人狼物語 三日月国


145 【R18G】星仰ぎのギムナジウム2【身内】

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エルナトは、パンの香りを良いとは思えないし、味なんてわかりもしないけど。でも、パンを食べる皆の顔は好きだった。
(a20) arenda 2022/05/07(Sat) 20:09:18

エルナトは、そこかしこに置いてある本に溜息をついて、目当ての本を探す。
(a22) arenda 2022/05/07(Sat) 20:31:24

エルナトは、ベッドの上にあったそれを拾い上げる。今まではここで寝ながら読んでいたのだろうか。
(a23) arenda 2022/05/07(Sat) 20:44:46

エルナトは、少しだけ部屋を見まわしてから、君の元へと戻らないと、と足を出口へ向けた。
(a24) arenda 2022/05/07(Sat) 20:56:48

【秘】 王 リアン → 司書 エルナト

「ふ―――叫んだ結果、学園中に秘密が広まったとして。更なる信頼が得られるようになるなら良いのだがな?」

ジョークに乗っかる形で、小さく笑う。

「人に寄るだろうさ。僕はそう育てられたが―――今は、王族から追放された身だ。
 僕がこうして王として振舞うのは、自分がそうしたいと思っているからに過ぎない」

望まれてそう振舞う必要がある人間と、そうでなく 自分を肯定するためにそのように振舞う人間の違い。
前者のプレッシャーは酷いものだろう。少しの失敗が人生を成功から遠ざけるのだ。
後者である自分は、実家の人間を反面教師として より善い王となり、見返したい気持ちもありはするのだろうが。

「まだ知らなくても良い事だ。
 けれど、全く分からないということもないだろう?図書委員として、相応しい振る舞いを求められたことはないのか?
 例えば、普段ズボラな人間でも、図書委員になって本を乱雑に扱うような姿を見せたりはしないだろう」

(-99) otomizu 2022/05/07(Sat) 21:15:01

【秘】 王 リアン → 司書 エルナト

「ッ、ぐ………」

自ら傷付けた腕が、燃えるような熱さを伝えてくる。
額に汗が滲んで、噛み締めた歯の隙間から 時折熱い息が漏れた。

好きなようにさせる。自分はただ与えるだけ。
傷を舌が這う度に、鋭い痛みが伝わって。

「―――ッ」

君の唇が傷口を強く吸い上げる。
声にならない悲鳴のような何かが、喉を通り 外へ出て行く。
強い痛みが信号として伝わると目の前がチカチカとして、壁に空いている方の手をついた。
痛みに慣れていない体は、本能的にそれから逃げようとするが 理性でそれを食い止める。
逃げるなんて、情けないこと。してやるものか。
(-100) otomizu 2022/05/07(Sat) 21:15:30
エルナトは、本を両手で抱えて、来た道を戻る。
(a25) arenda 2022/05/07(Sat) 21:25:33

エルナトは、この本の結末は、そんなに大きなどんでん返しもない、普通のものだけど。
(a26) arenda 2022/05/07(Sat) 21:26:07

エルナトは、その普通をしっかりと受け止めることが、大事なのだと思うから。
(a27) arenda 2022/05/07(Sat) 21:26:40

【人】 司書 エルナト

>>+12 バレンタイン

「……や、おまたせ。」

とてとて、小走りに戻ってくる。
両手で抱えるのは、烏と兎の絵が描かれた本。
君の正面にまた立って。

「本当にいろんな本が散らばってたね。」
「ちゃんと読んで、元の場所に戻しなさい。」

なんて言うお叱りも飛ばしつつ。

「どこまで読んだ?」
「続きから、読んであげようね。」

ぱらり、本を捲りながら、問いかけた。
(14) arenda 2022/05/07(Sat) 21:30:17

【秘】 司書 エルナト → 王 リアン

「そうしたくて振舞う………」
「……そうしたほうが、楽?だから?」
「まぁ……やりたいことをやってるなら、いいのかな。」

一方でおそらくは前者側である彼は。
責任感とプレッシャーに押しつぶされて、そうして。
自分の心の成長を、薬に頼ってしまった。
彼の止まり木になれなかったことは、少し悲しく思う。

「うーん、確かに、肩書………」
「でも僕は、元々本は好きで、丁寧に扱ってたから。」
「あんまり肩書によって、って言うのはないのかも。」
「…あ、でも本が図書室に帰ってきてないと気になったりするなぁ……。」

