人狼物語 三日月国


206 【身内RP】愛の形、恋の色

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杓谷 薫が参加しました。

【人】 杓谷 薫

 
気になる人がいる。
そんな風に誰かに言葉にすることはないけれど、確かに気になる人がいる。
わたしのような人間は残念ながらなかなか受け入れてはもらえない。
一般的な人とは違うから。
一般的な形とは違うから。
だから、どうしても臆病になってしまう。
だから、その想いに蓋をしてしまいたくなる。
 
それでも、わたしはその人がお店に来ると、ほんの少しだけ幸せになる。
話しているだけ。応対しているだけ。
ただ、その時同じ場所に存在しているだけで。

けれど、わたしのその気持ちはいつまで、このままでいられるだろう。
誰にも相談できないまま。
わたしは、いつもの通りに仕事をこなす。**
 
(2) もくもく 2023/04/10(Mon) 15:00:31
杓谷 薫は、メモを貼った。
(a1) もくもく 2023/04/10(Mon) 15:01:25

【独】 杓谷 薫

/*
村、設定とか大丈夫かな…とオロオロしてるけど、この度辺見先輩(この村では先輩じゃないが!)とイチャイチャする権利をいただけたので頑張ります!
体調は大丈夫!
直前にぶっ倒れたからしばらく平気のはず!(平気とは
OKでたのでフタナリちゃんです。上も下も大きめ予定。
どんな展開にできるかドキドキしてますが頑張る!
(-0) もくもく 2023/04/10(Mon) 15:06:29

【人】 杓谷 薫

 
「いらっしゃいませ。」


カランカラン、とドアベルの音に反応して顔を向ける。
どんな相手に対してもこの第一声は変わらない。
内心、どきりと胸をときめかせる相手だとしても。
わたしの気になるこの人は、週に二度ほどこのBARを訪れる。
ほぼ同じ席に座り、最初に注文するのはほとんどがこれ。
だから、私は頼まれるその前に既にそれを手にしていた。
瓶の栓を開けて、冷やしたグラスと共に提供する。
特にいつも断られていなければ、ソーセージの盛り合わせが出るまでの繋ぎとしてのお通しとして少量のナッツの小皿を差し出した。
 
(8) もくもく 2023/04/10(Mon) 20:17:30

【人】 杓谷 薫

 
彼女の名前や年齢、仕事に考え方。
私はそのどれほどを知っていただろう。
マスターに話すことも、私が話を聞くこともあったかもしれないが、基本的に私たちは聞き手役だ。
お客様方がゆっくりと心身を癒す場所としてこの場があるのだから、こちらから話すことは少ない。無いわけでは無いけれど。
ただ彼女には知的な輝きがあった。
数多の男性を虜にしてしまうだろう肉体的な魅力も。
きっと恋人もいるのだろう。婚約者とか、もいるのかもしれない。
そんな風に、彼女に出会うと会えた喜びと、それ以上は叶わないと言う切なさを身のうちに抱えることになる。
それでも。
 
(9) もくもく 2023/04/10(Mon) 20:17:50

【人】 杓谷 薫

 
「今日も、お仕事お疲れ様でした。
 お変わりありませんか?」
 
 
ソーセージの盛り合わせを奥から受け取り、彼女の前に置きながら首をかしげる。
特に変わりなく、平穏ならそれも良い。
私に。
私に、もう少し勇気があれば。
 
そんなことを考えながら、いつもの笑顔で。*
 
(10) もくもく 2023/04/10(Mon) 20:18:08

【人】 杓谷 薫

 
>>13なんとなく。…なんとなくだが。
食べる様子に少し目を逸らしてしまうのは、自分の中の邪念を消しきれないせいだ。
美味しそうに何かを食べる姿は、幸せそうであり、それでいて官能的でもある。
不自然でない程度に視線を外し、グラスを磨いたりして。

