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【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス呟いた言葉をなかったかのように多く続ける。 もう立ち去ろうとしているかのように。 現に言うだけ言って、食事を渡せばいなくなる予定だ。 「意味がない最悪の人生だったと決めつけるのは、 死んでからにしましょう、その瞬間まですべては決まっていません」 「新しい何かを見て、聞いて、 立ち止まらずに行動しなければ、なにもせずに朽ちるだけ」 「私は、君との時間を有意義に感じていますよ」 (-53) toumi_ 2022/05/01(Sun) 5:48:05 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス/* 父親です。2通の秘話の時間が空いて申し訳ありませんでした。 お詫びにオレンジをつんできました。オーブンでブンしてくださいね。 (-54) toumi_ 2022/05/01(Sun) 5:50:49 |
【鳴】 月鏡 アオツキ声をかけるのも日常化してきて。 休み時間にも時間はとれるかと、黄緑の姿を探ししつつ。 胸のなかで自分の立場を確かめる。 一人のために尽くせるからだでも立場でもない。 そんな自分が、潰れずに皆を支えられる? 早くも壁にぶつかった気分だった。 「バレンタイン君は」 「好きな子はいないんでしょうか……」 お陰で真顔で訪ねる会話もふざけたものになってしまう。 『私とかと付き合ってみるのはどうですか〜?』 愛の言葉はどこからともなく降ってくるものだ。 (=0) toumi_ 2022/05/01(Sun) 6:05:17 |
【秘】 高等部 ラピス → 月鏡 アオツキ『アオツキ先生なら、なれるように思います』 勝手に自分が思うだけ、だけど。 なんとなくそういう要領が良い人に見えたから。 『私も、このままでは治らないかもしれないと薄々感じていました』 「………」 じいっと、自分の手袋を見た。 特別隠すようなことでもない。 『身体の一部が、石に変わる病気です』 片側だけ外された手袋。 その下には、皮膚が部分的に何か硬い物質で薄く覆われた手が現れる。 深い青色。 生徒の瞳と同じ色をしたそれは、ラピスラズリによく似ている。 (-56) dome 2022/05/01(Sun) 7:48:48 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「バットくん、お話をしましょうか〜」 明るく振る舞う姿を作ろうとしていることを。 それが偽りではなく、苦労をしながら声を出していることを。 からだが動かなくなることも、演技などではないことをあなたは知っている。 「先生と生徒の時間です」 例えそれが真似事で、なにも成果がなくとも。 先に、何があろうとも無駄だなんてことはないのだ。 二人の寮の部屋で、甘い香りに包まれながら時間が流れている。 時計を用意して、長時間は話さないことをはじめに決めた。 「……口で言えないこともあると思います、だから、 訪ねたいことはここに」 そう、君の手元へ紙を渡す。すべて手書きで何項目かの質問と解答欄があった。 ・森で怪我はしていますか? Y/N ・普段から森へと向かう理由を教えてくれませんか? Y/N ・何か悩みを持っていますか? Y/N 「NOにかかれたことは問題なしとして話を進めましょう」 (-66) toumi_ 2022/05/01(Sun) 12:50:10 |
【鳴】 月鏡 アオツキ「 はい、いましたよ〜 3年前です。たった3年、されど3年です」 「だいすきな子がいました。それはもう〜 今もこの胸にしっかりと刻み付けられている子が」 「その子は、 病気が治らず卒業を境に私の前から姿を消しました」 始終真顔で、なんともないように。 卒業をしても病気がなおらなかったこと。 そのあとの生活が明るくならなかったこと。 幾つかがこもった紛れもない事実を告げた。 「あのときの私がちゃんと隣で寄り添えたら 今もあの子はここにいて、無事だったのかなぁ〜、なんて。 代わりにしているみたいですか? ……なにもしてあげられませんでしたからね〜。 学生の頃なんて勉強と、先生の言いつけを気にしてばっかで」 『好きじゃないから必要ない』 ここでの生活に愛だの恋だのを求めている余裕があれば、 また私も彼も変わったのかもしれなかったな。 (=2) toumi_ 2022/05/01(Sun) 13:09:50 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 高等部 ラピス「こんなに綺麗な病気が存在するんですね……。 ここまで広範囲ですと手術で取り除ける部分を越えています。 治療法と再発防止を見つけることが先決でしょうか〜…… 私実習生になれたのに、まだ皆さんのこと 沢山聞かされているわけではなくて。 もどかしくて、少し情けないです。 治し方も、知っている先生はいるかもしれませんが…… 知っていれば行動に移しているはずですよね 」絶対の信頼を持っているのか、はたまた逆か。 一人の人間が思ったことが可能であれば、とっくに対処はとられているだろう。つまり、方法が見つかっていないか、あるいは態と放置をされているか。 あからさまな異変を持つ生徒たちを前にすると、嫌でも気付いてしまった。 「動かせる技術は学校の外でみたことがあります。 それはお金がかかって偽物の手をつけることになりますけど。 好きですよ〜、この色。 髪のメッシュも一緒で、私ともお揃いですね。 でも、君は嫌いだったりしますか……? この手のこと」 (-68) toumi_ 2022/05/01(Sun) 13:29:26 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ備え付け、或いは青年が貴方に用意した椅子は、 背もたれから肘掛けにかけて毛布がかかっている。 万一の時に運びやすいように、一人の時に倒れても頭を打たないように。 そうした小さな積み重ねを貴方が受け取るかどうかは別の話。 こくりと頷いて、貴方が用意した時間へと青年も都合を合わせる。 受け取った紙をじっと見下ろして、さらさらと書き進める。 ・森で怪我はしていますか?……N ・普段から森へと向かう理由を教えてくれませんか?……N ・何か悩みを持っていますか?…… 途中でふ、と顔を上げた。 困っているみたいに言葉を探して拾い集めて、貴方に問いかける。 「なんでもいい?」「病気に関わるかわからない」 「僕は継父母が僕の"何を"問題にして」 「ここに連れてきたのか知らない」 「いつもよく眠れなくて、授業中に眠いことも」 朝、森から帰ってきたのだろう青年はいつも寝起きが悪くて眠そうで、 埋め合わせをするように夕日の内は飼育小屋の近くでうとうととしている。 時折、教員から注意を受けることもあった。 成績についても含め、おとなしい彼はしかし模範的な生徒ではなかった。 貴方と同室になったのはいつからだったか、 さておきそうした行動の是正についても、ひょっとすると期待されていたのかもしれない。 (-71) redhaguki 2022/05/01(Sun) 14:01:27 |
【秘】 高等部 ラピス → 月鏡 アオツキ『好きでも嫌いでも、ないと思います』 硬質化した皮膚。 まるで鎧のように身体を包んで蝕んでいくような。 手を握って開く。 その度に少し軋むような感覚を訴えてくる。 今されている治療は、抑制効果のある薬を飲むだけ。 大人が言うには、それ以上のことは"研究中"らしい。 『ただ、手が動かしにくくなるのは困ります』 長い施設での生活で文字を書くことにも慣れてきた。 けれど、また進行して支障が出るのは困ってしまう。 病が進むとどうなるのかは自分でも確証が持てないが、今より不便になるのは間違いないだろう。 『治るかわからない子ばかりだから、治るかもしれない子を優先するのは仕方のないことなんでしょう。 私もそれが合理的だと考えています。 外の技術で治るかもしれないのなら、尚更です』 (-72) dome 2022/05/01(Sun) 14:22:06 |
【鳴】 月鏡 アオツキ「プライベートを持ち込むことは、生徒に真摯に向き合っているように思われないとマニュアルにありましたから……」 誰にでも優しく、平等に接しなさい。 特別扱いはいけません、恋愛沙汰も起こさぬように。 生徒たちの平穏を守って、規律正しく、 「言われてみれば、こんな話をしてしまう時点で失格だったみたいですね〜」 先生、アオツキにそんなことができると思っていたんですか。 実習生として、失格だ。 固執したらいけない、仕事で義務。 誠実ではない。生徒たちを昔の思い出と重ねるなんて。 それでも、ここでの生活に諦念を抱えることが正しいとはしたくなかった。 見つめ返す視線を僅かにそらした。 表情こそ変わらずとも、視線や僅かな動きは感情の表れだ。 (=4) toumi_ 2022/05/01(Sun) 15:37:30 |
