人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【人】 口に金貨を ルチアーノ

>>5 エルヴィーノ

「教えてやりたいのはやまやまだが、
 今はその話をしたい気分ではないなあ? ……諸々整理ができてないんでね」

回答はノーコメントだった。
謝罪にも気にしないでいいといいながら携帯を見る仕草は、相変わらず何かに追われているように忙しない雰囲気である。

「……それと聞き逃しかけたが、この俺を捕まえるとか言うのはどの口だ?
 まるで俺が悪いやつみたいじゃないか。
 こんな色男に手錠をかける真似なんてしてみろ、
 冤罪だと喚いて金をふんだくるからな」


「一体この俺に、なんの罪があって捕まえられると思っている」

そう笑って、貴方の横を通り抜けようとした。
(6) toumi_ 2023/09/22(Fri) 14:41:33

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

―――あなたと路地で別れたその夜。

男はまた、バーで一人酒を飲んでいる。
あなたが来る保証はないが、これが日課だ。
携帯を弄る手はいつもより忙しなく、何かを行っている様子だ。

あなたが一人で来るなら、いつものように声をかけるし。
女と居るなら遠巻きに見るだけ。
来ないなら、それはそれで一人深酒をして帰っていくんだろう。
(-398) eve_1224 2023/09/22(Fri) 18:24:23

【秘】 無敵の リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ

「…はは、そうかい。それはとても光栄だ。
 君に口説かれる日が来るとは思わなかったよ」

一体何が欲しいんだ?甘いスイーツかな?
それとも刺激のあるご馳走かな?

話し続ける君の表情を眺めながら、
男はほんの一瞬動きを止め、しかし笑顔は崩れない。
あぁ、本当に熱烈な口説き文句だ。

「随分と突然すぎるが、心配事の他に悩みでもあるのかな。
 それに君からの提案ってのは一体なんだろう」

俺の
、俺
の望みってのもよく分からないな。
 突然すぎて、俺には理解しかねるよ……ルチ」

鈍感なbambinaやdonnaじゃあ、
怪しい勧誘と勘違いして訳も分からず逃げてしまう。

「詳しく聞かせてくれるかい──愛しの君」
(-408) sinorit 2023/09/22(Fri) 19:19:41

【念】 口に金貨を ルチアーノ

『ありがとうございます〜!
 少しまっててくださいね!』

笑顔で猫は受け取られて行き、その店員の腕の中で伸びたり収まったりしながら店の裏手の方に運ばれた。
流石に表で飼っているわけではないようだ。

そうしていると店員は暖かな色をしたブーケを抱えてあなたのもとへ帰ってくる。

『お姉さんみたいな美人さんが来たら渡してくれって
 色男さんが言っていました。こちらお届けものです』

そう言って貴方が渡されるのはピンクをベースとしたグラデーションが美しいのブーゲンビリアの花束だった。
(!7) toumi_ 2023/09/22(Fri) 19:24:49

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

靴音は固く、人々の賑わいは相も変わらず。
表立っての用事でも無いので、今日は変装もしないでいる。
位置情報を片手にどこにあるか見渡しながら歩けば、
それは案外と分かりやすく建っていた。
良い店だ。外装も良く期待出来る。

「あ、ども……、?」

扉を開けた時に合った視線、
店員からの定型文の後に空いた妙な間。
それに自分もハテナをまた浮かべつつ、

「うす。ティラミスが美味しいって聞いて」

おすすめされるままに、今日の所は控えめに選ぶ。
店内に彼の姿は無く、ハズレだったかと思ったが。
思わぬおまけと共にもらった紙切れに気が付けば、
ふむ、と顎を擦った。

店員に礼を言い、「良い店すね」と愛想を撒いて、
少しばかりのチップをカウンターに置いて店を出る。

そこからまっすぐ目指すのは紙切れに示された先。
傍からは人気の無いそのバーの扉を、
ひとまずはノックしてみた。
反応があればそれで。無ければそのまま薄く扉をあけよう。
(-413) susuya 2023/09/22(Fri) 19:42:15

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ

「……他の人間の話は少しだけ今は横に置いておこう。
 俺はなあ、リヴィオ。
 ここに来る間で、お友達にお前のことを聞いたんだ」

さて何処まで、一体いつから本当にお前の中身を知っていたと思う。
それとも全部この口はハッタリを言っていると思うだろうか?
狡い正直者は言わないこともあるが口に出したことは大体本当なんだ。
だけど実際、眼の前に
本物
がいるのに、他人の口コミを鵜呑みにするなんてナンセンスだろう?