これが責任って言うものなのかも。
そんな風に考えたり微笑んだりする少年は、
年相応の無邪気な様子であった。

(-101) arenda 2022/05/07(Sat) 21:37:05

【秘】 司書 エルナト → 王 リアン

一方で、餌を与えられる少年は。
どこか妖艶で、大人びてるような、逆に幼いような。
まるで本当に蜜月の時を交わしてるかのような、その姿は。
やっぱり、そういう姿を見せればより多くの"ご飯"を生み出してくれると
わかっていてそうしている、捕食行動の一つでしかない。


「もっと…………もっと…………」


食べれど食べれど収まらない空腹。
甘ったるい声で懇願して、口の周りまで紅で汚して。
ぺろ、ぺろ、浮き出した汗まで丹念に舐め取る。
その細長い指の一つ一つを口に含んで、指の間に舌を這わせて。
それでも全然足りなくて、もっと、もっと欲しくて。
だから。


真新しい傷口に、思いっきり歯を突き立てた。


「美味しい……熱い……好き………リアンさん………好き…………」


ドバっと溢れ出した血を思いっきり吸って。
ぐい、と体を押し付けて、叶うなら押し倒してしまおうと。
愛を語るその言葉もやっぱり。
何一つの感情も灯らない、ただの捕食行動でしかない。
病で歪んだ少年の、ありふれた食事だ。
(-102) arenda 2022/05/07(Sat) 21:47:36

【人】 司書 エルナト

>>+13 バレンタイン

「ん、じゃあ124ページからかな。」
「結構読んではいたんだね。」

残りはそんなに長くない。
夕ご飯までには読み終われるくらいの量。
例え君から何の反応もこなくとも。
きちんと、最後まで読み終えよう。
それが友達として、君にしてあげられる事だろうから。

縮まった距離。
文字が見えた方が良いかな、と隣に寄り添う形にして。
二人で本を覗き込む姿勢になって。

「………うん、いいよ。」
「ちゃんと読むなら、いくらでも時間をかけて。」
「きっと本たちもそうしてもらいたがってる。」

にっこり微笑んで。
それから、ゆっくり、穏やかで柔らかな。
変声期の来ていない、ボーイソプラノの声で読み上げていくのだった。
(15) arenda 2022/05/07(Sat) 22:07:39
エルナトは、「太陽には烏、月には兎───」「三つ足の烏は玉兎めがけてついに羽根を広げ────」
(a28) arenda 2022/05/07(Sat) 22:08:55

エルナトは、静かに、読み進めていく。
(a29) arenda 2022/05/07(Sat) 22:09:09

エルナトは、淀みなく読み上げていく。空が赤く染まる頃、ついに指は最後のページを捲り。
(a30) arenda 2022/05/07(Sat) 22:30:06

エルナトは、「────めでたし、めでたし。」金烏玉兎の話を、君に聞かせたことだろう。
(a31) arenda 2022/05/07(Sat) 22:31:03

【秘】 王 リアン → 司書 エルナト

「楽ではないだろうな。
 敢えて言葉にするなら―――それが夢だったから。だろうか」

だから、自分は苦労こそすれ潰れるような事はなかった。
目標であり、生き方であったから。
もし、君の同室と話す時間があったのなら。相談くらいは乗れたのだろうか。
たらればの話だ。

「そうだな、図書室の利用者が 規則を破っていたとして、それを見過ごすこともないだろう?
 他の利用者に不快な思いをさせたくないという責任感は、多少あるはずだ」

そういったものだ、と頷いて。
まだ中等部にいるのだから、気にしすぎる事はないと思うけれど。
それでも、少し何かを知ることが出来たのなら良いと思う。

(-113) otomizu 2022/05/08(Sun) 0:05:34

【秘】 王 リアン → 司書 エルナト

王を演じている青年は、誰かと恋仲になったことはない。
だから、他の人間を此処まで許したことがなく、誰かに靡いたこともない。
今だって、君に許しているのは食事のための行為だけだ。
だから、君の妖艶な姿にも 他の人間ほど良い反応を示すことはない。

