「俺がいるんだから無礼講中くらいいても不思議じゃないな！」

割と現実的な数字を言ってきたので、
マイノリティの自覚はきちんとあったらしい。

「それそもそも相手も改造人間連れてこないとだから、シェルタン二人じゃないと高難易度すぎないか？俺合わせられる気はするけど本家じゃない上に、多分改造の方向性が違うんだよな……」

真面目に検討している。でも　それ　高度だよ。

「んー…サービスされたくなったというよりは、これが『サービスって思うようになった』瞬間、『M向けにSをするの楽しくないな』って気づいた感じ？


うん、そう思う時点でシェルタン。俺のお墨付きあげる。はなまる」

「あっはっは。それは君は単純に犯罪を外でやっちまったせいだな！いっそ看守に就職して、こっそり「改造していい？」って同意を求めて同じように好き放題してみたらどうだい？

話題がついにおしまいしかなくなってきた。

「俺にすら気遣ってくるくらいだからどうだろうな？」



「混ぜる派的には物足りないな……いやまあ、誘う機会があるなら勿論合わせるけども。んー……それならしてやるかぁ」

ビックリするほどつまらなくなりそうだ。
続く貴方の表情を見て、「うん」と素直に肯定する。

「いやまあ、って確定してるだけだが。『言って何とかできる』なら、難儀だけどマシだろう？俺はアルレシャの事は何とかもできないからなぁ。して欲しいとも思ってないだろうが。

ん？……参ったな、生まれつき向き合ってるかはさておき正面衝突だ…。そんな荒れた幼少期だったのか」

　
「そうだなあ。まず今の一言でもう似ているポイントが出たので本当にそうかもな。俺も『一人称と二人称』は割と適当でよく切り替わる。君に理由があるのかは知らないけどね？

もう一つ。俺も基本的に君みたいな享楽主義っぽい相手とは、適度に遊んで終わっていたんだが──逆に言うと、遊びはできてたんだよね。を互いにしていた感じじゃないか？」

とは言え。逆に『興味がわかない』と言う相手に逆に興味がわいたのか。凭れていた姿勢を止めて素直に寄ってきた。なお、本来どう考えても隣に寄るタイプの男だし、恐らく貴方が知るこの男もそうであると分かっているだろうが、『あえて』向かいに座った。

「俺、でも推測がある程度ついてるよ。
　

冗談なのか本気なのか分かり辛い事を、ふんぞり返って堂々と言ってる。看守の部屋だというのに気にした様子がない時点で、色々あれだ。

「……あの手は、突撃してくるから……
“普通”が一番難しいかもなぁ」

どこか別の人間を想定しながらぼやいた。

「……場合によるね。サービスだなんだの言う時点で察しはついてると思うが、『他人を喜ばせるか』と言う事について割と思考が行く方なんだよ。最優先は自分がよければどうでも良い、なんだけど。気に食わない相手ならそうするかも」

アルレシャの事をどう思ってるかも曖昧なまま。『場合による』と言った通りまだ揺れているくらいには降り切れてないのかもしれない。

「ふうん……俺にとってはそれ、荒れてるのと同区分に聞こえるけどね。……血族害悪仲間だと嬉しいなあ。まあ、俺が勝手にシンパシー持つだけだけど」

チラ、と貴方を見て。滲んだ感情を見た上で、これ以上聞くのも無粋だなと口を閉ざした。何よりそちらも自主的に塞いでるくらいだ。時間を確認して、持っていた煙草が丁度なくなった頃に口を開く。

「思ったより吸い過ぎた。久しぶりはよくないな、出所した時にまた昔に戻りかねない。……じゃ、お先に失礼するよ」