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【秘】 花で語るは ソニー → 害のない毒 マキアート「優しいからカフェのことは好きだよ」 本心ではない軽口も、相手がそれを気軽なものだと理解してくれるからこそ言える。 相場として問題ない程度の金は支払っているといったって、この時間は自分のために使わされる。 ひょっとしたら同じだけの時間で想定以上の稼ぎを得られるのかもしれないのだから、 我侭を聞いてもらっている分は相応に報いなくてはならない。 衣服越しの陽物を擦られれば、布越しの刺激にじんわりと集中が向く。 意識を向け、与えられるものに集中する。ァ、と吐息混じりの声を漏らした。 尻肉の圧に押し潰された足の付根の間へ押し付けられるように、 血の集まり始めた肉が詰まって、巡る欲の温度を伝える。 「いいよ、不用意に"手"は出さない。ぜんぶカフェに任せる。 いつものお礼だと思ってさ、オレのことめちゃくちゃにしてよ」 両腕は後ろ手に、己の手首を掴まえるように固められる。いつまで耐えられるだろうな。 そうは言ったけど、まったく大人しくしているとも言った覚えはない。 背の高い背中を見上げる視線は、膝の高さも相まって平行には通わない。 ほんのりとある恨めしさと肌の暖かさへの嬉しさを込めた目は、ぱちぱちと瞬きをして。 際から見える肌を啄むように口付け、唇でインナーを引っ張る。 密着した股に押し付けられ、相手の動きに合わせて身動ぐ尻の刺激に耐えかねるように、 時折目を閉じてふうと息を吐いた。 焦らされる仔犬がもっと、とねだるように上体を背中に押し付けて、 もっと多くの刺激を欲しがるように前髪を首筋に擦り付けて、喉の上側で切なく鳴いた。 (-32) redhaguki 2022/08/12(Fri) 15:59:15 |
【人】 花で語るは ソニー>>1:81 ヴィオレッタ 「そう? 嬉しいな。オレは結構自分の仕事に誇りを持ってるつもりだから。 誰かから見た時にそう見えているのは、うれしい」 部下というには年も近く、位に厳密なそれ以上の違いが大きくあるわけではない。 目下、というのがやっと正しさを帯びるだろうくらいの相手に、ぱっと笑いかける。 他人から見て尊敬できる人間であるというのは、世辞でも嬉しい。 そんなこんなと会話しているうちに、グラスの中身はあと二口、三口。 それをぐぅっと飲み干すと、自分のぶんの支払いに相手の一杯ぶんくらいの色を付けて、 カウンターの奥側へと軽めに投げ出した。そんなに大した金額でもない。 問答が始まってしまう前に、ガタガタと椅子から下りて少ない荷物を背負う。 「けれどそろそろ、オレもヴィオレッタのことを独占してちゃ大変だ。 バー中のひとたちから非難の目を受けてボコボコにされちまう。 今度会う時は賭場でね。オレも給料握りしめて会いに行くから!」 さながら傍から見たなら、高嶺の花と不相応なファンといった佇まいで締める。 帰りがてらの短い道で何度も何度も手を振りながら、店の出口を潜る。 本当に顔を合わすのは、賭博場ではなくアジトになったけれど、それは今はわからない話。 (5) redhaguki 2022/08/12(Fri) 17:19:06 |
【秘】 花で語るは ソニー → デッドヘッド ヴェネリオ今までにこうしたことはあったのかどうか。 ひょっとしたらこれまでの二十年近くを我慢していられたから、 こうして簡単に貴方の懐に踏み込めたのかもしれないし、 或いは幾度となくこうして、腕の中に滑り込んでいたのかもしれないし。 どちらにしたって、返答があれば何ともまっすぐに過ぎる喜びに目元を緩ませた。 貴方がどう扱ったとしても、さほど気のない一手で簡単にこういう表情が引き出されてしまう。 それが慈愛にせよ謀略にせよ、貴方にとっては簡単に突き崩せてしまうように、見える。 「嬉しい。……ありがとうね。 オレ、車回してくるから! あとでお店教えて、すぐにそこまで迎えに行く!」 ぱっと離れて配達車のほうへ駆けていく。 約束をしたそれが守られる筈のものであり、そのまますっぽかされるとは思いもしない。 ――どこまで見たままの無垢と信頼であるかを考察するのは自由。 結局は敵対するファミリーの人間なのだと、いつでも手を離す権利が貴方にはあるのだ。 「……オレ、聞いちゃったからね。今晩は付き合ってくれるって」 得意げにちょっと笑って、運転席へ身を滑らせる。間もなく車は発進するだろう。 その後、連絡を入れてきちんと待ち合わせに応じるにしても、 このまま何も言わずに別れてしまうのも。 決定権は、貴方の手の内に。 (-41) redhaguki 2022/08/12(Fri) 17:47:45 |
