人狼物語 三日月国


225 秀才ガリレオと歳星の姫

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【人】 エウロパ



   「つまりいいってこと?!
    やったー!」


   
  なんて言ってる間に3秒経ってそうだけど
  これはノーカウントってことにしてほしいな。

  一歩二歩、と後ずさって少し距離を作ってから。 

  
(31) alice0327 2023/09/25(Mon) 21:48:23

【人】 エウロパ




  「―――――風よ、我を彼の地まで運べ
   瀑布を遡るかの如く
   天に向かって吹きすさべ…… 」



  
(32) alice0327 2023/09/25(Mon) 21:49:21

【人】 エウロパ


  
  詠唱しながら、助走をつけて。
  高く、飛び上がれば、巻き起こる上昇気流が
  私の身体を宙へと浮かす。

  でもこれだけじゃ、屋上の高さには届かない。

   
(33) alice0327 2023/09/25(Mon) 21:49:42

【人】 エウロパ




   「シルフィードの翼をこの身に宿せ
    巡りゆく因果の糸を手繰り寄せろ

    風を、空気を、我の望むままに。」
 


  
(34) alice0327 2023/09/25(Mon) 21:50:32

【人】 エウロパ



  まるで、そこに見えない階段でもあるかのように
  私は空中を駆け上がっていく。
  ふわり、ふわりと軽やかに。

  体に翼でもあるかのようなその動きは
  魔法じゃなければ成し得ない動き。 

  
(35) alice0327 2023/09/25(Mon) 21:50:50

【人】 エウロパ






                
一歩

  
(36) alice0327 2023/09/25(Mon) 21:52:15

【人】 エウロパ




         
二歩
 

                
  
(37) alice0327 2023/09/25(Mon) 21:52:41

【人】 エウロパ


   
三歩


         

                
  
(38) alice0327 2023/09/25(Mon) 21:54:15

【人】 エウロパ



   
屋上の柵の上にひらりと降り立ち。



  
(39) alice0327 2023/09/25(Mon) 21:54:42

【人】 エウロパ



   「ユスティー!みてた???

    ほら、これはもう、3秒ぴったりでしょ!

    異論は認めません!
    これで宿題手伝ってくれるんでしょ?」

  
(40) alice0327 2023/09/25(Mon) 21:55:34

【人】 エウロパ



  はしゃぎながらトン、と
  君の横へと降り立つ頃には
  巻き起こっていたはずの風は全てやんでいる。

  近くに植えてあった木の葉っぱが
  風のせいで地面に散乱しているのは
  見なかったことにしておこうかな……。 


  
(41) alice0327 2023/09/25(Mon) 21:56:02

【人】 エウロパ



   「あのねー、天文学の宿題を手伝ってほしくて!
    いいよね?そういう約束だもんね?

    ……あれ、そういえばユスティは
    ここで何してたの?
    なんか魔法使ってたみたいだけど。」


  微かに空気に残る魔力は君の物、そうでしょう?
  何してたんだろうって気になって聞いてみたけど
  答えてもらえたかな? *

  
(42) alice0327 2023/09/25(Mon) 21:56:45

【独】 エウロパ

/*
これはそう……リーバルトルネード……(違う
(-17) alice0327 2023/09/25(Mon) 22:03:25

【秘】 エウロパ → ユスティ



   
魔法に憧れたのは君に出会ったからだった。


  
(-18) alice0327 2023/09/25(Mon) 22:37:34

【秘】 エウロパ → ユスティ


 
   魔法の才を期待されて付けられた名前。
   でも、その名に見合わず、魔力の欠片さえ
   見つけ出すことが出来ずに。
   ほんの子供だましみたいな魔法さえ使えない。


   両親は、優しく接してくれたけれど
   同い年の子達からは揶揄われることも多かった。

   星の名をもらっておきながら
   魔法一つ使えないのか、と。


  
(-19) alice0327 2023/09/25(Mon) 22:38:25

【秘】 エウロパ → ユスティ



   魔法なんて使えなくていいもん。
   そんな風に拗ねては、悲しくなっていた。
   憧れなんて持てなかったのに。
   君と出会って世界は変わる。

   私達の思い出の場所。
   川のせせらぎが聞こえたのだけ覚えてる。
   しょんぼりした顔で彷徨い歩いた先に


        
―――――君が、居たんだ。


  
   
(-20) alice0327 2023/09/25(Mon) 22:40:35

【秘】 エウロパ → ユスティ


   
   「……まほう、つかえるの?