【鳴】 月鏡 アオツキ「試して、ってそんなの〜……」 試さなくてもわかるに決まっているのに。 「君が完治して元気になれば、誰でも和らぎますよ。 私以外の先生も、生徒もです。 ずっと先ですから、きっと ――その頃には私は正規の先生になれる頃でしょうか」 そんな両方が叶う未来が、何処かに存在するとしたら。 どれほど嬉しいことだろう。 (=5) toumi_ 2022/05/01(Sun) 15:38:07 |
【鳴】 月鏡 アオツキ「結局。代わり云々のはなしですけど……、 過度な期待して欲しくないと言うのも今のうちです。 これは私の中で実習生として以上に、 個人の感情で完治を望んでいるのと同じです。 重く、辛く残り続ける呪いになっておかしくないもの。 ……それを私は課させて、君は抱えないといけないんです。 私は、ずるい大人ですから。 これからも多くの生徒に期待と歓喜と絶望をするでしょう。 それでもこうして話し合った君たちには、 ちゃんと後悔をしないように、無理をしないで生きて欲しい。 それだけが望みです」 (=6) toumi_ 2022/05/01(Sun) 15:48:32 |
【秘】 激昂 フィウクス → 月鏡 アオツキ「俺は あんた は何がしたいんだと聞いているんだ」「どいつもこいつも綺麗事や立場や肩書きを言い訳にして 自分が何をしたいのかをはっきりとさせない奴ばかりだ ──どいつもこいつも、具体的な事は何一つ言いやしない!! 」抑圧し切れなかったヒステリーの発露。 声を荒らげて、自身の顔の片側を隠す髪をぐしゃりと掴んだ。 誰も彼も具体的な事は何も言ってくれはしない。 どうしたらいいのかは教えてくれはしない。 この病と正しく向き合ってくれはしない。 鬱屈した感情を吐露しかけて、膨大な理性が押し留めた。 「……まどろっこしいのは嫌いだ。」 (-81) unforg00 2022/05/01(Sun) 16:00:35 |
【秘】 苛々 フィウクス → 月鏡 アオツキ「俺は依怙贔屓されたいわけじゃない。 他の奴等と平等に扱われたいわけでもない …… 教育実習生だから 、建前としてそういうふうにしなきゃならないってなら。 好きにすりゃいいさ。俺はそんなもの望んじゃいないがな」 「これは受け取っておくが。 あんたからの贔屓だとは思ってない。 不愉快なものを隔離するのは──当然の処置だからな」 溜息混じり、どこか投げやりに言い放って。 指先が机に置かれた鍵を叩く。 優しさで救えないものに対しできる事は、悪化させない事だ。 或いは、他を助ける為の尊い犠牲くらいにはなるだろうか。 同室の彼とは、今までの数年間。 何だかんだと大きな仲違いを起こす事もなく、 上手くやって来た方ではあるけれど。 場合によっては。これからは、そうもいかないだろう。 (-82) unforg00 2022/05/01(Sun) 16:05:14 |
【秘】 失意 フィウクス → 月鏡 アオツキ「……たとえ今この一瞬が有意義なものであろうと」 ぽつり、殆ど独り言のように。 立ち去ろうとするあなたを引き留めはしない。 だから、これを聞かずに立ち去る事も、あなたの自由だ。 「きっと未来がそれを台無しにする。 …俺達に新しい何かを見せず、聞かせず 外の世界から隔離して、立ち止まらせているのは」 「俺から卒業したその先を奪っているのは。」 「他でもない、この場所«ギムナジウム»だろうが…」 (-83) unforg00 2022/05/01(Sun) 16:05:59 |
