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【赤】 ヤドリギの勇者 フォルクス[ メフィストは隠された旧時代の遺跡へと降り立ち、 そこにある全てを見せ、世界の真実を女神の子たる勇者に告げる。 酷く動揺した勇者を城へ連れ帰ったメフィストは、 絶望し自ら首を差し出してくることも覚悟していたらしいが。 ] (*17) ガラシア 2020/10/26(Mon) 19:02:45 |
【赤】 ヤドリギの勇者 フォルクスつまり俺達がしていたことは、 化け物の討伐なんかじゃなくて、理由も知らないただの戦争だった。 色んな不都合を隠してしまった奴らはいるけれど、 どこにも正義は無いし、悪だと決めつけるのも難しい 簡単に解決出来ないような理不尽が重なり、作り出したのがこの世界。 ……そういうこと、だな。 [ むしろ俺は、全てを知ることで生きる気力を手に入れていた。 ] (*18) ガラシア 2020/10/26(Mon) 19:03:06 |
【赤】 ヤドリギの勇者 フォルクス魔王、お前…… いや、あなたとあなたの民は人類を数え切れない程に殺めた。 俺の大切な人達も含めて、だ。 しかし、それはこちらも変わらない。そして力の差は圧倒的だった。 それでもあなたは俺に誠意を見せた。 [ 既に人間ではないことと、何の為に勇者にされたのか それだけを指摘し深く心を砕いて殺す、その選択も出来たのに。 憎しみよりも、新しい可能性を選んだ。 ] (*19) ガラシア 2020/10/26(Mon) 19:03:36 |
【赤】 ヤドリギの勇者 フォルクスそれは世界を救うなんてことじゃ、きっとなくて 多分沢山の人達を絶望させてしまうと思う。 新しい不幸も生まれるのかもしれない。 言い訳なんて出来ない、皆に恨まれる裏切り者になるんだろう。 でも、どうせ死ぬ為に生きてきたのなら…… [ 正義など、無いのならば。 ] (*20) ガラシア 2020/10/26(Mon) 19:03:55 |
【赤】 裏切りの勇者 フォルクスあなたの元で、もう少し足掻いてみたい。 [ 魔族の脅威になり得る勇者の代替わりを終わらせる為に、 これ以上無知なる被害者が生まれない為に、 教会による世界支配を終わらせる為に、 ある筈の人魔が争わずに済む未来を見つける為に。 対極であった両者の心は、既に同じ道へ向いている。 これが大切な仲間を殺した男に忠誠を誓った理由。 世界を本当の姿に戻す為に裏切り者になった経緯。 ] (*21) ガラシア 2020/10/26(Mon) 19:04:47 |
【赤】 裏切りの勇者 フォルクス[ 人類、ましてや勇者を迎え入れるという王の意向に 当然反発と不安の声があがった。 初代王の生前を知る者は既にその息子の魔王のみ。 旧き時代は魔族にとっても、御伽噺にも近い現実感の失せた過去。 生きる為に戦い、血肉を喰らい命を繋ぐことこそが彼らの意味。 永き戦争に一方の滅び以外の終わり方を求めるのは、 綺麗事の夢物語のようにしか思えなかった。 しかし、王を守ることもまた、魔族の意義であった。 敵を定めることで一つになっていたのは、人類だけではなかった。 目的を共有し、隣で武器を取り 同じ御方の命で動くことにより受け入れられてゆく。 ] (*22) ガラシア 2020/10/26(Mon) 19:05:03 |
【赤】 裏切りの勇者 フォルクス[ 各地に隠れ住む、背信の烙印を押された反教会派の人々を探した。 その者達は人も魔も忌避し静かに生きることを望んでいたが、 痣を見せて自身の体験と教会の真実を語れば、 ある程度の協力を望むことが出来た。 自分が生きている限り生まれない筈の新しい勇者に出会った時、 説得を試みた結果逃してしまい、教会に裏切りを知られたのは失態だ。 教会に新たな嘘の筋書きが加わる。民が魔族に耳など貸さないように。 人類だけが武器を振るっていたのではない。 どんな考えがあろうとも、魔族の歴史もまた血に塗れている。 “血を流さず言葉で全てを解決する“笑える程の理想論。 元より無かった可能性は、ゼロに等しくなってしまった。 ] (*23) ガラシア 2020/10/26(Mon) 19:05:30 |
【赤】 裏切りの勇者 フォルクス[ 背信者の数は、教会と争うにはとても足りない。 魔族という戦力を投入すれば、説得力が消える。 教会に攻め入らねば真実を明らかに出来ない、 しかしそうするには勇者を生み出す教会を止めねばならない。 数多の矛盾が足止めとなった。 激しさを増していった人類の攻撃、戦いの負担も比例した。 根の破壊を試みるにも、人類は当然強く抵抗し各地で争いは続く 長引けば長引く程勇者は強くなり、魔族の首を刎ねていった。 一人の勇者が土に還らなかったことにより、 その力を多少後退させられたとは思われるが 元より一代が十年続けば随分生きたと言われる程度の儚い存在 すぐに遅れを取り戻す、至るべき領域へと育まれていく。 見つけた種は一向に芽を出さず、 あの木だけが豊かな土の元、天を目指して伸びてゆく。 ] (*24) ガラシア 2020/10/26(Mon) 19:05:56 |
