人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

薬指へと、長めの口付け。その隣で煌めくエナメル。
女はとても幸せそうに、へにゃりと笑った。

「――あたしもお」
「…ミネ。だあいすき」

甘えた声で言ってまた肌を寄せる。
あたしの王子様。ずっと昔に、ひとりぼっちの“寂しい”から救ってくれたひと。
いつもと違う姿。頬に刺す朱はもちろん、交じり汚れたその肢体すら愛おしい。

満足するまで、なんてしてると朝が来てしまう。
だからほどほどに切り上げて体を離した。

「…ミネ。あの、ねえ。」

シャワールームへの道のさなか。
ゆっくり、女は切り出した。

「お風呂、終わったらあ。」
「マニキュア。…塗って欲しいんだあ。」

えへへぇ、と少し気恥ずかしそうに。
気付けば、左手の小指のエナメルが欠けている。
(-439) oO832mk 2023/09/17(Sun) 10:36:55

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

「んー…それが、ねえ。」

部屋の片隅で、変わらぬ真面目顔。
同じくして日頃に比べれば硬質な声音で迷うように口にして。
ミントブルーがあなたをじいと映した後。

「…なあんて。」
「ふふー。驚きましたあ?」

「実はあ、お願いが、あってえ。」
「“お手伝い”…して欲しいことが、あるんですよお。」

へらり、と笑った。
誰にもバレないように、笑顔を作るのは、得意だ。
(-443) oO832mk 2023/09/17(Sun) 10:46:29

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「へへぇ」

すり、と衣と肌を寄せる音。
俺のお姫様。ずっと昔に、どこにも馴染めなかった自分を救ってくれたひと。
あの時からずっと、一目惚れだなんて言ったら笑われるかな。
笑われないよなあ。だから好きなんだ。いつまでも。

「んー?」

いつもと同じ声と顔。……いや、どっちも今は着崩して。
繋いだ手をふりふり歩みを進める。

「喜んで、俺のお姫様。……にしても派手にやったよなあぁ」

お互いの姿を改めて眺めて、思わず笑う。
頭をあなたに軽く傾けて、二人でくぐった浴場の扉を閉じた。
(-445) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 10:48:22

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

ご、ごくり……。

せんぱいから怒られることは、まあままあるのだが。
同じ階級の貴方から何か……というのはないので。
緊張したのも束の間のこと。

「……あ、あれ?怒られるわけじゃない?」

拍子抜けした様子で瞬き、それから。

「!!!」

"お手伝い"と聞けば分かりやすく表情を明るくさせた。

「よ〜やく決まったんですか?
 なになに?オレができることならなんでも!」
(-449) mspn 2023/09/17(Sun) 11:01:44

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「あはー。うん、どろどろお」

頷いて笑いながら、扉の奥へ。
暫くすると、浴室の外に、さぁと雨のようなシャワーの音が微かに響く。
また髪を濡らしてそこを出た。今度は、ふたり一緒に。
ドロドロがなくなっても、赤いしるしは消えていない。

昨日のまま置かれていた眼鏡をかける。視界は良好。
着衣を整えると、鞄から15mlの小瓶が幾つか入ったポーチを取り出した。
ベースコート、ポリッシュ、トップコート。
除光液と脱脂綿、あとは保湿のオイルも。ネイルセットだ。

「じゃあー、お願いしまあす。」

欠けたエナメルを拭い、オイルを塗布。
椅子に座るとその左手を差し出した。
ゆら、ゆらと足がふうわり揺れている。
(-452) oO832mk 2023/09/17(Sun) 11:16:38

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

へらへら顔で、頷く。
怒らないよお、疲れるもん〜とは当人談。
そうやって、人々の油断を狙ってきた。


「えへへ〜、お待たせしちゃったねえ。」
「今あ、ちょっと困ってることお…あってえ」

笑顔には少し気後れする様子だ。
緩んだ口元を、一度閉める。

「……ちなみになんだけどお、ニーノくんってえ」
「警察の外にも、お友達とか、多い方〜?」

これには、少なからず「YES」に近い返答が返る。
女はそう察しつけている。
(-455) oO832mk 2023/09/17(Sun) 11:36:14

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

湯気も立たせて、手もまた繋いで。
なんなら、しるしは入る前より増やしたかもしれない。

「手ェ震えないように願っといてくれよ、
 仕事と一緒にお姫様のお世話で手が過労だから」

へらへら笑いながらネイルセットを手に、
一先ず傍のデスクに並べて、指を鳴らす。
オイルで滲まないように、少し時間を置いてから
のんびりとベースコート。乾かす傍ら、口を動かす。

