人狼物語 三日月国


71 【R18】歪んだ愛の形【身内】

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視点:


【赤】 大学生 葛葉 桜子


  *


   ……傍にいてくれるんでしょう?
   それなら、寂しくない、よ。


  嘘です。本当はこの関係のままでずっといるのは
  寂しくて苦しい。
  でも、恋人がいらない彼に告白することなんて
  出来るはずないじゃないですか。
  だから、作り笑いを浮かべて嘘をつくんです。
  
  
……恋人になりたい、のに。

  
恋人になれたなら、その先だってきっと考えるのに。

                           ]
  
(*52) as_252 2021/05/06(Thu) 23:46:35

【赤】 大学生 葛葉 桜子


   ――――――……。


  名前を呼んでほしいとすら、言えないのです。

  ほら今だって。彼は優しいから、
  “女の子が”泣いてる姿なら
  きっと私じゃなくたって守ってたんです。

  
とくべつには、なれないんです。


  それでもその優しさに縋ってしまう私は
  馬鹿だと、思います。
                      ]


   一緒に食べよう?
   コーヒーか紅茶があるなら一緒に。


  柔く微笑んで、ケーキを食べようと
  誘えば、冷蔵庫の方へと移動することに。
  数種類の中から、ミルクレープのほうを
  じっと見てしまったけれど
  そもそもこれはおうじくんが食べる予定だったもの。
  希望を言う前に、おうじくん自身が食べたいものを
  聞くことにするのです。
                          ]*
  
(*53) as_252 2021/05/06(Thu) 23:47:30

【赤】 大学生 葛葉 桜子

   ― 自室にて ―

   食欲ない からそれは……
   …………○○大学の近くの―――


  来て、とは言わなかったですし、
  来るなんて思ってはいませんでしたが
  住所を教えたのは、心のどこかで
  会いたいと思っていたからでしょう。

  ……本当に来た時は驚いたけれど。
                    ]

   ……だいじょうぶ、だよ


  あんまり心配をかけたくないというか
  病院に行く、なんて言われたくなかったので
  ついそうやって強がってしまいました。
  あがって、と小さく言って招き入れれば
  グラスに麦茶を入れて差し出しました。
  白とピンクを基調としたワンルームには
  ミニテーブルと座布団、勉強机と椅子が
  それぞれ置いてあり、座れる場所はどちらかなので
  適当に座って、なんて言えば再びベッドへと。

  布団の中で丸くなって、彼にあまり
  顔を見られないように背を向けていたことでしょう。
                          ]
(*57) as_252 2021/05/07(Fri) 15:54:48

【赤】 大学生 葛葉 桜子


 *
 
   ……うそじゃないよ。
   そばに、いてほしい。
   
いまだけで、いいから……。




  彼も望んでくれるのは…
  やっぱり体が目的でしょうか?
  ……傍にいて欲しいけれど
  もしそうであるなら、束縛は出来ません。
  だから、今だけなんて言うのです。

  
―――嘘ばっかり、なんて心のどこかで

  
泣いている私がいるのは見ないふり―――

                      ]
(*58) as_252 2021/05/07(Fri) 16:06:59

【赤】 大学生 葛葉 桜子



   あった、ね。
   本当に来るとは思ってなかったけど……


  おうじくんはガトーショコラを選ぶようです。
  特に気を遣っている様子もなかったので
  私も遠慮なくミルクレープを選ぶことに。
  コーヒーもあると言われて欲しいと頷きました。
  ダイニングテーブルに持っていくのを手伝えば
  二人でケーキを食べ始めることになるのです。
  
……来年の春、同じことが出来たらいいなと

  夢見るくらいは、許されるでしょうか。
  彼にはもちろん、言わないのだけれど。
                         ]*
  
(*59) as_252 2021/05/07(Fri) 16:07:51

【人】 大学生 葛葉 桜子

   ― ぐずな女の子のお話 ―

  

  私はとてもぐずな子でした。
  かけっこはいつもびりで、
  ハンバーグとオムライスどっちがいい?
  なんてちょっとした選択に
  延々と悩んでしまうような、ぐずだったんです。
  だから、でしょうか。

  ぐずな葛葉、なんて言われたことは
  数知れずありました。
                       ]
 
(10) as_252 2021/05/07(Fri) 17:03:27

【人】 大学生 葛葉 桜子



   ……お母さん、名字って変えられないの?