【神】 花で語るは ソニー【アルバアジト】 「スナイパーライフルのようなもの、ね」 巡り巡った些末な継ぎ接ぎは、その内に確かな情報源を得て。 信頼性のあるものと成ってからようやく、アジトの中へと持ち込まれた。 人気のない路地。場所がわかったなら、入射角度や何からポジションは割り出せる。 が、普通はイベントのような目立つ場所や、常駐している場所を狙うものだ。 相手が特定の個人である以上、本来であればそれに追従するように配置するのが正しい。 「誘い込んで手引きした人間がいるのか、武装が誤認させるに相応しいものだったか。 やたらに疑うのもな。可能性だけは残して、前者と見て動くべきだろう。 弾道だけを偽装したって、傷口周辺の熱や破砕された片まで再現することはできない。 頭は丸みがある。それに案外撃ち抜いても死亡に至らない……時間が間に合えばね。 "生きている"という事実上の報告だけして、植物状態のボスを玉座に座らせたまま、 組織の機能が解体されるまでの時間を引き伸ばされる事態を防ぐためなんだろう。 確実に死んでもらわないといけなかった、と見える」 つまるところ、おおよそそれそのものとしていい情報、その筈だ。 現場や遺体を見た、直属だろう人間の見立てがよほど下手を打っていなければ、だが。 その場に集まった人間はどれくらい居たものか。昨日の限りじゃ、そう多くもない。 それでも熱心に顔を突き合わせに来た人間には、軽口程度に話はしておくだろう。 「可能な限り簡単に他人に連絡する用意だけはしとくべきだな。 上層部一人ひとりにアップルウォッチでも着けさせる?」 (G7) redhaguki 2022/08/12(Fri) 18:15:44 |
【秘】 花で語るは ソニー → 風任せ マウロ【街中】 それは貴方が祭りの風景を横目に歩いていたときか、 それとも喧騒を避けてひとつ逸れた道を歩いていたときか。 どちらにせよ全く外の街路を歩かない、なんてことはないだろうから、 只々貴方にとっては運の悪いタイミングだった、というだけの話。 騒ぎ言葉を交わし合う人々の戯れの中からひとつあぶれて飛び出してきたものが、 瓶ビールを両手に持って、ひょいと貴方の前を横切りかけた。 それに対して警戒を向けるも、考えに耽りそれどころではないも、貴方の状況次第だろう。 けれど、 「おっとごめんよ! お兄さんも楽しんでる? そんなに渋い顔してないでさ、楽しもうよ! もうすぐレースが始まるって!」 明るく声を掛け、飛び出してきたそのままの勢いで絡む顔は陽気に笑っている。 男がアルバの傘下にあると知っているものはそうそういない。 その上で、貴方が目敏く耳聡いならばその情報が入っているかもしれない。 とにかく言えるのは、この場では両手さえも塞がっている男は、 ただ貴方を遊びに誘いたがっている、そう見えなくもない、それだけ。 (-50) redhaguki 2022/08/12(Fri) 20:34:28 |
【秘】 花で語るは ソニー → 鳥葬 コルヴォ【港の埠頭】 「お兄さんも、釣り? って感じじゃあないか」 果たして貴方に話しかける声があったのは、誰某れと言葉をかわした後か。 どちらにせよ日の傾き始めた港はすっかり漁師以外は上がり、人の影は見込めまい。 とはいえ声までは届かずとも大きな動きがあれば目に留まる。 それくらいの人目、人の在り具合だ。 「オレのほうは仕事帰り! 漁師のおっさんから聞いたんだけどさ、このくらいの時間って朝と同じくらい釣れるらしいよ。 回遊魚が集会してくる時間がちょうど朝と、夕のこれくらいなんだって。 この時間荷運び手伝うと、ちょっといいやつ食わせてくれんの」 へへ、と笑う顔を向ける男が裏社会を歩く人間であることは、 その中でも余程に目鼻の利く者しか知らない話。相手がそのどちらかは、知らないが。 おそらくは少し場違いに見える姿が気になって話しかけたのだろう、 そういうふうにも見える。実情はどうだろうな。 (-55) redhaguki 2022/08/12(Fri) 21:32:15 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 花で語るは ソニー「死んじまった奴を悼んでたのさ」 徐々に鷗達の鳴く声も過ぎつつある港の埠頭。 返る言葉は、あなたと対照的に陰のあるもの。 夏らしくラフな格好であるとはいえど、 喪服じみた上下黒の装いには、随分妥当なように見えるだろう。 「この時期は、どうにも水難で行っちまう奴が多いでしょう。 釣りが趣味の知り合いは居るが、 俺はどうにも海で息抜きって気にはなれないな。とはいえ」 「辛気臭い面があって悪い事をしましたね、あんたには」 自分はそうでないだけで、人のそれを否定するつもりは無い。 はきはきと言葉を連ね、人懐こく笑顔を向けるあなたの方へ 徐に振り向いて、あまり重みのない詫びをひとつ述べた。 あなたの方が歳は上であるという事は、知る由も無い事だ。 そして、その笑顔が真であっても、偽であっても。 あなたが誰であろうと、今はどうでも良い事だ。 ここで海の死者を悼むというのは、もっともらしく思えるだろう。 何処ぞのボスの死を悼んでいるというよりは、よっぽど。 言葉に嘘の気配は無い。事実嘘は言っていない。 陰のある男は、少々変わり者のように見えるだろうけれど。 全てを疑ってかかっていてはきりがないだろう。誰だって。 あなたが詮索をしないなら、こちらにも詮索する理由は無い。 これはきっと、たったそれだけの話だろう。 (-61) unforg00 2022/08/12(Fri) 22:21:40 |
