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【秘】 3839 南波 靖史 → 8435 黒塚 彰人「彰人くんは快楽を拒むのは臆病って感じるんだねぇ。 俺は臆病とまではいかないけど、素直じゃないと思ってたけど、どうにも違うのかなって思ってた。 久しぶりに近い意見の人を見かけた気がするや。仲間だねぇ」 聞き慣れた音を聞いて、シートに視線を移す。 知らないとは言わない。そもそもこの男の罪状は実際はこの男が仕組んだ事では無いとは言え──薬物取締法だ。さすがに知識がゼロではない。 「そう。俺、『人間』じゃないんだ。 “君達を幸せにしに来た”──って言うと、信じてくれる?」 別段何の抵抗も見せていなかったし、何の感慨もなかったのに。指輪が取られて放り投げた時、意識しない「あ」と言う僅かな声が漏れた。その声自身に、本人も動揺したように目を瞬かせた。 ──今、何で俺、凄く嫌だって思ったんだろう。 ▼ (-81) poru 2021/09/25(Sat) 0:36:14 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 8435 黒塚 彰人「──彰人くんは?」 「彰人くんは、相手が快楽を感じてるのを見る方が好き? それなら俺も好きっていう。ないよりある方がいいし。でも、」 「彰人くんが、相手が快楽を感じてない姿を見るのが。 それが好きって言うなら、快楽はいらないや」 「それが俺の嘘偽りない答えだよ」 だって俺、攻めしかやったことないもん。 快楽、得る事できるもん。薬より強いものが。 自分にも、相手にも。 自由意志で、薬剤なんかよりも遥かに高精度の物を。 でも、目の前の錠剤が見えてるからそれはまだ伏せておいた。ちょっとだけ彼がどんな出方をするのかが気になったから。 俺“が”相手にアプローチすることは数えきれないほど行ったけど、俺“に”アプローチしてこられるのは初めてだから、少しだけ興味がわいてしまった。 (-82) poru 2021/09/25(Sat) 0:37:12 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史「……抱くのなら、その相手は感じている方が良いだろう」 思考を巡らし、答えを探る間があって。 教科書があったとするならば、例題と解答に載っているのだろう、判で押したような正答。 レンズ越しの監視の目、それがあるうちは――意識するうちは、黒塚は多くにとってのただしさを選び取る。 好きでも、嫌いでもなく。 そうしてふと、「お前、選べるのか」と漸くの疑問を浮かべた。 己のように服薬をしているのだろうか。 それにしては嫌に断定的な物言いをする。もっと明確に、自在に操れるかのような―― ……さて、これの異能は何だったかと、記憶の底を浚う。 その程度の関心で、侮りとも言えた。▼ (-87) 榛 2021/09/25(Sat) 1:56:17 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史 一度は離した手を、再び左手へと伸ばす。 嵌められた輪の無くなった、心臓に最も近いとされるその一本を摘み。軽く持ち上げる。 ……左胸からこの末端まで、血が巡る身体をしていながら。 人間ではないと称するのなら――これは、何なのだろう。 そんなふうに、興味の片鱗を掴んで。 僅か、口の端がゆるりと吊り上がっている。笑っていた。 (-88) 榛 2021/09/25(Sat) 2:01:15 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 8435 黒塚 彰人「はは、模範回答だね。 別に合意の上なら、相手が痛がってるのに興奮する性癖でも俺は構わないと思うんだけどねえ。それは流石に犯罪でも何でもない個性でしょ」 薬指に触れる感覚がこそばゆい。落ち着きはしないけれど、まだ右手薬指にも同じものはある。だからなのか、この朧気な不安も相手の熱で中和される。何より、貴方の表情で意識が逸れる。飛ぶ、に近いかもしれない。 「──ふふ。彰人くんが笑ってるの、初めて見た」 人間でないと自称するのに、確かに血は巡り胎動している。少なくとも身体は人間と同じ物にしか見えないだろう。構成要素も何もかも。その何ら人間と変わらない、『証』がまだある方の手で笑うあなたの頬に手を添える。