人狼物語 三日月国


202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】

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到着: 月島 雅空

【人】 月島 雅空

[はじまりはといえば、迷子の女の子を拾ったことであった。

 『大丈夫だよ。なんとかなるからさ』

当時小学二年生だった自分は泣いている幼い子に言える言葉として精一杯だった…今なら―――あまり変わらない気がする。と思うと成長してないようで落ち込むが、なにはともあれその雰囲気に頷いてくれた女の子をつれて、自宅兼洋食レストランへと連れて行った。

それからは早かった。
仕事中の父に事情を説明すると、女の子のことを父は見覚えがあったのだ。
先日隣に越してきた家の子だったということ、おそらく越してきたばかりで見覚えがなくて迷子になっていたのだろう。

後は父に任せてしまうと、二人でジュースを飲んで待っている間に解決したのだ。]
(54) S.K 2023/03/01(Wed) 2:45:24

【人】 月島 雅空

[それを切欠に、そしてお互い片親だったことや隣同士で店兼自宅という共通項も重なって付き合いがはじまった。
幼馴染ではあるが互いに兄妹のように過ごし、例えば行事ごとなどどちらかの親が都合が悪いときは、もう片方の親が、などと助け合うような共同生活のスタートであった。

そうして時は過ぎていって今に至る。

毎年恒例の二家族による旅行を、二人だけというのは初めてだ。といっても既に成人してる自分と来年には成人する妹分。自由に任せていいだろう。となったのかもしれないが]

 おいおい、急に走って、子供か?

[ニヤニヤした悪戯猫>>53のような笑みを見せたのはおそらくわざとだろう。
だからこちらも子ども扱いしてやったほうがいいか?というニュアンスを込めて、足元気をつけろよ。といいつつ、任された不安までは抱かない。そんな性格なのも熟知しているのだ。

荷物を積んだアウトドアワゴンを引きながらも急かされれば心持ち早足で歩けば、珠月よりも一足遅く森の中から...の視界が変わる。

コテージに水飲み場など点在しており、家族連れらしき姿も見える。そんなキャンプ場らしい光景が広がっている。]
(55) S.K 2023/03/01(Wed) 2:46:38

【人】 月島 雅空

 ぁあ、川と湖。あと少し遠いとこだが温泉もあるらしいな。
 一応湖近くのコテージでって予約したから…って、ぉーい、こら、引っ張るな。

 ほら、そこに看板があるからまずは管理人室訪ねてからだ。

[返事をしながらも、途中ダークネイビーのカーデジャケットを引っ張る珠月を鬱陶しそうにしつつ、払うことはせずにあっちと指し示した看板を見た。
そして近くの管理人しつ二家族の家名で予約したコテージの鍵を受け取ると]

 色々レンタルとかもできるみたいだが、さっさといくか。

[せっつく珠月へと、ほれ。と鍵を渡してアウトドアワゴンを引きながら歩いていくのだ]
(56) S.K 2023/03/01(Wed) 2:47:10

【人】 月島 雅空

[そうしてしばらく歩き、自分たちが止まる区域番号近くまで来たところで、湖はすぐに見えてきた。]

 うっわー、……こりゃ広いな。

[一度立ち止まり、遠目に視るように目を細めても向こう岸が見えない。
春の陽気と同じく湖面は穏やかで、貸しボートらしき建物や桟橋も見える。]

 行きたいとこだが、今は後回しだな。

[まだ見ているようなら、ほらいくぞ。と促して歩いて行って、程なく、管理鍵と同じ番号の自分たちが数日お世話になるコテージにたどり着く]

 ……いい場所だな。…望み通りって感じだ。

[声としての喜びは控え目だが、口元の笑みは隠せてはいない。
温かみのある木造コテージは凝った形のものではない造りの一階と小スペースながら二階もあるコテージ。
玄関横にはテラススペースがあり、外側は手摺でおおわれ、椅子とテーブルが並べられており、すぐ横の掃き出し窓からテラススペースへと降りれるようにもなっている。

その手前側には焚火スペースがあり、コテージ横には屋根付きの水洗い場と焼き場スペースも用意されている。

更には湖が近くテラスからは当然として窓からでも見渡せる立地であった。]
(57) S.K 2023/03/01(Wed) 2:48:12

【人】 月島 雅空

 って、外だけ見てるわけにもいかんな。

 荷物いれて、カーテン開けて、空気の入れ替えして。

[なんて指折り数えている。もうそろそろ夕方だからさっさと行動したほうがいいだろうし、こんな時大人しくないのが我が幼馴染なのもわかっている。]