【人】 花で語るは ソニー>>11 ビアンカ ひょい、とベンチの後ろから相手の視界に影が映った。 やたらに脅かすことのないように、声をかける前から存在を知らせる。 気遣いののちに、影は瓶を持った手を軽く持ち上げた、そういう動作も見えるように。 「や! お姉さん、飲んでる? せっかくのお祭りだし楽しまなくちゃ。 オレもせっかくだからお姉さんの笑顔がみたいなあ、なんて」 ベンチの背面を乗り越えて、ひょいと横に身を乗り出す。 相手がちょっと視線を左にやったなら、こちらの顔が見えるように。 ひらひら、と手を振ってみたりなんかもして気軽に、との合図をする。 (21) redhaguki 2022/08/12(Fri) 22:30:41 |
【秘】 花で語るは ソニー → 鳥葬 コルヴォ「ああ……? それは、ご愁傷さま。気の毒なことだね」 虚を突かれたように目を瞬かせるも、見ず知らずの人間の死には哀悼を示そう。 今はまだ、相手が何者だか知らないつもり。もしくは本当にまだ知らないか。 それは相手が裏社会でどういう人間であるかに委ねられてしまうのだろう。 名さえ聞いたなら噂は聞いたことはあれど、個を持たない彼のことまでは知らないかもしれない。 かりそめの事情を聞いたなら、見上げる視線には同情めいたものが乗る。 実際にどれだけ情が乗っていようが、他人のそれは他人のそれ。 肩口ほどから見上げる表情は幼さもあり、時折見せる表情はハイティーンのようですらある。 この場で年上ぶろうってつもりもないらしいので、認識は年下に向けるそれで十分だろう。 「いいよ、憂いてる人の顔は切なくて好きだ。 けれどそうだな、オレもお兄さんの笑っている顔は見たいし、 見送られる人だって、最後にきれいなものが見たいんじゃない?」 口説き文句混じりの励ましがどれだけ受け止められるものやら。 なんの目的で声を掛けてきたのか、軽口を軽薄な笑顔が飾る。 気楽に振る舞うように足元にしゃがんで空を見上げ、 膝くらいの高さから相手に向かって話しかける。に、と満面の笑顔つき。 篭絡しにでも来たんだろうか。 (-63) redhaguki 2022/08/12(Fri) 22:56:08 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 花で語るは ソニー「どうも。あいつらも少しは浮かばれる事でしょう」 他人の死に態々哀悼や同情を表す様子には、お優しい事だと笑う。 あどけない律儀さに嫌悪は無く、けれど少しの呆れはあって。 その態度が形ばかりの可能性があるなんてのは、互いに同じ事で。 随分前の事だったのか、声色もどこかあっけらかんとしたものだ。 単純に既に割り切っている事であって、やはり嘘の色は無い。 掃除屋コルヴォ・ロッソは、弔われない死体を始末するものだ。 故に花屋に知り合いもありはしない。 敵であろうと生者に関心は無く、 つまりはあなたの裏の顔など知る由も無い事だ。 そしてあなたも、この男が人知れず行う仕事を知らない。 たとえ建前であっても、その均衡を保ち続ける限りは。 今この場で事を構えたいわけではないのは、きっと互いに同じ事。 そうであるなら、話す内容は何処までも他愛無い雑談でしかない。 (-74) unforg00 2022/08/13(Sat) 0:16:44 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 花で語るは ソニー「そりゃいいね。俺としても、 陰気臭いだの文句を言われるよりはそれがいい。 とはいえ、死んだ奴にくれてやるのは──」 一度言葉を切って、足元にしゃがむ青年を見遣る。 見下ろす笑みは変わらず陰気なものだけれど、 これはあなたの望みに適っただろうか。きっとそんな事は無い。 何せ誰の為でもないのだから。 軽口を、励ましを、間に受けてはいない。 ただ調子を合わせて、その場限りの他愛無い話をするだけ。 事実ここまでの言葉は実に心にも無い事だけど。 きっとあなたは気にしないだろう。気にするなら、少し意外だ。 「墓石と、手向けの花だけで十分だ。それと」 「パスカル。その呼び方は、どうにもこそばゆくて仕方ない。 随分口の上手いあんたの名前も、良けりゃお聞きしたいもんだ」 当然偽名だ。名もなき掃除屋には、本名なんてものは無い。 掃除屋のコルヴォ・ロッソではない、ただの一般人としての名だ。 あなたがこの男をただのパスカルとして扱う限り、 この日以降も、その場限りの実に他愛無い話は続く事だろう。 (-75) unforg00 2022/08/13(Sat) 0:17:20 |
