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【独】 清掃員 カミクズ/* 生存者は軒並みムチャクチャのムチャになってるけど 墓下はスットコドッコイ鍋パ会場簡易メモなんだよな。 いらっしゃい…… (-1) unforg00 2022/03/04(Fri) 21:02:47 |
【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ/* こちらメロンパン入れとなっております。 諸々了解しました、問題ないです!そちらのペースで始めて頂ければ! 沢山お話できて嬉しいです…♡ (-22) unforg00 2022/03/05(Sat) 11:31:16 |
【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ二人きりの穏やかな時間、暫しの微睡みの後。 寝入る直前の記憶がどうにも朧げで、 何かおかしな事を口走っていなかったかとか、 言及されれば首元の痕に気付いて少々動揺する事になった、後。 手を引かれるまま、日暮れ後のVR内を二人歩く。 夜に、また。その約束はちゃんと覚えていた。 「……すごい、な。結構なんでもありなんだ… …うん?はい、大丈夫ですよ。 ええと、なんだっけ…あの、大きい水槽とかが怖いやつ… そういうのも、特になかった…かな。」 水族館の外観を見上げて、思わず一人そう零した後。 投げ掛けられた問いに視線を隣へ向けて、答えを返す。 視線の先を追って、それに気付いて、でも何も言わなかった。 なんともあやふやな言葉の指すところは、 所謂水槽恐怖症だとか、水族館恐怖症と呼ばれるもの。 手繰る記憶はもう随分遠いものに思うけど、 思い返す限り、水族館への苦手意識は無かった、ように思う。 (-37) unforg00 2022/03/05(Sat) 14:58:44 |
カミクズは、その日は裁判場へ向かわなかった。 (c5) unforg00 2022/03/05(Sat) 14:59:24 |
【墓】 清掃員 カミクズ>>+3 薬局 際限なく他者の心に寄り添う事が美徳とは言い難い。 他者の痛みを知りすぎれば、それはじわりと心を侵すもの。 たとえそれが直接の原因ではなくとも。 それもまた、この清掃員の物病みの一因なのだから。 人の痛みを理解しすぎる事は、時に毒だ。 限度を過ぎれば徐々に心が蝕まれ、身動きが取れなくなる。 毒を食らう自由さえない事を、幸福とも言えないけれど。 「……そうですね」 無彩な双眸に、淀みのない言葉に。 少し困ったように笑って、やっぱり独り言のように呟いた。 「でも」 「誰かがそこに居た事を、踏み躙られないように。 それが、その人の望まない形に歪められてしまわないように。 ちゃんと…綺麗にする必要もあるんですよね」 ここではきっと、必要ないのだろうけど、なんて。 ──続き、やりましょうか。話し合いに遅れないように。 掃除が終わったら、ちゃんと手を洗ってから戻りましょうね。 ……あ、そうだ。ユスさん、ご存知でしたか? 手を洗うのは、思ったより時間を掛けた方がよくて。 洗いながら『ハッピーバースデー』を二回歌うくらいがちょうどいいんです (+5) unforg00 2022/03/05(Sat) 15:45:20 |
【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ「 み、見れないじゃないですか…… …楽しかった思い出、ありましたよ。 あった、はずなんです。でも」 並ぶ水槽の中。 名前も知らない魚の、光る鱗を時折眺めながら。 思い出を零しながら、二人きりの静かな館内を歩く。 「それが楽しかったって事は、覚えてるのに。 楽しかったって気持ち、今は全然思い出せなくて。 起きた後に思い出す夢みたいに…景色も曖昧で。 漠然とただ、あの時は楽しかったなって思うだけ…」 あなたがまだ隣に居るなら、どこか縋るように手を握って。 「…思い出の中にはどれも、兄が居て。 だから楽しかったのが、余計に寂しいんです。 生まれた時からずっと一緒だったんです。 僕達は…双子だったから」 水槽の中をゆったりと泳ぐ軟骨魚をぼんやりと目で追った。 双子の兄を失った事。 この制度への激しい嫌悪感の始まり。 それは、二度と元には戻らない欠落で。 だから、誰かを代わりにしようと思った事はない。 (-48) unforg00 2022/03/05(Sat) 16:24:04 |
カミクズは、やっぱりバースデーソングは最後まで歌わなかった。 (c6) unforg00 2022/03/05(Sat) 16:57:19 |
【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ「一緒に、……そう、ですね…」 ああ、自分の願った事は、そうだったな、と思い出して。 「……上葛 掃司。僕の、一卵性の双子の兄で… 僕と一緒に生まれて、生きてきて、でも、 今は僕よりずっと歳下になってしまった人。 ずっと18歳のままの、優しくて、いつも前を向いていた人」 水面を通した淡い明るさの中、静かに口を開いた。 「必ず帰って来ると約束したのに」 「だから僕、言われた通り、笑顔で待ってたのに」 「待ってたのに」 涙こそ出ないけれど、泣き疲れたような声だった。 気付けば無意識の内に俯いていて、 視線は握った手をただじっと見ていた。 手を引かれていないと足を止めてしまいそうだ。 「この場所から、二度と帰っては来なかったんです」 ずっと手を引いてくれていたのに。 これからも、それが続くと期待していたのに。 あの日一度放した手は、二度と触れ合う事はなくて。 置いていかれてしまった。最初で最後の、裏切り、だった。 (-73) unforg00 2022/03/05(Sat) 20:47:18 |