指で唇をなぞって、開かないのかとばかりにトン、と叩いた。 「……ねえ、感じてる方がいいんだよね。ならはやく」 「お薬もあるんでしょ?俺が快楽嫌いなら、全部自分でそれ飲んだの?或いは無理やり俺に飲ませたのかな。ねえ彰人くん」 「好きにしてみせて。今まで他の子にしてきたように」 あなたが飲むのか、飲まされるのか。 どちらでも構わないとばかりに、貴方が薬を含もうとするのを待って確認してから、頭を引き寄せて口付けを交わそうとするだろう。口内は、別に閉ざしていない。侵入を拒む要素は何一つない。 (-92) poru 2021/09/25(Sat) 2:37:19 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史貴方に先導してもらい、空き部屋に立ち入り 扉を閉めて、しかと鍵を掛ける。 貴方の居るベッド──隣へ腰を下ろしざま 自分用に先日支給されたハンディカメラを貴方へ放り投げた。 受け取らなければベッドか地面に音を立てて落ちるだろう。 続けて電子端末を取り出し、見せつける。 自分の持っている端末は、別のカメラの映像や、過去のアーカイブも見えるようになっている事を貴方も知っているだろう。 「───W見たW。 お前がこの企画のバランス調節してたんだな。 心労、察する。」 ひとつ、大きく頷いて 本心からの言葉をかける。 「……で、本題。 盤面を誰よりも注意深く見ていただろう、お前に聞きたい。 今は テコ入れが入るギリギリ だろうか。」勿論、所感で良い。 分からないならば、返事はそれでも良い、と付け足して。 その真意は、 貴方との約束を、わがままを、手伝いを、 どうしたものか迷っている──とでも言わんばかりだ。 (-95) osatou 2021/09/25(Sat) 2:51:09 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0251 鏡沼 創「そうだね。トモダチは好きだし、トモダチ『だからこそ』してあげたくなる事、この世には沢山あるもんね」 会話が噛み合っているようで、噛み合っていない事に気付けるのは、果たしているのだろうか。もしいるとすれば、ただ一人、終演の日を待ちわびている誰かさんくらいか。 「でも貰えないよりは貰えたほうが良くない?あるある。勢い良く脱ぐよりはね、恥じらいに興奮するらしいよ、人って。俺も最近知ったばかりの事だけど」 つまりは需要はちゃんとあるよとのフォローだ。カメラを手渡された以上は、片手に嵌めてストリップショーの光景をしっかり映している。 「半脱ぎの方が興奮する人もいるんだって。足開き辛くなるから、俺としては脱いでくれたほうがらくだけどね。特に今回、これ撮りながらやるんでしょ?……まあ、見所ありそうなとこは見える位置に設置すればいいか」 そう言ってから一度鏡沼の姿が映る位置にそれを置いて、自分も上のボタンを外しはだけ出す。ベルトを脱ぎながら、それは何の予兆もなく起こる。 何も服用していない筈なのに、あの日に近い──けれど、それだけではない、高揚と感度が、ゆっくりとダイアルでも回すように徐々に上げられていっている事に、身体の異様な変化に気付くだろうか。 最も、勘が良すぎて逃げ出そうとするなら、すぐに両足を掴んで馬乗りになるだろうが。 (-96) poru 2021/09/25(Sat) 3:00:35 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史 ――犯罪でも何でもない個性。 それに、黒塚は返答を寄越さなかった。 黒塚は所謂、虞犯少年だ。近しいものが犯罪に走り、その影響を受け、 ▼自身もまた罪を犯す――そんな可能性を危惧された存在。 故に、ただしく在らねばならなかった。 黒塚が『ただしくない』個性を持ったとして。それは殆ど、罪にも等しい。 (-98) 榛 2021/09/25(Sat) 3:22:25 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史 ぴり。薄いアルミを破り、口に含んだのは一錠。 それから、引き寄せられるがままに任せる。 その頃には、いつもの仏頂面が再び貼りついていた。 目は瞑らない。漆黒は隠されない。色の違う前髪が、高さの異なる鼻先が触れ合う、 そうして―――― 、、、、、、、 ふたつは、重ならなかった。 ▼ (-99) 榛 2021/09/25(Sat) 3:28:04 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史 少年が感じたのは、柔らかい弾力を押し返す、かさついた感触だけだろう。 人差し指と中指、その指先。 薄くひらいた隙間を更にこじ開け、咥内へと差し込まれる。 「……飲めるな?」 ぬるり。舌の上、錠剤を一つ、滑らせる。数度、刷り込むように擦りつけた。 (-100) 榛 2021/09/25(Sat) 3:29:07 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 8435 黒塚 彰人「……ん、ッ、……、……」 ──成程。わざわざ薬を飲むだけある。 ここに来て、特殊性癖を見るのはそう珍しくなかった。何の性癖かは知らないが、キスを拒んで指を突っ込んで飲まそうとしてくるとは。 (その方が下手な性癖より残酷だろうにねぇ) 傷付きはしない。ただ不満ではあった。 誘い方はうまいのに、その辺りで現実に戻される。無論この素っ気なさを好む人間もいるだろうが、少なくとも自分はそれを受け入れるよりは──いや、すぐに来るだろう。 それよりも、だ。 「飲めるな?」と問われればそれを拒んだ場合どうするのか。もう模範囚ですと言った態度を取ろうとしているのは明白で。ならば、ここで抵抗すれば何をするのか。面白い実験じゃないか。 「……ふ、……」 息を吐いて舌でその指を止めてみる。 さて、無理やり指を押しこむのが一番早いだろうが、指だけでそれを無理やり抵抗する相手にさせると咽させてやり直しになる可能性も高い。じゃあ飲ませないまま行うか? こんな状況なのに生意気にも、どこか好機と期待と挑発に満ちた目で、貴方の動きをつぶさに観察している。 (-102) poru 2021/09/25(Sat) 3:51:09 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 9949 普川 尚久「靖 史」 そこだけは断固譲れないらしい。軽口なのか好感度の低下か、何にしてもこの状況ですらそれだけは譲らないらしい確固たる意志を感じる。 「固くない、はずだけど。 ──壱か零しかない場所でずっと生きて来た。 いきなりその間が存在すると言われて『はいそうなんですね』と即受け入れられない奴は全員頭が固い扱いは手厳しいな。 世界が象に支えられてたと思ってた時代の人に丸いのを解く時も同じ事言う?……まあ、狭い世界だったのは確かだよ。“一般的には”極端になりやすい思考らしい事は、認める」 貴方の先程よりは落ち着いた言葉と、解説に、耳を傾ける。 目隠しをされているあなたには見えない事を良い事に、時には怪訝な顔をして、時には信じられない顔をして、時には理解できない顔を隠しもしなかった。 律儀に此方の問いを返してくれた事に対して、思わない所がない訳ではない。このような思考があるのを聞いたのも、実は院では初めてではない。けれど、 「……理解しようとは、考えてる。でも、正直俺がずっと外で聞いていた事と違いすぎて、すぐに頷けない。そう言う風に常に教わって来ていたから、尚久くんみたいなタイプに会ったのは、院が本当に初めてなんだよ。別に嘘付きとはもう思ってないけれど──」 何より、何よりだ。 「……素直に言ってくれたから、俺も正直に言うね。まだ始めたばかりだ。今なんて快楽のほんの僅か、最初の扉を見せただけで、与えれば少し意識が変わるのではって思う思考が俺の中に無いとは言い切れない。それくらい根深いし、それくらい、行為の痕に意見を変えた人を見て来た。…………」 「ただ、尚久くんの主張は踏まえた上で、続けたい。その上でやっぱり嫌だったら嫌だし幸せでもなかったって言ってくれた方が、俺もまだ、納得できるから。……駄目かな」 (-104) poru 2021/09/25(Sat) 4:13:08 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 1117 闇谷 暁「っ、と、」 投げられたカメラを反射的に受け止めた。苦笑しながら座るベッドの上にそれを置く。 「ああ、うん。元々向いてると思ってたし、実際そうだったと思うからさ。人間だと良心の呵責とか、逆に適当すぎてみんな揃って怒られるとかしそうかなーって」 褒められた、と言うよりは労りか。その言葉に謙遜ではない本音を零しながら、片手をひらひら振る。 「で、なるほど本題ね。