「……俺は見ためと態度を一番重んじていてなあ。
 情報や噂は二の次だ。だから、お前がそう望むってんなら。
 
全部なかったことにして
ここにある面だけを見てやってもいい」

(-415) toumi_ 2023/09/22(Fri) 20:05:36

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ

「だがなあ、どんな答えが返ってこようと俺はお前をこれから調べ尽くすぞ。
 お前が自分から見せんのだから、おれは見に行くんだ。
 自撮りから猫の写真から家族や、職場の状況にその怪我の経過。
 俺が知らんと満足しない部分まで調べてその面剥いでやる」

「端から俺は、初めてあった日からお前を疑っていた」

 信じていたから、疑い続けていた。
 あなたが悪者ではないといいと夢見ていた。
 ここでの悪者、という意味がどんなものになるか
 貴方にわかる日は来るのだろうか。
 孤独の猫はそれでも前に進み続け、暴き続ける。

 貴方は己にとっての裏切り者にたりうるか?

(-416) toumi_ 2023/09/22(Fri) 20:09:46

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ



「今日は俺を捕まえろ」


「その代わり、提案を受けるってんなら
 お前から俺たちに会いに来て牢屋にぶち込まれろ」

「中でも外でも全部面倒見てやるよ」
(-417) toumi_ 2023/09/22(Fri) 20:19:25

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ

ノックに返事はなかったが扉が開けられると珈琲のような香りが漂っていた。
中に人がいる証拠だっただろうか、それ以外にも何やら人の気配はするようなしないような。

奥のもう閉じた店内まで行ってみると、昼間でも暗くなるほどの細いブラインドから漏れる僅かな陽光を浴びながら、三人がけほどのソファーに横たわるルチアーノの姿があった。
足元には未開封のクッキーの袋が何故か落ちていて、少し離れた場所にあるテーブルには冷めた珈琲がおいてあった。

「ぁー……?」

息はありそうだが、貴方を認識していないのか顔も体も上がってはこなさそうだ。
(-428) toumi_ 2023/09/22(Fri) 21:07:23

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

店の中は仄暗く、喫茶店でもないのに珈琲の香りがした。
人の形跡はある。しかし姿はやはりない。

「…………」

く、と店の奥を見やった。となれば向こう側に居るのか、と。
レジ袋をガサリと揺らし歩を進める。
──ブラインドが掛かった窓の近く、ソファの上。

「あ。お〜い……」
「わかりますかあ。ロメオっす」

ふ、と貴方に影を作るように覗き込む。
癖のある髪が垂れて、薄明るい陽光を透かした。

「ヘルプに来ました」
(-441) susuya 2023/09/22(Fri) 21:39:31

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ

落とされた問の答えはすぐには出せなかった、しかしたっぷりの時間と苦し紛れの空白を開けて返される。

「どうして、俺が殺さないといけない」

罰したいと思えない、苦しんでほしいと思えない。
貴方を信頼してもなければ、嫌ってもいない。
そんな他人事に囚われていても、この胸の中には甘ったれの信条がある。

「……あんたは俺が裁くんじゃない、少なくとも黒眼鏡やボスの指示を仰ぐ。
 ノッテファミリーの一員として、私刑は起こさない」

絞り出したものはとんだ弱虫の逃げだったか。
貴方にかかる火の粉を想像すれば全てを振り払うことなど一人では出来ないだろう。
だから裁かれるその日まで誰かの手を借りることを選んだ。

