人狼物語 三日月国


212 【身内村】桜色のエピローグ✿

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【人】 火澄 七瀬




 ある日2人の世界に現れた、3人目の男の子。>>0:36

 七瀬でも瀬名でもない存在が、

 私と名瀬を別の人間にしたのです。
 
少なくとも、私の始まりはそこからで。

 
 
 
(23) 希 2023/05/04(Thu) 10:18:31

【人】 火澄 七瀬




 言葉遣いを敬語へと改めたのも、
 私と瀬名がべつべつ≠セと知ったからでした。

 どうしたって、私と瀬名を間違える人は
 存在しましたから。

 服装や髪形などで違いを出すこともできたでしょうが。
 私にとっては言葉遣いが、
 どんな状況でも、何を用いずとも使える、
 私達を区別するための装飾品だったのです。
 
 
 
(24) 希 2023/05/04(Thu) 10:19:01

【人】 火澄 七瀬




 「 そういえば、禎光。
   今日はホワイトデーですが。

   瀬名にお返しは用意していますか? 」

 
 
(25) 希 2023/05/04(Thu) 10:26:43

【人】 火澄 七瀬




 当然です、という顔をして。
 彼の耳元へと、そっと内緒の話を寄せたのは
 目的地に向かって歩き始めて、
 少し経った頃合いだったでしょうか。

 丁度1ヶ月前にあったバレンタインデー。
 私はそうですね。
 禎光へと友チョコを渡していたと思います。 

 此方へのお返しへの頓着はしていませんが、
 大事な妹へのお返しを蔑ろにされてしまうのは ……
 そうですね。駄目ですね。
 彼が大切な幼馴染と言えど、許してはいけないことです。

 
 
(26) 希 2023/05/04(Thu) 10:28:16

【人】 火澄 七瀬




 ………… ひょっとしたら、
 瀬名は禎光へとバレンタインの贈り物を
 していない可能性もありますが。


        その、別に貰えていなくたって、
        お返ししてもいいじゃないですか!
        ホワイトデー。**
   
 

 
(27) 希 2023/05/04(Thu) 10:28:29

【独】 火澄 七瀬

/*
瀬名ちゃんごめん……
名前間違えそうだなと思ったら間違えました
(-4) 希 2023/05/04(Thu) 10:32:51

【人】 火澄 瀬名

 

  
 かつて私は七瀬で、七瀬は私でした。

 生まれた時から……いいえ、生まれる前から
 一緒にいるのが当たり前で。
 
 周りにそっくりね∞仲良しね≠ニ言われても、
 私がもう一人いるのだから当たり前だとしか思えなくて。

 双子ちゃん≠フように呼ばれれば尚、
 それは七瀬でも瀬名でも関係のないことでした。



 いつからでしょう、
 私と貴方が、解離していくことを止められなくなったのは
 

 
 
(28) papico 2023/05/05(Fri) 10:48:21

【人】 火澄 瀬名

 

 

 2人の世界に現れた、禎光3人目


 それは、少しだけ世界が生まれ変わった始まりでした。



  
(29) papico 2023/05/05(Fri) 10:48:29

【人】 火澄 瀬名

  
 
 
 「 禎光!どっちがどっちでしょうか! 」


 服装も髪型も揃えて遊びに出掛けた私たちを、
 彼は見分けられることができたでしょうか?


 それは七瀬が敬語を使い始めるまでの間だけ
 だったかもしれませんけれど。

 
 *****
  
(30) papico 2023/05/05(Fri) 10:48:34

【人】 火澄 瀬名

  
 
 
 丁度1ヶ月前、バレンタインデー。

 毎年恒例のように私たちは、
 彼にチョコレートを渡しました。


   
(31) papico 2023/05/05(Fri) 10:48:52

【人】 火澄 瀬名

 


 いつもと違ったのは、

 七瀬が用意したものよりも少し良いものだったこと。

 友チョコ≠ニは言わずに渡したこと。



          それだけです。それだけでした。

  
(32) papico 2023/05/05(Fri) 10:50:08

【人】 火澄 瀬名

  
 