【秘】 風任せ マウロ → 花で語るは ソニー【街中】 であれば、この青年は丁度愛車を降りたところ。 いつものように世話になっているバーへ向かっているところだったのだろう。 吸ってこそいないものの、煙草の匂いを纏わせて道を歩いていた。 何かが目の前を横切ろうとしたのが視界の端に映ったのなら、たたらを踏んで ぶつかるのを避けたことだろう。 それから、君の持つビール瓶を見てその選択が正解だったことを悟った。 そして、眉間に皺を寄せた。まさに君が言った通りの渋い顔。 「ああ…? レースなんか興味ねえよ、もっと祭りに乗り気な奴いるだろ」 例えば、古馴染みのナンパ男だとか。 言ったところで相手の知っている人間ではないだろうから、口には出さないのだが。 そして、青年自身も情報には疎い。 君のことは今ここでたまたま出会った者同士だ。 一緒にいても楽しませられるような人間でないことは見ての通りだ。 青年はそのまま断ってバーに行こうと、君を迂回してバーへ向かおうとするのだろうが。 声を掛ければまだ引き留める事は出来そうだ。 幸い、君の手には彼の求めているアルコールもある。 (-78) otomizu 2022/08/13(Sat) 0:53:22 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 花で語るは ソニー「やれやれ……一体誰がこんな風に育てたんだか」 我慢させていた分、甘やかしてやりたいの感情は確かにあった。 如何せんこの時勢だ、裏切りが許されない世界に身を置いている時点でこの縛られた振る舞い方をわかっていたのに。 どうしてここまで迷わなくちゃならないんだ。 ここで約束を破り捨て何も瑕は残らない。 鈍い思い出として花弁に乗せれば風に吹き飛ばしてしまえばそれでいい。 「お人好しな野郎だぜ」 この手でその首を手折る自分を幻視した。 ナイフで刺した返り血が手にこびり付いていた。 煙のにおいに混ざって鉄さびが鼻についていた。 死神が笑って手招きをしているのを。 容易に想像ができてしまった。 『今夜は行けなくなった』 Kalanchoe、Daisy、Lisianthus、Stargazer、Iris、…… -Ti auguro tanta felicità.- 待ち合わせを約束した店には、差出人の無い季節の花束が一つ置き去りにされていた。その日は一日中ヴェネリオが現れることはなく、貴方は待ちぼうけを食らってしまったかも知れない。 もし不運なことが起きて再び出遭ってしまうことがあれば、そのときは――。 無神経な連絡を届けたその端末は、電源が落とされ暫くの間繋がることはなかっただろう。 (-93) toumi_ 2022/08/13(Sat) 5:58:08 |
【秘】 花で語るは ソニー → 銀の弾丸 リカルド男が相手の姿を見つけたのはまだ興奮冷めやらない表通りの只中、 あるいはタイミングによってはバーで誰かと話したあとのことだったかもしれない。 どちらにせよ宵の口の、昼間の太陽を人工の明かりが肩代わりし始めた頃。 遠景の暗さは仕方ないにしても、手元の明るさにはそう変化はない。 人混みは点在し、行き交う人々もそれなりに。 そうっと近づくことは出来ても、無計画で散発的には不用意なことは出来まい。 あれだけ漂っていた煙草の匂いは今じゃそう深くはない。 立場上、いつも特徴的な匂いをさせているわけではないのだろう。 男の呑んでいる煙草自体も、シガリロとしては珍しい品物ではない。 少なくとも不自然に気配を消しもせず、控えめな足音があり。 人が近づいてきていることは、感知出来るくらいのものではあったんじゃないか。 「お兄さん! ああよかった、いつも栄養剤取り寄せてくれるお兄さんだよね、植物の。 こんなところにいることもあるんだ、お兄さんも祭りを楽しみに? ダメだよそんな堅苦しい格好しちゃあ、ね、今時間あるの?」 ぶつかるみたいに話しかけてきた顔は、"花屋のソニー"のほう。 見上げる表情は、取引の場とは別人のような人懐っこい微笑み。 顔はほんのり赤らんで、呼気には酒気も混じっている。 相手を見つけるや否や声をかけると、ぱ、と手を広げて喧騒の方へと誘い込んだ。 (-96) redhaguki 2022/08/13(Sat) 8:51:17 |
