人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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【人】 XIV『節制』 シトラ



  わたしも、……アリアちゃんは
  アリアちゃんだけは、
  きっと、わたしがどんな選択をしても

  そう、言って…………くれるんじゃ、ないかって
  傍にいて、くれるんじゃ…………ないか、って


  …………思って、しまって、 ……て。


 
[ 世界とともに果てる運命が待ち受けているとしても
 世界が存続したとして、もしも
 この洋館に居られなくなったとしても。

 アリアちゃんだけは、きっと傍に居てくれる。
 最後までわたしの傍に居てほしい。

 ──……なんて。]
 
(65) rinto 2022/12/20(Tue) 15:14:31

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 彼女には彼女の人生があって
 彼女はわたしより聡明でずっと慕われていて
 彼女を失いたくないひとは他にも大勢居るはずで
 誰よりわたしが彼女を失いたくない。

 世界に滅んで欲しくないと語りながら
 あなたと終えられる世界ならきっと幸せだろうなんて、
 おぞましい思考に及ぼうとするわたしが怖かった。

 厳重に鍵を掛けて心の奥底にしまい込むべきだ。
 声に出せば今隣にいる資格さえ失ってしまう。

 そう怯えていたわたしに彼女は
 まるでいつものお茶会の延長線かのように
 さも当然とでも言うように、あっさりと口にする。]


  アリアちゃんはいつもわたしを
  守ろうとして、くれるけど……

  わたしも、……わたしだって
  アリアちゃんを護りたいんだよ。

 
(66) rinto 2022/12/20(Tue) 15:15:00

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ そうしたいと思ってくれているのは
 本当にアリアちゃんだろうか。>>3:395

 彼女を苦しませたくないと、
 わたしとともに居て欲しいと
 願うのは『節制』じゃなくシトラだろうか。

    わたしは、アリアちゃんを──


           そう思うわたしを、信じたい。
]


  それは……気にするよ
  だって、……だって

  アリアちゃんまで
  死んじゃうかもしれないんだよ…………!


[ あなたが、わたしの希望なのに。

 じわりと滲みはじめた涙を袖で拭った。
 しゃきっとするって、クロさんと約束したばかりだ。]
 
(67) rinto 2022/12/20(Tue) 15:15:19

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 彼女の答えを聴いても、わたしの選択は変わらない。
 この世界を叩き壊してまで行く箱庭に、
 わたしも幸せはないと思う。

 聴くだけじゃいまいち実感が湧いてこない、
 そう語る彼女の気持ちもわかる。>>396
 わたしの知る世界もひどく狭くて
 生まれ故郷と、この洋館と
 近くの街くらいしかまだ知らない。

 こくん、と小さく頷いて ]


  あとで、……わたしも、中継機、一緒に見る。
  見て気持ちの良いものでは、ぜったいに、ないけれど


[ 廊下を走っている間に広間から聴こえてきた悲鳴。
 それがもっと惨い形で映し出されるのかと思うと、]


  それでも、目を背けたくても
  ……背けちゃいけない、って……思う、から


[ わたしたちの選択が世界の存続に関わっていて
 たった一票でもわたしの意志が反映されてしまうなら、
 わたしは否応なしに、もう第三者では居られない。 ]
 
(68) rinto 2022/12/20(Tue) 15:15:31

【人】 XIV『節制』 シトラ




  …… 世界を、変えられる…………?


  
[『ただ、』と前置く彼女の周りを
 取り巻く空気の流れが変わった気がした。>>397

 どういうことだろう。
 続きを促せば、]


  区別されない、世界…………


[ 証持ちかそうでないかで区別されることのない世界。>>399

 それは、わたしも常々考えてはいて
 かといって何か実現の為の妙案が浮かぶ訳でもなくて
 誰にも話さず胸の底深くにしまっていた想いだった。]
 
(69) rinto 2022/12/20(Tue) 15:15:42

【人】 XIV『節制』 シトラ



  借り物……

  誰か、そう話していたひとがいる
  ……って、こと…………?


[ 固唾を呑んで聴き入って ]



     ………………!!



[ 弾かれたように、顔を上げた。]
 
(70) rinto 2022/12/20(Tue) 15:15:50

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ アリアちゃんが言った『新しい宗教』と
 フォルスさんに最初に興味を示した意味、
 わたしの中、一本の糸でぴんと繋がる。]


  もしかして、もしかして

  二十二人が揃っても、世界が滅びなくて
  教典の内容が覆せれば

  証持ちは怖い存在じゃない……って
  わかってもらえるかも、しれない…………!?


