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![]() | 【秘】 きみのとなり リヴィオ → 夜明の先へ ニーノ涙が落ち着いて、君が顔を上げた頃。 男は君に気にしなくていいというように微笑んでいた。 謝罪にだって、首を横に振る。 涙というものはそうなのだと、知っているから。 泣かないことが強さじゃない。 だから、涙を流せるのなら我慢せず泣いたっていい。 「…勿論、一緒に行こう」 「決めることは……うん、少し友人に確認してみるよ。 落ち着いてからだと君の暮らす場所に困るだろうし、 それに、俺も今の家から早く移動がしたくてね」 ひとつひとつ、君の確認へ答えを返していく。 最後については少し、悩むように撫でられる腕を眺めて。 「それで期間は………そうだな、」 「…君が、一人で歩いていけるようになるまでかな。 暫くとは言ったけど、あんまり詳しくは考えてないんだ」 1年か、5年か、あるいは10年か。 どれほどでそうなれるのかが分からない男は、 のんびりとした口調で、そんな答えを返すのだった。 (-406) sinorit 2023/10/01(Sun) 18:33:03 |
![]() | 【秘】 夜明の先へ ニーノ → きみのとなり リヴィオ貴方が嫌がる顔は想像していなかったけれど。 変わらず微笑んでくれていることにはやっぱり安堵してしまった。 だから泣いたばかりの顔は無理に隠したりしないまま。 ひとつひとつ返る答えには頷いたり、相槌を打ったり。 思っているよりも早くその日は来るのかなとか考えたり。 していたところ、最後の期間については少しだけきょとんと瞬いた。 何かの想定があるからの暫く、だったのかと思ったけれど。 そういうわけじゃなかったらしい、なんだ、なるほど。 それからもう少し瞬きを繰り返した後、唐突に。 「……あはは、それじゃあ」 声を揺らし笑えば、腕を撫でる手を止めて。 貴方の瞳をじぃと見つめて、笑って。 [1/2] (-414) mspn 2023/10/01(Sun) 19:34:42 |
![]() | 【秘】 夜明の先へ ニーノ → きみのとなり リヴィオ「オレが大丈夫じゃないままなら、 ずっと一緒にいてくれるんだ?」 「…………なんて」 なんて。 そんなのきっと困っちゃうだろうな、わかってる。 目を細めてからもう一度、貴方の肩へ額をとんと押し当てた。 「……じょ〜だん」「…………でも、ほんとかも」 「オレって甘えたらしいから、気を付けてね」 勿論貴方が大切な人と共に生きていきたいと、 望むような日が来るなら止めたりはしないのだけれど。 そんな言い方をされたら、そんな風に返したくなってしまった。 だってオレ今、一人で歩ける未来なんてうまく想像できないから。 みゃあ、と目を覚ました子猫が鳴く。 ちょっとずるい顔しているのバレたかな、内緒だよ。 そう伝えるみたいにちいさな額を指先で撫ぜて。 「じゃあ、今日はとりあえず帰ろっか。 落ち着いてからじゃないっていっても、ちょっとでも早く身体治して欲しいから」 「家まで送るよ、せんぱい、…… …………リヴィオさん?」 そうしてぱ、と顔を上げた頃、濡れた瞳はそのままに。 変わらず微笑みを浮かべていたことだろう、うれしげに。 (-415) mspn 2023/10/01(Sun) 19:35:32 |
![]() | 【鳴】 夜明の先へ ニーノ「近場……かなあ。 まだ決めてない、とりあえず知り合いあんまりいないところ〜って……」 貴方があんまりにも素直に寂しそうな顔をしたので。 寂しくさせるのが自分だってわかってるのに、なんだか笑ってしまった。 嬉しかったのだ、そうやって求めてもらえることが。 なのでもう一度、いや二度ぐらい、やさしく髪を撫でてから。 にま、向けられた笑みに更にこちらも笑みを深めていれば……むぎゅっと。 「ゎ」 貴方に抱きしめられると本当にいつもすっぽり収まってしまう。 あの牢の内に居たときからそうしてほしかったと、 望む心が満たされていくのを感じて、しあわせだ、と思った。 「へへ…… ろーにいならいいよって言ってくれると思ってた」 「はぁい、鍵は失くしません、大事にするし」 「帰り遅くなってもいいよ。 オレ寝てておかえり言えないかもだけど……」 「誰か来るのも大丈夫、だめなときは外に居るし。 そうじゃなかったら家の中で大人しくもできます」 注意事項にはきちんと全てに返事を返す。 だって大事なことなんだろう、そして全部大丈夫。 ぎゅっと抱きしめながらも顔だけは上げて、貴方を見上げて。 「……だから、しばらくよろしくね?ろーにい」 無職なので家事はしまーす、と。最後に付け足して笑っていた。 (=16) mspn 2023/10/01(Sun) 19:56:33 |