 珠月。

[がしっと肩を掴んだ。]

 今度は先にいくなよ。

[それでも、先程鍵を渡しているのだから一番乗りは珠月のものになるのは決まっているのだが、それぐらいは譲りながらもひとまず身軽になるため、コテージの中へと入るのであった**]
(58) S.K 2023/03/01(Wed) 2:54:53
月島 雅空は、メモを貼った。
(a8) S.K 2023/03/01(Wed) 3:00:17

【人】 月島 雅空

[こういう引っ張るなといって素直に離さない>>95ところ、生意気盛り>>94だった頃の面影がしっかりと残ってることに、呆れるよりもほっとするのが正直なところだ。

専門学校に通い終え店で働きだし、珠月もまた自分の道を進むように美容師学校に通いだしてから、一緒に過ごす時間が減っていったからだろう。
それに昔と比べても随分と垢ぬけて美しく育ったとは思えるのに、早々変わるものでもないんだろう。と肩の力が抜けた。

おかげで今も好奇心のままに扉も開けずにテラススペースへ>>97いこうとするのも行こうとするのも、ほとんど流れ作業のように行い、体の向きを修正するように扉へと向けさせて]

 ん?どした?

[良い環境のキャンプ場。中も当然期待する楽しみと、妹を見守る安堵する心地と、そんな表情を覗かれながらも振り返りこちらを見る珠月へと、軽く首をかしげる。
といっても、そんなに大きな意味はないだろう。気まぐれだし、で自分の中で片付けて]

 おー、広々としていいな。二人でつかうには十分過ぎるぐらいだ。

[珠月の声に呼び込まれるように自分も身を乗り出して、ぶつかりかけながらも横にずれたので、近くのスイッチを押して電気をつける。明るくなってより全貌が明らかになる。

先程のテラススペースに繋がる掃き出し窓からすぐにリビングのようだ。
板間のリビングの中央だけ和風の作りにされこたつが置かれている。
少し奥にはキッチンも見えて、二階に続く階段も横にはあった。]
(151) S.K 2023/03/01(Wed) 20:26:43

【人】 月島 雅空

 じゃ、リビングのほう頼むな。あと風呂場のほうで電気がつくかとか水や湯が流れるかの確認もよろしく。

 俺はキッチンのほういくから、もってきたものいくつか冷蔵庫に入れたりもしたいしな。

[入り口近くに置いておけばいい荷物もあれば、持ち込んだ食材いくつかある。
ついでに用意されているという食材も確認しておこう。などと決めて、キッチン近くのカーテンも窓をあけ、機材や食材のチェックをしはじめる。
もし動いていないものがあれば管理人に連絡が必要なためだ。]
(152) S.K 2023/03/01(Wed) 20:27:04

【人】 月島 雅空

[湖を見た時>>96に普段よりぼうっとしているように思えたがのは、やはり疲れているのだろうかと思ったがその後のテキパキと動き出す珠月を見ていればそうでもないように思いつつ]

 まぁ…無駄になることはないだろ。

[荷物から取り出したのはルイボスティーに、砂糖、白ワイン、レモン汁を加え、桃と一緒に煮るという、ルイボスティーシロップの入ったタッパー。

家で途中までしてきて、残りは工程はこちらですればいい。ここでするつもりでもってきたものだ。そして区分けさせた一緒に煮た桃とを冷蔵庫にいれておく。
今日の晩御飯か、風呂上りのデザートになるだろう。]
(153) S.K 2023/03/01(Wed) 20:27:26

【人】 月島 雅空

[幼いころから一緒にいたおかげで、からかう人間が自分の周りにはいた。自分だけじゃなくておそらく珠月>>52に周りにもだろう
おかげで自分は、異性と触れ合うには気恥ずかしさや照れから遠のく年頃となっても慣れのせいで平然としていた。

そんな単純なからかいなら別だが「気を回しすぎじゃないか?」と少し突っ込んだことをいわれた時は閉口した。確かに今回のことやバイクで足変わりになったり、と巡った思考で閉口して]

 …兄離れや妹離れが嫌っていうつもりはないんだがなぁ。

[嘆息しそうになって寸でとめる。
趣味のこともあってじじくさいとまた言われそうだしな。]
(154) S.K 2023/03/01(Wed) 20:29:42

【人】 月島 雅空

 終わったかー?