どこか冷めたような目で、君の食事を眺めていた。
気持ち良いわけではない、どちらかと言えば、痛みと感触に対する不快感の方が強くて。

「ぐ、ぅぁ…っ!?」

だから、歯を突き立てられた時には 耐えられず声を上げて。
強く眉を寄せ、君の肩を引き離そうとする。

しかし、血の抜けている細身の体は自分の身体すら支えられず。
君の思惑通り、押し倒してしまう事が出来るだろう。
強く背中を打ち付け、呻き声をあげているはずだ。

「っ、は……お前が、好きなのは……僕じゃ、なくて……
 与えられる、飯……だろうが……」


ぼんやりとした思考でも、感情の入らない言葉には減らず口を返して。
君が満足するまで、結局は抵抗もままならない。

ああ、クラクラする。
(-114) otomizu 2022/05/08(Sun) 0:06:52

【人】 司書 エルナト

>>+15 バレンタイン

当たり前の物語が、当たり前の結末を辿る。
ありふれた恋物語。
どこにでもある、普通の。
辿るべきところを辿った物語。

きっと世の中の全ての事は、同じように。
何一つ気にかけずとも、流れていくはずで。

「………?センセイ?」

君がどこかに語った言葉は、少年宛ではなくて。
だからそれの理解はできなかったけれど。

「……満足できたかな、なら、よかった。」
「…そろそろ晩御飯時だ。バレンタインくんは、ご飯は食べられないかな。」
「顔くらいは出しておく?」

出すなら、君の車椅子を押して共に食堂に向かうし。
そうでないなら、またね、と微笑んで。
本は図書室に戻すため、抱えて。
建物の中へ歩を向ける事だろう。
(16) arenda 2022/05/08(Sun) 0:27:32

【秘】 司書 エルナト → 王 リアン

たとえ何一つ意味がなくとも、
その捕食行動はやめられない。
食虫植物が、常に虫を誘引する香りを出すように。
ただただ決められた行動を、顔を、声を出すだけ。

服も顔も、君の紅色に染まっていく。
でもそれを気にすることもない。
少年は、非力な方ではあるけれど。
血の抜かれた人間に負けるほどではなく。
引きはがされそうになれば、反発するように身を寄せて。
自分事倒れ込むように、押し倒す。

「何が違うの……?わかんない、わかんないよ………
 だって、貴方達は僕のご飯でしょ………?
 ご飯が好き……リアンさんが好き……すき、すき………っ」


ひと

君と飯の違いが理解できない少年は。
例えば唐揚げを食べて、鶏が好きだというくらいの温度で。
君に蜂蜜のような愛を囁き続ける。
馬乗りに胴体に乗って、顔を寄せて。

「ね、ちゅー……ちゅーしよ……?」
「ちゅーしたい………お願い………ちゅーしたいの…………」


泣きそうな顔で懇願して。
それが受け入れられれば、その薄い色の唇に貪りつくし───

(-116) arenda 2022/05/08(Sun) 0:36:09

【秘】 司書 エルナト → 王 リアン

受け入れられないなら。
君の手に持たれたままの鋏を、奪い取って。

「もっと……もっと………っ」
「ぼくをいっぱいにして…………」


振りかざして。

肩に思いっきり振り下ろす。


何一つの躊躇もなく。
牛肉を得るために作業のように牛を屠殺するがごとく。
樹液を出すために木の皮を剥がすがごとく。
傷つけて、溢れたそれに貪りつくだろう。
(-117) arenda 2022/05/08(Sun) 0:40:28
エルナトは、「今の方が君の事を沢山知れるのかもね」と車椅子の彼に笑って
(a35) arenda 2022/05/08(Sun) 0:44:08

エルナトは、君が食堂に顔を出すと言えば、嬉しげに笑って。だって、友達と一緒の方が楽しいから。
(a36) arenda 2022/05/08(Sun) 0:45:03

エルナトは、るんるんと、楽しげに君の車椅子を押しただろう。
(a37) arenda 2022/05/08(Sun) 0:45:36

【秘】 司書 エルナト → 充実 バレンタイン

ちなみに、道中にて。

「…ねぇねぇ、バレンタインくん。」
「君の体って、動きはしないけど……」
「汗とか、泣いたりとか……トイレとか」
「そういうのも、完全に機能してないの?」

そんな質問をしたことだろう。
(-118) arenda 2022/05/08(Sun) 0:47:08

【秘】 王 リアン → 司書 エルナト

まるで、口を汚して食事をする幼児のようだ。と思う。
もしくは怪物か。もう少し綺麗に食べるものだと思っていた。

「はッ……く……」

分からない、と繰り返す君に何かを言いたげな顔をするものの、頭は回らない。
パンを焼いてもらったからと言って、パンを焼いた人間を好きになるものか?
君は、誰の体液だろうが同じことを言うのだろうに。