「何も言わないまま楽になんてなるな!
 俺は必ずお前のことを調べきってやる。
 どんなに地獄みたいなところにその欠片があったとして、必ず真実を見つけにいく」

これも自分が満足したいから言う言葉だ。
貴方のその空っぽの中身に何があったのか。
いつの日にか暴いて、自分の答えを出してやりたい。

「精々それまで、早くしょっ引かれて待っていろ」

ここに来て貴方の顔を何度まともに見られただろう。

生死を委ねるようなその仕草を否定することも無碍にすることも出来ない、眼の前の男を見捨てたくはないのだ。
たとえ民衆全てが指を指して貴方が断頭台に連れて行かれようと、自分は貴方を、罪を抱えた伽藍堂の一片を見てしまったのだから。
(-458) toumi_ 2023/09/22(Fri) 22:50:03
ルチアーノは、真っ直ぐに睨みつけた。
(a16) toumi_ 2023/09/22(Fri) 22:51:54

ルチアーノは、もうその目を逸らしたりはしない。
(a17) toumi_ 2023/09/22(Fri) 22:53:11

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ


「    」

その口から溢れて音にならなかったものは。
貴方の名前に似ていて、貴方の名前ではなかった。


男は眼の前の首に腕をまわし自分の顔を近づける。
ゆらりと誘うようなその動きは普段の姿から想像つくだろうか。
怠惰に緩くなったその口元を僅かに開かせて、しばらく顔を見つめていれば小さくつぶやいた。

「疲れた」

シーグリーンの瞳は翠をじっと見つめている。
(-465) toumi_ 2023/09/22(Fri) 23:21:12

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

ぱち、と。瞬きが一つ。
呼ばれたような気がして、そうではないことに気が付く。
そのまま、されるがままに近づく顔に、

──余程だな、と思った。

様子がおかしい。
その一言で片付ければ簡単な話になってしまう。
簡単じゃない筈だ。単純じゃない筈だ。
ここまで弱った姿を見たことはなかった。話にも聞いて、いつもの疲れ方ではないと感じていた。

「そうでしょう」
「そうでしょうね。お疲れ様です」
「あんたはよくやってます」

自分と似て異なる色を受け止めて、はっきりと言葉を落とす。
拒絶しない。抵抗しない。その腕は未だ首に回されたまま。

「固形物、食べられそうですか。
 冷たいゼリーとカロリー飲料があります」
「何かしてほしいことはありますか」

1つ、2つ。
そしていつもの。

「なんでもしますよ」
「上手く使ってください」

自分はヘルプに来たのだ。
救けるために来たのだと。
(-469) susuya 2023/09/22(Fri) 23:39:40

【秘】 無敵の リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ

男は、君が語り終えるまで、
いつも通りの様子で全てを聞いて。
緩い瞬きを繰り返し、やがて海の向こうへ視線を送る。

「…君の言っていることは、よく分からないが」

「こう見えて自撮りはしないタイプで、
 猫の写真はフォルダにない。俺は撮らない。
 家族は生みの親とは別に育ての両親とその実子である弟が一人。
 職場では至って真面目に生きてるさ、俺はね。
 怪我は……心配してくれているのかな?
まだ
平気だよ」

「これくらいのこと、わざわざ調べる必要はない。
 君が聞きたきゃいくらでもくれてやる」

聞きたいのはこの言葉ではないのだろう。
それでも、今崩せばこの先もまともに息が出来ないと。
最後まではやり切ることを決めたからこそ、
傷による症状を無視して、笑顔を浮かべ続ける。

緩い瞬きを繰り返す。
その額に滲む汗は、決して動揺からのものではない。

(-487) sinorit 2023/09/23(Sat) 0:42:36

【秘】 無敵の リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ

要らない。こんなもの、要らない。
気持ち悪い、死ね。死んじゃえ。
殺す勇気もないくせに、汚い言葉で
ソレ
を罵り続ける、
馬鹿な女の夢を、繰り返し、見続けていた。