 『どうして?……何か言われた?』

   ぐずなのはくずは、だからだろうって

 『……あのね、桜子。そんな言葉は気にしなくて
  いいのよ、それを言った子達は失礼なことを
  言っていて、あなたが気に病むことはないの。
  変えたいなんて思う必要もないのよ?』

   ……私は、悪くない?

 『そう、悪くないの。
  名前にはね、誰かが込めた思いがある。
  それをバカにすることは許されないこと。
  だから、桜子がもし自分と同じ目に遭っている
  そんな子を見つけたら……
  味方でいてあげるといいわ。
  きっと、その子も救われるから。』

 
(11) as_252 2021/05/07(Fri) 17:04:17

【人】 大学生 葛葉 桜子


  都恋(みやこ)ちゃんに出会ったのは
  そんなことをお母さんに言われてからでした。
  その子は名前を読んで貰えないことを
  寂しがっていて…いじめられていました。

  変な名前、とか言われたり、
  話しかけても無視されたり。
  直接的ではないけれど、そんな悪口の積み重ね。

  見える範囲で、止めようとしたけれど――


  
彼女は結局、心を病んで

  
転校していってしまったのです。

                       ]


   
……守れなかった




  ぐずな私は、見えてないことが多すぎて
  彼女に寄り添えてなかったんだと思います。
  次なんて、あって欲しくはないけれど
  もしあるのならその時は絶対に
  その人に寄り添いたいと、思っていました。
                       ]
 
(12) as_252 2021/05/07(Fri) 17:05:26

【人】 大学生 葛葉 桜子


   
   素敵な名前だよ


  あの時の言葉は、心からのものです。
  彼の容姿は本当に王子様みたいですし
  ……あの時のキスは、あまりに優しくて
  おうじさまみたい、って思ったんです。
  彼にとても似合っている名前だと思います。
  
  
だからこそ、あなたの言葉が、苦しかった。

  
名前が嫌いなんだろうと推しはかれる

  
あなたの言動が、くるしくて。


  もう一度、と思ったのは
  そんなあなたに寄り添いたいって、
  思ってしまったのもきっとあって……。
                     ]*
  
(13) as_252 2021/05/07(Fri) 17:06:25

【人】 大学生 葛葉 桜子




    
ねえ、おうじくん、


             
私の―――

 
 
 
(14) as_252 2021/05/07(Fri) 17:08:07

【独】 大学生 葛葉 桜子




   
私だけの、おうじさまになってほしい

 
 
 
(-1) as_252 2021/05/07(Fri) 17:08:43

【赤】 大学生 葛葉 桜子


   …病院はいや……。


  行きたくない、と首を振っていたのに
  おうじくんは全然引いてくれません。
  耳元に囁かれる声はとても優しいもので
  恋人に宥められているかのように
  錯覚してしまいます。
  ずっと囁かれて、根負けした私は……
                    ]

   行く、から…
   おうじくん、キス、いっぱいして…?


  病院に行く代わりに
  おうじくんにそんなことをねだってみるのです。
  体が弱っていると心まで弱くなってしまうのか
  甘えたくなってしまったのです。
  満足するまでキスしてもらえるなら
  私は渋々パジャマから着替えて病院へ
  おうじくんと行くことにするのです。
                        ]
(*64) as_252 2021/05/08(Sat) 13:12:42

【赤】 大学生 葛葉 桜子


  *

   
   ウェディング…?!
   ……近くだとだめなの?