【赤】 裏切りの勇者 フォルクス[ そうして裏切りから百と十数年後。 ────「最後の勇者」が生まれてしまった。 圧倒的だった。 まだ少年時代の面影を持った齢で、たった一人で魔王領に踏み込み 阻まんと立ち塞がった幹部は、ほぼ壊滅。 生き残ったのは自分と、鎧の如く堅い身体の獣人 それに元より能力が戦闘向きではなく前線に出ない参謀のみ。 竜族リヴァイアサンは、王を守る為に命を賭け、没した。 王妃となる前は戦場で牙を振い女将軍と呼ばれていたという。 凛として聡明で多くを語らない、夫たる方によく似た性格だったが 最期に撤退の命に従わない頑固さを見せた。 ] (*25) ガラシア 2020/10/26(Mon) 19:06:15 |
【秘】 裏切りの勇者 フォルクス → 魔王 ウロボロス[ 冷血でも戦闘狂でもなく、 自らの立場で王と民の為に出来ることをしているだけ。 険しい表情をしている時間が多い彼女は、 母性的な部分を行動で示す、国母というべき方。 ] (-75) ガラシア 2020/10/26(Mon) 19:23:41 |
【秘】 裏切りの勇者 フォルクス → 魔王 ウロボロス「あの方にとっては、民こそが我が子なのだろう。」 [ 近い未来で共に生き残ることとなる獣人────ベアは いつか遠い目で懐かしむようにそう口にした。 彼は、魔王軍において一番の古株であった。 リヴァイアサンは竜族の変異種にあたるという。 聞き慣れない言葉であったが、 地下で魔素について教えられた時に聞いたものと似た説明をされた。 生まれつき強い力を持ち不安定、暴走を抑えながら生きる。 彼女は成体になり安定し、種族の務めとして王の牙となり その力と国への想いを王妃に相応しいと見初められたが。 かつて二人が抱いた双子は、小さな器に入り切らないものを継いだのか 不幸にもすぐに亡くなられてしまったそうだ。 ] (-76) ガラシア 2020/10/26(Mon) 19:24:17 |
【秘】 裏切りの勇者 フォルクス → 魔王 ウロボロス「戦況以上にきっと、 心の問題もあるのだろうな────」 [ それ以来子供は生まれていないらしい。* ] (-77) ガラシア 2020/10/26(Mon) 19:24:58 |
【赤】 裏切りの勇者 フォルクス[ そして、既に敗退し勝ち目の無い生き残りの配下達に 死するまで仕えることを決して許さずに、 城から離れた人狼の隠れ里へ転移させたメフィストもまた。 ────今思えば あの方にとって、それも計画の一つだったのかもしれない。 世界を救わんとするような、魔王らしくない気持ちもあったのだろうか それ程に「奴」は異常であったから。 ] (*26) ガラシア 2020/10/26(Mon) 19:25:24 |
【置】 魔王軍幹部 フォルクス[誰が倒れようと最後まで立ち続けるのが勇者ならば、 全てが終わった後其れはいかにして存在意義を保つのか?] (L0) ガラシア 2020/10/26(Mon) 23:28:19 公開: 2020/10/26(Mon) 23:30:00 |
【人】 魔王軍幹部 フォルクス[ 400年目の記念式典、聞こえでは長く続いているように響くだろう。 しかしこの地はかつて、魔王が討たれた後に激しい戦いが行われ、 明らかになった真実により、再興の声すら十年以上出ることはなく ヤドリギ諸共永遠に封印されるかと思われていた。 聖都が忌まれたからだけでなく、世界が変革を迎えていたことも要因。 新しい形で都が動き出してからも、 条約の取り決めや対談ではなく祝の為に各国のトップを集める場は、 中々に実現が難しかったらしく、ごく近代から始まった試みだ。 現在も開催は毎年ではなく、世界情勢により中止になることもある。 更に魔族の出席が許されるまでには時間がかかった。 硝子の破片を怪我をせぬように拾い上げ、形を整え繋ぎ合わせる。 人類が現在している苦労は、そういったものかもしれない。 教会がしていたことはただの悪と断じられるものではない。 その威名が崩れ落ちたことによる不利益も、確かにあった。 ] (51) ガラシア 2020/10/26(Mon) 23:30:35 |
【人】 魔王軍幹部 フォルクス[ 人類の王侯貴族達と並び、用意された席に腰を下ろしている姿を 距離の離れた場所から他の幹部らと共に眺めていた。 それでも自分達は、広場の中にいる。 厳重な警備により、民の立ち入りは許されていない。 しかしその外側から式典の様子を見ることは出来る。 拡声魔法により、声も届くだろう。 我らが王同様の、戦争を知らない人類達は どのような気持ちでこの光景を見ているのだろうか。 同行する度にこの時間、同じようなことを考えている。 ] (52) ガラシア 2020/10/26(Mon) 23:30:55 |
【独】 魔王軍幹部 フォルクス/* 半円の南側ではなく南側の半円が正しいんじゃないですかね俺 さて残りは何も差し込む必要無く予定のままにってところだが その予定をちゃんと書けるのかなんだよなあ (-88) ガラシア 2020/10/26(Mon) 23:53:00 |
【独】 魔王軍幹部 フォルクス/* ご夫婦の続きめちゃくちゃ気になってるけどお忙しいのか窓秘話でしてるのかどっちだろうな エピって各ペアの方々が楽しんでるところを見るのが楽しみ (-89) ガラシア 2020/10/26(Mon) 23:55:33 |
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