だから俺は、あの日からずっと、要らないものだ。

俺は、無敵な人間リヴィオ・アリオストであることが己を守る術で。

嘘ばかりの仮面は臆病さを、劣等感を隠すため。
自分を守るための仮面だったというのに、
"嘘"に抱かれる憧れや期待、優しい眼差しが怖かった。

引き取ってくれた両親は優しい人達だった。
実子が生まれるとわかるその日までは、
多分、きっと──愛されていた、はずだった。
俺は、本物実子には、なれない。

ずっと、人を、愛する方法が分からない。


全てに疲れてしまった。壊して、消し去ってしまいたかった。

無敵な人間であることも、嘘ばかりの俺も。
本当の俺本物は誰かにとって、必要とされる人間ではないのだと。
【A.C.A】になる利用される道を選んだことで、終わらせようとしたんだ。

この道を誰かに理解されようとは、思わない。

(-489) sinorit 2023/09/23(Sat) 0:44:58

【秘】 無敵の リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ

「……なかったことにする必要もないさ。
 それを判断するのは君で、俺じゃない」

「………君を捕まえる利点も、分からないな。
 何故、そんな提案をするんだ?
 答えてくれよ、ルチアーノ。何がしたいんだ?」

「君はなぜ俺に、それを望む」

【A.C.A】であるとは、口にしない。
しかしそうではないとも、口にはしない。

君が知っているか知らないか。
そんなことよりも、
君の
利点になるとは思えない提案を
その提案を今ここで、告げる理由が知りたかった。


だって俺は、君の全てを知らない。
(-490) sinorit 2023/09/23(Sat) 0:45:27

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ

そうでしょう、お疲れ様、
食べられそうですか。
何かしてほしいことはありますか。


心地よさそうに降ってくる言葉を受け止めて、目を細める。
自分がしたいことなんて、ずっと決まってる。
だけど今言ってしまえば何処にも歩けなくなってしまうから。


「……俺を抱」

「…………」

「高い高いしてから膝に乗せて頭を撫でてくれ」

この男はその姿勢から微動だにせずそれを言い切った。
(-499) toumi_ 2023/09/23(Sat) 1:20:31

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡

「いい加減にしてくれよアレ……ッ」

それは非難の声ではなく呆れと諦めが入った嘆き。
昔と変わったのは敬語がなくなったことと、二度と敬語を話してやるものかと決めたこと。

「どーなってもいいとは言わん。
 俺はあの人の罪を調べ尽くすまで見限らないと決めている。
 だがあんたのシマの話だ、やりたいことに口出しはしないし
 ボスからの命令に逆らうつもりもない。
 ソルジャー一人が決めて良い問題じゃないと判断したまでだ」

「それまで生かすつもりだった。意見は変えん」


「はあぁああ、…………
本当変わってないな!


「俺がどれだけ今回走り回ったと思ってる!
 どれほどお前のせいで迷惑を被ったか!!
 その喧嘩もボスにどれぐらい迷惑かけるつもりだ!?
 俺は文句は言うぞ!」

疲れさた、考えさせるなと叫べば乾いた喉を思い出したように潤してため息を付いた。
まだ、この男はまだ休めないのだ、誰かさん達のせいで。
(-505) toumi_ 2023/09/23(Sat) 1:46:12

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ


「…………」
「いいのに」


「難易度高〜。二つ目と三つ目は出来ますけど」

ふ、と笑ってそれを許した。
そっと貴方の腕を解いてソファの正面へ。
「動かしますよ」と許可を取ってから、
貴方の身体を起こそうとするだろう。
自分で動けるのなら、それはそれでいい。

そのまま自分がソファに座って、

「ほら」

貴方が許すのなら、そのまま自分の膝に貴方を倒そうと。
──勘付いてもいい。膝枕をする気だ。
その上で頭を撫でようとしている。
貴方がそれを許さないのであれば、NOを示せば止まる。
何も無ければそのままだ。
(-509) susuya 2023/09/23(Sat) 2:07:28

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ

素直に腕を解かれるとものさみしげに貴方のことを見返したが、
触れられ促されるままに体制を変えればなんとなくその先を理解した。

「……あれ、されたことないんだよなあ」
「旦那に頼めばしてもらえるかね……面倒くさがりそうだ」

重力に逆らわず膝に落ちると声は少し控えめだが普段と変わらぬトーンに戻す。
ぐったりと体を預けて動く様子もない。抵抗も、文句もない。

何処か己の価値に対して無気力なところは似ていると思ったのに、本当に貴方は自分と何もかも違う。
丁寧に都合良く振る舞う貴方と更に違うところは、その献身の先に何を見据えているのかということだ。
どうして救おうとするのかわからない、自分に手を差し伸べて何が変わるのだろう。