 
(15) もくもく 2023/04/10(Mon) 22:36:58

【人】 杓谷 薫

 
彼女の印象。
先ほどあげたものに加えて、アルコールに弱くはなさそうだというものだ。
このような店に定期的に来ているのだからある程度はそういう客ばかりなのは否定はできない。
>>14けれど、そんな彼女から"あまり強くない""酔い潰れないくらい"のお酒と聞かされて、わたしは思わず目をわずかに見開いた。
 
 
「私のおすすめと言いますか、好みでしたら
 マリブ・コークでしょうか。
 ラムベースのマリブはココナッツの香りがして
 甘くても甘すぎない、官能的な味わい…と
 称されることが多いです。」
 
 
説明しながらボトルを出す。
グラスの上まで氷を入れ、マリブとコーラを適量注いでマドラーで下からすくうようにからりと混ぜた。
ココナッツの香りがふわりと広がる。
南国の香りは少しばかり気持ちがふさいでいる時でも開放的な気持ちになれて、開放感の足りない自分はこの香りが特に好みだった。
カクテルとしては弱い部類に入るし、これなら良いだろう。
手早く作ると、彼女の前へ。
 
(16) もくもく 2023/04/10(Mon) 22:37:14

【人】 杓谷 薫

 
「ミルクと合わせて優しい味わいにしても良いですし
 デザート感覚でピニャコラーダにするのも合いますが
 コーラと合わせて弾ける感じが、
 南国の開放的なイメージをより感じられる気がします。
 それにしても…珍しいですね。
 おすすめを聞かれることがあっても
 私の好み、と言う聞かれ方は初めてですよね。」
 
 
オススメなら何度か渡したことがある。
その時の気分によってとか、こう言うのが良いと言われるとその時その時で合うものを出した。
けれど、酔い潰れないくらいと言う条件で、しかも自分の好みを兼ねて注文されたのは初めてな気がする。
だから、何となく嬉しくて頬が緩んだ。
 
(17) もくもく 2023/04/10(Mon) 22:37:37

【人】 杓谷 薫

 
「苦いよりは果実の香りのする
 甘くて、でもアルコールの強いカクテルが好きです。
 自分を許してくれるような気がして。
 甘えさせてくれるような気がして。
 …でも、今日の辺見さんは、酔わないくらいが
 良いのですよね。」
 
 
そう尋ねながら、新たなカクテルを作り始める。
また別の、今度はアルコールが強いものだ。
これは自分用のつもり。
何となく、自分も飲みたくなったからだ。
…こう言う事に、マスターは甘いから、まあ大丈夫。*
 
(18) もくもく 2023/04/10(Mon) 22:37:54

【人】 杓谷 薫


「でもここで、単なるラムではなくて
 マリブにするのが好みのポイントですね。
 ラムコークも甘くて好きですけれど
 マリブコークは香りが違いますから。」
 
 
>>20確かにラムとコークは間違いない。
間違いないと言いながら、下心ある男はラムを多くするものだなんてチラリとよぎるが、余程そんな注文を受けない限りはレシピ通りの味を提供する。
 
 
「まあ、それなりに飲めますし、好きですから
 こう言う仕事をさせて頂いていますね。
 レシピ通りに作るだけなら飲めなくてもできますが
 自分で味を知る事も大事ですから。
 
 …まあ…時々、男性のお客様の中には
 私のことを探りたがる方もいらっしゃいますね。
 ですが、私の恋愛対象は女性ですから。」
 
 
男性客の件は少し苦笑いを禁じ得ない。
確かに年齢を聞かれたり、好みを聞かれたり、飲めと強要されそうになる事もある。
ひどく酔った客はマスターが宥めてあしらうが、時には激昂させて酒をかけられた時もあった。
けれど、しれり。事実を告げて肩をすくめる。
男に抱かれたことはあるが、どうにも性に合わなかった。
合わなかったし、時には自分の体を暴いた上で萎えられた事もあったから、もう懲り懲りだ、と言う気持ちが強い。
その気持ちが強い上に、元々女性の方が惹かれる気持ちが強いのも事実なのだ。
ブランデーとアマレットをロックグラスに同量注ぎステアする。
杏仁豆腐のような香を纏う、琥珀色の強めのカクテル。
(24) もくもく 2023/04/10(Mon) 23:43:15

