人狼物語 三日月国


225 秀才ガリレオと歳星の姫

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【秘】 エウロパ → ユスティ



   誰かに魔力を分け与える行為は
   下手をすれば命に関わる。

   私にそこまでしてくれる理由は分からない。

   でも、死にそうだった私の元まで
   颯爽と駆けつけてきてくれるその姿は
   まるで、物語の王子様みたい。


  
(-51) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:26:34

【秘】 エウロパ → ユスティ



   瞼を閉じる直前に見えたユスティの顔は
   昔みたいな拒絶じゃない。
   もしかして、受け取ってもらえたのかな。

   それを確認することは今は叶わない。


  
(-52) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:27:54

【秘】 エウロパ → ユスティ



   確認できなくても、好きな人が傍に居る。
   その安堵から、嵐は収まっていた。
   魔法は使い手の心の中を映す。
   強大な魔法よりも強い想いが、暴走を止めた。
   こんなこと、他の誰にもできない。


   
(-53) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:28:21

【秘】 エウロパ → ユスティ

   

   歳星の姫がただ一人愛する相手、
   秀才ガリレオでなければできない事。


 
(-54) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:29:11

【墓】 エウロパ


***


   薬学だけは常に成績トップを取り続けている。
   シトゥラはそんな生徒だった。
   周りからは頭がいいと言われることは多くとも
   本人は苦笑いしては

   
本物ユスティには勝てないよ、残念なことにね。」


   と受け流していた。
   彼ほど正確な魔法の扱いは自分には出来ない。
   シトゥラはそれが分かっているから、
   救出は彼に任せることにして
   自分の得意な分野で友人を助けたかったのだ。

  
(+66) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:30:25

【墓】 エウロパ



   「からかったつもりはないさ。>>+56
    姫を助けられるのは君しかいなかったんだから。

    彼女にとって特別な存在なら
    王子様と呼んで差し支えないんじゃない?」

  
(+67) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:30:58

【墓】 エウロパ


   
   ベッドに寝かされたエウロパを見れば
   状況は説明されずとも分かる。
   いくら彼女が魔法の制御が苦手とは言っても
   無意味に嵐を呼び出すような愚か者じゃないのは
   よく知っているつもりだった。
   酷く心を乱されなければ、 
   あれほどの災害は起きなかったはず。

 
(+68) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:32:10

【墓】 エウロパ



   「
………原因なら、推測できるかもしれない。

    ユスティ、君に一つ聞きたいことがあってね。

    君は昼休みにどこにいた?
    実はさ、昼休みに君らしき人影を見かけたんだ。
    君は休み時間も惜しみなく鍛錬に当ててるから
    ちょっと不思議に思って引っかかってた。」

  
(+69) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:32:38

【墓】 エウロパ




   「……ま、その件はこっちで調べておくよ。」


  
(+70) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:32:53

【墓】 エウロパ



   
悪意を向けた犯人には相応の報いを。

   それにユスティを巻き込みたくはないから
   原因の話を切り上げて。

 
(+71) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:33:15

【墓】 エウロパ



   薬を与えられたエウロパの容態は
   医務室に来た直後より多少安定したように見える。
   勿論、まだ面会謝絶だと言われても
   おかしくない状況ではあるが。 

   彼女からユスティへと視線を戻して
   シトゥラは話の続きを促す。

  
(+72) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:34:03

【墓】 エウロパ



   「聞いたことあるよ。>>+59
    入学前は仲良くしてたのに
    ある日を境に、会えなくなった。
  
    きっと私が悪いんだ、って。
    寂しそうにしてたよ、エウロパは。」

  
(+73) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:34:38

【墓】 エウロパ



   そして語られるのは
   秀才の心の奥、かつて何を思っていたのか。

   魔法を極めたいと思えば思うほど
   そこには才能という壁が立ちはだかる。
   どれほど頑張っても、生まれ持った資質からは
   逃れることが出来ず、苦悩する。


   エウロパは類まれなる魔力の持ち主。
   シトゥラだって
   羨ましいと思わなかったとは言わない。
   彼女を目にすれば誰だってそう思う。
   理論を無視した力業で魔法を成功させる天才。
   技を覚えた彼女はきっとすごい魔法使いになれる。


  
(+74) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:35:09

【墓】 エウロパ



   「それでも、星の元に行きたかった。違う?
    じゃなきゃ、今でも努力を続けてないでしょ。」


  
(+75) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:35:56

【墓】 エウロパ



   「危険を冒して彼女を助けた君が力不足なら
    そこに行くことさえかなわなかった私は
    友人失格だと思うよ。>>+58


    それに、大事なのは力があるかどうかじゃない。
    君がそれを分からないほど
    馬鹿だとは思ってないけどさ。」


  
(+76) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:36:37

【墓】 エウロパ



   
「分からないとは言わせないよ。

    
        