「なんで来て……いや…………すまん」

これも俺が来させたようなものだったな。
自惚れて期待するには、貴方は都合が良すぎて困った。
(-519) toumi_ 2023/09/23(Sat) 2:41:40

【念】 口に金貨を ルチアーノ

灰色の猫はもう見えない。温もりも風と共に消えていった。
代わりにやってきたのは、秋の訪れに色鮮やかな葉を見せる花束だ。

『ええ、よく来ますよ!
 よかったらケーキも買っていって下さいね』

おまけしますから、と言って店員は笑顔で応対している。
二人の間の花は勿論静かで何も語らない。
(!9) toumi_ 2023/09/23(Sat) 3:10:29

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 傷入りのネイル ダニエラ

あなたは今か、後ほどか。
花束の中にメッセージカードが入っていることがわかるかもしれない。
それは丁寧に書かれた読みやすい文字だ。


『もし俺が逮捕されることがあったなら。
 一番最後に会っていた奴はリヴィオ・アリオストだ』


そこに含まれている全ての意味を知る事は難しいだろう。
ただ電子文で送られた最後という言葉にも、
このインクで綴られた最後という言葉にも、
誰かを信じて裏切られるつもりがない男の意思が籠もっていた。

男は今でも
貴方
を。
自分の信じたいと思った者達
を信じている。
(-522) toumi_ 2023/09/23(Sat) 3:14:48

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ

「たとえだよ、たとえ。
 ――だが漸く得心いった。それがお前の源流か。
 ……ああすまん、手の怪我は適当に言った。
 お前もしかして怪我をこじらせたな?
 ちゃんと今のうちに行けよ、病院」

ほの暗い過去を持ち隠す人間はごまんといる。
それの一つが、自分と同じような仮面を作る人間だ。
その点においては圧倒的にお前の方がエキスパートだったのだろう。

だが一体俺が何人の厄介な事情を抱えた女を見てきたと思っている。
お前のお墨付きだぞ、子猫ちゃんを見る目に関しては。
あと、まあ。俺は都合のいい仲良しがいるんでね。
(-533) toumi_ 2023/09/23(Sat) 5:32:01

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ


「俺を捕まえる利点? そんなの簡単だ。
 俺が捕まったらお前に
視線
が行くように仕組んである」

「すると遠くない未来でお前達を狙っていた一人の女、
 ダニエラ・エコーが動き出す」

正直者は漸く此処で初めて一人の女の名前を出した。
もう隠す必要もない、そしてあなた達は会う必要がある。そう判断して。

「これまでもニコロ、上手くいけばアリーチェ・チェステが連れて行かれる。
 摘発チームは3人編成らしいなあ」

「あとひとり。後にリヴィオは何らかの罪状で検挙される。
 これで執行は終わって、つかの間の平穏が訪れる。
 お前と俺には罰が食らって大変な事になる」

「ついでにダニエラも連れて行かれちまえばいいんだ。頼めんか?
 何人もムショにぶち込んでよお、休みたいだろあいつも。
 お嬢さん一人でずっと戦ってたんだ、なにか自棄を起こす前に座らせてやりたい」

そうしたらこの町の執行役が全員いなくなれば、平和だと思わないか。
綺麗事のように掌にある情報を告げる男はそう笑った。

(-534) toumi_ 2023/09/23(Sat) 5:32:44

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ

「……と、ここまではただの俺の想像で」

全て上手くいって欲しいだなんて思わない。
けれどもう俺が用意した舞台はほぼ整っている。
常に周りを疑ってばかりの男が信用した人間達の物語。


「そんなのがどうでも良いほど。
 俺はお前が好きだからだよ、リヴィオ」


男はただの正直者で、貴方にとっては猫のエキスパートだ。

物好き
らしいな。
お揃い
じゃないか。
 お好みの地獄に落としてやってもいいが、俺はタダでは落としてやらん。
 それを管理するのも、好きに引っ張り出すのもこの俺だ。
 まあー牢に居る期間はしらんけどな、此処が長いと次のデートが遠そうだ」
(-535) toumi_ 2023/09/23(Sat) 5:41:57