【人】 杓谷 薫

 
「人は沢山の失敗をしてしまうものですからね。
 そこから学べたのなら良いのかもしれません。
 
 …甘えたい、とか。許されたい、とか。
 そんな気持ちを抱えているのは否定できません。」
 
 
>>22問いかけにふふ、と笑いながら。
今できたばかりのフレンチコネクションを軽く掲げてから口にした。
不思議な世界の住人は、けれど秘めた心を隠してる。
喉を灼くアルコールの強さに目を細めた。
 
 
「けれど…こう、大人になると難しいですよね。
 だからこそ、飲んでしまうんですけど。
 でも、ちゃんと自制はしていますよ。」
 
 
むやみやたらに甘える事も、自暴自棄になる事も今はない。
お酒に逃げるだけの日々はもう無い。
けれど、その分勇気に欠ける日々が続いている。
そんなことを思うと、胸に寂しさが宿るけれど。
 
(25) もくもく 2023/04/10(Mon) 23:43:42

【人】 杓谷 薫

 
「…そう言えば。
 私、薫です。」
 
 
自分は彼女の名前を知っているけれど、名乗ったことはない。
そう思い、コースターを裏返すとそこに自分の名前を記した。
杓谷薫、と。**
 
(26) もくもく 2023/04/10(Mon) 23:44:01

【人】 杓谷 薫

 
「ふふ、辺見さんは美人さんですからね。
 美人な常連さんは大事にしたいですから。」
 
 
>>29喜んで貰えたならと笑みを返す。
けれど、追加オーダーに目をまるくする。
先程は酔わない程度の、と言っていたのに。
 
 
「結構強めですよ。」
 
 
けれど、その一言を添えて断りはしなかった。
空いたグラスを下げるとフレンチコネクションを手早く作りはじめる。
全てを入れてステアして、からりと音を鳴らして彼女の前へ。
 
 
「どうぞ。フレンチコネクションです。
 度数はおよそ30度。
 甘いですが強いカクテルです。
 1971年に公開されたアメリカ映画の
 フレンチコネクションから命名されました。」
 
 
差し出しながら蘊蓄も一応添える。
映画のタイトルにして、その内容は犯罪絡みの組織の事だ。
けれどその風味はとても甘く、それでいて強く。
自分の分のグラスを手にしてまたそれで口内を潤した。
 
(30) もくもく 2023/04/11(Tue) 18:06:02

【人】 杓谷 薫

 
「甘えたかったり、弱音を吐きたかったり。
 もしそうなら、お話し伺いますよ。」
 
 
そして会話の中から、これくらいならとつい口にした。
仕事のこと。恋のこと。人生のこと。
カウンター越しにお客様から語られる言葉を、店員として受け止める為に。
バーテンダーはそんな事も仕事なのだ。
癒されたい誰かにお酒を提供しながら、吐き出される悲しみや寂しさをそっと受け止める。
でも。
もし、機会があるのなら。
 
 
「…もし良ければ、お店の外ででも。
 辺見さん、とても素敵な方ですから。」
 
 
こんな事を言うのは、女性が恋愛対象だと言った後では悪手だろうか。
でも、冗談で済ませられるよう。
ウインクしながら、グラスを傾けた。*
 
(31) もくもく 2023/04/11(Tue) 18:06:18

【人】 杓谷 薫

 
そう。
認めてもらいたい。許してほしい。
自分の身体を。この器を。
願えば、体にメスを入れてどちらかの形になることは出来た。
実際に精巣はこの体には害になる可能性があるからと除去する事を薦められる事もあった。
でも、私は選べなかった。
生まれたままの自分の形を、それを誰かに受け入れてほしいと願っている。
この形が私そのままなのだと、わたしはこのまま生きていきたいと思っている。
戸籍は男性。
性自認は女性に近く、恋愛対象は今となっては女性に傾いている。
男性に抱かれた事もあった。
けれどこれは違うと思ってしまったし、現に上手くはいっていない。
女性と恋愛した事もあったけれど、長くは続かなくて。