【秘】 花で語るは ソニー → 鳥葬 コルヴォ喩い上っ面ばかりの言葉であったとして、それさえ繕わない言葉を吐く必要もない。 男は組織で得た役割上、他者に融和して協調性を示し、良き隣人として振る舞うに長けていた。 他人と社会に望まれる態度を振る舞うことの出来ない人間に裏稼業なんてのは出来ない。 人間誰しも己の思考は外に出す時に糊塗するもの。その裏を探り、突く方が野暮だ。 街の潮風に簡単にかき消される程度の、生花のみずみずしさを伴った香り。 身振り手振りの多い話しぶりのたびに、季節を思わせる蜜の匂いが柔らかく風に乗った。 蹴り転がされても海に落ちないくらいの位置では在りつつ、海面を見下ろして眺むる姿は、 素性はどうあれ男が普段何と戯れているかを思わせるには、十分だった。 見上げた先の表情に曲がりなりにも変化があったなら、 男はそれが形ばかりのものであるにも関わらず、満足そうに笑って返した。 こちらは目を細めいっぱいに口を引き伸ばし、文字通りの満面の笑みだ。 「それなら、多少はご用向も聞けるかもね。オレは表の通りで花屋をやってるんだ。 ああもちろんオレの店じゃないよ、従業員ってこと。 ソニーだよ。ソニー・アモリーノ。名前教えてくれて嬉しいな。お近づきになりたかったから。 賑やかな時でも厳かな時でも、いつでもウチの店にご用命ください!」 相手の素性は明確に知っているわけではない。 影のある振る舞いから、市井や祭りに足を運ぶような人間ではなさそうだとはわかるかもしれないが。 それでも、構わない。今出会った、今目の前にあるものを踊りに誘うように。 立ち上がり、握手を求める手はやっぱり、生花の濡れた匂いがする。 (-107) redhaguki 2022/08/13(Sat) 14:30:00 |
【秘】 花で語るは ソニー → 風任せ マウロ少し眠たそうな垂れ目は相手の顔を見て、二、三秒。 まるでさも、相手の面相に目を瞠ったみたいにいっそうに愛想をよくする。 それこそ改めて見初めたみたいに、ニコニコと笑いながら言葉を続ける。 「そう? 結構面白いと思うけどな。ルール無用の競馬レースだって。 十頭が一度に並んで、騎手への妨害もアリの一斉競争、 前回は騎手が落馬したまま一位を勝ち取ったチームがあったらしいよ」 実際の年の頃自体は相手とそう大きく変わるわけではないが、表情の幼さは一層男を若く見せた。 光の当たり具合によってはハイティーンと見込んでしまうくらいには、あどけない。 悪く言えばつまるところ、落ち着いたところが少しもないように見えるということだが。 さっさと先を急ぐ相手を追うように、背の低い男は後に追い縋る。脚の長さの違いを埋めるのは大変だ。 「ちょうど誘ってた相手にフラれてすっぽかされたところでさ。 お兄さんさえ良ければ付き合ってほしいんだけど、どう、ダメ? ノッてくれるんだったら今晩呑んだぶんは全部奢っちゃってもいいけどな〜」 ダメでもともと、あれこれとオトクな情報を絡めて隣に並ぼうとする。 撒こうとすれば撒けてしまえそうにも思えるが、あともうちょっとだけは食い下がりたいようだ。 (-108) redhaguki 2022/08/13(Sat) 14:53:53 |
【秘】 花で語るは ソニー → デッドヘッド ヴェネリオ――……結局その日の夜に店の前を訪れた男は、 花束を握りしめ、店の扉を何人もが出入りをして、 店の明かりが消え、店員が片付けも済ませて、 追い払われて尚、扉の横に座り続けて、街の明かりが一つずつ消える。 日が暮れても尾を引いていた祭りの気配が、月の落ちるごとに薄くなって、 朝日が地平線の底に見え始め、空がうっすらと白んでくるまで。 ずっと、ずっと。誰かを待っていた。 街の半分を敷く顔役、彼が舞台から降ろされてしまって、 今や誰に次の銃口が向くかもわからなくなった、ある日のことだった。 (-110) redhaguki 2022/08/13(Sat) 15:51:41 |
【秘】 花で語るは ソニー → デッドヘッド ヴェネリオ/* 強い筋肉の描き方です。 一応ご確認したいのですが、今後別日にてヴェネリオさんに会いに行くこと自体は、 キャラクターおよびプレイヤーとして問題のないものでしょうか? 何かしらの懸念であったりご都合よろしくないようであれば、 こちらあまりしつこく話しかけるのは控えようかと考えております! あまり無理せず、正直ベースでご回答いただければ幸いです……! (-111) redhaguki 2022/08/13(Sat) 15:53:47 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 花で語るは ソニーそれは、バーを出て歩いていた時だっただろう。 不意に後ろから近づいてくる気配を感じて振り返った。 殺意などは何もなく、特別な気配みたいなものもなかったから誰かと思ったが、顔が見えればそれがすぐに誰かなんていうのはわかるもので。 ――これは、花屋の方か。 