 
     変えることも、変わることも、怖かった。


   
(33) papico 2023/05/05(Fri) 10:50:22

【人】 火澄 瀬名

  


             それなのに ――

   
(34) papico 2023/05/05(Fri) 10:50:38

【人】 火澄 瀬名

   
 
 
 間違ってしまったのは、私だったのでしょうか **

 
  
(35) papico 2023/05/05(Fri) 10:51:18

【人】 水面 禎光

 
 
  知らない人の家 ≠ニいうワードに
 瀬名も、僕と同じく驚きの声をあげた。>>12

 けれど ─── 瀬名が想定していたスポットとして
  賭博場 ≠竍 怪しげな店 ≠出してくるあたり
 やっぱり双子なんだな、とふたりの顔を見やった。
 
 ヒトデが出るのは理解した。 >>7
 いや、理解できなかったけど話が進まないので頷いた。
 
 どうやら埃っぽくない場所らしいのは有難い、けど。
 僕が少し首を傾げたのは、
  掃除は定期的に行っている ≠ニいう部分で。 >>8
 誰が掃除しているか主語は抜けていたが
 瀬名も引っ掛かりを覚えたようで。 >>15
 
 けれど、追及するでもなく賛成するのなら
 ほらもう 多数派の出来上がりだ。
 思い出作りを真っ先に賛成した僕にも反対する理由が無い。
 
 
(36) よし☆ 2023/05/05(Fri) 19:58:24

【人】 水面 禎光

 
 
 「 今日は雨か …… ちょうどいいかもね 」
 
 
 僕は知らなかったけど、天気予報は雨らしい。>>18
 考えもないまま 思わずでた言葉に
 何がちょうどいいのか思い浮かべてみたら ───
 すぐ思い当った。
ヒトデが喜びそうだからだ。

 
 七瀬が此処を去るのなら、桜も散ってしまえばいい

             ─── そう感じたからだろう。
 
 
(37) よし☆ 2023/05/05(Fri) 19:58:26

【人】 水面 禎光

 ***** 
 

 姿形も声もそっくりな七瀬と瀬名。
 
 僕だって、初めて会った瞬間から見分けられた訳じゃない。
 初めは ─── たぶん、
 同じように扱うべきなんだろうって思ってた。
 彼女達が" 同等 "を嫌がっていた素振りは
 きっと感じる事がなかっただろうから。
 
 それどころか、わざわざ外見を揃えて
  どっちがどっちでしょうか!
 なんて試された事もあったっけ。 >>30
 
 
(38) よし☆ 2023/05/05(Fri) 19:58:30

【人】 水面 禎光

 
 
 「 え……? なに言ってるの瀬名 」
 
 
 だけど、そんな遊びをぶつけるほど
 僕らはもう友達だったのなら。
 僕に初めて出来た" 友達 "だったのなら ───
 扱いを同じにしていただけで
 きっともう 間違える事なんて無かったんだよ。
 
 違う名前、姉と妹。繋いだ手は右手と左手。
 まばたきのタイミングだって同じじゃない。
 やがて、七瀬が敬語を使いだしたりすれば猶更。
 
 彼女達と 共に過ごせば過ごすほど ────
 僕の中で、個々へ抱く感情もまた違いを見せていった。
 
 
 ***** 
(39) よし☆ 2023/05/05(Fri) 19:58:36

【人】 水面 禎光

 
 
 「 え? もちろんだけど
   七瀬にだって ちゃんと用意しているよ
   また…… 帰ってからね 」
 
 
 目的地へと歩き出し、少し経った頃。
 七瀬が、瀬名にホワイトデーのお返しを用意しているのか
 僕にそっと耳打ちで聞いてきた。 >>25
 例年通り、"同じモノを"用意していると言わなかったのは
 今年は 七瀬と瀬名で貰ったチョコに違いがあったから。
 