>>33そう、今この瞬間だって許されたい。
それを、過去のように自暴自棄になるのではなく、叩きつけるのではなく。

受け入れてもらえずとも、ただ在ることを認めてもらえたなら。

 
(36) もくもく 2023/04/11(Tue) 20:56:59

【人】 杓谷 薫

 
「…直ぐ上がりますから。」
 
 
>>34何かを言いかけたようだった。
>>35けれど、小首を傾げて誘いを受け入れる彼女を見て、思わず頬が緩む。
クイッとグラスを呷ると甘いアルコールが喉を灼く。
マスターに声をかければ、仕方ないわねと言ったふうに笑顔で解放してくれるはずだ。
今日は新人くんもいるし、それでいてお客様も少ない。
それでも、ある程度引き継ぎや片付けで待たせる事になっただろう。
奥に引き、戻ってきた私はパンツスタイルの私服に着替えて、彼女の元へ。
 
 
「お待たせしました。…どこに行きましょう?
 カフェでも良いですし、
 私の部屋も近いですよ。」
 
 
お客様を部屋に連れ込むとは、と言われるかもしれない。
けれど、職業柄ある程度アルコールは揃えてあるし、簡単な肴も作れる。
二次会に使われる事自体はよくある話なのだ。
けれど、深夜にやってるカフェで話すのも悪く無い。
彼女を連れて外に出ようとしながら、囁いた。
 
(37) もくもく 2023/04/11(Tue) 20:57:20

【人】 杓谷 薫

 
「私も明日休みですから、
 ゆっくりお話し聞かせてくださいね。」*
 
(38) もくもく 2023/04/11(Tue) 20:57:37

【人】 杓谷 薫

 
私の部屋は1LDKだ。
寝る部屋と、食事をして寛ぐ部屋。キッチンはカウンター式になっているものの、普段はそこを活用することはない。
カウンターになっているだけで、テーブルを出すのが面倒だからとそこで食事をするだけの場所になっている。
しかしこうして人が来た時は別。
ただの客と店員でもないのに、カウンター越しに話したりカクテルを作ったりもできるのだ。
ただし、この配置は食事をしながらテレビを見たい時には不便だったりする。
テレビは其の向こう側、ソファの方に向けられているから。
 
 
そんな部屋に、最近気になっていた女性を招待する。
少し緊張するけれど、人を誘える程度には片付けていてよかったと安堵もした。
彼女を連れてやって来た私の家は、店から数分のマンションの中。
共通エントランスを開けて、エレベーターで三階の角部屋に向かう。
 
(42) もくもく 2023/04/11(Tue) 22:29:10

【人】 杓谷 薫

 
「特に面白いものもないですけど…。
 ゆっくり寛いでくれて構いませんから。」
 
 
鍵を開けて、彼女を誘う。
私の部屋も余計なものはあまりない。けれど、部屋には甘やかなラベンダーとオレンジの香りが仄かに漂う。
部屋ではリラックスできるようにと、常用しているアロマの香りだ。
部屋に写真の類はなく、マガジンラックにはカクテルやアルコールに関する書籍が入っている。
この部屋には大きめのソファに、サイドテーブル。

カチリ。と、鍵を閉めてしまったけれど、…良いよね?
 
 
彼女をソファに案内して、私はキッチンに向かう。
簡単につまめるものと、何か飲み物を用意しようと。
 
(43) もくもく 2023/04/11(Tue) 22:29:24

【人】 杓谷 薫

 
「どうしましょう、まだアルコール飲みますか?
 ノンアルコールももちろん用意できますけど。
 …食べるのはクラッカーとチーズ、
 それにピクルスならさっと出て来ますよ。」
 
 
もちろん、時間をかければ他のものも作れる。
けれどカロリーも気になる時間帯かと、あれこれ準備しながら問いかけるのだ。
 
それにしても。
 
 
(…期待しても、良いのかな?)
 