正直言うと今もギリギリだよ。ダメすぎる、とまではいかないが面子の気質かな、これは。個人間は多いけど、もっと拗れるなり複数人なり、みたいな刺激のあるものも特にないからね。ないなら必然的に数が求められる」 「ただ、……暁くんにこれを言うのは皮肉かもだけど、リョウちゃんとのアレは受けがよかった。だから、別に暁くんが無理に俺としなくても他の面子が好き勝手やってる程度で、後は終わると思う」 最も、あくまで俺の得た情報の上での推論だ。100%はない。気まぐれだからね。と付け加えた。 「……望みの答えを返せたかな?俺は」 (-105) poru 2021/09/25(Sat) 4:59:52 |
【人】 3839 南波 靖史 (11) poru 2021/09/25(Sat) 5:19:56 |
【秘】 0251 鏡沼 創 → 3839 南波 靖史「まぁね。早く外に出れるなら、出たいし。 えぇ……趣味悪ぅい……」 そういう趣味の悪い人々の元にこの映像も届くのだとすぐに思い出して、またちょっと嫌そうな顔もした。 鏡沼は恥じらいで興奮する性格でもない。薬が入っていない今日はまだ主張する箇所もなく、足でそれとなく隠しながら貴方の準備を待つ。 「―――?」 不意に、ふるりと身体を震わせた。 衣擦れの音に混じってどくんどくんと鼓動の音が聞こえてくる。視界に映る肌色が増えると共に体温が上がっている気が、する。背筋をなにかが走るような感覚を、覚えた。 ―――まるで、先日薬にあてられた時のような。 思い当たった瞬間、先日穿たれたはらの奥がずくんと疼いた。先程まで反応していなかった箇所が熱を帯び始める。 「っ、なん、で、」 これはきっと、ダメなやつだ。何も口にしていないはずなのにどうして? 無意識に丸めていたつま先を床につける。離れなくてはいけないともやが掛かり始めた頭の隅で声が聞こえる。 しかし、混乱が優っているのか動きは緩慢だ。押さえつけるのは容易だろう。 (-110) sym 2021/09/25(Sat) 5:29:06 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史「………まるでお前は人間じゃないみたいだ。 ともあれ、うん。 じゃあ、一先ず有難うだな。助かってるよ、南波。」 WそうだったWと過去形なのは何故だろう。 のらりくらりと何事も流していく貴方のことが、いまいち読めない。首を傾けながら、今度は正しく褒め言葉を吐いた。 続けて語られる品評。 断定をしてこない物言いに、堂々と語る様に、自分の見る目が間違っていなかったと言える。 「望み通りだ。信じる。 疑うつもりも無かったけどな。 ………だからこそ、続けて聞かせてくれ。」 貴方の方へ、近付く。 この部屋のカメラの位置を確認するように天井付近をぐるりと見渡す。それから、 「望みの報酬を得ようとするならば、足りないか?」 正直言うとギリギリ。 それでは自分たちを釣るご褒美は、約束されないのではないか? 不安。恐れ。 貴方はこれらを、取り除いてくれるだろうか。 (-115) osatou 2021/09/25(Sat) 6:15:20 |
【秘】 9949 普川 尚久 → 3839 南波 靖史「……ああ、すまんな靖史」 名字さん以外で人を呼ぶ事は、どうにも慣れない。頭の中での呼称を変えていても、毎回自分の中で訂正する事になる程度には。 「んー、そこは僕はその時代の人にもおんなじこと言うな。 でも靖史はそこの人らよりはやわくはありそ……」 話をしてくれてる。急がない呼吸が出来る。 「いいよ。数字全部を大した理由なく 好き嫌いのふたつで割る奴でなかったら。 今僕が言ったことすぐに靖史のものにしなくても」 常識が、すぐに覆るわけもないのだ。自分も大概頑固者である。誰かから何かを聞いた上で変わらない事なんて、いくらでもあった。 「ヤるんは、もう好きにしてな。 言うこととか、変わらないからさ」 そのいくらでもある内のひとつを投げて。目隠しの下で瞼を閉じた。 (-122) Vellky 2021/09/25(Sat) 13:07:16 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「……また親だ」 「結局みんな何だかんだ理由をつけつつも、好きになって欲しかったのかな。両親がいないから何もわからない。でも殆どの子がそれを理由にするから浮くのかな。