──桜舞う季節

[>>2:14今年は暖かく
桜は卒業式の頃にしっかりと咲いていた。
しかし卒業式では、思い出したように少し肌寒い。

卒業式を迎えて
中高一貫だから結構顔ぶれは変わらないんだけど
やはり幾らかの友達は違う高校に進んでいく。
高校はまだしも、大学になると
もっと別れは増えていくんだろうなと思うと
今から寂しい気持ちが込み上げてくる]

　　ありがとう、蘭香さん。
　　今日は綺麗な桜色の服だね、ぴったり。

　　あぁ、それは。

[>>2:15写真を撮るときに彼女は
ちょっと距離を取ってる気がした。
気のせいと思わなくもないけど、気のせいじゃない気も。

だから俺は彼女の腕を取るようにして
しっかり距離を取って親に写真を撮ってもらった]

　　俺、蘭香さんのことが好き。
　　付き合ってください。

[そう隣にいる彼女にそのまま言葉にした。]*

［衝動買いした桜色のワンピース。
　どこに着るか全く考えたもいなかったから
　こうやって着る機会をもらえて嬉しい。
　そう、ただでさえ嬉しいのに陽介くんに
　似合ってるって言われたら、
　年甲斐もなくるんるんな気分になっちゃう。］


ふふふ、似合ってるって言ってくれてありがとう。
少しくらい周りの人と違う方が見つけやすいかなって。

［そんな話をしながら写真撮ろうと思ったら、
　え？私何聞いた？好きって言われた？
　付き合ってって言われた？？

　待って？

　誰が？陽介くんが……

　誰に？私に…………］


よ、陽介くん、ま、まって？！
…え、っと……………？？


［ダメだ。動揺してにっこり笑顔がぎこちない。
　写真を撮り終わってから、
　陽介くんに、今夜うちに来れるか聞いてみる。］


もし今日がダメなら…明日、お泊まりに来れる…？

［今日来てくれるならワンピース着たまま
　私のおうちで出迎えるし、
　今日以外なら綺麗めの服着て待ってる。
　ひとまわり違う、のよ？
　どういうこと………？？］

──おうちにて

［今日なり次の日なり、陽介くんを
　我が家に呼んで、ベッドに座って話の続きを。
　床に座るのは疲れちゃうし。

　流石に親御さんがいる前は、
　私が死んでしまいそうだったから。］


………あの、陽介くん…？
本当に、私のことが好き、なの？
お姉さん数年で30歳になる、よ？
……………周りの人に、内緒にできるの？


［付き合うって言ったって、
　凄く神経使うかもしれないのに、
　本当に、本当に大丈夫なのかな。

　陽介くんの両手を握って、視線を合わせて
　真面目に話をしようね。］*