［　小さく呟いた声が君に届いたかは分からない。
　　でも、やっぱりバレちゃうよね。
　　大丈夫からは程遠いのが今の私。

　　何より……
　　君は、太陽の悲鳴を知っているから。　］

　　

　　

　　

［　君の言葉に動揺して。
　　思わず、君の方を見てしまう。

　　そうしたら……
　　私が、本当はずっと欲しかった言葉が。
　　君から、聞きたかった言葉が聞こえて。　］


　　　


［　止まっていた涙が、また溢れた。
　　でも今度はさっきの涙とは違う。



　　



　

　　

［　自分の中にボクが二人いるような感覚がして
　　ボクは病室を後にしたらその感覚の正体を
　　突き止めようとしていたけれど。

　　不意に抱きつかれてしまうと
　　ボクはほのかに顔を赤く染めてしまって。>>3］


　　えっ、えっと…
　　さすがに恥ずかしい、


［　冷静でいられないから少しだけ離れてと
　　そう伝えたら聞き入れてくれるだろうか？

　　ボクは彼女の提案にいいことを思いついた。］

　　　　　　なら、頼みが、あるんだ。

　　　　　ハツナさんが思い出深いって
　　　　　思う場所に行ってみたい。

　　　　　そうしたら何か、思い出すきっかけを
　　　　　もらえるかもしれないから。

［　君が何をしようとしてたのか、
　　私は知らないまま、君のことを引き止めた。

　　君と一緒にいたいから。
　　わがままだよね、知ってる。

　　　　　　　　　　　

　　

　　

　　　
　

　　

［　頼みがある、と言われて
　　どんな頼みだろう、って首をかしげて
　　君の言葉を黙って促したら
　　君に話しかけたあの日と似た言葉が返ってきて
　　笑みがこぼれてしまうんだよ。

　　私は意図的にあの日の言葉をなぞったけど
　　君は意図せずになぞっているんだと思うと
　　嬉しくなっちゃうから。　］

　

　　　思い出深い場所、かぁ……。

　　　
［　口元に手を当てて
　　うーん、と悩む。>>-8
　　君と過ごした時間はどれも思い出深い。
　　でも、その中で特に、
　　鮮やかな記憶がよみがえるのは……。