[だいたいのチェックを終えたところで声をかける。
窓を開けていったことで風通しもよくなり、心地よい涼しさが部屋の中に広がっている。
一階には他にどんな部屋があったかは後で確認するとして、珠月のほうでも異常などなかったか確認を終えれば]

 んじゃ、いってみるか?二階。
 外から見たらそんな広くないとは思うんだが、そういう場所って秘密基地みたいでわくわくするよな。

[と好奇心たっぷりに笑っていう成人男性。
あいにくと気遣わない相手には子供っぽいとこが出てしまうのは仕方ないのであった*]
(155) S.K 2023/03/01(Wed) 20:29:57
月島 雅空は、メモを貼った。
(a17) S.K 2023/03/01(Wed) 20:30:36

【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月

― 別世界の話 ―

[大地が裂け、霧で覆われた地上。
そこで生まれた文明は破壊され、住めなくなった人類は空へとその居住区域を移したのは何世紀も前のこと。

浮遊する大地に住まうものにとって、霧の濃い大地で祖先が暮らしていたといっても既にピンとこないだろう。衰退し、新たに発展した文明と、その生活に適応するように進化した人類にとって、過去の文献でしる地上の文明は、既に御伽噺のようなものなのだ。

大地と大地は空という障害物に隔絶され、他所との交流が緩やかで疎かになった世界。
島単位で物事を解決していくように社会は作られ、喫緊の危険もなければ、大きな変化もなく、一つ隣の遠い島さえみることなく一生を終える人がいても珍しくはないだろう。

少なくともこの島ではそうであった。

だから島で生き、島で死ぬ。それが大多数の考えである中。その島に生まれたアスルという男は外界という空に憧れをもっていた。]
(-84) S.K 2023/03/01(Wed) 21:56:48

【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月

[そんな彼が、何の因果かこの島の守り手ともいえる不思議な力を持つもの、通称巫女と呼ばれるものの守り人に選ばれたのは、なんとも皮肉なことだろう。
皮肉だろうがなんだろうが、自身の特性が守り人としての資質に添っていたのだ。

その任を断りはしなかった。外界に憧れをもっているからといって、家族も幼馴染たちといった友人がいる故郷の島が嫌いだというわけではなかったからだ。

それに資質があろうがなかろうが、巫女と相性が悪ければ別の者を任命するともいわれていたので気楽に考えてもいた。

そして初めて、守り人候補として、次代の巫女と対面を果たしたのだが、年齢に似合わぬ生真面目な雰囲気と、年齢相応の寂しげな雰囲気が気に入らなかったのだ。
もっというならば不安というよりも、イラっとしたという直情的なものだっただろう。

最初は畏まったように名前をいってみたものだが、次にはやめた。]
(-87) S.K 2023/03/01(Wed) 21:57:51

【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月


 なぁ。チビちゃん。

 あんたは巫女様として傅かれたいか?それとも―――

[周囲の大人なたちのことなんて無視して、目の前で肩に手を置き、視線の高さを合わせるようにしゃがみこんで、深い紫色の瞳を群青の瞳がじっと見つめて]

 一人のペルラという少女として接せられたいか?

[不器用に優しく問いかけた。
それが守り人のアスルが15歳。次代の巫女のペルラが10歳の出会いであった*]
(-89) S.K 2023/03/01(Wed) 21:59:04

【人】 月島 雅空

 お疲れ。ってそういうのも置いてあったんだ。じゃあ使わせてもらうか。

[珠月からアメニティグッズ>>167と聞いて少し驚くようにいう。
あれがあるとないとで風呂へ入るめんどうくささが変わるんだよなぁ。などと内心では思うズボラな人。

妹分が美容師学校に。そして彼女の母が美容師であるためか、多少の知識を気遣いはしているのだ……とはあくまで当人談である。]

 あ、あとこれも大事だな。

[ぽちっと着けた。備え付けの虫よけマット。暖かくなってきた春であり、森林の中のコテージだからこれは必須だ。
夜には冷え込むだろうから少ししたら窓はしめないとな。とありつつ、二階へと向かう]
(183) S.K 2023/03/01(Wed) 23:35:42

【人】 月島 雅空

[ちなみに珠月がスカートだろうがなんだろうが雅空は登りも降りも下にいるのである。

今回も狭い階段を先に登った珠月に続くように登っていく。]

 やっぱり狭いからかね?

