の誕生ということだろうか。
(-667) gt 2023/09/23(Sat) 17:59:43

【秘】 黒眼鏡 → favorire アリーチェ

「コストが多そうな生き方で……いや、否定するつもりはねえ。
 だが俺は人付き合いっつうとどうしたってメリット、デメリットで考えちまうな。
 それを愛と呼ぶのは、俺的には不義理が過ぎて――」

ぼやぼやと話しながらも持ち上げて、太腿まで抱え上げて振り回す。

「はっはっは、それでいいそれで〜」

けらけらと笑いながら走りだし、
共同墓地を脱走した辺りで唐突にすとん、と地面に降ろす。
怪我しないようにしっかりと脚から――配慮する場所がそこそこ違うが。


「ほい到着。共犯ご苦労」

軽々と持ち上げたように見えるが、
腰に手をあててトントン、と叩いている。
重たいとか文句をいう様子ではなく、多分習慣的なものだろう。

「つうわけでな、もしよければまた付き合ってくれ。
 今まで来れなかった分こねえとな」

──そうして、に、と笑うものの。

男がもう一度、ここに姿を見せることはなかった。
(-668) gt 2023/09/23(Sat) 18:04:41