……親が居たらもう少し、俺も変わったのかな」 少年犯罪に両親の存在が関わっていない方が類まれな筈だ。にもかかわらず、それをいまいち納得、もとい理解していなさそうな顔をしている。 只管その単語が出て来る度に、その彼らの親に対する重さがそのまま自分の不理解の重さになるようで複雑だった。 さて、この複雑の感情が『親が居ない』からに由来するかは実は別なのだが、いずれにせよ今の南波は認識していない。 「不幸の根源」 「俺、他人の事は幾らでもそう思うけど、自分の事は不幸って思った事が『一度も』ないからそれは楽しませてあげられなさそうだ。ごめんね」 そんな異常な言葉を、貴方が会話を切り上げる間際、伝えた。 ▼ (-159) poru 2021/09/25(Sat) 21:32:03 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「────……」 最中、比較的喋りながら行為を行える方だが。 この時、殆ど南波から何か返答が返ってくる事はなかった。 単純だ。“返さなかった”のではなく “返せなかった”。 だから貴方が淡々と、薄々そう来ると感じていた返答を投げて来た後に、その答えが緩やかに返されていく。『幸せか』を聞くために行為を行ったのだ。他の事に気を取られる訳にもいかなかった。 「……わからない。その子に相手がいて幸せなら、別、かも。 対象指定の詳細な定義が行われていない為、不明です。定義付ける場合は、本来の──。 ただ義理の有無は問題じゃない。俺はその相手が『みんな』とされているから、それを叶えられないなら、……」 例えば『好きな人間相手以外は』なんて問い、小学生ですら本来『みんなを幸せにしたい』なんて言い出した時点でそれらに気付くものだ。 なのにこの男はその可能性を“考えた事が無い”。 正確にはそんな存在を見た事が、これまた“一度も”なかった。その時点で環境が異常、あるいは本人の性質が人間離れしているのか。両方か。察するのは容易いだろう。 ▼ (-160) poru 2021/09/25(Sat) 21:35:11 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「俺は、…… 俺は、靖史、自身?」 そして、おかしな所で引っ掛かりを覚える。貴方の言葉の重要な箇所はそこではない。しかしながら“この前提”がそもそも異なっているのなら、 「なあ潤くん」 「──俺、“『南波靖史』自体”じゃないよ」 価値を下げたつもりが無い。嘘偽りのない真実だ。 貴方の言う事は『南波靖史』自身であれば励ましになったのだろうが、逆に言えば、この男が『南波靖史自身ではない』場合は、どうなるか。 ▼ (-161) poru 2021/09/25(Sat) 21:36:43 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「誰かの代わりに“も”、どころか。 “俺は俺しか存在しない” “役目の為に生まれた”」 「なのに役目を果たせられないから最も嫌う代替え品なのかと思って、それすら成れないと言う事で、結局そして俺は『みんなをしあわせをする』を遂行できない。何かの代用品、に……?」 先程から思考がループしている。 否定しても否定しかできない。『せいぎのみかたになれる』と諭された、なれると言われ続けていた少年が夢破れた、みたいなものに一見見えるかもしれないが、それはあくまで人間だった場合の話で。 「 個“人”ですらないんだよ 」 ──声が震える。 数刻前の時と違う震え。 貴方の言葉を“もう一人”は本当は聞いているけれど。聞いて、目を閉じているし貴方の言葉はそちらに届いているけれど。 今、この瞬間に貴方の目の前で貴方に言葉を返す『南波靖史』には届いていない。 貴方の言葉は、 “前提として人間に宛てられている”言葉だ。 それを “人間じゃない物”が受け取れるはずがない。 「潤くん、『この布を切るためにだけに作られたハサミが、切れない』って知った時、どう思う?舌打ちするだけだろ?不良品を掴んだって思うだけだろ? わざわざ『切れなく作られたハサミが可哀そうに。大事にしてあげよう』なんて、一体どこの誰が思うんだ?そんなのさ、」 「──“捨てて終わり”、だろ」 「ハサミは幸福を望むように作られていない。あるとすれば、役目を果たせた時だ。少なくとも俺は、そう感じる」 (-162) poru 2021/09/25(Sat) 21:44:31 |