 
自分は、女性が恋愛対象だとはっきり伝えている。
それなのに、と少しばかり期待してしまう自分がいる。
でもそれは、自分を女性として見て、なのだろう。
いつもは自分自身、女性として生きて暮らしている。
立派に育った胸を隠すつもりはないし、気に入ってもいるからだ。
 
でも、それなら。
 
(44) もくもく 2023/04/11(Tue) 22:29:41

【人】 杓谷 薫

 
(…そうなってから、伝えても良い…よね。)
 
 
つきり。ほんの少しの罪悪感。
悟られないように、飲み物とおつまみとを携えて、彼女のもとに行こう。*
 
(45) もくもく 2023/04/11(Tue) 22:29:56

【人】 杓谷 薫


ノンアルコール、とのことなのでスポーツドリンクをチョイスする。
ただのミネラルウォーターより身体に浸透しやすく、二日酔いを避けるのに好都合だからだ。
グラスに氷を入れて冷やし、そこに注いでいく。
トレイに二つのグラス、そして平たい皿につまめるものを乗せて彼女の元へ。
 
サイドテーブルにトレイを置いて、グラスを持つ。
彼女の隣に腰を下ろして、グラスを軽く合わせる前に。
 
 
「そうですね、乾杯…。
 2人の平穏に、とか?
 健康も確かに大事ですけど、
 心の平穏も同じくらい大切ですし。
 健康とか言い始めると思う以上に年齢を感じちゃいますし。」
 
 
多分彼女も同じくらいの歳だろう。
歳を重ねるのは悪いことではないけれど、若かった頃は〜とそちらの話題ばかりになりそうで、つい笑ってしまう。
年齢のことをまだ笑えるうちは、まだまだ自分も若いのかもしれないけど。
くすくす笑いながらグラスを合わせ、ゆっくりと水分を補給していく。
まだ酔うまではいってなかったけれど、それでも確かにアルコールを摂取した体に瑞々しさが宿る気がした。
 
(49) もくもく 2023/04/11(Tue) 23:03:29

【人】 杓谷 薫

 
「ところで、辺見さん…、華蓮さん。
 華蓮さんのお話、早速聞かせて頂けませんか?
 寂しかったり…甘えたかったり?
 大丈夫、いまは私しかいませんから。」
 
 
グラスを置いて、にっこりと笑みを浮かべる。
彼女が話しやすいように、と真っ直ぐには見つめないけれど。
伸ばした手を彼女の膝の上に乗せて。
ぽん、ぽん、と軽く叩いて促した。*
 
(50) もくもく 2023/04/11(Tue) 23:03:44

【人】 杓谷 薫


>>53彼女の語る"痛い目"。
魅力的な彼女が語るからこそ、容易に想像がつく。
とは言え、自分の想像を遥かに超えるような事まであったかも知れない、とまでは考え至らなかったけれど。

魅力的な彼女のその身体に、酔っているからと無体を働こうとする輩がいるのは容易に想像がついてしまうのだ。
痛々しくも思う。けれど、同時にその事を想像しかけて僅かに眉を寄せた。
彼女が誰かの手により淫らに貪られる姿。
それを具体的に想像してしまったら、彼女の話を聞く立場を失ってしまう気がしたから。
ましてや彼女はその事を覚えていないのだ。
 
 
「あー…、それは分かる、かも。
 特に仕事に一生懸命になってしまうと
 前のトラブルもあって、余計そう言うのを
 仕事関係には持ち込みたくないと言うか。
 そう言う、弱い自分?を、見せたくないと言うか。
 今は仕事が生活の殆どだから、余計に。」
 
 
彼女の膝に置いていた手。
うん、うん、と頷いて聞いて、今度は話しながら自分の元へと戻していく。
自分の膝の上で両手を組んで。
 
(55) もくもく 2023/04/12(Wed) 6:33:58

【人】 杓谷 薫

 
「でも、恋の仕方とか弱さの見せ方とか分からなくなって
 お酒に頼りたくなっちゃう。
 そんな事、私にもありますよ。
 恋愛に臆病過ぎて、お酒にばかり頼ってしまう。
 自棄になる勇気も最近はなくて、
 今日みたいに誰かと2人きり、なんて
 本当に久しぶりなんですよ。」
 