【秘】 神経質 フィウクス → 月鏡 アオツキ/* オーブンの息子です。 失礼、レスがデカくなってしまいましたわ。 このオレンジ……いったいどこから…… ブンッ… (-84) unforg00 2022/05/01(Sun) 16:08:40 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット今日も上の二つの返答は変わらない。 怪我は相変わらずなく、異常なし。 報告はこれだけですんでしまうのが実情だ。 上は解決に手を貸してくれず、生徒のためを考える実習生という立場になんでも乗せたがっている 成功も失敗も関係ない、うまくいかなければ廃止されるだけの使い捨てだ。 「森のことは……今日はこれでよしとしましょう。 話せないことはそれ以上聞きません……、おやおや? ええ、なんでも良いですよ〜」 そんな不満も読み取られているのか、酷く、本当に、居心地が悪いほど良い。 ダメにされそうだ、ここの部屋は。 思わず変な声が出そうになる、気を引き締めなければ。 (-89) toumi_ 2022/05/01(Sun) 16:53:05 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「ここに、"何を"、ですか……。 はじめに実習生として聞いている事を説明をしましょう。 この学園の中で暮らしている生徒たちは、 小さくとも大きくとも悩みを抱えています。 先生方は、心の病や身体的なものに詳しい人から あまり知らない人まで様々です。 彼らは全力を尽くして ……治療または改善に取り組んでいると聞かされています」 実情を完全に理解はしていない、暗にそう含めながら言葉を続けた。 「バットくんの今のご両親は、君に何かしらの不安を抱えていたのかもしれません。 ここに連れて来た理由で思い当たるのは、 君の治療、または……自由を押さえつけない為。 模範解答はこの辺りでしょう。 私がみる限り、君には……夢遊病に近しいもの。 または過眠症がみられます。 強いストレスなどで生活のバランスが崩れてしまうことです。 これが起きると、周りの人間は君を心配します。 朝起きて、昼に活動して、夜に寝ることができなくなり君も周りも困ってしまうのです。 人間は眠る時間と社会での活動時間が決まっていますから。 病であるか体質であるかの判断ができなかったのかもしれませんね〜。 どうでしょうか、彼らは以前何か言っていませんでしたか?」 (-90) toumi_ 2022/05/01(Sun) 16:57:09 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ「うん」「そうなんだって知った」 「ここはどこかに傷のある子どもを」「治してあげる場所」 ギムナジウムはどんな場所なのか。貴方の口を通して噛み砕かれて。 元あった認識とまじり、それが何かというのはきちんと理解された。 おそらくは大きく違えているわけではない、その背後に何があるとしても。 病や心の瑕疵に対するアプローチは確かに成されているはずなのだ。 「そう……」「ツキにも、心配させてる」 「でも僕は」「夜の方がうまく身体が動くから」 「上手く寝られないと」「うるさくしてしまうし」 まごつくような言い回し。決して困らせるために問題行動をしているのではないと。 けれども現状貴方の悩みのタネの一つとなっているのだから、それは詭弁だ。 弱々しい反論は、本当は自分の行動は良いものではないというのがわかっているから。 しゅんとしたように大きな体は肩を下げて、普段よりも小さくなったように見える。 貴方の言っていることは優しいし、正しいものなのだ。 それから。貴方への問いには随分時間をかけて答えた。 言うべきか迷ったふうではあった。これもまた、Noと答えてしまえばよかったかも。 けれどちらちらと貴方の目を盗み見て、反応を伺って。 たっぷりと時間を掛けた後に、青年は答えた。 → (-112) redhaguki 2022/05/01(Sun) 19:59:53 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ「僕がいると」「空気が悪くなる」 「眠れずにいるのが」「もぞもぞうるさい」「鬱陶しい」 「昼間は働け」「役立たず」「"病気のこども"を引き受けるんじゃなかった」 並べられた言葉は、"彼らが以前言っていた言葉"だ。 写しのように並べられた言い回しにはたっぷりの悪意が含まれていた。 青年のものではない誰かの感情は、決して子供に向けるものではない。 青年がギムナジウムにやってきたのは小等部の頃、五年以上前の話だ。 当然それ以降、家族らしき人々と顔を合わせたことというのは、無い。 「僕がここにいるのは"病気のこども"だから」 「みんなは、"病気の"子供」「違うものなのは、ここに来て知った」 「僕は"病気の""病気のこども"なのかな」 (-113) redhaguki 2022/05/01(Sun) 20:00:14 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 高等部 ラピス「ラピスさんはそんなことまで気にしているんですね〜。 