南波 靖史は、ニュースを見ている輪には混じらずとも聞いていた。 (a19) poru 2021/09/25(Sat) 22:57:46 |
南波 靖史は、『同じだ』 (a20) poru 2021/09/25(Sat) 22:58:19 |
南波 靖史は、同じなのに違う。 (a21) poru 2021/09/25(Sat) 22:59:43 |
南波 靖史は、『それって何処が違う?』と『気付いた』 (a22) poru 2021/09/25(Sat) 23:01:14 |
南波 靖史は、ただ、左手薬指の指輪を握り締めている。 (a23) poru 2021/09/25(Sat) 23:01:53 |
南波 靖史は、『これ、誰との指輪だっけ』と、思い出しかけた。 (a24) poru 2021/09/25(Sat) 23:03:27 |
【赤】 3839 南波 靖史「────。」 思い出しかけたのを、止めようかと一瞬迷い。 でも、干渉を止めた。 時間の問題なのも薄々気付いていたし、 何より、終演を迎えるには停滞をさせてはいけない。 見届けなければいけない。 その使命感か、情か、或いは──か。理由がなんだとしても。 最期まで思い出さないで新しい物を見つけてくれれば。 思い出すならせめて、 くだらないと言わなくて、 愉快だと笑い飛ばせるくらい、 楽しいものであったと── そんな評価してくれる人がいれば。 或いは、共感してくれる人がいれば。 「もしもこの場所で思い出すなら、 そんな人が相手の時だといいんですけどね。 ──そうでしょう、▓▓▓▓」 (*1) poru 2021/09/25(Sat) 23:20:30 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史 それは、男にとって予想外の抵抗だった。 ぴたりと動きを止め、小生意気な瞳を見下ろし押し黙る。 男の口内、少年に含ませたのと同じ薬が、舌の上でじわじわと溶けはじめている。 「――……」 口を噤んだまま、指を動かす。 押し込む動きとは真逆、錠剤を取り残したまま一度引き抜いて。 上顎を擦り、舌を摘まみ。形の良い口の中を犯すように、甘やかに掻きまわす。 ――『飲めるよな?』 繰り返しの問いかけを視線に乗せる。 瞳には、苛立ちと愉悦が僅かずつ、かすかに滲んでいるのだろう。 (-169) 榛 2021/09/25(Sat) 23:57:32 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 1117 闇谷 暁「よくわかったな。 その通り。別に俺は人間じゃない」 余りにその発言はシレっと。冗談と取るのが普通だと言うほどの羽根のような軽さで発せられる。元々の雰囲気も相まって、だろうが。 「ん〜。俺も勿論善意だけじゃないよ。需要と供給の一致で手を組んだ。裏切者って言われても別段間違ってないかもしれないのに、律儀だね」 傍に寄ってくるのを見て、そちらに首を傾ける。 別段カメラに視線を向ける事はない。あえて見せて安心させる事で、実に巧妙に隠しているカメラもどこかにあるだろうから、声はまだしも映像はどう足掻いても見られるだろうと開き直っている。 「ギリギリとは言ったが、もうテコ入れは来ないと思うよ。 安定自体はしている訳だしね」 顎に手を当てながら、顔を上げる。 こうして考える動作だけしていれば大人びているのに、実際に口を開くと変に常識が無い上に、基本的に話下手だ。正確には感情の共感能力の低さ故に、無意識にな言い方をすることが多い。 「損切するなら長く続きすぎている。テコ入れレベルなら、無策状態だともうとっくに打ち切られているから、何も来ていないと言う事は安全だろう。褒美がなしと言えば、俺たちが何を仕出かすかもわからないから、そこも保証されていいんじゃないか。ただ、」 「暁くんの望みの報酬が得られるかは、内容次第だろうね」 そう返すしかない。その先が聞きたいのなら、そこを答えてもらうしかない。それを貴方は察せるだろうし、此方もそう思ってるから特に続きを尋ねたり催促したりもしない。 (-176) poru 2021/09/26(Sun) 2:43:49 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史「そうか、人間じゃないのか。 アンドロイドか何かか? 飯は普通に食って大丈夫なのか? 」そうして此方は真剣だ。 