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 口に金貨を ルチアーノ

そのケーキ屋で、女はすぐにそのカードに気付いた。
身に染み込んだ技術がそれを一切表沙汰にしなかった。

ほんの一瞥でそのメッセージを読んだ女は顔色ひとつ変えない。
まるで、最初から、そう。
そういう仕事をしていたみたい


――このカードの送り主がこの場にいたのなら、そんな些細な様子にだって気付くことはあったのだろうが。
きっと、目の前の店員は気付けない。気付かない。

…ありがとお、お兄さん。
あたしもお兄さんを
信じて
ますからねえ。
(-541) oO832mk 2023/09/23(Sat) 6:47:13

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ

「碌でもないが理性があるんでね。
 なんだ、俺が居なくなったら寂しいか? 手を握ってくれてもいいぞ」

誤魔化し方が上手いのは向こうだ。態とらしい程に。
警察の方がよっぽど猫をかぶってるなと、最近であった彼らをみてひとりごち。

「うーん、かわいらしいなあ。
 馬鹿にしてないぞ、そこにある想いは感心するが……。
 そんな心中を目論んでたカップルを見たことある」

片方が先に死んで結局物理的にバラバラになった。

「……何が何でも……。
 何が、なんでも……頭が痛くなる単語だ。
 執着なんてするもんじゃない。
 はあぁあ〜〜……酒飲み仲間がみんな居なくなるんだが……」

どうしてなんだ、と項垂れ始めた男は少し酔っている。
特に後半は苦々しい表情と一緒に告げられ、そのあとガンと机に脚をぶつけた。
追加で酒を頼もうとしてぎりぎりで水を頼んだ。まだ理性があったらしい。
(-543) toumi_ 2023/09/23(Sat) 8:21:21

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ

「手を握っても良いが、お前まで持つと重いからやだね。
つか、かわいらしい言うな。」

何が悲しくて貴方に言われなければならないのか、と
僅かに眉を寄せるのは、貴方にしか見せない表情だ。

「お前に言われると違和感すげえし。
あー、心中ねぇ。似たような事にはなるかもな。
別に死なねえけど。」

零しながら、此方はまだワイン。
水を頼んで唸る貴方を見て笑うだろう。

「悪いな、ルチアーノ。
でも俺ももう退けなくなっちまってるからさ。
こっちで死なせるような事はしねえ。
それは約束するよ。」
(-545) ぴんじぃ 2023/09/23(Sat) 8:34:12

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

その日、貴方が居たバーに男は来なかった。
いくら待てど姿を見せることはなく、
不在の日と変わらぬ時間がすぎていく。

ふと、頼んでもない酒とお皿が貴方の元に運ばれてくる。
それは一本のロゼワインとサーモンのカルパッチョ。
添えられたメッセージカードには
『これ食ったら早く帰って寝ろ』とだけ。

渡した店主は苦笑して、お代は頂きますと伝票に数行を追加した。
(-546) toumi_ 2023/09/23(Sat) 8:45:10

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

「旦那ならできるかもしれないすね。
 オレじゃ腕の力が足りない」
「やってくれるかどうかは別か。ハハ」

自分の膝に貴方の頭がされるがままに落ちた。人の重み。
そのまま視線を下ろせば顔を合わせる形になる。
長い髪がカーテンみたいに揺れている。
しばし見つめて、そっと頭を撫でた。

ゆっくり、ゆっくり貴方の頭の上を滑る大きな手。
大事なものを扱うかのような、穏やかな手だった。

「心配だから来ました」
「部下の方から最近の様子を聞いて。……ああ、白猫は家に。
 餌食べたらスヤスヤ寝ちまってね」

「甘やかしに来ました」
「来てよかったですよ。そのまま放っとけない……」

疲れましたね、とまた言葉を落とした。
(-547) susuya 2023/09/23(Sat) 8:48:18