「毎日会えるし、毎日会おう。街で偶然でも、連絡しても」

爪の先端にポリッシュを。集中しても口は止まらない。
どちらにせよ手は震える訳だし。
今度は付け根から。案の定はみ出たから、
はにかみながらリムーバーで整える。

「いつだって、どこだって駆けつける。
 約束したしな。安心して、生きようぜ。
 毎日、ずっと、どこでも、一緒だよ。エリー」

トップコートでしっかりと保護。
ドライヤーで冷風を当てながら、微笑みを。
最後に、ネイルオイルを添えてマリーゴールドに輝きを。

「……どうよ?」

少しの緊張と共に、小指を恭しく持ち上げた。
(-462) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 11:49:14

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「うんうん!」

困ってること、があるのはよくないが。
それでも手伝えることがあるのは嬉しいから前のめりだ。

「……お友達、ですか?
 ええっと、そういっぱいってわけじゃないけど。
 いるにはいます」

「友達じゃないけれど繋がりって意味なら。
 多いところもある……かな」

貴方の頼みごとにそれらが何の関わりがあるのかは分からないが、素直に答える。
前者は警察じゃなくても遊びに行く家族のような人や、友達は確かに居るしの意味。
後者は出自からスラムや養育院にはよく足を運ぶから、顔見知りは多いの意味。

「それがどうかしました?」

こてんと首を傾ぐ。
何にも気が付かないまま。
(-466) mspn 2023/09/17(Sun) 12:47:24

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「いいよお、ちょっとくらい、歪んでもお。」
「それはそれでえ。」

けたけた、それでいて控えめな笑い声。
あんまり笑うと揺れてしまうから、すぐにそうっと落ち着いた。

「…うん。」
「………うん。」

「…………………、うん…」

毎日。どこでも。いろんな場所で。
お互いを守るために決めた、月に2度の逢瀬。
自分の立場を思えば、絶対に捕まってはならないことに変わりはないけれど。
少しだけ、怯えは減った。王子様が傍にいてくれる。傍にいたい。

左手小指に咲いた太陽の花。
艷めくそれを見つめては、目を細める。
…これで、もう、忘れない。
大切なものを、間違えない。


(1/2)
(-474) oO832mk 2023/09/17(Sun) 13:33:52

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「…えへへ〜。」
「ミネ、じょおずう。」

――果報者だ。
大切なものが、ふたつもある。
ひとつはもちろん、あなた。
もうひとつは、…父親代わりの、papà gambalunga 。

そのどちらも守りたい。これからはこの小指を見る度に、そのことを思い出す。
手の甲に記した、メモみたいに。

「ありがとお、…ミネ。」

静かに、万感込めて女は言った。
そうしてまた幸福そうに、へにゃり、と笑う。

(2/2)
(-475) oO832mk 2023/09/17(Sun) 13:35:57

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

「そっかあ。なら、よかったあ。」
「あんねえ、実はあ、家に大量に果物が届いてえ。」
「…冷凍庫、まだ蟹で埋まってるからあ。どおしよおって」

用意していた言葉を吐く。

間延びした声。そこでえ、と続く。

「減らすの、手伝って欲しいんだあ。」
「あの、警察のみんなには、あたしが配るからあー。」

ここまで言えば、質問の意図も伝わるだろうか。
へらりとまた気恥ずかしそうに頬をかく。

「こんな手伝いでも、いいかなあー?」

そうして小首を、こてん。
頷いちゃ、だめだよ、
それは、ただ心に浮かんで蓋をされるだけの、口にはできない言葉。
(-477) oO832mk 2023/09/17(Sun) 13:55:10