![]() | 【秘】 L’ancora ロメオ → 夜明の先へ ニーノ「なあ。フレッド」 「オレの事、兄ちゃんにしてくれてありがとな」 ▷ (-422) susuya 2023/10/01(Sun) 20:28:52 |
![]() | 【秘】 きみのとなり リヴィオ → 夜明の先へ ニーノ何だか悪戯っ子のようだなと、 笑う君に少しだけ眉を下げて笑う。 答えは上手く返せなかったし、君もそれを分かってる。 自分はこの問いに困っているのだろうか。 それとも、それ以外もあるんだろうか。 なんだか綯い交ぜになったような感情に僅かに首を傾ける。 その間に肩にとん、と軽い衝撃を感じて。 言葉はまだ、返せない。 聞こえる小さな声に眉を下げたまま、また、笑った。 「………はは、…そうか」 そうしてそれ以上、言葉は出てこなかったから。 止まってしまった手でもう一度、君の背を撫でる。 自分は、そう長くその選択を取れないのだろうと思うけど。 だからといって、そうだと君に明かすのは、まだ先の話だ。 再び君が顔を上げる時、その言葉に頷いて。 回していた腕を外し、緩慢にベンチから立ち上がる。 「頑張って治療するよ、困ることも多いからね。 君に迷惑をかけることもあるだろうけど……あぁそうだ。 俺には色男で猫のエキスパートの友人がいてね。 今度紹介するよ、家の話も彼にする予定だからさ」 「──それじゃあ、帰ろうか」 (-428) sinorit 2023/10/01(Sun) 20:37:56 |
![]() | 【鳴】 夜明の先へ ニーノちょっと力の強いハグは苦しさを教えるものではなくて、 貴方からの愛情を教えてくれるものだ。 兄弟としてのこれからは始まったばっかりだったのに、 すぐに遠くなってしまうことはこちらも寂しいけれども。 「そうだよ、ろーにいが帰ってきたらにゃんことオレがいる。 へへ……競おうかな、この子たちと。 どっちが早く玄関までろーにいを出迎えられるか……」 それでも、それまでの少しの間だけでも。 貴方に家族の温もりを与えられるのなら。 "オレでいいの"、と。 零された小さな声を未だ、覚えているから。 「…………────」 そうして腕が離れた頃。 そっと伝えられる感謝には目を瞠り。 呆けている間にマリトッツォを手に取った貴方を見て、眦を下げる。 すこしだけ、視界が滲むのを感じながら。 「…………それなら、オレだって」 [1/3] (=19) mspn 2023/10/01(Sun) 20:56:27 |
![]() | 【秘】 夜明の先へ ニーノ → L’ancora ロメオ「ろーにい」 「オレのおにいちゃんになってくれて、ありがとう」 [2/3] (-432) mspn 2023/10/01(Sun) 20:56:43 |
![]() | 【鳴】 夜明の先へ ニーノ「……溶けるのは、困る〜」 そうしてぐしと少し乱暴に目元を拭ってから、 己もまた同じように甘味を手に取る。 食べ終わったら何をしようか。 夜になっても貴方の隣に居られるのを思いながら。 久々に口に入れた甘味は幸福と呼ぶのが相応しい味がした。 ──『ねえ、戸籍ってろーにいのと同じにできないのかなあ』 そうして食べている最中、そんなことを零していただろう。 難しかったら大丈夫、あんまりよくわかってないから、と添えてもいたが。 ──『そうしたら、ほんとの家族になれるでしょ』 すれば離れたとして、貴方の寂しさも少しは紛れるかなって。 子どものような発想を声に載せて。 ──『そうじゃなくても、ほんとの家族だって思ってるけどね』 貴方の弟は甘えただから、変わらずぎゅっと肩を寄せて笑っていた。 [3/3] (=20) mspn 2023/10/01(Sun) 20:58:24 |