異能が発展している今日、否定するばかりでは何も得られない。ただ冗談が通じないとも言う。 「裏切っては無いだろ。 そう言われたいなら、そう言うが。」 律儀だろうか。首を傾げる。 手を組んでいたとして、貴方だけが特別贔屓されている訳でもなく見えるし、特に此方が害されている訳でも無い。 罪悪感をどうにかしたいと言うならば、考える、と付け足して。 続く貴方の分析は、ひとつひとつ頷きながら聞く。 下手に言葉を増やされるよりは、端的に情報を語られる方が聞き取りやすい。 「そうだよな、有難う。……、」 揺れる視線。 貴方に求める報酬を明かす気は無いらしく、たっぷりと思案。 (頼まない) → (-181) osatou 2021/09/26(Sun) 3:44:37 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史「……また、相談しに来ても良いか? お前から聞ける意見は、きっと貴重なものだ。」 今は、決断することを辞めた。 思うところが多い為、時間を有すると判断して。 どちらかと言うと今は 貴方がどう人間ではないのか 、とそちらに意識が向いている。 腕、足、それから頭部なんかに視線をやって どうなんだ?と言わんばかりだ。 (-182) osatou 2021/09/26(Sun) 3:49:08 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 1117 闇谷 暁「体や内臓は人間だねぇ。ご飯も美味しいよ。 むしろと取らないと普通に死ぬね」 「リョウちゃんのニュース見た?或いは話して聞いた事ある? 俺は大して話した事ないから知らないけど、多分一番近いのはあんな感じ。“本来の中の人と違う”ってやつ」 別段、必死に隠している訳でもないので、貴方の性格に絆されたと言うよりは、そのまま聞かれた事に応えている感覚に近い。 何よりどう見ても、どこも人間だ。視線を受けてへらりと手や足を軽く動かしたけれど、最初に言った通り、体は人間なので何一つ変わりはしない。 「ただ俺は別に“新しく用意”はしてないけど」 ニュースの内容を思い出しながらそう言った。 無意識に、左手の薬指の指輪を抑えてはいるが、あのニュースを時と違って少なくとも表向きの動揺は見えない。 「てっきり、 “念のため抱かれておきたい” ──って言われると思ったけど」 「いいよ。別に相談だけでもいつでも。 暁くんがそう決めたならそれで。俺は尽くす側なので」 (-183) poru 2021/09/26(Sun) 3:59:10 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史弟分の話題に、微妙な顔をする。 知っているし調べてもいるからこそ、彼を思って表情を曇らせた。 それが貴方に伝わるかは分からないが。 「中の人と違う………人間じゃない…… え、じゃあお前、中身 宇宙人 とか?」露骨に貴方をきょろきょろ見る。 目の前の『謎』に興味が俄然沸いたらしい。 ──ふ、と、左手の指にも視線が向いた。 「……大事な人が居るのか。」 先程手を取ったくらいでは気付かなかったが その指輪の位置には確かな意味がある。当然のように、そう言い放った。 「……正直、報酬の確証がない以上はそう言いたいんだが 大事な人を苦しめたくないからな。 わがままばかりで手間を掛ける、南波。」 穏やかに笑う。 貴方と話しているというのに、今自分の思考を占めているのは貴方ではない。 (-185) osatou 2021/09/26(Sun) 4:41:20 |
【神】 3839 南波 靖史「そもそも泣き顔見れるわけじゃなくてカメラ渡されるだけだから、潤ちゃんが受け取っても相手をガン攻めしてる撮影してきそう〜」 シレッと会話に交じる。 「前回俺モテモテだったのに高志くん今いないし、もしかして誰もいれない?むー」 (G6) poru 2021/09/26(Sun) 17:52:51 |
【神】 3839 南波 靖史「かと言って突然俺に全部飛んでくるのも想像外だな。 なんかもう彰人くんにしとかない?」 別に自分に飛んでこようが気にしないが、それはそれとして突然矛先を向ける男だ。 (G12) poru 2021/09/26(Sun) 21:50:27 |
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