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【秘】 甚六 カナイ → チャラ男 ウラミチ「ぴ 「ぴあす… 」ぴ、 ぴんく…… 」ぁわわ。カルチャーショック。 白髪がちの髪は、毛先がごわごわと痛んでいる。 遠目には、灰色にも間違われる髪の色。 「染めんなら、んん… 金色… がよか、なぁ」「ぼくには、似合わんろうけど…」 きらきら綺麗な、きみの髪を見つめながら。 (-18) 榛 2022/07/10(Sun) 22:48:54 |
【秘】 甚六 カナイ → 陽葉 シロマ夏の香りが遠ざかる。 一つ一つが、少女の瞳を翳らせていく。 きみが言葉を重ねるほどに、暗い色を募らせる。 「やっぱり。きみが まきおを殺したんだな」 ぽつ、ぽつ。ちぐはぐで、噛み合わない二者面談。 死者の尺度を生者は理解できない。 そのまったく反対が、きみに齎されたように。 「なぁ きみは」 「あの子たちまで、連れてく気なのか」 重なった手は、熱を持っている。 深く淀んだ断絶がそこに横たわっていることだけを、感じ取る。 「 …… ぃ」 視線が地に落ちる。 不出来な、何もできない生徒の声が、 ▽ (-29) 榛 2022/07/11(Mon) 0:38:39 |
【秘】 甚六 カナイ → チャラ男 ウラミチ「に にあうかいね… 」照れくさそうに、嬉しそうに。 触れたり離れたりの手にはあまり、頓着なく。 「してくれる、ん。 んふ…… ありがと。うらみち」カナイの家では、金髪なんてほんとはたぶん許してもらえない。 それでも、はずむ声は頷きをかえす。 ごめんな。 「ん あし」 た。 ▽ (-33) 榛 2022/07/11(Mon) 2:16:33 |
【秘】 甚六 カナイ → チャラ男 ウラミチ―――かしゃん。 金属が床にぶつかる、軽い音が鳴る。 腰に巻くための青いリボンが、ひらりと床に落ちる。 中の渦巻きがじりじりと燃え、仄かにあたたかいそれは。 きみと話していた少女が持って帰ってきたはずの、忘れ物。 ▽ (-36) 榛 2022/07/11(Mon) 2:19:12 |
【秘】 甚六 カナイ → 不知 ミナイはっ、と息を呑む音。 呆然としたような呟きが、電話越しに、 「みゆき も ?」ザザッ ジ----…… 不自然に走るノイズ。 電子嵐の隙間から、声が返される。 「こ わ■、■ど 」「■く は た ■■■ぃ よ」 ▽ (-39) 榛 2022/07/11(Mon) 2:37:47 |
【秘】 甚六 カナイ → 不知 ミナイ「あすか」 「ぼくのことも、見つけてくれる?」 ゴトン 、ぎぃー 、……ブツッ。何かとぶつかるような――― 軋む床に落ちたスマホが、沈黙した音。 きみの言うこと。信じるに決まってる。 でも、こうならなくてもそうしたよ。 もう、確かめらんないことだけど さ。 怖いよね。 ごめんな、あすか。 (-42) 榛 2022/07/11(Mon) 2:44:28 |
カナイは、暫く前から、既読をつけていないはず。 (c0) 榛 2022/07/11(Mon) 2:55:45 |
【秘】 甚六 カナイ → 友達 ネコジマ「にゃんこ…」 光る一対の瞳とばっちり目が合って、 並ぶ机を避けながら、ふらふらそっちに近寄っていく。 そのときカナイが居たのは、どこぞの特別教室。 設備を見るに、図工室だったらしい場所。 そろそろとしゃがんで、撫でようとして。 その手が、 ずぬ… と猫を通り過ぎ、「ぁえ」 ▽ (-43) 榛 2022/07/11(Mon) 3:13:42 |
【秘】 甚六 カナイ → 友達 ネコジマ「……んぁ」 膝を抱え、肩を落とした情けない恰好のまま。 猫の後ろに立つすがたを見上げて。ぽつ、と呟いた。 「みのる だ」 (-44) 榛 2022/07/11(Mon) 3:15:00 |