「、っ……馬鹿を、言うなよ……お前は"家畜に口付ける"のか?
 それに、僕も……飯を提供する、だけの相手に、唇を許すほど寛容では ない……ッ」


どれだけ泣きそうな声を上げても。
それだけは、
受け入れなかった


だから、鋏を取り上げる事も出来ず 君に
肩を抉られるのだろう。


思い切り目を見開いて、息の詰まったような声を上げる。
どくどくと溢れ出す鮮血が、ブレザーの肩口に染み出し 君が口に入れ損ねた分は床に広がっていく。
目が霞み、焦点が合わない。体の温度が下がっていく。

けれど、王の矜持か。意地か。君が動きを止めるまで、意識を手放すことはないだろう。
(-119) otomizu 2022/05/08(Sun) 1:08:22

【秘】 司書 エルナト → 王 リアン

今までは、もっと奇麗に食べていた。
そりゃあ、舐めたり吸ったりはしたけれど。
傷口に貪りついて、肉ごと食らいかねないほどに
獰猛に食事することはなかった。

でも

(-122) arenda 2022/05/08(Sun) 1:19:27

【秘】 充実 バレンタイン → 司書 エルナト


『藪から棒に……まあエルナトにならいいか。
 人形にされたわけじゃないから、
 そういう代謝?とかはきちんと働いてるみたい。

 おむつとか履かされたの何年振りだって話。
 あまり言いふらさないでくれよな。
 恥ずかしいって思う気持ちだって残ってるし』

顔には全く出せなくなったけど。
(-124) backador 2022/05/08(Sun) 1:27:39

【秘】 司書 エルナト → 王 リアン

        自
       分の病
      の気持ち悪
     さと、病のせい
    で誰一人真の意味で
   愛する事ができないと言 
  う苦痛と、それらが溜まりに
 溜まった結果、重度の過食症にな
 ってしまって、ただでさえ満足に
 取れなかった食事は、常に飢餓を
 訴える体を満たすことが難しくて
 それでも今日まで出来るだけ頑張
 って我慢してきたのだけど、もう
 限界で、その時に貴方が声をかけ
  てくれたから、もう、飢えた
   獣は貴方に縋るしかなく
    て、お腹をみたして
     
(-125) arenda 2022/05/08(Sun) 1:35:10

【秘】 司書 エルナト → 王 リアン

受け入れられない。
苦しい、もっと、もっと食べたいのに。
この飢えを満たして、満たして。
満たしたらきっと、ちゃんと人を人として見る事が出来て、
そしたら僕も普通に人を愛したり、愛されたりできて。
もう親に捨てられるような、気持ち悪い子供でいずに済んで。
だからもっと食べないと、もっと、もっと。



もっと食べるには、こうするしかなかった。



噴水のように溢れる血を、ごくごくと喉を鳴らしながら飲んで。
やがてその音が徐々に、徐々に感覚を長くしていって。
満腹にはなれないまでも、軽く満たされれば。
捕食行動は、もうとる必要が無くて。
顔を、あげて。


「……リアン………さん………?」
「だい、じょうぶ………?」


ようやく、欲望が覚めてきた頭で貴方の状況を見下ろして。
少年は、もう甘ったるくない声で、そう問いかけた。
(-127) arenda 2022/05/08(Sun) 1:40:47

【秘】 司書 エルナト → 充実 バレンタイン

「へぇ……そうなんだ。」
「……そうなんだ……………」


と、相槌を打つ声は。
少しばかりの熱を帯びて。
絶対に逃げない餌がここにいる。
じゃあ次、我慢できないくらいお腹が減ったら。


「……おむつとか変えてあげようか?」
「……なんてね。ふふ………」

ドキドキと高鳴る鼓動。
きっと君に聞こえることはないまま、食堂までの道を歩いた。
(-129) arenda 2022/05/08(Sun) 1:45:10

【秘】 王 リアン → 司書 エルナト

君の抱えている病気が深刻で、生きづらいことは分かっても。
全てに応えられないことが歯痒い。
どんなものでも差し出せる、というには関係が浅すぎるだろう。

今は、自分が提供出来るものを 満足いくほど渡せていればいいと思った。

「……満足、出来たか…?」

声の方向に顔を向けて、掠れた声で問いかける。
大丈夫というには、血が足りなくて。起き上がれないどころか、腕ひとつ動かせない。
(-130) otomizu 2022/05/08(Sun) 2:01:27
エルナトは、本音を冗談の皮で隠して笑った。
(a38) arenda 2022/05/08(Sun) 2:06:03