花屋の貴方が気さくな少年のような男であることは調べてわかっているが、実際に見るとまた趣が違う。 普段の、マフィアとしての顔しか実際には見たことがなかったから、違和感がすごいのだ。 「な……っ、あぁ。君は、花屋の…… このあたりに来たのは初めてなんだが……思った以上に賑わっていて驚いた」 とっさのことではあるが、若干の苦笑いで応対し、貴方の出方をじっくりと見ている。 何せここには第三者の人間は周りに大勢いるとはいえ、部下を連れ歩いていないのだから。 「時間は……まぁ、なくもないが……?」 吉と出るか凶と出るか。 それでもきっと、こうして互いに顔を合わせに来たということは何かあるのだ。 そんな風に察すれば、行くしかない。 ふぅ、と一つ息を吐いて、それから困ったなと苦笑いのまま、あなたの後を着いていくだろう。 (-116) eve_1224 2022/08/13(Sat) 17:22:16 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 花で語るは ソニー/* 連絡ありがとうございます! 別日に会いに来るのロールはキャラクター、PL共に問題ありません。 また役職は確定した死を取り扱うものでもなく、これから行う不穏は全てRPの要素になります。 この先、流れにもよりますが幹部として武器を向けるロールをする可能性があります。 PLは死亡または負傷目的ではありませんが、キャラクターは害意を持つRPを致します。確定の回避ロール及び対処は幾らでも可能ですので何か不都合がありましたら避けるか、連絡をしてくださると幸いです。 (-119) toumi_ 2022/08/13(Sat) 17:35:11 |
【秘】 花で語るは ソニー → 銀の弾丸 リカルド振り返った際に垣間見えた動揺を見てとれば、少しだけ可笑しそうにした気配もあった。 けれどそれだって不自然なものじゃない、取り繕うさまを至って自然に見て取った感想。 まるで市井の人間と同じ目線に立ったことがないかのようだ。 「初めて地上に下りてきた? 下界を案内しましょうか、御使様。 なんてね、普段だったらもう……小指の先ぶんくらいは穏やかだよ。 今は祭りだから安全な範囲が広がってる、ようにみえるんじゃないかな」 やや末尾に含みをもたせるのは、自分たちにとってはそうではないことをお互いわかっているから。 件の下手人についてお互いどれだけ掴んでいるかはまだわからないつもりでも、 "彼"の逝去が自分たちのみならず、民間をどれだけ危険に晒すものかも理解しているからだろう。 本当は安全な場所なんてない、いつもよりも、ずっと。 「だったらさ、オレがちょっと見繕ってあげようか。 人の波にしっかり紛れられる服装、知っておきたいんじゃない? もう祭りの様子は見に来ないってなら関係ないかもしれないけどさ」 発した物言いそのものは、突拍子なく感じたかもしれない。 男の方だって相手が今まであちこちで言われた言葉を聞いたわけではなく、 ただただ今見た所感だけの話だったはずだ。或いはどこか遠くから姿だけ見かけたのかもしれないけれど。 とにかく言葉巧みに言いくるめて、貴方が普段入るよりかは品格もずいぶん違う紳士服の店に入る。 もう閉まりかけの店は多少顔なじみなのか、ちょっと小言を言う以上には止めはしなかった。 「急にラフな格好しろって言われたって無理でしょ。 でも人目に一番つく上だけでもカジュアルに替えたら、ずいぶん印象変わると思うよ。 そのジャケットを羽織ってもいいような色だと、白とか浅めの色のポロシャツとかどう?」 (-132) redhaguki 2022/08/13(Sat) 19:04:00 |
【秘】 花で語るは ソニー → デッドヘッド ヴェネリオ/* 了解しました! ご説明いただいた事項について、こちらは一切問題ありません。 こちら割と押せ押せで運ばせていただいていたので、 一度確認したほうがいいかな……と思いご連絡したものとなります。 お時間・お手間いただきましたが、改めてよろしくお願いいたします。 (-133) redhaguki 2022/08/13(Sat) 19:06:56 |
【秘】 花で語るは ソニー → 情報屋 ロッシ街行く人間、人混みですれ違うものの歩容。 ひとつひとつの中から、誰に目をつけるべきかを選別する。 されど相手がどんな人間であるのか、疑いだけで引き金を引くことは出来ない。 だから、狙いを定めるのはまずその人間がどういうことをする立場にあるのか、 己でも情報として確実に握れている相手だ。 本当は、探すべきはソレではないのを知っている。 自分が追いかけるべきは、仇か或いはそれを討った第三者であるのに。 何に対して解消されないわだかまりをぶつけるべきなのか、わからないでいる。 覚えた顔、覚えた声。歩む背中を追うように、彼の姿を追っていく。 /* お疲れ様です。樹木子です。 