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【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ「そう来なくっちゃな」 くすくす、笑いながら肌が重なる。 薄衣二枚、所により一枚、或いは遮られず。 鼓動が響く。皮、肉、骨、血液、伝わっていく。 ――余裕そうな顔をしながら、あなたよりずっと速い鼓動が。 「……ばれちゃった?」 ふへ、と笑う。何が、とは絶対言わないけれど。 だって、今更恥ずかしくて言えないし。 笑顔で誤魔化せないその分を、 動かない口の代わりに身体に乗せて。 おずおずと指先を絡めて、衣の内に指を這わせる。 上に居るあなたに、顔を寄せて、重ねた。 建物に打ち付ける雨音に、微かな水音と吐息を混ぜて。 「エリー」「約束、して」「俺にも、エリーを刻んでよ」 見上げる微笑みに、瞳を潤ませて。 「傍に居させてくれよな」 きっと、昔と同じように、屈託のない笑顔で。 あなたの傍で、あなたを求めた。 (-308) shell_memoria 2023/09/16(Sat) 20:52:05 |
【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ重ね絡めた指の先。 控えめに艷めく、マリーゴールドの色をしたエナメル。 「…えー。」 「知ってたよお。」 くすりくすりと、喉を鳴らして。 そう言ってしまえば恥ずかしがってくれるかなとか。 そこまで深くは考えなくとも、自分にしか見せないあなたの姿をつよく望む。 するりと素肌に滑らせたもうひとつの指先もまた同じように。 誰も知らないあなたを求めて。自分を求めるあなたを求めて。 「…うん。約束。」 「あたしも、ずっと」「ミネの傍に、いるよお」 「だから」「ミネも。」 落とす言葉に、吐息を混ぜて。 時折2人の吐息も交ぜて。 「そばに、」 ぱちんと頭の中が白んで震えて。 それでももっと、もっとと、あなたを求む。 (-336) oO832mk 2023/09/16(Sat) 22:57:33 |
【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ今日が大騒ぎの日でなかったなら。 もし、その上で来ることが分かっていたなら。 そしてそれでも同じような事になっていたのならば。 きっと、こちらの指先も瞳と同じ色に染めて、 あなたの全てを見ようとしていた。 「……ずるいよなあぁ〜……」 結局、全部見られていたのは自分だった訳だから、 頬に朱を差す羽目になる。顔を隠そうにも、 両の手はもう捧げて、絡めて、滑らせ、重ねているし。 吐息も、心も、身体も混ぜるような、そんな距離では。 きっと、薄い闇なんて衣では、ミントブルーを遮れない。 「した、からな」「約束」 「取り消せ、ない」「から……っ」 それは、自身の内に。そして、相手の内に。 刻むように、深く。抉るように、強く。 吐息だけじゃ足りないから、と重なり、混ぜて、交ぜて。 ああ。 抑えが、利かない――。 「そば、に――」 そうして幾度も、幾度も。幾度も……。 どちらともなく、どろどろのまま、眠りに落ちるまで。 或いは、落ちても。どこまでも――忘れない夜を、過ごした。 (-347) shell_memoria 2023/09/16(Sat) 23:54:59 |
【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ――そうして。 声も、水音もいづれ聞こえなくなくなって。 微かな雨音と呼気の音だけが残されてから、暫く。 穏やかに眠る女の寝顔があなたのすぐ隣にある。 身じろぎ。擦り寄るように、肌に触れる。 「……んぅ…」 ゆっくりと、目を開けた。 そのミントブルーに映ったのは、あなたの体に残ったいくつかの鬱血痕。 女からあなたへ、あたしのひとと主張するためだけの。 必要とした証。必要とされた証。…約束の証。 満足げに目を細めて、またそっと口を寄せた。 (-386) oO832mk 2023/09/17(Sun) 1:27:22 |
【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ昨日……もう一昨日になるか、その時とはまた別の、 幸せそうな穏やかな寝息と寝顔。 そんな深い眠りも、約束の前では形無しだ。 だっていつでも、お姫様を起こすのは王子様のキス―― 「……これじゃ立場が逆じゃんかぁ……」 ふにゃふにゃの声と顔。伸ばした手がぎこちなく髪を撫でる。 ライムグリーンの監視カメラは、自分と同じような状態の 素敵な装飾品で着飾った姿を映しただろう。 「肌の出る服、着れないな?……いや、着てもいいけどさ」 ベッドの上で、もぞりと動く。 淫靡さではなく、親愛を込めて身体を重ねて熱を共有した。 それと同時に、気付いた事がある。 「……またシャワー行こうぜ、朝が来る前に」 互いに浴び、擦りつけ、吸い……証明し続けた結果。 そこには『どろどろ』なんて言葉が生易しく思えるほどに、 二人の混ざり物が広がった痕跡が残る。 恐ろしい事に、それにすら――愛しさしか、感じない。 だから提案はしたけど……あなたの手を取って、口を付ける。 狙いは一か所だけ。左手の、薬指に。少し長めに、お返しを。 終わった後に、少し残った頬の朱を自覚しながら。 「あのさ」 ▼ (-422) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 9:46:29 |
【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ「だいすきだよ、エリー」 今まで軽口や早口で言っていたものとは違う。 心根の奥底から、そう。 自然に溢れたあなたへの約束の証を耳に沁み込ませて、 きっと霧と闇で見辛い中でもよくわかる、 耳まで真っ赤な顔が、真っ直ぐにあなたを見つめていた。 (-425) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 9:50:40 |