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「どういたしまして、エリー。」

にへ、と笑顔を返して立ち上がる。
今度はちゃんとした着替えを用意した。
あなたのものと、自分のものと。

「……さあ、少し休んだら俺はベッドのお片付け!
 そして……『エーコ』は、朝帰りだな?
 なんか聞かれたら言わせんな恥ずかしいとか言っときな。
 じゃなきゃ……首筋にもうひとつくらい付けとくか?」

へらへら笑ういつもの顔。『先生』にしては過激な発言。
その内に幸福と愛を込めて、頬をもう一撫で。
約束の通りに、これはあなたと共にある。
あなたを送り出してなお、魂はあなたと一緒に歩く。

情報を盗んで食らい、生きてきた。
人の口から出る言葉が、次の瞬間裏返るのを知っていた。
カンターミネにとっては、全てが疑う対象でしかなかった。
たったひとつ、あなたを除いて。
これからも、あなたは不動の位置に在り続ける。



何があっても。
(-481) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 14:19:47

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「蟹の次は果物が……?」

以前貴方が話していたPapà gambalungaの新しいお届け物だろうか。
しかし冷蔵庫が蟹で埋まっているとなればそれは大変だろう。
だって果物は傷みやすいし、と。

何も疑わない。だから。
(-487) mspn 2023/09/17(Sun) 14:36:32

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「──任せてください!」

「それぐらいならお安い御用……っていうか。
 お手伝い権なくても手伝うぐらいですよ。
 いっぱい届くとほんと大変ですもんね〜」

職場に持ってきているのだろうか。
それとも大量だって言うぐらいだから家に置いたままだろうか。
そんなことを考えながらも男はただ。

「あ、ちょっとだけオレの分も貰っていいですか?
 家族も食べるかなって思って……」

貴方に頼ってもらえた事実に、嬉しそうにしていた。
(-489) mspn 2023/09/17(Sun) 14:39:12

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「ふふー。だいじょおぶう。」
「だあれも気にしないよお。」

母が亡くなってから、家はひとり暮らしだし。
そうして頬に触れた指先に面映ゆさを感じはにかんだ。

「…じゃあ。ミネ。」

――大切な、あたしの王子様。

「いってきまあす。」

ひらりと手を振り、立ち去る指先に。
塗ったばかりのマリーゴールドが、煌めいていた。

あたしが、まもるよ。
…絶対に。
(-497) oO832mk 2023/09/17(Sun) 15:29:16

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

女は。

「そっかあー。頼りになるう。」

笑顔のあなたに。その首肯に。
さも嬉しそうに、へらりと笑った。
誰にもバレないように、笑顔を作るのは、得意だ。


「もちろん、ニーノくんの分も、いいよお。」

「じゃあ、今日仕事が終わったら、家に呼ぶねえ。」
「ほんとたくさんだからあ、覚悟しててえ。」

暢気そうな声でそう言って、この場は一先ず解散。
定時の後、「それじゃあ行こっかあ」と女はあなたに声をかけただろう。
(-501) oO832mk 2023/09/17(Sun) 15:35:54

【影】 日差しにまどろむ ダニエラ

子どもの頃から、あまり思いを顔に出さない方だった。
だけど、笑おうと思えば笑うことだってできる子どもでもあった。

行ってらっしゃい、とか。
大丈夫だよ、とか。

そういう特技がこの日常に活きているんだと思う。
活きていたんだと、思う。

気付くとこの笑顔が本当なのか嘘なのか自分でもわからなくなっていて。
そのことに気付いたその日から、少しずつ、狂っていっていたんだろう。
(&0) oO832mk 2023/09/17(Sun) 15:36:22

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

覚悟してて、なんて言葉にはくすくすと笑っていたが。
「は〜い」なんて間延びした声も呑気に返していた。

そうして定刻後、声を掛けられれば待ってましたと言わんばかりに近寄る。
そのまま二人で貴方の家までを歩いて行くのだろう。
朝に比べれば少しマシなようには思うが、それでも街中に漂う緊張感は変わらない。
道中に交わす会話は普段通り他愛ないものと、それから。