[ すぐには難しいかもしれない。
 それでも、時間が掛かっても少しづつ説いてゆければ。]


  すごい……


[ 世界が変えられるかもしれない。

 わたしたちの生きているうちには無理だったとしても
 遠い未来に、もしもまた
 次の代の証持ちたちが生まれてくるのなら
 その子たちが生きる世界は、
 今よりは優しいものになるかもしれない。 ]
 
(71) rinto 2022/12/20(Tue) 15:16:01

【人】 XIV『節制』 シトラ


[それは、これ以上ない希望のように思えた。 ]


  わたしも……この洋館での暮らしは、
  すきだし すごく、感謝も……、してる、よ。


[ 清潔なベッドと着心地のいい服、広い部屋
 あたたかい食事に熱いお湯、お風呂
 蔑まれる恐怖に怯えずにいられる平穏な暮らし。

 洋館での暮らしはそれまでに比べればずっと快適で
 故郷にいた頃よりずっと自由だった。

 あまりにも幸せで、
 辛かった過去をも忘れてしまいそうで
 決して忘れてはいけないと叫ぶように
 何度も繰り返し悪夢に魘された。

 守ってくれるひとたちがいて、
 やりたいことを見守ってくれるひとたちがいて
 学問を与えてくれるひとたちがいて
 一緒に食事をしてくれるひとたちがいて、
 淋しい時には、傍に居てくれるひとがいた。]
 
(72) rinto 2022/12/20(Tue) 15:16:40

【人】 XIV『節制』 シトラ



  ……うん
  今のままの世界じゃ
  叶えることは、できないと……思う。

  近くの街にただ、遊びに行くだけでも
  細心の注意を払って、身分を、隠して
  職員さんやお世話係さんにも
  心配をかけないと、行けなくて……

  帰省……したく、ても
  わたしを、望まないひとも……いる、から
  そう思ったら、簡単には……帰れなくて。

  お墓参りしたいだけなのに、
  お手伝いに行きたいだけでも
  何をするにも、証持ちだってことを
  隠さなきゃいけなくて

  ……石や物を、投げるひとも
  平気で暴言を吐くひともいて
  守ろうとしてくれたひとたちにまで
  悲しい想いをさせて、しまう


[ 今のまま変わらないなら、わたしの夢は永遠に叶わない。
 それだけははっきりしていた。>>400 ]
 
(73) rinto 2022/12/20(Tue) 15:16:53

【人】 XIV『節制』 シトラ



  ……そうだね、
  何かとお世話に、なってる。

  わたしに文字や、地理や、いろんな知識を
  教えてくれたのはフォルスさんだし
  世界に興味を持たせてくれたのも、
  主には、その二人だったから

  あの空の向こうには
  どんな世界が広がっているのかな……って。


[ 他のみんながどんな環境に置かれてきたか
 わたしはあまり、詳しくは知らない。
 みんなの方から語られたなら聴いたけれど、
 わたしの方から敢えて尋ねたことはなかった。

 自分の置かれてきた環境は
 どちらかといえば恵まれていた方なのだと思ってきたし、
 ともすれば、相手もわたしも辛い記憶を
 呼び覚ましてしまうかもしれないと思ったから。

 けれど全く迫害されずに生きてこられたひとは
 おそらく少数派、なのでしょう。
 何冊かの教典を読んで、そう感じた。]
 
(74) rinto 2022/12/20(Tue) 15:17:33

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ ヒナギクさんだって世界を見てはいるはずで、
 だからこそいま崩壊を悲しんでいるのだと思うけれど
 アリアちゃんは名前を挙げなかった。
 きっと何か考えがあってのことだろうと思った。

 笑顔で居られるときばかりではないだろう、と思う。
 太陽だって時には雲に隠れるし、
 日が暮れれば沈んでしまう。

 笑顔で居続けられるくらい護られているか
 笑顔を保ち続けられる強さがあるか
 辛苦を包み隠して笑ってくれているのか
 わたしには判別が付かなかったけれど、

 やっぱりヒナギクさんは眩しくて
 すごいなって、わたしは思ってしまうんだ。]