[子供ならら四つん這いになって登ったほうがはやそうな急な階段を登りつつ最後は差し出された手を取った。

柔らかい手だ、だがその指の関節部分などは硬く、見ていないところで努力している彼女の成果に目を細める]

 ん?お…!まさかこうなってるとはな。

[どうやら二階は寝室だけで、それ以上の用途はないとばかりの狭い部屋だ。
並んでいるベッドが二つ。間にはローテーブルとテーブルランプだけというスペースではあったが何より目を惹いたのは天窓のほうだ。]
(184) S.K 2023/03/01(Wed) 23:36:38

【人】 月島 雅空

 これはなんていうか……

[出てきそうになった言葉は飲み込んで、珠月に倣うように自分ももう一つのベッドに横になり、仰向けで天上を見上げれば、夕暮れの空と影絵のように映る雲。こういう時に映る鳥たちの飛ぶ姿はどこか儚くも力強く自分には見える。]

 そーだな……それに月も星もよく見えるんだろうなぁ。

 …あ、今日は新月とかニュースでいってたから星だけだな。

[珠月>>168へと同意するようにいった後、月は見えなかった。と一つ訂正するようにいう]
(185) S.K 2023/03/01(Wed) 23:36:47

【人】 月島 雅空

[そういえば昔、珠月の誕生日にと求められて困らされた記憶があったなぁ。などと思いながら、しばらく寛ぐようにベッドの上でいた。
視線を隣へと向ければ珠月も寛いでいて、必然的に距離が近い。手を伸ばせば相手のベッドには触れられる距離だ。
最近ではない近さだが、昔を遡れば隣にいたことすらあるため、大したことのない近さに、寛いだまま、自分は自分で懐かしさにふふっと笑う。]

 そっちはそっちで寝惚けて入ってきた。なんてなったら放り投げるからな。

[寝相が悪かったのも自分が小さい頃なら、家族旅行で寝惚けて自分が寝てるとこに寝に来たのも昔のこと。咄嗟にいってすぐにわかりあえる相手へと笑いかけながら]

 …さっき、夜は静かそう。なんていってたのに、珠月がいると関係なくなりそうだ。

[止めはせずに、濁すように皮肉りながらもう一度天窓を見て仰向けから上半身を起こして]

 …ここを引けば閉じれるのか。じゃないと昼寝するときやらきついものな。

[天窓用シャッターがちゃんとあるのも確認した。]
(186) S.K 2023/03/01(Wed) 23:37:23

【人】 月島 雅空

 …そんじゃ、残りの荷解きしたら飯でも作り始めるか。

[ベッドから起き上がり、コテージの内装も粗方確認したので、残りの荷解きだ。そうしていれば夕飯時となるだろう。
更には火をおこすことからはじまるともなれば時間がかかるもの。遅ければ遅いほど夕飯が遅くなる。というのは珠月もわかっていることだろう。]

 ところで、我が家のお姫様はデザートは食後と風呂上りと、どちらがお望みで?

[二家族で一番年下の珠月をしっかり年下扱いするように聞きながら、急な階段を今度は自分から先に降りていくのであった**]
(187) S.K 2023/03/01(Wed) 23:38:56

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空

― 別世界の話 ―

[ペルラは幼い頃に祖母から聞いたことがあった。
自分たちの暮らす島を浮かせる力を持つらしい巫女と、その巫女に仕え守り続ける守り人の伝説のようなお話。

生まれ育った場所は浮遊する大地の端っこで。
険しい山ばかりの島にしがみ付くように存在する小さな村。
住民は少ないけれどみんな家族のようなところ。
物心ついたときには羊や山羊を犬と一緒になって追いかけ回し、小さな妹や弟をおんぶして家を手伝った。

適齢期になれば村の男性と結婚し、家業を継ぎ、子供を生み育てていく。それもまた幸せだ。
でもきっと、この高い高い山の向こう側に行くこともないのだろうと、時折ひとりで空を見上げながら思っていた。

――ある日突然やってきた、島を治める長老たちの使い。
彼らに『次の巫女になって欲しい』と言われる時までは。]
(-106) soranoiro 2023/03/02(Thu) 0:59:02

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空

[まず思ったのは、巫女って本当に居たんだということ。
今の巫女が自分を占いのようなもので見つけ出したらしい。

長老の使いは丁寧に分かりやすく説明してくれた。

この世界には不思議な力を持つ者が珍しくはあるが当たり前に存在しており、それぞれ能力を生かして生活している。
巫女もその中のひとりとも言えるが、力の及ぼせる影響が人々の暮らす島の浮力の維持であることから、なくてはならない存在、決して途切れさせてはならない存在である。
巫女は見習いから始まり、今の巫女が役目を終えたと同時に後を継ぎ、定期的に島の様々な場所で祈りを捧げて過ごす。