エルナトは、人が  にしか見えない。
(a39) arenda 2022/05/08(Sun) 2:06:23

【秘】 司書 エルナト → 王 リアン

決して君が悪いわけじゃない。
少年は元から、誰とも関係を深められない。
だって、他人と自分を対等に見れないのだから。
例え長く交流をしていたってきっと、誰かの特別にはなれない。

少年はきっと、救われる術が存在しない。


「うん………だいぶましになった………」
「ごめんね、僕………ご、ごめんね………」

ペットを虐待してしまったような気分だった。
可愛がっていたのに、つい衝動的に。
申し訳なくて、とりあえず傷口を抑えて。
でも、出来るのはその程度で。

「どうしよう………トットくんがいればな……」
「このままだと死んじゃうかな……医務室まで運べるかな……」

床に広がる血が、したことの重さを物語る。
直ぐに安静な場所まで運ぶからね、と声を掛けつつ。
大人を呼ぶか、と思案を巡らせた。
(-134) arenda 2022/05/08(Sun) 2:48:08

【秘】 王 リアン → 司書 エルナト

「気にすることは、ないだろう……僕が、許可したんだ。
 他の、どの体液を提供するより……これが、一番良かったからな」

最善だった。だから、これで君が少しでも満たされたなら良かった。
だが、これと同じだけのものを毎食提供するのは難しい。
輸血用のパックを使うわけにもいかないだろうし、何かしらの方法を考えた方がいいだろうか。
まあ、今は深く考えられるだけの頭が回らないのだ。後ほどの課題になるだろう。

「……実習生の先輩に頼むと、いいだろう。アオツキ先輩、あたりは…親身に、聞いてくれるはずだ」

止血をしてくれているのなら、暫くすれば起きて歩けばするだろうが。
もし誰かを呼んで運んでもらえるのなら、自室前までと指定していただろうか。

「トットは……力仕事が、得意なようには みえなかったが」

ふと、気になったことを尋ねる。
(-135) otomizu 2022/05/08(Sun) 3:15:26

【秘】 司書 エルナト → 王 リアン

「それは」
「そうだけど…………。」

その為に人を傷つけてしまったことも。
血を飲むことに、何一つの抵抗が無くなってる事も。
傷つけたのに、心の底からそれを悪いと思えない自分と。

色んなものが申し訳なく感じて、言葉尻は下がっていく。

いずれ自分は、本当にただの怪物になってしまうのではないか、
そんな不安を、抱えて。

「……うん…………わかった。」
「聞いてみる……けど、今はあんまり喋らないで……」

体の負担だから、とぐっと傷口を抑えて。
多少痛いだろうが、我慢してもらうほかない。
きっと後程大人を呼んで、しっかりとした器具で運んでもらうはずだ。

「……トットくんの血を飲むと、回復力が上がるんだって。」
「だからきっと、それを飲めばすぐよくなると思うんだけど…」

本人から聞いた話。
どの道、今はまだ姿が見えないから、叶わぬ話。
(-149) arenda 2022/05/08(Sun) 12:45:24

【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット

「……トットくん。」

ちらりと見かけた姿は、昨日とは若干変わっていて。
なんとも華やかな右目になっていた。
人によっては怖さすら感じるビジュアル。

「………大丈夫?」

昨日までは、ころころ表情が変わっていたのに。
今は夢見心地な笑顔だけな君に、声をかけた。
(-150) arenda 2022/05/08(Sun) 12:55:09

【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト

「あれえ」


声を掛けられると、ゆっくりそちらを向いた。
緩慢な動作は水にでも浮いているかのようだ。

「エルナトだあ」
「あ〜 あ〜? そだ こないだごめんねえ」
「おはな……あるよお まだ」


そう言って、手に持っていた紙袋を見せた。

「……? あ」
「えへ おれねえ だいじょうぶ! いまふわふわなの んふふ」
「ずっとおはなさいたあとみたい んふ」
(-151) susuya 2022/05/08(Sun) 13:05:45