【秘】 甚六 カナイ → 友達 ネコジマ「ぁえぁぁ……」 猫に負けている。 うろうろが通り抜けるたびにゾワワ!と肩を震わせる。 まるでいつも通りだ。 「………」 ぽへ、と少年が行き来するのを眺める。 ぐるーっと背後の方に回っていくのを追いかけようとして、 しゃがみ込んだまま体を捻り、 「ぁう」 ぽて、と転ける。 まるで生きてた頃みたい。 ▽ (-79) 榛 2022/07/11(Mon) 20:30:12 |
【秘】 甚六 カナイ → 友達 ネコジマ「……んぇ」 仰向けに天井を見る。 情けない声が、教室に浮いて。 空気を震わせることはない。 「みのる……」 仰向けに天井を見る。 小さな小さな呼びかけ。 きっとこれにも、返事はない。 「うぅぅうぅ……」 ぜんぶ、きみには見えないみたい。 仰向けに天井を見る。 のろのろと腕を動かして、顔を覆おうとした。ら、 脇にあったものに 、触れて 、――――ガタン。 椅子が、倒れた。 (-80) 榛 2022/07/11(Mon) 20:32:48 |
【秘】 甚六 カナイ → 陽葉 シロマ「き、らいな奴なんて」 まるで見当はずれの問い。 どうしてそんなこと言うんだ。 どうして、“どうして”なんて言うんだ。 カナイはぐるぐる考える。 些細で大きな、言い回しの違いに気づく余裕もなく。 「ぃ いるわけない、 だろ 」ケン、と力なく喉に引っかかる咳をする。 どうやったら分かってもらえるんだろ。 「……ぁぅ。 そうじゃ、のぉて……」 ああ、むりかな。 むりだよな。 ぼくってそういう、やつなんだし。 (-94) 榛 2022/07/11(Mon) 22:09:03 |
【秘】 甚六 カナイ → 奔放 クリス「ぁう」 言い切られるとすこぶる弱い。 きみが言うんならそうなんだろな、という気になる。 「ぃけないこた、無いだろ けど」 「ぼ ぼく……は、 」考え考え、口を開く。 きっと焦れったいほどに、のろのろとした喋り。 「ねーちゃん じゃけぇ…」 (-112) 榛 2022/07/12(Tue) 12:05:17 |
【秘】 甚六 カナイ → 陽葉 シロマ「…… ぇ」 なんで みゆき が? 霞がかる頭。胃の辺りがふわ、と浮く心地。 きみの見せる、少女らしい、他愛無い笑顔と正反対に。 青ざめた唇を震わせて、くしゃ、と顔をゆがめて。 「わ」 「 ……わ からん 、ょ」「 こずちゃんの 言うこと 」ひそまった瞳は渇いている。 涙の膜が張ることも、ましてや零れ落ちることもない。 泣き方を忘れてしまったそこだけが、いやに枯れた大人びて。 「ぼくには、わからん……」 でもやっぱり、カナイは。 情けないカナイでしか、なかった。 『ねーちゃん』も、うまくやれない。 (-113) 榛 2022/07/12(Tue) 12:31:32 |
【秘】 甚六 カナイ → 奔放 クリス「……んむ」 いつのまにか縮こまっていた肩をゆるめて、こくん。 ねーちゃんじゃない には、若干の抗議の目を向けた。 それから、上目遣いに。 「そぉまは なして」 「そないに、知りたがるんかいね」 不快だとか意趣返しのつもりはなくて、ただの疑問。 (-116) 榛 2022/07/12(Tue) 13:02:52 |
【墓】 甚六 カナイすこしだけ瘠せた、透けたからだで彷徨っている。 スニーカーの片方をどこかへやってしまって、歩きにくそう。 ……はー、は、 時おり息を切らしたように立ち止まり、 それからまた、ふらふら、ゆらゆら。 旧い校舎の中を、歩き回っている。 (+12) 榛 2022/07/12(Tue) 13:41:58 |