 だから僕も、今年は思い切って
 七瀬と瀬名へのお返しを違うモノにした。
 
 
(40) よし☆ 2023/05/05(Fri) 19:58:45

【人】 水面 禎光

 
 
 もう高校生にもなろうとしているのに
 男女3人で寄り添えている僕ら。
 
 それがどうしてかなんて ──
 僕は深く考えたコトも無かったんだ。


       僕らのささやかな対立はいつだって
       敗れたあとも
       多数派に混ざる事を許されていたから
**
 
 
(41) よし☆ 2023/05/05(Fri) 19:58:48

【独】 火澄 瀬名

/*
>>41

       僕らのささやかな対立はいつだって
       敗れたあとも
       多数派に混ざる事を許されていたから


こういうの!!すごいな。好きだな。
さすがよしさん。
(-5) papico 2023/05/05(Fri) 20:07:48

【人】 火澄 七瀬




 「 ここにいたのですね、瀬名。
   もうすぐバレンタインデーですよね。
   今日は一緒に禎光へのチョコを作りませんか?


           ああ、……
             そうなのですね ──── 」
 
 

 
(42) 希 2023/05/05(Fri) 20:56:24

【人】 火澄 七瀬




 変化の兆し。 私は見て見ぬ振りをしました。


(43) 希 2023/05/05(Fri) 20:56:33

【人】 火澄 七瀬




 お菓子作りを趣味にしているわけではありません。
 私は例年通り、初心者でも失敗しないレシピで、
 友チョコの名に恥じない味を贈ったでしょう。

 …… 私にとっては、
 普段と変わらないバレンタインデー。

 エプロンを付けて、湯煎をする私の隣に。
 揃いのエプロンを纏う瀬名がいないことを除いては。
  
 
 
(44) 希 2023/05/05(Fri) 20:57:18

【人】 火澄 七瀬




 「 …… それを聞いて、安心しました。 」


 瀬名が禎光にチョコを渡さなかった可能性。
 彼の言葉で否定されました。>>40
 ならばどうして彼女は、
 私と同じものを贈ることを避けたのでしょうか。
 
 …… どうして私達は、並んでキッチンに立ち、
 冬の寒さに震えながら、
 頬についたチョコを見て笑い合うような。
 そんな時間を過ごせなかったのでしょうか。 
 
 
 
(45) 希 2023/05/05(Fri) 20:57:57

【人】 火澄 七瀬




 どうして。
 変わらないままでいられなかったのでしょうか。>>40


(46) 希 2023/05/05(Fri) 20:58:13

【人】 火澄 七瀬




 「 …… 雨、降ってきましたね。 」


 きっとそれは、小雨も小雨で。
 地面を1,2滴の粒が叩いた程度。
 
ヒトデには物足りなかったでしょう。


 なのに私は、幸いとばかりに持っていた傘を広げて
 曇天の下に、薄紅色の花を咲かせました。
 
 
 
(47) 希 2023/05/05(Fri) 20:58:58

【人】 火澄 七瀬




 「 はい。 ──── 帰ったら。 」


      その時の私がどんな顔をしていたかを、
      覆い隠してしまうように。>>40
 
 
 
(48) 希 2023/05/05(Fri) 20:59:05

【人】 火澄 七瀬




 「 ああ、駄目ですよ瀬名。
   流行っているからと言って、
   賭博場や怪しげな店に出入りをするのは。

   貴女は昔から、少々危なっかしいんですから。 」


 …… 次に傘を小さく揺らす頃には、
 私はお姉ちゃん≠フ顔をして。
 妹を見守る眼差しを浮かべていたでしょう。**
 
 
 
(49) 希 2023/05/05(Fri) 20:59:20

【人】 火澄 瀬名

   
 

 「 すごいね、禎光。また正解!
   今日は間違わせる自信があったのにな。 」



 連続正解を止めたいなってお揃いに磨きをかけて
 一方で本当は、見分けてほしかったのかもしれません。


 だってこんな友達≠ヘ
 これまでにはいなかったのですから。


 *****  

 
(50) papico 2023/05/06(Sat) 1:11:25