セットしている役職行動についての連絡に参りました。 2日目夜の監視対象に、『マウロ』をセットしております。 不都合等々ありましたらご連絡ください。 お手数ですが、よろしくお願いいたします。 (-135) redhaguki 2022/08/13(Sat) 19:31:00 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 花で語るは ソニー愛想のない男は、人様の為の言葉を持たない。 けれど、決して自分や所属の不利益になるような事はしない。 それさえ同じ相手となら、関係は少なくとも悪化する事は無い。 ぱたぱたと忙しなく動く手振りや表情を随分と下に見遣って、 花の綻ぶような笑顔にはやはり何処か荒んだ笑みを返した。 親切に視線を合わせる為に腰を折りこそしないが、 あなたが不用意な事さえしなければ、海に蹴り落とす事は無い。 陰気な男からは、今は不吉さを感じさせるような臭いはしない。 柔らかな生花と対照的な、何処か退廃的な煙草の臭いだけだ。 「ソニー・アモリーノ。良い名前ですね、花屋のソニー。」 「俺は死んだ奴を悼みはするが、花には疎くてね。 選ぶ時はいつも店員に任せきりだ。 あんたが今みたいに親切に対応してくれるんなら、 そのうち顔を出す事にしますよ。」 ただの花屋として握手を求めるなら、 それに応えないのは、それこそ無用な波風を立てるというもの。 けれど無闇矢鱈と勘繰るような事をしないだけであって、 その実まるきり信用し切る事もできはしないという事は 恐らくはきっと、お互い様というものだろう。 何処まで本気かわからない言葉を返し、こちらも手を差し出す。 黒くそれなりに厚みのある手袋に覆われた手は、 互いに害を及ぼさない距離を保った今の関係を表すようだった。 (-137) unforg00 2022/08/13(Sat) 20:23:21 |
【秘】 蜉蝣 アベラルド → 花で語るは ソニー貴方の勤める花屋の店先。 今日も変わらず、いつも通りの時間に来た男はショーウィンドウに並ぶ花々を眺めていた。 飽きもせずにこうやって足を運んで決まって一輪だけ買っていくなんて客、店員に顔を覚えられているに違いない。 勿論貴方はこの男を知っているだろうが、貴方が同じファミリーの人間でなかったとしても、きっとそうだ。 今この店内にあなたの姿はあるだろうか。 どうあれ、アベラルドは店員に──店員の姿は見えていないので、おそらく店員がいる方へ向けて──「すみません」、と声を掛ける。 目当ての花を見つけたようで、それを一輪、取ってもらおうと。 (-144) susuya 2022/08/13(Sat) 21:02:30 |
【秘】 情報屋 ロッシ → 花で語るは ソニー/* 御機嫌よう、運営です! え? これ独り言ソロールとかに埋まっていていいやつじゃん。 秘話開いてびっくりしちゃったテンション上がる〜〜〜〜↑↑↑ 合理性だけで動けないよな人間。いとしいね…! 中身が出ていますがそれはさておきまして。 はいな確認しました、セット先問題ありません。 このまま日付変更をお待ちください〜Ciao! (-146) 66111 2022/08/13(Sat) 21:13:31 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 花で語るは ソニー「俺を天使扱いしないでくれないか……」 板につきすぎている眉間のシワを深くしながら、大きなため息を吐いた。 マフィアの男をそのように形容する者なぞ他に居ないぞと思いながらも、それを口にすることはない。 「安全など……普段からあってないようなものだろう。 この国に……悪い人間が居る限りは、な」 それが自分たち自身の事であるなんて、言わずともわかるだろう。 しかしマキアートといい、この男といい。 どうしてこんな街中で、俺に話しかけてくる度胸があるのか、自分には全く理解ができない。 アルバの人間は全員頭に花が咲いているのか、それともなにか思惑があるのか。 この男に関しては後者であることを願いながら、あなたの提案にしぶしぶながらも頷く。 「確かにそれは今知りたい切実なことではあるがな。 …………。わかった……じゃあ、お前に見立ててもらうとしよう」 入ったことがないような一般的な紳士服の店に入り、あたりを見回した。 これはつい癖のようなもので、逃走経路の確認だったり、隠れている者がいないかだったり、そういう物をさっと確認しているだけのものだ。 見立ての服も、言われていることは確かにごもっともなことで。 急に街で遊んでいる若者のような格好をしろと言われても抵抗感しかなくて、「あぁ」と相づちをうって選ばれる服を代わる代わる見ていく。 「なるほど。ポロシャツであれば確かに少しはカジュアルに見えるか」 クールビズなんて言って着ている人も多いから、それくらいなら直ぐにでも着れそうだと頷いた。 (-168) eve_1224 2022/08/13(Sat) 23:13:54 |