【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ「……一卵性の双子でも、代わりに行く事はできないなんて なんだかおかしな話ですよね…」 どれだけ遺伝子的に近しくとも、 どれだけ健康体であったとしても。 選ばれた人間の代理を務める事は認められない。 あの時は、それが随分理不尽に感じたものだった。 「…上から…テレビで見た事だけ、あります。 実際に見た事は…無かったんですけど」 ふと掛けられた声に、顔を上げて。 大きな水槽を見上げれば、ほんの少し息を呑んだ。 どこまでも深く青く、思わず心奪われるような、雄大な光景。 兄が楽しげに手を引いて行く先は、いつも。 賑やかな、イルカやシャチのショーだったから。 思い出の中ではそれも楽しかったのだけれど、 こんなに静かに見て回るのは、初めてかもしれなくて。 それがなんだか、無性に嬉しかった。 (-74) unforg00 2022/03/05(Sat) 20:48:09 |
【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ今、この場所に居るのが、兄であったら。 もう少し上手くやっただろうかと、そう思わないわけじゃない。 でも、多分、同じような事はしていただろうな、と思う。 思って、じゃあ、おあいこだな、とも思ったから。 「…教えてなんか、やりませんよ きみとの思い出は…僕だけのものにして、それで。 目一杯悔しがらせて、ざまあみろって言ってやるんです。 悔しがるくらいなら置いてくなってんだ、って」 喧嘩には、なるかもしれないけど。 そう言って、少し泣きそうで、でも屈託なく笑った。 いたずらを企てる子どものような笑みだった。 「ふふ…これ、辿り着けなかったらどうしましょう 僕、あんまり方向感覚とか、よくなくて。 こういう時、なかなか目的地まで辿り着けないんですよね…」 でも、二人でなら、もう暫く迷うのもいいかな。 そんな不真面目な事を思いながら、 行きあたりばったりに綺麗な世界の裏側を二人歩く。 静かで、それでも不思議と満たされた時間だった。 (-77) unforg00 2022/03/05(Sat) 22:04:20 |
【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ「…双子でも、です。 独り占めしたいものは、独り占めしたいんですよ」 重く小さな機械音と、二人分の足音だけが響く中。 あなたの方を見て、小さく笑って、そんな我儘を言う。 意地悪は建前で、我儘が本音なのかもしれないな。 そうして暫し漫ろ歩いた後。 声を掛けられれば名残惜しげに一度手を離して、 ほんの少し先を行く背を追った。 怖くはない。 手を離す事も、すぐ真下に水槽が広がっている事も、今は。 「……近いのに、遠いような。不思議な感じですね…」 足元に広がる世界を覗き込んで、ぽつり、そう零して。 水面に伸ばされる手をただ見ていた。 ──見学者。 触れたくとも触れられない所から、自分達を見ている彼らも。 或いは、こんな気持ちなのだろうか。 そんな詮無い考えが過ぎったのは、束の間の事。 (-81) unforg00 2022/03/06(Sun) 1:13:41 |
【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ「…外に出たいかは、わからなくとも。 もし仮に、"出たくない"ときみが感じたなら。 きっと僕は、同じ場所で、ずっと傍に居ます。 きみが寂しくないように、いつまでも」 漠然と。 多分、その方が楽なんだろうな、と思う。 期待さえしなければ、裏切られずに、傷付かずに済むから。 でも、だからと言って遠ざけるのは多分、そうじゃなくて。 「でも。 それではできない事を、きみがしたいと思ったなら。 きみの支えになって、手を握って、 一緒に隣を歩くくらいなら、きっと。」 不確かな未来を約束するのは、やっぱり少し怖いけど。 きみの為なら、少しだけ意地が張れそうだ。 「今の僕にもできるんだって…諦めたくは、ないな。」 うん、ほんとに、少しだけ。 (-82) unforg00 2022/03/06(Sun) 1:14:34 |
カミクズは、抗わず、どこまでも深い蒼に沈む。 (c12) unforg00 2022/03/06(Sun) 2:42:27 |
清掃員 カミクズは、メモを貼った。 (c13) unforg00 2022/03/06(Sun) 2:48:17 |
【独】 清掃員 カミクズどぼん、大きな飛沫が上がって。 ごぼごぼと、耳障りなあぶくの音。 ほんの一瞬、背に感じた温度と、水面の明かりが遠くなっていく。 ──入水自殺。 水死体は水に浮く。ありさまもひどいもの。 ああ、見苦しい姿を晒さないといいな、なんて思って。 それから。 (-90) unforg00 2022/03/06(Sun) 3:03:16 |
