>>G88 >>G89 ルブサゲPT

──疾駆する。

それはまるで放たれた矢のように。魔法も小細工もない純粋な脚力のみで大地を蹴飛ばし、獲物へ向かう。

一人であれば石を投げて気を逸らしていたであろうが──今は仲間がいる。
サダルの星によって生まれた隙を見逃さず、腰の短剣を一本引き抜いて首狩りウサギの足へ投擲する。
そのまま剣士は走る勢いを抑えるどころか、更に加速させ。

跳躍。

刃が食い込んだ一匹のウサギを地へと押さえつける。

「」

反撃など気にしない。他の二匹など気にしない。
何故ならルヴァの魔法がある。共に戦うブラキウムがいる。

「それじゃあ捌いていきましょうか！

せーのっ！」

もう片方の短剣を引き抜く。きらり。銀色が煌めいたかと思うと──

首狩りウサギAは倒れた！▽

>>G91 ルブサゲPT

「

……周囲に危険がなければ、あとは余裕があるならこのウサギたちは此処で血抜きと腸抜きだけして持ち帰っちゃいましょうか。後できちんと捌いてルヴァさんに納品してもいいですし、私がミートパイにしてもいいですし！」

すぐ近くで配達員が二匹仕留めているのを見ておおー！と歓声をあげた。自分は怪力ではないのでとっても感心している様子。

「ルヴァさん、サダルさん！周囲とかお二人の様子は大丈夫でしょうか！ブラキウムさんも怪我はないですか〜？」

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「魚や動物などの解体は慣れていますから、すぐ済ませちゃいますね！
一応兎の頭を食べる文化圏も存在するみたいですね。丸焼きよりは煮込み料理にされる方が多いようですけど」

サダルの煌めくような魔法に拍手をした後、てきぱきと血抜きや持ち運ぶ為の解体を行いルヴァの補助を行った。

「霧……そういえば最初のメモに『気になることがあったから調べてくる』と書いてありましたね。
気になることって霧のことでしょうか？」

血を落としながら武器をしまい、再び歩く準備をする。
女は料理とパイと好きな人しか頭にないのか、まことしやかに囁かれる霧の噂に関してあまり知識がないようだ。

>>G99 >>G100 ルブサゲPT

「隣町！私レムノス以外の町に行ったことがないので気になります！どんな場所でしょうか……」

ワクワクと共に足を進める。どんどん進む。
そんな興奮と期待を隠すように、霧が深まっていく。

「わ、本当に濃い霧が……。ブラキウムさん！離れないでくださいね！？サダルさん！文字読めなくなりそうですし服とか肩叩いて合図出せるよう三人の誰かの傍にいてくださいね！？」

>>G104

「………………え？」

唖然とする。
ふと足元に落ちていた石を拾い上げ、霧の中をある程度歩いてから思い切り石を前方へとぶん投げた。

音がしない。
首を傾げながら前へ進み──結局、戻ってきた。

「…………どういうことですか？」

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地図は読めなかったが、レムノス以外の街が存在している事くらいは分かる。何せここは"歩けば冒険者に当たる"と呼ばれる街だ。各所から訪れた冒険者が溢れている。

「そうですね、何が事件と関係しているか分かりませんし報告は必要ですね。ちなみにこの霧は何らかの魔法によって生まれたとか、そういう感知はできないですか？私、魔法は扱えなくて調べられないので……。
ええと、それから私は異常特にありませんね。無事です！」

眉をひそめながら答えた。異常事態の前では流石に元気もひかえめになっている。

>>G119 >>G120 ルブサゲPT

「……！あ！そうですね、お弁当とおやつ！すっかり忘れていました！
霧の事は不安になってきますが、それでも何も成果が無い訳ではないです！謎があるって分かったことも収穫ですし、私ルヴァさんやブラキウムさん、サダルさんとこうして冒険できて"楽しい"が増えましたもの！

最後に美味しくお弁当とおやつを食べて、"楽しい"をいっぱいにして帰りましょう！ねっ？」

二人の意見に勢いよく頷いています。

>>G125 >>G126 ルブサゲPT

「あ！はいはいっ！私、三人の好きな料理作ってきたんです！多めにあるのでみんなで食べましょう〜！」

ウキウキでワクワクな提案を前に、料理人はいつも通りの元気を取り戻しました。
料理人、初めての冒険です。星見杯亭に戻る頃にはやる気と同じく在庫過多だと表記されるくらい、"楽しい"が胸いっぱい溢れていることでしょう。