巫女はこの島のために在る。
この島には巫女がいなくてはならない。

だから特別視され、ある意味、神聖視されている――と。]
(-107) soranoiro 2023/03/02(Thu) 1:00:00

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空


 私、巫女になります。
 大丈夫、ちゃんと、頑張ってくるから。

[両親は自分とは別に巫女の説明をしてもらっていた。
父は険しい顔をして母は泣いていたが、何かに納得し覚悟を決めたかのような瞳もしていて、ただ何度か頷いた。
賛成もしない代わりにぎゅっと強く抱きしめてくれた。

巫女見習いになると決めたのは10を数える頃。
すぐに生まれ育った町を離れることになる。

長老の使いたちが乗ってきたのは古めかしい飛行船だった。
大きくて丈夫そうだけれど、ギシギシ耳に痛い軋む音がして、窓が少なくて外は見えないのに風の音ばかり響いていた。
山を越えるのをきちんと眺めることは出来なかった。
すでに丁重に扱われはじめているのは気づいていたからこそ何も言わず、ただ、はいと頷くのを繰り返していた。

島の中央が栄えた街というのは噂で聞いていたが、本当に建物ばかりで溢れ、人がたくさん行き交い、夜になっても明かりが灯っている、田舎者には目まぐるしい世界で。
修行などはここで、と街の中央に建つ、塔のある石造りの高い建物に案内された後は、自室もそこに与えられた。]
(-108) soranoiro 2023/03/02(Thu) 1:01:32

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空

[自分には不思議な力がある。
というのをあっさり認められたのは、物心つく頃からそれらしい経験をしており、村や村に訪れる行商人にも時折そういう力を持つ人が居て、話題だけなら僻地の村でも交わされていたために、そういうものなんだなとふんわり理解していたからだ。

さて、それがどんな力かというと、だけれど。
実は内容はよく分かっていなかった。

なんとなく物を浮かせられる気がしたり。
なんとなく手をかざしたら人の怪我が早く治る気がしたり。
なんとなく水に景色らしきものが映ったり。

そんなひどくあやふやで説明しがたいものだったのだ。
でも、たしかにこの中に巫女の力が潜んでいるらしい。
ここから巫女として島の浮力の助けとなる力へ全部を集め注げるようにならねばならないと言われ。

街に来た翌日から、もう厳しい修行の始まりだった。

身を清めるための泉に浸かるときだけはひとりで、震えをおさえてまっすぐ立ち、ため息にならないように息を吐いていた。]
(-109) soranoiro 2023/03/02(Thu) 1:04:38

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空

[巫女見習いとして真面目であれば何も言われない。
表情が固かろうが、必要なとき以外は無口であろうが。

この島のため。この島のため。
きっとお父さんもお母さんもみんなも応援してくれている。

必死な日々は過ぎてゆこうとしていた。


――そんなある日。

巫女見習いさまの守り人候補だと連れられてきた彼は。
たくさんの大人たちに囲まれているのに、なんだか堂々として臆する様子を見せない年上の少年だった。

石造りの部屋の中、窓は閉まっているのに。
何故だろうか。ふわりと風が吹いたような。
彼の周りにだけ感じる澄んだ気配に目を瞬かせる。

そして次に発する台詞もまた、予想外すぎるものだった。]
(-110) soranoiro 2023/03/02(Thu) 1:05:28

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空

[ちびちゃん、と彼は呼んだ。
しゃがんで目線を合わせる仕草は自然で、でもここの大人たちのように畏まっていなくて、距離が近い。

彼の瞳はうつくしい青色をしていた。
いや、ただの青ではない。
泉の清らかなばかりの色とも、深い湖の少し怖い色とも違う。


空みたいだ、と思った。


周りの大人たちが見えなくなった。
気づいたら、ただひとつ頷いていた。
それだけではどちらへの返答か分からなかったかもしれないが、じっとまっすぐ見つめる紫がかすかに潤んでいた。]
(-111) soranoiro 2023/03/02(Thu) 1:08:14