私や先生達がが言わなくとも、きっと君は我慢してしまうのでしょう」 僅かに声が小さくなる。図星だった。 大人は合理的な事を望み、そして都合が悪いものを後回しにして。 時には、不幸だって利用する。 「謝れなくて、ごめんなさい。 君につきっきりになれず、治療に専念出来ないことを 私の立場から心を込めて謝罪することが出来なくて。 全員に手を伸ばして救えるほど出来た大人達じゃ無いんです。 隠れて意地悪する悪い人もいました、今もいるかもしれません。 それでも治療法が見つかってその手が治ることを 少なくとも"私たち"は望んでいます。それだけは確かです。 病気で居続けて欲しいなんて思っていません」 そっと傷つけないように深い青に手を伸ばした。 美しいのに、その輝きが彼女の心をむしばみ続けてしまう。 「……応援させてくれますか? 助けになると言いながら、何にも出来ないままの先生ですが〜。 傍で見続けて、声をかけることは出来ると思うんです」 (-124) toumi_ 2022/05/01(Sun) 21:43:08 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「――君は」 ギムナジウムで、君に対する正しい治療は行われてこなかった。 素人でもわかる、早く密接に話し、確かめれば良かった。 だが一体何ができただろう。 「君たちは、数多く居る"普通の子"とは違います。 それは、"病気の子"というひとくくりにして語るにはあまりに難しいです。 治らない子は居たんですよ。 医学やまじないでどうにもならなかった、 体の体質から、異常がでていた子が」 「だから私から見て、 君が"病気のこども"かどうかは――わかりません!」 病気という言葉は悪い言葉ではない。 しかし、君に対して"病気のこども"という言葉は、 深く鈍く重りのように積み重なっているように見えた。 (-125) toumi_ 2022/05/01(Sun) 21:44:02 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「人は、"病気"となんでもかんでも一つの言葉に納め過ぎですよ〜。 君の保護者の方も、金銭面や心情にゆとりがあれば、 もう少し優しい言葉をかけてくれたと思います。 ここに送ったのは、解決方法がわからなかっただけなのです」 君が夜眠れないのなら、その手を引いて一緒に歩きます。 一度学業は休んで、昼間は眠って貰って。 徐々に時間をずらせば、皆と同じように過ごせるのかも。 一日か二日ぐらい、私がなんとかしてみせます。 「起きられるようになっても、 朝日や日光を浴びて体調が悪くなる体質もあるようです。 そうなれば簡単に解消できる問題ではなく、 ……君の言う"病気のこども"、ということになるでしょうか。 だから、今はわかりません。 君の病を、正しく知りたい。 これから私に、向き合わせてくれませんか」 そっと右の手を君のどこか悲しそうな顔に伸ばす。 幼い子供に降りかかり続けた悪意。 正しい生活リズムという形で治り続けなかったものが、歪みを見せている。 もう少し気付くのが早ければ、しっかりとその手を掴んでいれば。 何かが急速に変わることもなく、緩やかに君を見続けられていたのだろうか (-127) toumi_ 2022/05/01(Sun) 21:48:40 |
【秘】 高等部 ラピス → 月鏡 アオツキ「………」 緩く首を振る。 謝るべきはあなたではないと思ったから。 優先されるものが何かわからないほど、子どもでもなかったから。 鉱石特有の滑らかな感触が指先に伝わるだろう。 ことり。 机と触れ合った部分から、作りものみたいな硬い音がする。 指先が触れた部分から、慮る気持ちが沁み込む。 目を閉じてその言葉を反芻した。 『ありがとうございます、先生』 『誰か一人でも自分の味方がいると知っていれば』 『きっと私はまだ頑張れます』 治ることを望んでくれる人がいるのなら。 見守っていてくれる人がいるのなら。 