【独】 清掃員 カミクズ──寒いな、と思った。 多分、冷たい水が体温を奪っていく、せいで。 ああ、でも、これは。 多分、寂しいのだろうな、とも、思って。 ごぼり、また一つあぶくが水面へ昇っていく。 肺が必死に命を繋ごうとしても、流れ込むのは水ばかり。 (-91) unforg00 2022/03/06(Sun) 3:12:24 |
【独】 清掃員 カミクズ息ができない。 怖い。 でも、泣いている事を知られずに済むのは、 怖い。 死ぬのは、怖い。 でもこれは、自分が望んだ最期、でもあって、 嫌だ。 意識が暗く沈んでいく。 怖い、怖い怖い怖い!!! せめてここでの時間が、 どうかきみにとって決して辛いばかりのものでないように、 どうして、 (-92) unforg00 2022/03/06(Sun) 3:31:01 |
カミクズは、落ちて、落ちて、落ちて… (c14) unforg00 2022/03/06(Sun) 9:23:49 |
カミクズは、手向けでなく、贈られた花と共に。 (c15) unforg00 2022/03/06(Sun) 9:23:56 |
カミクズは、ゆっくりと広がる赤に沈む。 (c16) unforg00 2022/03/06(Sun) 9:24:11 |
【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ──運が良ければ、なんて事は無い。 これはきっと、多分、きみの 不運 なのだろう。投身自殺の成功率は低い、という話を知っているだろうか。 人体というものは脆いくせに柔軟で、 ちょっとやそっとの高さから落ちた程度では死にきれない。 大抵の場合、即死はできない。 もっとも、当たりどころが悪くなければ、の話。 ゆっくりと赤が広がっていく。 でも、まだ生きている。 不運かそれとも躊躇いか、慈悲の重みは狙いを外したようだった。 当たりどころは、良くも悪くもない。 放っておけば確実に死に至るだろうけれど、 この合議が終わるまでの間、命を繋ぐくらいなら。 まだ間に合うのではないかと思えるだけの。 もう一つだけの岐路、選択の余地が、そこにある。 静かに死を見守るも、生を拾い上げるも、今はきみの自由だ。 だって、上葛掃守という人間は。 いつだってきみの意思を、選択を責めはしなかったでしょう。 (-102) unforg00 2022/03/06(Sun) 9:25:54 |
カミクズは、きみが望むなら、それでよくて。 (c17) unforg00 2022/03/06(Sun) 9:46:41 |
カミクズは、でも、きみの望まない事はしたくないな、と思う。 (c18) unforg00 2022/03/06(Sun) 9:47:53 |
【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワほんの一瞬だと思っていた浮遊感は、思っていたより長く続いて。 その後に訪れたものは、水の冷たさではなかった。 人体が地面に叩き付けられる、鈍い音。 自分が、今、どうなっているのかわからない。 視界がちかちかとして、上手に息ができなくて、手足が冷たくて。 全身を苛む激痛と、 じわりじわりと命が流れ出ていく感覚だけが鮮明だった。 ただそれだけが熱を持っていた。 それで。 今になって、迫る死を、これまでよりもずっと近くに感じて、 怖いな、と思って。 痛くて、 寒くて、 寂しくて、 怖くて、怖くて、怖くて、怖くて仕方なかった。 (-124) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:17:52 |
【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワだから、そこに聞こえた足音と、それから。 この場所で、唯一自分を名前で呼ぶ人の声に。 ほんの少し、どころじゃなく安心した自分が居て。 ──曰く、死ぬ時に、最後まで残っているのは聴覚なのだと。 そんな話を、ふと思い出したりなんかして。 ああ、あれは案外本当なのかもしれないな、と思った。 けど、同時に。 泣いているの、ばれてしまったかな、とも思って。 何かが頬を濡らす感覚に、それもおあいこだといいな、と思った。 (-125) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:18:21 |
カミクズは、手を伸ばしたくて、でも、届かなくて。 (c19) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:18:37 |
カミクズは、その涙に触れられなかった。 (c20) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:18:44 |
【秘】 きみだけの カミクズ → 不運 フカワそれから。 霞む視界の中、影が差したのを、感じて。 また一つ、鈍い音が響いて。 目の前が 真赤に染まって、 それきり、意識はまっくらな眠りに落ちていった。 ──ねえ、邦幸さん。笑わないで聞いてくださいね。 僕、あんなに記憶転移があって欲しいと思っていたのに。 今では少し、あったらいやだなと思うんです。 きみへのこの思いが、他の誰かのものになってしまうのは。 それは…あはは、やっぱり、少しどころじゃなくいやだ、な。 …ね、本当に、おかしな話ですよね…… (-126) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:20:03 |