【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット

流れのない水たまりに浮いた花弁のような動き。
花の蜜みたいに甘ったるい声。

可愛らしいけど、ちょっぴり不気味。


「うん、昨日帰ってこないから心配してたんだよ。」
「無事………ならいいけど。」

本当に無事かはおいておいて。
掲げられた紙袋に目を向けた。
お腹が減った。


「それは……大丈夫なのかな?」
「……お花の位置も変わってるけれど……」
「その目の花は、抜けないの?」

ちらり、見えてるかもわからない右目に視線を移し。
(-152) arenda 2022/05/08(Sun) 13:10:28

【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト

「きのう? きのう……」
「あは んふふ そだねえ! えへー なにしてたかナイショ……」
「……これねえ なんかねー フクハンノー? だって」
「ないてもおはなさいちゃうからなかないでねっていわれた」


自分の右目を抑えてトットはそう言う。
しばらくしたらもどるって、と告げる声には、動揺も感傷も何も含まれていない。
頭に咲いていた花と同じ花。薄桃色がそこにある。

それから、貴方に紙袋を差し出して。

「あげる!」
「おれたち、エルナトにもらってほしーから」
「いる?」
(-154) susuya 2022/05/08(Sun) 16:14:37

【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット

「副反応………」

と聞くと、最初に思い浮かぶのは薬だが。
何か、されたのだろうなというのだけがわかる。
……気にしても仕方ない、そう思う。
どの道何かしてあげられることもないし。
きっと、望まれてもいない。

「戻るならまぁ、良かったかな。」

片目だけじゃお勉強もしにくいからね、と微笑んで。
それから、差し出された紙袋を受け取って。
ふわっと、花の香り。
大事なご飯。


「うん!ありがとう、すっごく欲しかったんだ。」
「………俺達って、前も言ってたけど。」
「君以外に誰かいるの?」
(-156) arenda 2022/05/08(Sun) 16:25:03

【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト

相変わらずトットはにこにこと笑顔を浮かべている。
にこにこと言うにも力が無く、顔が緩んでいるだけのようにも見える。
見えている左目の焦点も、傍から見れば定かじゃない。
次いで夢遊病でも患ったのではないかと思われても仕方がないくらいだ。

それでもトットは問題なかった。
とっても幸せ
だから。
だからきっと気を遣われたとしても、どうしてなのかわからないだろう。

「んへへ よかったー! あんしん」
「おとどけしたかったので」

「……おれたち?」


トット以外の誰かは、勿論ここには貴方しかおらず。
それでもトットは
「いるよお」
と言う。

「ほら」「ね」


指を差すのは 紙袋。それから、右目。


「おれたち、みんないるよ」「いっぱいいるよ」
「きみにたべてくれてうれしかった」「みんなによろこんでもらってうれしかった」

「おれたちずっとおもってたの みんなのやくにたちたいって」
「みんなのやくにたってみんなのなかにもさくんだ」

「ね」
「おれ おいしかった?」
(-159) susuya 2022/05/08(Sun) 16:48:32

【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット

夢見心地、がきっと一番正しい表現。
脳みそまで溶けてしまってるんじゃないかというほどの。
そんな印象を、抱いてしまう。

それで、君の言葉を聞いて。
指すものを見て。
想像することが正しいかどうか、分からないけど。

蛞蝓に寄生して、脳を乗っ取る虫がいるように。
君にとっての花が、そうなのかなとか。
だとしたら、それを食することは。


急に腕の中のものがなんだかおぞましく見えて。
それを。

(-161) arenda 2022/05/08(Sun) 17:09:03

【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット

…手放すことが出来ないくらい、
少年はもうずっと、追い込まれているから。



紙袋の中に手を入れて、掴んだ何かも分からない花弁を。
口に運んで、舌先で転がして。
よく噛んで、飲み込む。胃が僅かに満たされる。

「…うん、とっても美味しいよ………」
「…君達の事、大好き…………」


熱っぽい瞳と声でそう告げる。
お腹が減った、満たしたい、満たしたい。

「本当は、その目の花も………」
「君自身も、食べちゃいたいくらい。」


君から出るご飯を、すべて食べたらお腹いっぱいになれるだろうから。
でも、そんな事をしたら気持ち悪く思われる。わかってる。
分かってるから、紙袋のもので我慢しなきゃと、また一つ、口に運ぶのだった。
(-163) arenda 2022/05/08(Sun) 17:14:20