『病気を治して外に行こうって、指切りをした子もいるんです』 『だから、大丈夫です』 (-137) dome 2022/05/01(Sun) 23:58:49 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「何がしたいかって、 先生になるための勉強と経験に決まってるじゃないですか〜」 模範的な回答なら、生徒の健やかな生活と不安をなくすこと。 「朝食の時間から日が落ちるまでは教育実習生です。 プライベートなことも話せないですし、 上から聞いたことも大してないで曖昧なことしか…… あらら、こんなことは聞きたくないですか。 建前は大事なんですよ〜。 仕方ないですね、今は……私が作った個人面談の時間。 私の善意がひねくれて伝わるのも、 君が諦め続けているのも放置したくありませんし、 その無駄と言われたことに口を出しましょう」 → (-138) toumi_ 2022/05/02(Mon) 0:04:37 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス扉を閉めて、一言。 一つ笑いでもすれば和らぐ空間は冷え切っていて。 「君の卒業の先を奪っているものは知りませんが〜 私はここに来たときから」 「この場所《ギムナジウム》を壊したいんです」 「だから戻ってきたんですよ〜。 私の愛した子を奪ったこの場所に。 君の心が和らぐことも、ここの暮らしが多く変わることも。 私が先生になって、ルールを作れるように。 みーんな、先の未来を見せるためにですよ」 (-139) toumi_ 2022/05/02(Mon) 0:06:01 |
【秘】 神経質 フィウクス → 月鏡 アオツキ「……動機のわからない善意は気味が悪い」 理由の無い善意や建前ばかり見せられたって気味が悪い。 悪意であった方がまだ幾らかマシだ 。大人だから、実習生だから、それが普通の事だから。 そんな薄っぺらなものではなくて。 大抵は何か、行動の動機となるものが、その奥底にあって。 そうでないものは、ただ、なにもない。 「それと比べれば、まだ理解が及ぶ。 俺があんたの思い通りになるかは知った事じゃないが。 いつかあんたがルールを作り、暮らしを変え、 この場所の在り方を変える事は否定も肯定もしない」 それが真実にしろ、偽りにしろ、それらのほんの一端でも。 何れにしても、がらんどうか、何かが在るのかさえわかれば良い。 今この場に於いて、それ以上を追及する事は重要な事ではない。 「だが、もしも、万が一 ──」 「──あんたの個人的な報復の為に、無理矢理に 外では生きられないような 、ここにしか居場所が無い奴等が追い立てられる事になるなら」 (-161) unforg00 2022/05/02(Mon) 2:48:44 |
【秘】 神経質 フィウクス → 月鏡 アオツキ「俺はそんなのはお断りだ。」 釘を刺すような言葉。 冷たい色の瞳が、じたりとそちらを見ていた。 (-162) unforg00 2022/05/02(Mon) 2:49:01 |
【鳴】 月鏡 アオツキ「あらあら〜……そうですね〜。 私は どっちも 、です。先生には内緒ですよ」「ここでは、マニュアルに従わないと先生になれません。 でも従順に聞いているだけでも目指す先生にはなれません」 「大人になるとずるいことばっかりおもいつきますから〜。 つまり望まず規律正しく見せています」 全てマニュアル通りに。 そうしなければ、長くここには居られない。 ギムナジウムの中で"悪い子"と判断されてしまえば、 先生になれそうなこの人生に傷がついてしまうかも知れない。 (=9) toumi_ 2022/05/02(Mon) 3:00:14 |
【鳴】 月鏡 アオツキ「私は、"病を治せる先生"になるために来たんです。 それを私だけじゃなくて、生徒達みんなが喜ぶように。 バレンタインくんの重荷にならないのならよかった〜。 君は私の大切な、 実習生として受け持ったはじめの生徒です。 幸せになってくれませんと、泣いちゃいますよ」 たとえ、この抱える病が治らなくとも。 「報酬がなければ、私だって心が病んでしまいますからね。 もっと笑顔が溢れる学園にしていきましょう〜」 無表情で見つめ返し、自分の口元をわざと指であげる。 夢の中のような、絵空事のような。 そんな甘い言葉を吐いて励ますのが、アオツキだった。 (=10) toumi_ 2022/05/02(Mon) 3:02:33 |
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