君は彼女の王子様ガリレオなんだから。」


  
(+77) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:37:14

【墓】 エウロパ



   ユスティが逃げるとは思っていないが
   行き先だけは聞いておきたかったのと
   彼の状態を確かめておきたくて。
   シトゥラは手を掴んで引き止める。

   
目に映るのは、彼女を助けた代償だった。
   

  
(+78) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:37:46

【墓】 エウロパ



   「今から一時間以内になんとかしておいて。
    
    それ以上はお姫様を大人しく
    寝かせておける自信がないからね。」


   医務室の薬棚からユスティの症状を緩和する
   薬を拝借して手渡しながら、
   シトゥラは無茶な要求をする。

   薬の方は彼に合わせて調合した物ではないし
   気休めくらいにしかならないかもしれないけれど。
   別に完治させなくとも
   彼女の目に触れないような方法はあるはずだから。


  
(+79) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:38:08

【墓】 エウロパ



   屋上へ向かう彼を見送ってしばらくしてから
   シトゥラはエウロパへと声をかける。


   「……ということで。
    どこまで聞いてたか知らないけど
    一時間はここで寝ててもらうから。
 

    本当は一週間は寝てなきゃいけないような
    酷い状態だってことを忘れないように。」


   
(+80) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:39:45

【墓】 エウロパ



   途中から起きて話を聞いてたのが
   シトゥラにはお見通しだったみたいで
   しっかり釘を刺されちゃった。
   本当はすぐにでもユスティの元へ行きたい。
   会って、話がしたいのに。

   好きな女の子、って聞こえたの、
   聞き間違いじゃないよね、とか
   どうしてきてくれたのか、とか。


   話したいことは沢山あるのに
   身体を起こすことさえ今は出来なくて。

 
(+81) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:40:34

【墓】 エウロパ



   
「一時間たったら起こしてくれるの?」



   傍に居てくれる友達に甘えるように聞けば 
   シトゥラは優しく笑ってくれた。
   

   「応急処置が適切だったし
    君に作った薬が上手く働いてくれれば
    起きる頃には多少は動けるようになってるよ。
    魔法は全く使えないだろうけど。

    だから今はゆっくり休んで。」



   その言葉を聞いて、
   私は暫くの間、体を休めるために目を閉じた。*

 
(+82) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:41:17

【墓】 エウロパ



   一時間と少し経った頃。
   目を覚ました私は、医務室を抜け出して
   屋上へと向かう。

   身体はまだ重い。
   本調子とはいかないし、
   シトゥラの言葉通り魔法は全く使えない。

   
それでも、私は君に会いたくて。


 
(+83) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:41:59

【秘】 エウロパ → ユスティ



   
「―――――ユスティ。」


  
(-55) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:42:24

【墓】 エウロパ



   君の姿を見つけて、名前を呼ぶと。
   ふらふらと、君の方へと歩いていって。

   
大好きな人に抱きつくんだ。

   色々聞きたくて来たはずなのに、なんでかな。
   君の姿を見たら言葉が出なくなっちゃった。


  
(+84) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:43:09

【秘】 エウロパ → ユスティ



   
「助けに来てくれてありがとう。」



     それでも、これだけは伝えたくて。
     互いの鼓動さえ聞こえそうな距離で伝えるのは
     守ってもらったことへの感謝だった。*

 
(-56) alice0327 2023/10/07(Sat) 1:44:03

【墓】 ユスティ



   「質問の意図がわからないな。
    ボクはお察しの通り一人で屋上にいたよ。

    なにかの見間違い…ってわけではなさそうだね。」


(+85) 西 2023/10/07(Sat) 2:26:38

【墓】 ユスティ



   「でもいいんだ。
         エウロパが無事なら、それでね。」


(+86) 西 2023/10/07(Sat) 2:26:59

【墓】 ユスティ



   自分と似たような人物がいたとして
   自分に変化したということになるが、
   その意味とは?エウロパとの関係は?

   点と点が次々と生まれていく中、
   それらを線で繋げることは今は難しい。

   調べたところで
   ユスティがどうこうすることはないが
   シトゥラが何かを調べたいようなら
   素直に任せておくことにする。

   この手の情報調査は実はユスティの苦手分野だ。


(+87) 西 2023/10/07(Sat) 2:27:53

【墓】 ユスティ



   それよりも心を締め付けるのは
   幼い日のエウロパの苦悩。>>+73

   ユスティにとっては罪の始まりで
   ほろ苦い炭の味がする。

   凡人でも空を飛べると
   たかだか秀才でも星に手が届くと
   そう思いたかっただけだというのに
   その道すがら一番大切なものを傷つけ
   あの森に置き去りにしてしまったのだ。



(+88) 西 2023/10/07(Sat) 2:28:35

【墓】 ユスティ



   「分かっているよ。

      けれどボクはまだ
      傷つけてしまった姫の赦しを貰っていない。」


(+89) 西 2023/10/07(Sat) 2:29:07