【秘】 風任せ マウロ → 花で語るは ソニー「へえ」 本当に興味がなかったから。 そもそも聖母に感謝するような人生を歩んでいないものだから、この祭りに興味を持ったことがない。 周りが浮かれている日だと、その騒がしさに機嫌を悪くしたことこそ多かったのだけれど。 「そりゃあ」 「面白そうだ。ルール無用のレースなんざ、なかなか見れるようなもんじゃない。 酒の肴には持ってこいだろうな」 知らなかったから、君のその説明で少しばかり興味を持ったようで。 どうせ酒を飲むのであれば、レースを見ながらでも構いやしないだろう。 気を紛らわすにはちょうど良いに違いない。 つまるところ。 マウロは君の提案を利用しようというわけだ。 足を止めて、君の方を振り返る。険しかった表情は、少しばかり和らいでいた。 新しい煙草を懐から取り出して、火を点ける。そうしたのなら、君が手に持っているビール瓶の一つに手をのばすのだろう。 「その酒が無駄になるくらいなら付き合ってやる。 その代わり、誘ったからには退屈させてくれるなよ」 (-198) otomizu 2022/08/14(Sun) 1:32:32 |
【秘】 害のない毒 マキアート → 花で語るは ソニーストライプシャツを肘まで下ろし、器用に後ろ手で外して。 肩筋に触れる啄むような唇の感触がくすぐったく、 ただそれが急かされたと感じたのか流れるようにインナーもたくしあげて。 そうして剥き出しになるのは、一見は荒事に対応するために絞られた筋肉質な身体だが、やはり健康的な肉付きが男らしく筋張ったそれを彩っており。ただ、決して少なくない古傷や、色濃く染みついた斑点が決して平穏ではいられない暮らしを物語っていた。 「全く、調子がいいんだから…… 果たしてそれは“どっち”に対するお礼なんだ?」 器用に衣類をテーブルまで投げて、改めてくっついた人肌が愛おしく、互いの昂る情欲を満たしてあげるために一度腰を持ち上げる。着衣も殆どなくなり、身を包むのは力強く膨らんだ脹脛を押し付けるソックスと、秘所を隠すどころか主張させるばかりの下着のみ。 顔を向き合わせて、今度は股の間に尻を下ろすようにして座る。勃ちあがった自分のそれが下腹なりに擦れたら、貪りたくてもっと押し付けるみたいに。 「優しい相手にメチャクチャに、なんて頼むキミは、 存外意地悪なんだなと改めて思うよ」 とはいえ幾度となく好き放題してきた相手を今は自由にしてもいい、となれば、口では乗り気なわけじゃなそうなことを言いつつも、どうしても湧き立つものはあるもの。それが後を引かない感情ならば猶更。 背もたれに手を乗せ、出来の悪い駄犬のような、甘え上手な表情で見下ろして。 鼻先を近づけて顔を斜めにし、慈しむようなbacioを。 せっかくの熱が冷めてしまわぬように、そのままよく手入れされ滑らかな手の平をシャツとズボンの隙間に差し込み。今度はそちらの衣服に手をかけていこうとするだろう。 (-216) backador 2022/08/14(Sun) 9:06:08 |
【秘】 花で語るは ソニー → 鳥葬 コルヴォ「そう? 嬉しいな。これだけが両親からの贈り物でさ。 小さい時に預けられて以来孤児院育ちでね、あとはまあ花は今でも送られてるけれど。 ああ、別にアレコレ気持ちがあるわけじゃないから、気にしないで」 名前についてコメントがあったなら少し誇らしげにはする。 本人が言う通り、他人が想像するほどには己の出自を気にしているわけではないのだろう。 己の口にしたことについて、影のある振る舞いをするふうではない。 「コルヴォが相手だったなら、普段よりもおまけにサービスするかも。 コレ、店の場所。できればほかの花屋に浮気しないでほしいなあ、なんて。 ああでも、そんなに用のある仕事だとかなのかな。墓守とか?」 先の物言いだと個人的な用向きのためであるようにも聞こえなくもないが、 どうにもなんとなくそれでは収まらないような気がして、改めて尋ねる。 互いがどんな人物であるのか、知らないのだから仕方がない。 応じられた手を両手で掴むようにしてぎゅうと握って、軽く引く。 姿勢のわずかに崩れたところを狙うの自体は不自然な振る舞いであったとしても、 頬同士を寄せて挨拶とするのはこの国では珍しいことではない。 だから、頭の位置をずらして寄せようとする男の仕草は多少馴れ馴れしくとも変なものではない。 それを受け入れるだけの姿勢や好意というのは、触れ合うのを厭うような相手にはあるものかな。 (-231) redhaguki 2022/08/14(Sun) 12:00:14 |
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