「──そういえば本当にこうなっちゃいましたね。
 やっぱり現実になると、少し無理矢理すぎるなって思うから……その内少しでも落ち着くと良いんですけど」

貴方にだけ聞こえる声でそんなことも呟いていた。
(-505) mspn 2023/09/17(Sun) 15:59:24

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「そりゃあ……よかったかなあ?」

気にしてくる奴競合相手が傍に居ないのを喜ぶべきか、
気にしてくる奴心配する人が傍に居ないのを心配するべきか。
まあ、後者は自分だからいいと言えばいいのか。
そんな事を勝手に考えてひとり頷く。

「はいよ、エリー。」

――大切な、俺のお姫様。

「いってらっしゃい。」

身体は手を振り見送り、心は共に。
それから部屋に戻ってさあて、と一声。

「……ベッド買い直した方が早いかなこれは」

スプリングどころかその下まで水気が落ちていそうなほどの、
約束と……愛の結果を見て苦笑した。
(-506) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 16:07:04

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

「あー。うーん、取締法〜?」

目的地は、そう大きくもないアパルトメント。
街中を少し歩いて、そう遠くない距離にある。

「パオロさんも、逮捕されちゃったんだっけえ?」
「…あんまり話したことなかったけどお、本当にマフィアと繋がり、あったのかなあ。」

そんなことない、パオロはただの真面目な巡査。
今頃何をしているかなんて、考えない方が絶対にいい。


「…とか言ってたらあ、あたしたちも捕まっちゃう?」
「繋がりがあったって、信じるしかないよねえ。」

「どんなに強引でも、それが決められたことなら」
「あたしたちは守らないと、だしい。」
「…やっぱり、あんまり考えすぎると、苦労するよお。ニーノくん。」

ね、と顔を覗くようにして笑いかける。
誤魔化す意図も込めて。だって、歯が浮くような台詞だ。
先日、あなたと同じ話をした時にも感じたこと。
その法を、女は悪用しようとしている。
(-509) oO832mk 2023/09/17(Sun) 16:27:40

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「パオロさん……そんな風には見えなかったんですけど」

少しだけ視線が落ちそうになる、のを堪えた。
ふるふると軽く首を横に振ってから、貴方の言葉に耳を傾けつつ。
顔を覗かれて笑みを見せてもらえれば、少し眉を下げて笑う。

「心配してくれていますか?
 ありがとう、ダニエラさん」

「そうですね。
 ……前話したときはもう、深く考えなくていいかもって思ったんですけど」

貴方なりの励ましの言葉だと、男は勝手に受け取っている。
だからこそ素直に頷けないことにほんの少しの申し訳なさを感じながら、それでも抱いた感情を言葉にした。
込められている意図も今は、見える筈もないから。


「簡単に答えが見出せなくても、やっぱり考えていたくて。
 人を思いやること、信じること、疑うこと。
 全部大事だってせんぱいが教えてくれたんです。
 法律が絶対に正しい訳じゃなくて、そこを疑うことをやめたら……ただの独裁者になってしまうって」

「すぐにどうにかできることじゃないかもしれないけど。
 ……考えて、オレなりの答えを見つけて、できることがあるならしたい。
 ただの下っ端が何言ってんだ〜って感じですけどね」