    すごいね!
    私、君みたいなまほうつかいに初めて会った!
    こんなまほう、見たことない!」


  
(-21) alice0327 2023/09/25(Mon) 22:42:26

【秘】 エウロパ → ユスティ



   周りの子よりも数歩先を行く魔法。
   魔力が眠っていただけだと知らない私は
   自分には出来ないものを見たんだと思った。



   「私、エウロパっていうの。
 
    また、まほう見せてくれる?
    やくそく……いいよね?」


   そう、言ったあの日から。
   運命の歯車は回り始める。


  
(-22) alice0327 2023/09/25(Mon) 22:43:00

【秘】 エウロパ → ユスティ



   ただ、もっともっとユスティの魔法を見ていたい。

   そして、君みたいに魔法が使えるようになりたい。
   魔法への憧れが生まれるんだ。

   その想いは、知らず知らずのうちに
   君の手助けへとつながる。


  
(-23) alice0327 2023/09/25(Mon) 22:44:24

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「がんばって、
    私はいつでも君を応援してるから!」



   
君の手を取って、微笑む。

   その何気ない行動一つで
   足りなかった魔力が君の手へと渡って。

   
   それは無意識の手助け。
   私にとってはただの応援。
   
   
君にとっては―――――。


  
(-24) alice0327 2023/09/25(Mon) 22:45:18

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「ありがとう、ユスティ。

    君は私にとって、
    一番のまほうつかいだよ。」


  
(-25) alice0327 2023/09/25(Mon) 22:46:04

【秘】 エウロパ → ユスティ



   あの日の言葉を忘れたことなんてないよ。

   大好きな人の言葉だもん。
   
   約束みたいなあの言葉。
   いまも、まもってくれるのかな。*


  
(-26) alice0327 2023/09/25(Mon) 22:46:31

【秘】 ユスティ → エウロパ



   魔法は万能ではない。
   有用ではあるが結局使い手に依存する。

   幼い頃からその事実に気づいたユスティは
   決して自分を選ばれた人間だと驕ることなかった。

   魔法が使えないことを嘲るなんて以ての外。
   そういう魔法使いはユスティにとっては
   もっとも許せない人種のひとつであった。


(-28) 西 2023/09/26(Tue) 0:07:41

【秘】 ユスティ → エウロパ



   自分が選ばれて当然とは思わない。
   しかし努力を重ねれば選ばれる可能性があるし
   選ばれる人間でありたいと走り続けることは
   ユスティにとっては代謝にさえ近いもの。

   川が流れる森の奥深く
   血と汗が滲む秘密の修練場は
   彼にとってもまた思い出の場所。


(-29) 西 2023/09/26(Tue) 0:08:31

【秘】 ユスティ → エウロパ



   鍛錬を続けていくうちに焦燥が募る。

   努力を重ねれば重ねるほどに
   理想とした場所から遠ざかっていくような感覚。

   心のどこかでは気づいていたはずだ。
   自分は凡人で、選ばれた才能などないのだと。



(-30) 西 2023/09/26(Tue) 0:09:42

【秘】 ユスティ → エウロパ



   突きつけられそうな現実に
   澄んだ空を運ぶ一人の少女。


            それこそユスティがこの世界で
            最も恨み、最も愛する人。


(-31) 西 2023/09/26(Tue) 0:10:01

【秘】 ユスティ → エウロパ



   「
えっ!?
、そ、そんなっ、たいしたことないよ!」


(-32) 西 2023/09/26(Tue) 0:11:31

【秘】 ユスティ → エウロパ



   必死に平静を装っても心はごまかせない。
   栄光への崖に亀裂が入った時に
   屈託のない素直な賞賛は心地が良かった。


   「エウロパ、素敵な名前だね。
    ボクはユスティ。

      エウロパはどうしてこんなところに?」


   それはそうと、ここは誰も好んでくる場所じゃない。
   この出会いは全てが数奇に満ちている。


(-33) 西 2023/09/26(Tue) 0:12:42

【秘】 ユスティ → エウロパ



   誰かに努力を認められる。
   ただそれだけの事がどうしようもなく嬉しい。

   また魔法が見たいという彼女を
   ユスティが断るはずもなく

   なんどもこの場所で会うにつれて
   いつしか彼にとってもまた
   エウロパが来る時間に焦がれるようになった。


(-34) 西 2023/09/26(Tue) 0:14:21

【秘】 ユスティ → エウロパ



   応援されると言われて気が舞い上がる。

   まだ器が幼いユスティには
   静かに脈々と流れてくる魔力を感知できず
   手を取られてほのかに顔を赤らめる姿は
   今にして思えばなんと哀れなことだろう。

   キミにとっての一番であり続けたい。


   幼き無垢な恋心は
   人生最大の挫折によって打ち砕かれるというのに。


(-35) 西 2023/09/26(Tue) 0:15:13