  
(75) rinto 2022/12/20(Tue) 15:18:25

【人】 XIV『節制』 シトラ



  うん、……ふふ
  メルロン、美味しいよね

  フォルスさんの売店、すきだよ
  美味しいものや、楽しいもの
  どきどきしたり、わくわくしたりするものが
  たくさん……置いて、あるもの。


[ 最初は苦みと塩味ばかり感じていたレインボードロップ。
 甘みや旨味をよく感じるようになったのは
 いつからだったかな。

 虹色に光るしゃぼん玉が綺麗で、よく遊んだ。
 値札の数字を読めるようになって
 お金の価値がそれなり理解できるようになって
 それまで何気なく出されていたお茶菓子の高価さに驚いて、
 わたしとしては珍しい大声を上げてしまった日もあった。

 アリアちゃんが薬を売っている話を聴いていたから
 お手伝いの対価はアリアちゃんにと、お願いしたのだ。
 本人には内緒でしたお願いを、
 おそらくフォルスさんはちゃんと叶えてくれている。
 けれどそれは巡り巡って、わたしの元にやってくる。]
 
(76) rinto 2022/12/20(Tue) 15:18:33

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ わたしの毛織物作品は、売り物になりますか?
 フォルスさんに思いきってそう尋ねられたのは、
 本当につい最近のことだ。

 カルクさんに振る舞う紅茶の底に
 ホリックゼリーを沈める案があったのを思い出した。
 アリアちゃんは激辛にも平気な顔をしているけれど、
 わたしは初めて引き当てた激辛が忘れられない。
 万が一のことを考えて没にしたんだった。]


  …………、


[ お茶会で、チェレスタさんがわたしに
 テオブロマの作り方を教えて欲しいって>>2:239
 言ってくれたのは、すごく嬉しかったな。

 教わるばかりだったわたしに、
 教えられる何かが出来るなんて。

 うまく教えられるかはわからないけれど、頑張ります。
 一緒に美味しいチョコレート、作りましょうね。って、
 約束したのもついこの間のことだ。

 取り留めもなく広がってゆく回想を一度、止める。
 走馬灯にはまだ早い。 ]
 
(77) rinto 2022/12/20(Tue) 15:19:25

【人】 XIV『節制』 シトラ



  ……そっか
  …………、

  話してくれて、ありがとう アリアちゃん。


[ わたしの見える世界は、まだひどく狭い。
 同じ景色を眺めていても、
 フォルスさんやチェレスタさんの瞳には
 違う景色が映って見えるのかもしれない。

 もし世界をよく知る彼が
 勝算はないと言ったらどうするんだろう。
 希望はないと、言い切ったら。

 それでもわたしは答えを変えることはできないし
 アリアちゃんも、答えを変えようとはしないのだろう。 ]
 

  …………わたし、
  アリアちゃんには、幸せでいて欲しいんだ

  すこしでも永く、生きて欲しい
  わたしの我儘に巻き込みたく……、ない

  
(78) rinto 2022/12/20(Tue) 15:19:36

【人】 XIV『節制』 シトラ



  アリアちゃんは、
  わたしに付き合うんじゃ……なく、て
  アリアちゃん自身が、
  一番良いと思う道を……選ぶべきだ、って


  ──そう思う、のに

  これから先も、ずっと
  わたしの傍に……居ても、 欲しくて…………


[ ぱたぱたと、足元の薬草に雨が降った。

 彼女にしては珍しい類の話をしたからか
 アリアちゃんの視線は面映ゆげに逸らされている。
 それを良いことに、雨は地面を濡らしてゆく。]
 

  もし、世界が壊れることになってしまっても
  わたしは、この世界に残る ……よ


[ 箱庭には、行けない。そうはっきりと口にする。]
 
(79) rinto 2022/12/20(Tue) 15:19:50

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 本当にいいの? 後悔はないの?
 どうしてそこまでしようとしてくれるの。

 それを改めて問う勇気はわたしにはなくて
 わたしは臆病で、狡くて、淋しがりで ]



    ──最後まで
       傍に居て、欲しい、の。



[ あなたを開放すべきなのに解放してあげられない。
 あなたが拒まないのならば、

 その手は、神様にだって譲れない。]**
 
(80) rinto 2022/12/20(Tue) 15:20:29
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。
(a21) rinto 2022/12/20(Tue) 15:34:58