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空



 私も、あなたの名前が知りたい。
 ……ちゃんと、呼びたい。


[視線が交われば、風に水の香りが添えられる。
それは水と親和性の高いらしい自分の力の影響か。

おそるおそる手を差し出す。

優しくも不器用な問いへ、震えながらも強い答えだった。*]
(-112) soranoiro 2023/03/02(Thu) 1:09:51

【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月

― 巫女と守り人の日常 ―

[守り人として、島の都市部に移り住んで働くことになった。
といっても、守り人の役目というのは別段四六時中あるわけではない。
せいぜいが祈りの期間はそちらに集中するなどあるが、それ以外は普通に仕事をして暮らしていくことになる。
都市部から離れれば牧歌的といえば中心地は流石に栄えており、もくもくと立つ煙は食堂のものだけではない。立ち上る蒸気の中に混じるオイルの香りに、むき出しのパイプ群や歯車が喧しく動き、上昇気流を故意に起こさせる大規模な施設は、外界へ行き来するための発着場のようにもなっている。

そこで飛行艇や発着所の整備を筆頭に、街灯の管理等を担っている。また隣では発生する熱が溶銑も兼ねている。

そんな場所が自分の仕事場だ。ここでアスルは機械を弄り、自分の特性を生かして飛行艇乗りともなって、各地に手紙を郵送することも担っていた。]
(-113) S.K 2023/03/02(Thu) 2:11:06

【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月

[そんな仕事場をアスルは気に入っていた。単に趣味趣向にあっていたからだし外界にいかないなら元からこういった仕事につきたいと思っていた。
守り人だから巫女が住む場所の近くに住むというのはそういう点でも文句のつけない状況であった。

だが巫女が近くにいる。ということは、こんなことに利用されてしまうことに繋がっていた。

彼女が前日訪ねてきたときに渡した羊皮紙にはこう記されていた。

『明日、昼下がりの鐘がなる頃。修行の間、西側の塔の四階窓にて、風をまて。』

その羊皮紙を見たときに、ペルラが声をあげる前に人差し指を口元にあてて見せただろう。瞳は好奇心と悪戯に輝いていた]
(-114) S.K 2023/03/02(Thu) 2:11:44

【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月

[そして翌日]

 おやっさん!テスト飛行いってくるなー!

[既に何度も試した飛行訓練。
彼は巫女を祈りの場まで連れていくことが仕事でもある。だから飛行訓練もかかせない。
そして巫女を運ぶとなると、当然、巫女当人も必要になるんだ。

じゃあかかせないよな。ということである。
アスルという男はやりたいことのために堂々と自分に都合よく理由を作り正当化することに長けていたのだ―――あまり褒められた技能ではない。

鳥が翼を広げたような空色のグライダー。端は滑らかに削られて丸みを帯びており風の抵抗を流すように作られており、端のほうには風を受けるための帆が取り付けられている。
そのグライダーを正面に掲げ持ちながら、空を見上げた。
一つ、二つ。工場の駆動音など気にならぬというように集中して、そして走りだした。

大地より熱を帯びて作られた上昇気流の網目状に塞がれた洞穴を前にグライダーを斜めに滑り込ませるように倒して、アスルは風に乗った。]
(-115) S.K 2023/03/02(Thu) 2:13:36

【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月

[巫女に力があるように、彼もまた力のあるものであった。
それは「風読み」とよばれるもの。
風の力を読み、音を聞き、意志を感じる。などというほど完璧なものではないが、多少なりともそれを理解できる力を持っており、また僅かながらも風に意志を伝えることもできた。
それが彼の飛行艇乗りとして、そして巫女を運ぶものとして選ばれた理由でもあった。

空に舞い上がったグライダーは、帆は順当に膨らみ、操舵主の手に応じて畳まれたり広がったりするだろう。
鳥のグライダーの背中には、空を飛ぶものが安定し操作するためにと、横からみればへの字のように見える簡素な取っ手がつけられており、その取っ手を掴み、身体を風に流すようにうつ伏せのような姿勢で空より街を見下ろしていた。

風をきる感覚が冷たくも気持ちいい。身体全てが覚めるような独特の浮遊感と空を飛ぶということそのものへの高揚感が、普段はどこか適当なアスルの雰囲気を鋭気なるものへと変えている。

そのままゆっくりと確かめるように旋回を繰り返しながら、街の上をぶらつくように飛びながら、空の路は約束の時間を守るようにして進む。]
(-116) S.K 2023/03/02(Thu) 2:15:08
 




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寿 達也
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黒崎柚樹
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夢から帰還

緑山 美海
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雲の上も綺麗だね

“椿”
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ここにいます

要 薫
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天原 珠月
41回 残----pt

 

月島 雅空
36回 残----pt

 

深江
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天美
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