カミクズは、その夜、いっとう深い眠りに就いた。 (c21) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:20:24 |
カミクズは、きみのくれた、誰かの死を悼む花と、 真っ赤な花 を抱いて。 (c22) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:20:36 |
カミクズは、それに、大好きなきみが傍に居てくれたから。 (c23) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:20:46 |
カミクズは、眠りに就くのは少し怖かったけれど。 (c24) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:20:51 |
カミクズは、その夜も、ちっとも寂しくはなかった。 (c25) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:20:57 |
カミクズは、普川邦幸の傍に居る。これからもずっと。 (c26) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:21:08 |
の名残 カミクズは、メモを貼った。 (c29) unforg00 2022/03/06(Sun) 19:25:43 |
カミクズは、もう下手くそな笑顔を見せる事は無い。 (c30) unforg00 2022/03/06(Sun) 19:26:04 |
カミクズは、その顔は傷付けられて、見る影もないけれど。 (c31) unforg00 2022/03/06(Sun) 19:26:13 |
カミクズは、目も口もただ閉じられて、笑みの形でこそ、ないけれど。 (c32) unforg00 2022/03/06(Sun) 19:26:22 |
カミクズは、きっと、だからこそ表情は穏やかなものだった。 (c33) unforg00 2022/03/06(Sun) 19:26:28 |
【秘】 の名残 カミクズ → ユス『ああ、ユスさん』 『大丈夫ですよ。 ちょっと外せない用事があって、行けなくて。 今日の話し合い、皆さんどうしてましたか?』 なんて。 今も端末の向こうに清掃員が居たら、 きっとそんなふうに返したんだろうな。 でも、そこに清掃員はもう、居ないから。 確かにそこにあった、暖かかった時間の、優しかった時間の その名残を残すばかりのものになってしまったから。 その連絡に、返事が返ってくる事はなかった。 たとえ責任が取れずとも気にはする男の、珍しい無責任だった。 そして多分、端末で調べても、現在地はわからないんだろうな。 清掃員の行方を知っているのは、ただ一人だけ。 あなたに思い当たる節があるかは、なんとも言えないな。 (-199) unforg00 2022/03/06(Sun) 23:52:48 |
【秘】 の名残 カミクズ → 美術 エノその日の話し合いの裏、落ちていく意識の中。 ──ああ、死ぬのだろうな、と思って。 それから、きみに言われた言葉を思い出して。 やっぱり悲しませてしまうかな、なんて罪悪感が蘇って。 それでも、きみには生きて欲しいな、と思った。 その未来をこの目で見る事は叶わないけれど。 それは、ある種の呪いになってしまうとわかっているけれど。 重荷を背負って生きる事は、苦痛を伴うと知っているけれど。 話し合いの様子を、知っていたわけではないけど。 『絵乃さん』 『僕はずっと、きみに生きていて欲しいと思っていたんですよ』 『だから』 『きみが生きていたいと願うなら、 僕は、きみの友人は、それが叶う事を願っています』 でも、それでも、そう願う事は。 友達の無事を、幸せを願うのは、それこそ普通の事でしょう? そんな、ちょっとずるいメッセージは、確かに送信された。 だから、どうか、どうか。 これ以上、大嫌いなこの制度に、 僕が生きて欲しいと思った人が、奪われてしまいませんように。 (-221) unforg00 2022/03/07(Mon) 3:10:55 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ死者は、何も語らない。 息絶えた時そのままの姿で、ただそこにある。 温室を初めて訪れても感嘆の声を上げる事は無いし、 穴を掘るきみの背に、 手伝いましょうか、なんて声を掛ける事も無いし 虚しく響く独り言に、相槌を打つ事も無い。 ただ、確かな死の気配を纏って横たわっている、だけ。 それがあるべき姿だった。 (-222) unforg00 2022/03/07(Mon) 4:16:12 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワそんな中、不意に。 「 ん っ い」 乾いた唇が、ほんの少しだけ動いて、それから。 「 ── ─ぜんぜ んわ かって ない! !!」あるべき形に抗って、 死者は今一度重たい目蓋を上げて、泥濘の眠りを振り払った。 夥しい血に塗れた人間がゆっくりと身を起こす光景は、 きっとホラー映画も斯くやの凄絶なありさまだったんだろうな。 それが誰にとってのホラーかなんて、わかりやしないけど。 (-223) unforg00 2022/03/07(Mon) 4:21:14 |
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