気恥ずかしそうに頬を掻いた。
(-513) mspn 2023/09/17(Sun) 17:08:03

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

「あー。ありますよねえ、そういうことお。」
「ついつい美味しそうで、買いすぎちゃってえ。」

なんの騒ぎだろう、と寄ってきた女。
どうやら見ただけで全てを察したらしい。
したり顔でうんうん、頷いている。

#警察署
(80) oO832mk 2023/09/17(Sun) 17:23:17

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

「…んー。そっかあ。」

そういうところも含めて、「苦労する」って、思う。
それと同時に好感を抱く。
そんな不要なものは、見ないふり。


「えらいねえ。ニーノくんはあ。」
「…あたしは、んーー。」

軽く、眉を寄せる。口尖らせて、その間、革靴が床をたたく、たたく。

「やっぱり、我が身がかわいいかなあ。」

それは、混じり気のない本心。
あの法案に捕まる訳には、絶対にいかないから。


「…幻滅、したあ?」

角を曲がる。往来を1本、離れていく。
(-526) oO832mk 2023/09/17(Sun) 18:25:14

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

「やったあ。あたしもいただきまあす。」

それでも控えめに、1番小さなパンをいただいた。
お昼にはお弁当を持ってきていたのもありけりだ。

#警察署
(90) oO832mk 2023/09/17(Sun) 18:39:14

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

>>89 ロメオ

「はあい。せーかいですう。子供舌のお。」

へらりと笑う。
そうしてもう少し近寄――ろうとして、足を止め。

「あー。」
「あたしはあ、お仕事中でえ…。」

「……お困りなんですねえ。」

何となく、時勢柄職業を口に出しにくい。
誤魔化すつもりで話を戻して、うーん、と唸る。

「あー。そうだあ。」
「ちょっと、待っててくださあい。」

にこりと笑うと、その場を離れた。
暫くすると、ビニール袋を2つほど揺らして、戻ってくるだろう。
そのうち1つの中身は猫缶だ。取り出してみる。
(91) oO832mk 2023/09/17(Sun) 18:55:06

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

貴方の答えを受け取り、それに返答を返す前。
尋ねられれば瞬いて不思議そうに。

「? どうして?」

そうは思わない、は既にその声音に表れていた。

「身を守るのは大切だし立派なことですよ。
 無謀に動くより、ずっと」

「ダニエラさんが自分を大事にできているってことじゃないですか」

それほどの価値を自身に見出せている証左に他ならない、とも。
だから今度はこちらが貴方の顔をそっと覗き込んで、笑った。

「なら、オレは嬉しいです。
 きっとお母さんだって……は、決めつけすぎかな」

でもそう思いますよって、表情に暖かさを滲ませて。
(-533) mspn 2023/09/17(Sun) 19:07:20

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

陽だまりのような笑みに、言葉に。
眼鏡の向こう、ミントブルーが2、3度瞬く。

「…お母さんは」
「どおだろおねえ。」

在りし日の母を思い返せば、きっとそれでいいと言ってくれる。
今の自分を、肯定してくれる。
だから悩むように思い浮かべたのは別の姿だった。
リスクを嫌う人だった。それでも、と女は自分の意思でここまで来たけれど。


「わかんないなあ。」
「今度お墓参りのとき、聞いてみよお。」

笑いかけると、考えたことを横に置く。
遠くにアパルトメントが見えてきた。あそこだよお、と指さして、てくてく。
鍵を挿して捻る。解錠の音がした。

「ちょっと待っててえ」

振り返り、半分開いた扉の向こう。
たくさんのダンボールが積まれた部屋が、ちらりと見えた。
(-543) oO832mk 2023/09/17(Sun) 19:42:51

【影】 日差しにまどろむ ダニエラ

――躊躇。
しては、いけない。
ここまできたら。もう。

ううん。ここに来る前から。
あの人との関係に気付かれたかもしれない時点で


(……ごめんね)


それは、音にしてはならない言葉。
後ろ手に閉めた扉の奥で、ひとり、口を引き結ぶ。
(&1) oO832mk 2023/09/17(Sun) 19:43:02

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「うん、聞いてみてください」

死者は何も語らないけれど。
それでもこちらから語り掛けるのは自由だから。
貴方が思い浮かべている姿が、母ではなく違う誰かであることも知らないまま。

あ、そろそろ着くんだなと思えばてくてくとこちらも大人しく着いていって。

「はーい」

返事をしつつも扉の間から見えた部屋。
段ボールがたくさんあって、あれがもしかして……?と首を傾ぐ。
それなら一人で処理しきれなくて大変だろうと納得もの。
出来る限り持っていこうだなんて考えながら、貴方が戻ってくるのをのんびりと待っている。
(-555) mspn 2023/09/17(Sun) 20:25:42

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

>>93 ロメオ

「おー。作戦せいこーう、ですねえ。」

がさがさ。袋の音を立ててしゃがみ込む。
開けた缶を地面に置いた。
ゆっくりと離れて、あなたの掛けるベンチの傍へ。

「…改めましてえ。」
「ご無事で何より、ですー。」

大袈裟だ。
あなたは猫にまとわりつかれていただけのはずである。
楽しそうにへらりとした顔で言って、もうひとつの袋の中身を取り出した。

カップのコーヒー。
蓋を開けると、ミルクと砂糖はとっくに溶かされているらしい。
つまり、おまけだ。
(96) oO832mk 2023/09/17(Sun) 20:54:39