【独】 III『女帝』 シャルレーヌ

/*
あーーー、あああ、愛されてる?
愛されてますか、シャルは愛されてる?
[落ち着いて。]

お返事、お返事書きます。
(-44) utatane 2022/12/20(Tue) 16:03:19

【独】 Y『恋人』 クリスタベル

/*
>>a20
「現状で最低限ライン」だと…?
凄過ぎて目玉が落ちるのです ポト 。 ……。コロコロ
前世の話からの現在、いやもう最初から縁故先とか関係なくずっっっっっっと凄いと思ってたけど、多分一番ここが特等席なんです。

>>/16
蛇に、禁断の果実 ……まさかなあ
(『恋人』の証は蛇と果実(林檎)の樹で構成されたハート紋様)
結局証見せてる描写入れ忘れたけど(重罪)見せてます(確定)

>>/18
『箱庭』の『完璧』が終わった
>>1:/14 これはまあそこではないとしても、

>>51
巣食うの言葉遊び拾ってる???????
>>0:101 >>0:106
流石にないよね????????????????????

いやこれ以外でもそんな「もしかして」がてんこ盛りで、
ずっと視線が合ってる感じが心地よいんですよ。
(だからこそ誤字ラーやらかしまくってる私が死ぬんだ)
もう拝むしか出来ない…
まあたとえ偶然だとしてもお揃いが嬉しいからいいんだ!

あとは普通にいつもどおりナハトが格好良くて死にました。
今日もいい死にっぷりですありがとうございます。
(-45) besos 2022/12/20(Tue) 16:15:47

【独】 IX『隠者』 アリア

/*
シトラ……かわいいね……(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
(-46) kasasagi 2022/12/20(Tue) 16:27:49

【独】 ][『月』 エーリク

/*
未来のチェレスタさんがノリノリで拾いに来てしまう………
コミュ障大丈夫だろうかwww
(-47) はたけ 2022/12/20(Tue) 16:39:50

【人】 III『女帝』 シャルレーヌ

―――売店:フォルと

[ 小さく謝る声>>30にゆるく首を横に振った。
 急に結論から話したのだから、
 真意が伝わってないのは仕方がない。
 そしてきっと私もフォルの真意を汲み取れていない。

 だから今こうして、話し合おうとしているのだ。

 『行かないよ』

 その5文字をきいたら、肩の力が抜けた。
 続く言葉>>31に一瞬目を見開いたけれど、
 彼が考え込む様子を黙って見守った。]
(81) utatane 2022/12/20(Tue) 16:41:29

【人】 III『女帝』 シャルレーヌ

[ それから、小さく笑って話してくれる彼を、
 じっと見つめて。

 生きててほしいのはお互い様で、
 私もフォルが箱庭に行くなら止めないし、
 彼が望むことは叶ってほしいって思ってる。

 でも…]

 …そうよ、ひどいわ。

[ そう責める言葉を吐いたら、
 約束のことだと思うかしら?
 もちろん約束を破ろうとしたこと、
 考えると胸が痛むけど。]

 私は、フォルにシャルって呼ばれるのが一番好きなのに、あなたは他の誰かに任せようとしたの?ひどいわ。

[ 誰でもなくあなたに。
 
 いつもの軽口に応える時の、拗ねた振り。今のあなたが、どう受け止めるかはわからないけれど。]
(82) utatane 2022/12/20(Tue) 16:42:53

【人】 III『女帝』 シャルレーヌ

[ そしてまた俯くあなたを見つめながら、
 私は立ち上がった。
 思い詰めた表情をしてしまったかもしれない。
 それからあなたの隣に座って、そのまま抱きついた。]

 …ずっとこうしてみたかったの。

[ 少しずつ増えていった売店の書籍の中に、
 恋愛小説が何冊かあって、それが私の密かなお気に入りで。

 でも、恋とか遠い世界の物語で、
 自分には無縁だってずっと思っていたけれど、
 もしできるのなら、その相手は──]

 
…でも、ちょっと違う…?


[ 違和感があるのは、体勢的に無理があるせい。
でも、一度くっついてしまったら、
もう離れたくなくなったから、
彼が動かない限り、不自然に抱きついたまま。
彼の体の冷えや震えに気づいてしまったら余計に]
(83) utatane 2022/12/20(Tue) 16:46:13

【人】 III『女帝』 シャルレーヌ

 約束は、まだ有効?