 
>>54そう言うことがなさそうなんて事はない、と首をすくめて見せる。
お持ち帰りはされそうになっても拒絶していた。
そんな風に誰かに身体を晒す勇気はとっくになくなっていたからだ。
でも、今日はなんだか、特別だ。
話を聞いて終わりでも良い。
彼女が穏やかな心持ちになれば良い。
そんな風、尽くしたい気持ちと、若しかしたらという期待する気持ちが頭をもたげていて。
彼女に再び手を伸ばす。
今度伸びた手は彼女の頭を軽く撫でて。
撫で下ろした手はそのまま肩に落ちてこちらに緩い力で抱き寄せる。
 
(56) もくもく 2023/04/12(Wed) 6:34:41

【人】 杓谷 薫

 
「私はずっと寂しいと思っているし、
 けれど、信頼できるか、信頼しないといけない相手しか
 自分のことすら語れませんからね。
 現状、マスターの事は仕事の上で
 信頼関係を作らないといけないから、話してるけど。
 
 華蓮さんの事は、お話聞きたいし、知りたいって。
 そう思えたけど、私はずるいから
 やっぱり自分の事を話すのはまだ怖いですしね。
 
 …華蓮さんは魅力的だから、
 いつも見ていて、近づきたいなと思ってましたけど。
 お客様ですし、逆にそうなると壁ができて。」
 
 
でも。今はこうして、手の届く位置。
頬が少し赤くなる。更に手を伸ばしてしまいたい。そんな欲が募るけれど。
こくり。空気を飲み込んで。
 
(57) もくもく 2023/04/12(Wed) 6:34:57

【人】 杓谷 薫

 
「お酒がなくても。
 その、華蓮さんの寂しさとかを埋められる、そんな相手に
 私がなれたら、嬉しいんですけどね。」
 
 
ストレートな告白をできるほど、若くもなく勇気もない。
だから、まだ友人としてと笑える距離から詰めていく。
友人としては少し近すぎる距離で。**
 
(58) もくもく 2023/04/12(Wed) 6:35:21

【人】 杓谷 薫


>>61彼女の方から手を伸ばされ、視線が絡まる。
どきりと胸が高鳴るのは止められない。
頬に熱が宿り、彼女から目を離せなくなる。
触れ合える距離。
吐息も鼓動も聞こえそうな距離。
その近さに、思わず見入ってしまうけれど。
 
 
「…それって、わたしが、華蓮さんに。
 恋愛感情を抱いてるって事なんですよ。
 今日だけではなく、明日も、その先も。
 一夜限りの夢は嫌だなあと…。」
 
 
苦く笑ってしまったのは、これ以上先に進むなら。
後で裏切られた、騙されたと言われては嫌だからと。
彼女の手に手を更に重ねた。
本当は今すぐキスしてしまいたい。
けれど、そうしてからだと戻れない気がする。
彼女がわたしを否定したいときに。
今なら、それが嫌だったなら。
やっぱりごめんなさい、と店員とお客様に戻れるから。
だから、重ねた手をそっと握って。
目を閉じてから、小さな声で囁いた。
 
(62) もくもく 2023/04/13(Thu) 3:55:19

【人】 杓谷 薫

 
「私ね。戸籍は男性なんですよ。
 でもこの身体、手術したわけでも治療した訳でもなくて
 私には両方、あるんです。
 
 …珍しいでしょ?」
 
 
彼女の手を引き、胸に押し当てる。
自然な柔らかさ。
するりと手を解いて、自分の股座に手を触れる。
どちらも意識させるように。
 
 
「今まで、私を女だと思って、
 こっちがあると知ると萎えるとか、
 さあっと引いてしまう人、多かったです。
 手術を受けてどちらかの形に整えれば
 もう少し生きやすくはなるかもしれないけど
 でも、…これがありのままの私だから。」
 
 
目を開く。少し困り顔をして。
見つめた先の彼女の顔はどんな顔をしていただろう。
どんな顔をしていても、私は目を逸らさずに。
 
(63) もくもく 2023/04/13(Thu) 3:55:37
 




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