【独】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ/* こちらロールうまおにボコボコにされている図です この実質初日に雨音の中で致しているの、 かなり命の危機を前に盛り上がっているような感覚で 状況的な正しさを感じますね 明日をも知れぬ自分達の身を知って、 それでも明日を掴みに行くぞという強い意志…… 好い……………… (-431) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 10:00:43 |
【神】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ部下が持ってきたカンターミネ風ヅラを被ったテディベアが 席について大人しくしている。お腹を押すと喋る。 《おかけになった電話は現在、電波の届かない所にあるか、 出るのがかったるいなあって思っているのでかかりません》 《情報チームにご用命の際は!XXX-XXXX-XXXXまで!》 《口からどんどん情報が出て来るねえ》 《カフェイン万歳!甘いモノ万歳!》 《なあなあ、最近どう?俺は順調》 などなど。全15種類のどうでもいいセリフが詰まっている。 (G45) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 10:36:13 |
【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ薬指へと、長めの口付け。その隣で煌めくエナメル。 女はとても幸せそうに、へにゃりと笑った。 「――あたしもお」 「…ミネ。だあいすき」 甘えた声で言ってまた肌を寄せる。 あたしの王子様。ずっと昔に、ひとりぼっちの“寂しい”から救ってくれたひと。 いつもと違う姿。頬に刺す朱はもちろん、交じり汚れたその肢体すら愛おしい。 満足するまで、なんてしてると朝が来てしまう。 だからほどほどに切り上げて体を離した。 「…ミネ。あの、ねえ。」 シャワールームへの道のさなか。 ゆっくり、女は切り出した。 「お風呂、終わったらあ。」 「マニキュア。…塗って欲しいんだあ。」 えへへぇ、と少し気恥ずかしそうに。 気付けば、左手の小指のエナメルが欠けている。 (-439) oO832mk 2023/09/17(Sun) 10:36:55 |
【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ「へへぇ」 すり、と衣と肌を寄せる音。 俺のお姫様。ずっと昔に、どこにも馴染めなかった自分を救ってくれたひと。 あの時からずっと、一目惚れだなんて言ったら笑われるかな。 笑われないよなあ。だから好きなんだ。いつまでも。 「んー?」 いつもと同じ声と顔。……いや、どっちも今は着崩して。 繋いだ手をふりふり歩みを進める。 「喜んで、俺のお姫様。……にしても派手にやったよなあぁ」 お互いの姿を改めて眺めて、思わず笑う。 頭をあなたに軽く傾けて、二人でくぐった浴場の扉を閉じた。 (-445) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 10:48:22 |
カンターミネは、ダヴィードをリアルタイムでは見れていない。が、後日録音機器とヅラが送られてきた。 (a15) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 10:50:07 |
【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ「あはー。うん、どろどろお」 頷いて笑いながら、扉の奥へ。 暫くすると、浴室の外に、さぁと雨のようなシャワーの音が微かに響く。 また髪を濡らしてそこを出た。今度は、ふたり一緒に。 ドロドロがなくなっても、赤いしるしは消えていない。 昨日のまま置かれていた眼鏡をかける。視界は良好。 着衣を整えると、鞄から15mlの小瓶が幾つか入ったポーチを取り出した。 ベースコート、ポリッシュ、トップコート。 除光液と脱脂綿、あとは保湿のオイルも。ネイルセットだ。 「じゃあー、お願いしまあす。」 欠けたエナメルを拭い、オイルを塗布。 椅子に座るとその左手を差し出した。 ゆら、ゆらと足がふうわり揺れている。 (-452) oO832mk 2023/09/17(Sun) 11:16:38 |
【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ湯気も立たせて、手もまた繋いで。 なんなら、しるしは入る前より増やしたかもしれない。 「手ェ震えないように願っといてくれよ、 仕事と一緒にお姫様のお世話で手が過労だから」 へらへら笑いながらネイルセットを手に、 一先ず傍のデスクに並べて、指を鳴らす。 オイルで滲まないように、少し時間を置いてから のんびりとベースコート。乾かす傍ら、口を動かす。 「毎日会えるし、毎日会おう。街で偶然でも、連絡しても」 爪の先端にポリッシュを。集中しても口は止まらない。 どちらにせよ手は震える訳だし。 今度は付け根から。案の定はみ出たから、 はにかみながらリムーバーで整える。 「いつだって、どこだって駆けつける。 約束したしな。安心して、生きようぜ。 毎日、ずっと、どこでも、一緒だよ。エリー」 トップコートでしっかりと保護。 ドライヤーで冷風を当てながら、微笑みを。 最後に、ネイルオイルを添えてマリーゴールドに輝きを。 「……どうよ?」 少しの緊張と共に、小指を恭しく持ち上げた。 (-462) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 11:49:14 |
カンターミネは、《今日もいい腕してるねえ》と鳴いた。テディが。 (a20) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 12:19:13 |