 なら、付け足したいことがあるの。
[今まで当たり前すぎて、あえて口にしなかったこと。]

 死なないで。
 私より長生きして。
 ほんの少しだけでもいいから。
 私のすぐそばで生きて。離れないで。

 …最期まで一緒にいてほしいの**
(84) utatane 2022/12/20(Tue) 16:47:12
III『女帝』 シャルレーヌは、メモを貼った。
(a22) utatane 2022/12/20(Tue) 16:55:37

【人】 XIV『節制』 シトラ

── 選択の時


[ どうしても寝付けずに、わたしは日記帳を取り出した。
 文字と文章の練習を兼ねて書き始めた日記帳は
 早数冊目になっていた。

 日付が新しくなる毎に字が整い、文は長くなり
 アリアちゃん記録で埋め尽くされていた日記に
 記されるひとの名前が増えてゆく。

 編み上がったセーターを、
 フォルスさんに見せに行ったときのこと。

 売店奥のスペースで
 あまいカフェオレをいただいたこと。

 タナトスさんに、字を綺麗に書くには
 どうすればいいか尋ねてみた日のこと。

 マドカさんとユグさんに、おすすめの本を
 教えてもらいに行ったときのこと。

 エーリクさんに初めて会った日のこと。

 キュリアさんに、編み物以外の
 お裁縫を教わりに行ったときのこと。

 カルクさんに慰めてもらった夜のこと。]
 
(85) rinto 2022/12/20(Tue) 16:56:33

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 植木鉢を運ぼうとして落としてしまったこと、
 包丁で手を切ってしまったこと、
 クッキーを焼こうとして焦がしてしまったこと、
 お皿を洗おうとして割ってしまったこと。
 話そうとしてくれた誰かが居たのに、
 泣き出してしまってうまく話せなかったこと。
 
 失敗も後悔も懺悔も詰め込まれたそのノートは
 同じくらい楽しかったこともすべて呑み込んでいる。
 言わば成長の記録。眺めていると少し落ち着く。
 
 不意に、窓を開けてはいないのに
 カーテンの裾が揺れたような気がした。
 窓の外を見上げれば冴え冴えとした月が
 柔らかな光を放って、こちらを照らしていた。

 ……もしかしたら、誰か起きているかもしれないし
 この景色を見るのも最後になってしまうかもしれないし
 夜の散歩に、出かけてみようかな。

 そのひとの後姿を見つけたのは
 廊下を歩き始めて、すぐのことだった。>>3:3]
 
(86) rinto 2022/12/20(Tue) 16:56:36

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 悲しむひとが少しでも少ない方がいい。

 そう思った時点で、答えは出ていたのかもしれない。
 わたしの選択は最初からほとんど決まっていたし
 神様を前にしたいまも、答えは変わらない。


  けれど、

  わたしはきっと、いまから
  このひとを悲しませてしまう。

    悲しませたくなかったはずの、このひとを。



 襟を正し、長い上着の裾をぎゅっと握った。]


  …………、
  わ わたし、

  ……わたしは──── **
 
 
(87) rinto 2022/12/20(Tue) 16:56:42

【人】 ]『運命の輪』 クロ

―朝:玄関ホール―

[ 世界を滅ぼすのはやめにしよう。

神からその言葉が出てきた時、クロが感じたのは安堵。>>3

証持ちたちの多数が世界の崩壊を選ぶなら、それも仕方がない、その考えを支持しよう。クロはそう考えていた。だから、積極的に世界を守りたいとは主張しなかった。

……でも。
本音を言えば、別に世界に滅んでほしくはなかった。
人がたくさん死ぬのは、やっぱり嫌だし。

裏切られ、切り捨てられる痛みを与える側にはなりたくなかった。だってそれは、とても悲しくて辛いものだと知っているから。

だから、その決定はクロを安心させるものだった。]
(88) mikanseijin 2022/12/20(Tue) 17:07:58

【人】 ]『運命の輪』 クロ

[続く言葉に、あ、と声をあげそうになる。>>5

自分たちのことをいらないと言う神に。

やがて神は別れを告げ、倒れた。]
(89) mikanseijin 2022/12/20(Tue) 17:08:18

【教】 ]『運命の輪』 クロ



  行かないで――……

  
(/35) mikanseijin 2022/12/20(Tue) 17:08:52