カナイは、 「うらみち?」 (c1) 榛 2022/07/12(Tue) 13:42:19 |
【秘】 甚六 カナイ → 陽葉 シロマ「……こずちゃん?」 翳る笑顔を見れば、反射的に。 気づかわしげな声で呼びかけてしまう。 こんなときにさえ。 きみが悲しい顔をするのは、 ▽ (-136) 榛 2022/07/12(Tue) 16:47:30 |
【秘】 甚六 カナイ → 陽葉 シロマ焼ける肉の匂い。 「――― ぅ、」 目を見開く。 ぼた、汗が滴り落ちる感覚。 一転、翳りを照らし出すような。 無邪気で、他愛無くて、目も眩むような笑顔。 腹の虫の音。 「 ぃ っしょに 、……て」「 ま 、ぁ って」 「こず ちゃ……」 焦げる夏の、匂いがして。 ▽ (-137) 榛 2022/07/12(Tue) 16:47:55 |
【秘】 劣等生 カナイ → 陽葉 シロマ「っ ひぃ、 ぅ」 引き攣れた息をひとつ―――ぷつん。 暗転、目の前の少女の胸元へくらりと倒れこんだ。 (-138) 榛 2022/07/12(Tue) 16:48:51 |
【秘】 空っぽ カナイ → 元弓道 マユミ『拙はもう、どうしたらいいのか分からないのです』 抜け殻の喉は、声を発せない。 亡骸の耳はもう、零れ落ちた音を拾えない。 ただ、そこにあるだけの。 これはきみに、何も返しやしない。 瘠せ衰えた死体は、ただ眠るだけだった。 ▽ (-143) 榛 2022/07/12(Tue) 18:02:39 |
甚六 カナイは、メモを貼った。 (c2) 榛 2022/07/12(Tue) 18:22:20 |
追憶 カナイは、メモを貼った。 (c3) 榛 2022/07/12(Tue) 18:24:18 |
【秘】 幼なじみ カナイ → 元弓道 マユミ (-144) 榛 2022/07/12(Tue) 18:30:56 |
【秘】 甚六 カナイ → 友達 ネコジマぽかん。倒れた椅子を、見て。 ―――今の。ぼくに、できたのか? のたのた慌てて、起き上がる。 『ねこや』 『ねこや』 猫に呼びかける少年の声を背にして、 廊下に続くのとは別の、もう一つの扉へ飛び込んで。 「な なんかないか」 「あるだろ」 「いっこくらい、あれよ……」 ▽ (-159) 榛 2022/07/12(Tue) 22:00:00 |
カナイは、準備室。ガタガタ漁って見つけるのは、 (c4) 榛 2022/07/12(Tue) 22:00:22 |
カナイは、画板とそれから、いい感じ度が38くらいのもの。 (c5) 榛 2022/07/12(Tue) 22:00:36 |
カナイは、見つけたそれらを抱えて、このあと転ばない (c6) 榛 2022/07/12(Tue) 22:01:04 |
【秘】 甚六 カナイ → 友達 ネコジマひとまず見つけたそれらを持って、 わたわた、のたのた。さっき居たところに駆け戻る。 (ネコジマには、画板がひとりでにやってきたように見えるのかも。) そうしてぼろっちい画板の表面に、 ちびた鉛筆を走らせようとした……のだけども。 「あえぁ…」 積もってこびりついた埃のせいで、なかなかうまくいかない。 思わず助けを乞うように、猫と少年を交互に見た。 (-160) 榛 2022/07/12(Tue) 22:02:32 |
【秘】 甚六 カナイ → 奔放 クリス窓の方を向いた横顔を、ぽけ、と見つめる。 向かい合う鏡写しを、見たような見なかったような。 「……ひとごと?」 ぼそ、と呟く。きみの口振りが、そう聞こえたから。 (-172) 榛 2022/07/13(Wed) 0:20:35 |
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