[ 
  ドレス姿を見たいなんて言われて
  顔が熱くなってしまいます。
  でも……こっそり、なんて。

  相手になっている可能性どころか
  招待すらされないような言い方に
  きゅうっと心が締め付けられるような
  気分になるのです。
  あなたの隣で着たい、とは言えずとも
  近くで、なんて言ったらどう思うのでしょうか。
  彼を困らせてしまうのなら、
  その話は切り上げたことでしょう。
                        ]
(*65) as_252 2021/05/08(Sat) 13:13:38

【赤】 大学生 葛葉 桜子



   美味しい、ね。
   おうじくん、甘いの好きなんだ。

   ……私が何してても
   おうじくんには、関係ないと思うけど。


  ガトーショコラを美味しそうに食べている姿を
  見ていると、この人はバレンタインにはチョコを
  沢山もらえていそうだな、と想像してしまいます。
  
  心配してくれているような言葉なのに、
  その優しさの意図がわかっていない私は
  冷たい響きを持つ言葉を言ってしまうのです。
  
……ただのやさしさであそこまでするとは

  
思えないけれど、だとしたらその意図は

  
何なのか、なんてわからないのです。


  少し微妙な顔をする私とは対照的に
  彼は機嫌が戻ってきたようです。
                         ]*
  
(*66) as_252 2021/05/08(Sat) 13:14:41

【赤】 大学生 葛葉 桜子


   ん……でも…お金払ってもらうのは…


  しんどそうなのは確かに一目瞭然でしょう。
  汚れたシーツだったり生理用品を
  目に付くところに置きっぱなしだったりして
  余裕がないのがわかるでしょうし。

  キスしてほしいというお願いは答えてくれるようです。
                           ]
 
(*73) as_252 2021/05/08(Sat) 23:00:59

【赤】 大学生 葛葉 桜子

   
   ふ、ぅ……


  恋人みたいに指を絡めた状態でのキス。
  煙草の味が少しだけするような、
  それでも甘いキス。
  頑なにしてた心が溶けていく。
  もっともっと、と求めてしまって
  暫くは水音だけが耳に届いていたのです。

  それからようやく一緒に産婦人科に行って
  低用量ピルを勧められて
  それを服用することになるのでした。
  彼が毎月、薬代まで払ってくれているのは
  申し訳なく思うけれど、
  両親に言えないから強く拒否も出来なくて。
                       ]
  
(*74) as_252 2021/05/08(Sat) 23:02:01

【赤】 大学生 葛葉 桜子


  *

   ……な、何…?


  突然の事で素直に口を開けてしまって
  そこに何かを入れられてしまいました。
  こくり、と飲み込んでしまったものが何か
  と聞くと、彼はにやりと笑うのです。
                      ]

   クスリ……?
   な、なんでそんな…!
   いや、離して!


  クスリを飲まされた、などと言われて
  焦り始めたのが彼にも伝わるでしょうか。
  そんな状態でするなんて嫌です。
  でも抵抗しても寝室まで連れていかれて
  組敷かれてしまうのです。

  ……なんで、急に。
  そう思っていると理由は教えてくれました。
                       ]
  
(*75) as_252 2021/05/08(Sat) 23:02:20

【赤】 大学生 葛葉 桜子


   蚊帳の外……

   …………だったら何だって言うの?
   別に他の男の人に抱かれてたって
   
あなたには関係ないでしょう?!


  きちんと否定すればいいのにしなかったのは
  きっと怒りと苛立ちからです。
  あの時の言葉>>*69に上手く返せなかったけれど
  自分がいい人じゃないと貶めているようで
  苦しくて、私が隣にいてはいけないと
  言われたような気すらしてきて。
  それなのに、干渉するようなことを言われたって
  怒りが増すだけです。

  ………頬に赤みがさしていって
  下のほうが疼くのは気のせいです…
  脚をもぞもぞと動かしてしまったのは
  見られてしまったでしょうか……
                     ]*
  
(*76) as_252 2021/05/08(Sat) 23:02:59