【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ「いいよお、ちょっとくらい、歪んでもお。」 「それはそれでえ。」 けたけた、それでいて控えめな笑い声。 あんまり笑うと揺れてしまうから、すぐにそうっと落ち着いた。 「…うん。」 「………うん。」 「…………………、うん…」 毎日。どこでも。いろんな場所で。 お互いを守るために決めた、月に2度の逢瀬。 自分の立場を思えば、絶対に捕まってはならないことに変わりはないけれど。 少しだけ、怯えは減った。王子様が傍にいてくれる。傍にいたい。 左手小指に咲いた太陽の花。 艷めくそれを見つめては、目を細める。 …これで、もう、忘れない。 大切なものを、間違えない。 (1/2) (-474) oO832mk 2023/09/17(Sun) 13:33:52 |
【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ「…えへへ〜。」 「ミネ、じょおずう。」 ――果報者だ。 大切なものが、ふたつもある。 ひとつはもちろん、あなた。 もうひとつは、…父親代わりの、papà gambalunga 。 そのどちらも守りたい。これからはこの小指を見る度に、そのことを思い出す。 手の甲に記した、メモみたいに。 「ありがとお、…ミネ。」 静かに、万感込めて女は言った。 そうしてまた幸福そうに、へにゃり、と笑う。 (2/2) (-475) oO832mk 2023/09/17(Sun) 13:35:57 |
【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ「どういたしまして、エリー。」 にへ、と笑顔を返して立ち上がる。 今度はちゃんとした着替えを用意した。 あなたのものと、自分のものと。 「……さあ、少し休んだら俺はベッドのお片付け! そして……『エーコ』は、朝帰りだな? なんか聞かれたら言わせんな恥ずかしいとか言っときな。 じゃなきゃ……首筋にもうひとつくらい付けとくか?」 へらへら笑ういつもの顔。『先生』にしては過激な発言。 その内に幸福と愛を込めて、頬をもう一撫で。 約束の通りに、これはあなたと共にある。 あなたを送り出してなお、魂はあなたと一緒に歩く。 情報を盗んで食らい、生きてきた。 人の口から出る言葉が、次の瞬間裏返るのを知っていた。 カンターミネにとっては、全てが疑う対象でしかなかった。 たったひとつ、あなたを除いて。 これからも、あなたは不動の位置に在り続ける。 何があっても。 (-481) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 14:19:47 |
【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ「ふふー。だいじょおぶう。」 「だあれも気にしないよお。」 母が亡くなってから、家はひとり暮らしだし。 そうして頬に触れた指先に面映ゆさを感じはにかんだ。 「…じゃあ。ミネ。」 ――大切な、あたしの王子様。 「いってきまあす。」 ひらりと手を振り、立ち去る指先に。 塗ったばかりのマリーゴールドが、煌めいていた。 あたしが、まもるよ。 …絶対に。 (-497) oO832mk 2023/09/17(Sun) 15:29:16 |
【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ「そりゃあ……よかったかなあ?」 気にしてくる奴が傍に居ないのを喜ぶべきか、 気にしてくる奴が傍に居ないのを心配するべきか。 まあ、後者は自分だからいいと言えばいいのか。 そんな事を勝手に考えてひとり頷く。 「はいよ、エリー。」 ――大切な、俺のお姫様。 「いってらっしゃい。」 身体は手を振り見送り、心は共に。 それから部屋に戻ってさあて、と一声。 「……ベッド買い直した方が早いかなこれは」 スプリングどころかその下まで水気が落ちていそうなほどの、 約束と……愛の結果を見て苦笑した。 (-506) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 16:07:04 |
カンターミネは、経費ってどこまで適用されるかな……と考え始めた。 (a26) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 16:08:57 |
カンターミネは、《待て!これは罠だ!落ち着いて目薬をさせ!》とテディが喋った。誰かが腹を押したらしい。 (a27) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 17:38:21 |
カンターミネは、《今《今日もいい腕して《今日も《今日もいい腕してるねえ》。連打にも対応している。 (a28) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 17:49:51 |
カンターミネは、《どこ触ってるんだよエッチな奴》《自爆スイッチ作動。半径5m以内を破砕します。5,4,3,2...》 (a29) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 18:07:58 |
カンターミネは、《このセリフを聞けたらラッキー!発生率2500分の1!》 (a30) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 18:24:16 |
カンターミネは、《ペネロペの噂。実は家では裸族らしい》《ダヴィードの噂。虫歯の治療が怖いらしい》嘘も混じっている。 (a31) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 18:25:52 |
カンターミネは、ぺふ。テディベアは倒れた。《どこ触ってるんだよエッチな奴》誤作動だ。 (a32) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 18:53:04 |
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